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2015年おすすめ作

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2011年7月31日 (日)

強烈な1974年のMiles Davisのブートレッグ

Unknown_new_york_1974 "Unknown New York 1974-Band Recording" Miles Davis(Hannibal)

これは凄いブートが現れたものである。先日,テナーの聖地,新橋Bar D2にお邪魔した時に聞かせて頂き,一発でまいってしまって,即購入を決意したものである。私が翌日,仕事の帰りに渋谷宇田川町に向かったことは言うまでもない。

いつも書いているが,私はブートレッグをこのブログではあまり取り上げたくないというのが本音である。しかし,こういうのを聞かされてしまうと,なんで正式リリースしないのかと言いたくなるが,本作はBand Recordingとあるので,あくまでも私的な録音である。それでも音は良好だし,マスターの状態もほぼ完璧(一部でボリューム・ダウンするが,気にならない程度)である。それにしても,こんな演奏のデータが残っていないなんてことがあるのだろうか?データを信じるならば,おそらくは1974年前半,それも"Dark Magus"(3/30録音)よりも前ってことになるのかなぁって感じである。こんな音源が未発掘だったこと自体が信じられないし,聴衆の数も多そうであるから,いつ,どこの演奏かぐらいはわかりそうなものだが...。

いつものように,ここでもお馴染みの曲が演奏されているが,それに加えて演奏される"Untitled Slow Tune"と"Untitles Funk Tune"が極めて新鮮。この2曲だけのためにこのブートレッグを買ってもいいぐらいだと言っては大袈裟か。しかし,本当にそう思えるぐらい痺れるのである。最近,このHannibalというブート・メーカーはいい「仕事」を連発しているが,これもやっぱり強烈である。ブートなので星はつけないが,これは「買い」だと声を大にして言いたい。

Miles_davis_bootleg_series_1 そして,皆さんご承知のとおり,ついにSony Legacyではとっくにブートで流通している1967年の黄金クインテットによる欧州ライブをついに公式リリースする。よくよく見ると"The Bootleg Series Vol.1"とあるので,まるでBob Dylanのようだが,Sony LegacyもDylan同様,Milesの様々な音源を遂に公式にリリースするという宣言のように思える。またも散財の予感がする私である(やっぱり病気)。

Recorded in New York in 1974

Personnel: Miles Davis(tp, org), Dave Liebman(ss, ts, fl), Pete Cosey(el-g, perc), Reggie Lucas(el-g), Michael Henderson(el-b), Al Foster(ds), Mtume(perc)

2011年7月30日 (土)

Kneebody:裏Dave Douglas Keystoneのような響き

Kneebody "You Can Have Your Moment" Kneebody(Winter & Winter)

先日,中古で拾った本作であるが,普通なら見逃していたかもしれないアルバムである。このジャケットも見たことがあるという記憶は全くなく,これって何?という感じで手に取ったところ,Adam Benjaminが全編でRhodesを弾いているだけでなく,ドラムスを除くメンバーがエフェクツも担当,更には編成はBenjaminも参加するDave Douglas KeystoneとDJがいないことを除けば同じということで,気になっての購入である。私は,Dave Douglas & Keystoneを現代最強のバンドの一つだと思っている(記事はこちら)のだが,本作に何となく同一性の匂いを感じ取ったと言っては言い過ぎか。

結果的にはその直感は結構当たっていて,Keystoneに近いサウンドが聞こえてきてまず嬉しくなってしまった。そもそもこのバンドのデビュー・アルバムはDave Douglasが主催するGreenleaf Musicからリリースされているので,Keystoneの弟分(?)な位置づけにあるのかもしれないが,それにしても結構似ている。だが,本作を聞いてよくよく調べてみると,前作"12 Songs of Charles Ives"はグラミーにもノミネートされているようなので,別にマイナーということではない。単に私が知らなかっただけなのである。

私はKeystoneの"Moonshine"に対して,「ハイブラウなエレクトリック・サウンド好きには結構たまらん作品」と評したが,この作品にもそれに近いものがあった。もちろん,Keystoneほどバンドとして入れ込めるかというとそこまでのインパクトはなかったかもしれないが,MP3でリリースされている彼らのライブはちょっと聞いてみたいと思わせるようなかなり私好みのサウンドと言ってよい。

まぁ自分の直感で購入して,ほぼ期待通りのリターンを得られた例であるが,だからこそ,知らないジャケットを見た時はメンツの確認は必要だということを改めて感じさせてくれた1枚である。星★★★★。

Recorded on January 27 - 29, 2009

Personnel: Adam Benjamin(rhodes, effects), Shane Endsley(tp, effects), Keveh Rastegar(el-b, effects), Ben Wendel(sax, melodica, effects), Nate Wood(ds) 

2011年7月29日 (金)

今日はお休みです

いろいろあって、今日はお休みです。

それにしても、こう飲んでばかりいると、そろそろ痛風発作が来そうで、ややびびっている私である。それなら飲まなきゃいいじゃんと言われるが、やめられるならとっくにやめているわけで、まぁ大病でもしないと無理だろうな。

2011年7月28日 (木)

聞けば聞くほど味わいが増すPat Methenyのカヴァー・アルバム

Whats_it_all_about "What's It All About" Pat Metheny (Nonesuch)

新譜と呼ぶには明らかに時期を失しているが,一応新譜扱いとさせて頂こう。それにしても随分と記事をアップするのに時間が掛かってしまった。このアルバムが発売されてすぐにゲットしていたにもかかわらずである。

実を言うと,私はこのアルバムを聞いて,あまりピンときていなかったのだが,それでも時間を置いて何回か聞いているうちに,だいぶよさがわかってきたというところかもしれない。そもそもベタと言われても仕方がない収録曲の「曲」としての良さはわかっているのだから,あとは演奏次第ってことになるが,ここでのMethenyによるある意味ストレートなメロディ・ラインの紡ぎ方に最初は違和感があったのではないかと思える。

しかし,何度か聞いていると,これはあくまでもPat Methenyのこれらの曲に対する敬慕の念が表れているように思えてきて,感じ方が変わってくるのである。ストレートなメロディと,そこに加えられるMethenyのインプロヴィゼーションのバランスも適切に思えるから不思議なものである。

弾いているのがPat Methenyであるから,まぁこれぐらいできるのは当たり前って気もするが,それでも相応の感銘を与えられるという事実は認めなければならない。アルバム中唯一テンポの上がる"Pipeline"のようなスリリングな展開の曲がもう1曲ぐらいあってもいいような気もするが,まぁ贅沢は言うまい。まさに曲に対するリスペクトを込めた演奏というのはこういうものなんだろう。ラストの"And I Love Her"を聞いて,昔,「トーキョー・ミュージック・ジョイ」でバレエ団と共演したPatが,確かこの曲をその時もソロでしっとり聞かせたことを懐かしく思い出してしまった。あれも調べてみれば1989年。もう22年も経ってしまった。

まぁ,それはさておき,このアルバムは私にとってPat Methenyのフェイヴァリット・アルバムとは言えないが,きっかけがあるごとにしょっちゅう聞いてしまいそうな作品,即ち愛すべき小品と言うことができそうな作品である。星★★★★。

Recorded in February, 2011

Personnel: Pat Metheny(g)

2011年7月27日 (水)

Do You Know Silvano Monasterios?

Fostered "Fostered" Silvano Monasterios(自主制作盤)

これが昨日書こうとして断念したアルバムである。今日はそのリベンジ・マッチ。

本作はショップの店頭で聞いていて思わず耳をそばだててしまったアルバムである。ピアニスト,コンポーザーとしてのこの人の名前は今まで聞いたこともなかったが,何とも私が反応したくなるようなサウンドだったのだ。プロフィールを検索するとヴェネズエラ出身ということや,真っ当な音楽教育を受けているようなのだが,特に見ず知らずのリスナーの関心を誘うようなキャラクターではないように見える。しかし,一聴すればわかるが,ここで聞かれる音楽は,よく書きこまれている音楽と言ってよく,非常によくできているのである。アレンジはよく効いているが,だからと言ってジャズ的な要素が希薄にもなっていないのも立派。しかもピアニストとしてのSilvano Monasteriosがかなりいいフレーズを連発して,おぉっ,この人は結構な才人かと思わせる。

だからと言って諸手を挙げて絶賛できないのはソロイストの弱さ,具体的にはトランペットのアドリブ・パートがあまりにも弱い点がどうしようもなく気になるのだ。ほかのプレイヤーがまともな中,一人だけ明らかにレベルが違うミュージシャンがいると演奏が台無しとは言わないまでも,妙に違和感が強い演奏になる最たる事例なのである。そういうこともあって,一聴かなり魅力的ではあるが,まともに対峙するとがっくりさせられる瞬間も多々あるのがこのアルバムの難点である。

だが,まったく私のレーダー・スクリーンには入ってこなかったにもかかわらず,これはこれでアンサンブルの楽しみを感じさせるアルバムであった。まぁ良くも悪くも,優秀な学生バンドが頑張って録音したアルバムって気がしないでもない。スタジオとライブが混じり合っているのもそういう理由かと勘繰りたくなるようなアルバム。でも才能は認めたいので星★★★☆。ついでに言っておくとサックスのBrandon Wrightは結構よかった。トランペット抜きのワンホーンの方がよかったなって感じである。

それにしても,Silvano Monasteriosって言って,知ってる人がどれぐらいいるのやら(と主題に戻る)。

Personnel: Silvano Monasterios(p), Brandon Wright(ts, ss), Seth Martin(tp, fl-h), John Daduraka(b), Noah Penn(ds), Erik Elligers(as), Aaron Mitter(b), Sam Howard(b), Peter Clagget(tp)

2011年7月26日 (火)

本日も…

昨日、本日アップしようと記事を書き始めたものの、筆の滑り(?)が悪く、間を置いて書こうと思ったのだが、そのまま眠りに落ちた私である。 ということで、今日もこんな記事になってしまった。明日は大丈夫だと思うが、最近、敏いとうとハッピー&ブルーではないが、「本当にダメな私ね〜」(笑)。

2011年7月25日 (月)

出張の道すがらには丁度良い本

Photo 「ジョーカー・ゲーム」 柳広司 (角川書店)

たまの出張で新幹線等に乗っていると,大体は睡魔に負けて熟睡している(しかも寝汗までかいている)ことが多いのだが,それでもずっとそういう状態が続くわけではないから,音楽を聞きながら本でも読もうかということになり,駅で文庫本を仕入れることがよくある。この本もその一冊。

私は実を言うと,好んでは短編を読まないのだが,それでも適当な時間である程度の物語を楽しめるのが短編小説のいいところであり,出張の道すがらには適しているという考え方もできる。私はこの本が結構評判になっていたのは知ってはいたのだが,入手するところまではいかなかったが,今回の文庫化で入手して読んでみたら,これが結構面白かった。全編を通じて登場するのは「魔王」と呼ばれる結城中佐であるが,各編での登場人物は異なっているものの,スパイ小説として一本筋が通った話になっていて,私としては結構楽しめた。

驚きのあるストーリー展開ではないものの,一貫性があるので展開に違和感はないし,ある意味,どの話においても,結論の付け方はウイットに富んでいるという言い方もできるかもしれない。ストーリにも特に大きな破綻はないし,結構よく出来たスパイ小説であった。もちろん,こんな人間がいるのかい!とケチをつけるのは簡単だが,そんなことを言ったら,007の映画なんて見てられないということになってしまい,007好きの私の自己否定になってしまうので,決してそんなことは言わない。

いずれにしても,様々な舞台を設定しながら,結城中佐という個性的なキャラクターが通奏低音のように流れていて,その辺が連作短編としてきっちりしたものになっていると思う。星★★★★。舞台も多様なので,この本は,映画好きで気楽に読める本を探している人にいいのではないかと思った。

そして,本作を映画にするなら,誰を結城中佐にキャスティングするだろうなぁとずっと思っていたのだが,まだ誰がいいか思いつけていない私である。

2011年7月24日 (日)

久しぶりに映画を見た。

Photo 「小川の辺」('11,東映)

監督:篠原哲雄

出演:東山紀之,菊地凛子,勝地涼,片岡愛之助,尾野真千子,松原智恵子,藤竜也

久しぶりに劇場で映画を見た。ここのところ,仕事が変わったこともあり,結構余裕のない生活を送っていたこともあり,劇場からも足が遠のいていたのだが,一体何カ月ぶりになるだろう?記事をアップしていない「ガリバー旅行記」以来だから,ほぼ3カ月ぶりか。

私は何度も書いているが,西部劇や時代劇が結構好きである。しかし,ここのところの藤沢周平ものの多さには若干違和感もある。ドラマとアクションを合体させやすいストーリーだというのはよくわかるが,ちょっと最近藤沢周平に頼り過ぎなんじゃないの?と皮肉の一つも言いたくなる。オリジナル脚本を掛けるシナリオ・ライターがいないってことの裏返しだが,まぁそれはさておきである。

この映画も藤沢周平らしい作品だと言えばその通りと思えるような作品であり,まぁストーリーとしても予定調和的である。それはそれでいいのだが,この映画の決定的な弱点は長谷川康夫,飯田健三郎による脚本だと思える。とにかく何でもかんでも回想で説明的にストーリーを語ろうという姿勢が気に入らない。どうにもこうにも辻褄合わせ的に思えてしまって,私は全然この映画に没入できなかった。シナリオは何でも語ればいいってものではなく,「引き算の美学」というか,鑑賞者の感覚に委ねる部分があってもいいはずである。私は常々言っているが,映画の良し悪しはシナリオ次第の部分が大きいのである。この映画はそれがダメだと思わせる典型例である。

Photo_2 シナリオの出来が悪いのに加え,あまりにも演技が稚拙な部分があるのも見ていられない。子役は仕方がない部分もあるかもしれないが,途中で挿入される仇討ちのシーンの演技は何なんだ?ほとんどストーリーに不要な挿話での演技がボロボロでは,それこそ何のためのシーンかわかったものではない。これもある意味シナリオの弱点とも言えるのである。そうした中で,こういう稚拙な演技に満ちた映画を救っているのは松原智恵子だろうなぁ。また,セリフは多くないが,尾野真千子の日本髪はなかなか良いなんて思ってしまった。映画は気に入らずとも,少しでもいいところ(大体女優がどうのこうのってのばかりだが...)を見つけようという私の心情である(苦笑)。

映画は静的な展開から,最後の決闘のシーンに行きつくわけだが,この殺陣もどうなんだろうなぁ。斬り合いの殺気のようなものが感じられず,こんなもんじゃないだろうと思わせるものでガックリ。東山紀之は悪いとは思わないが,それでもこの映画は星★★程度にしか評価できない。私は同じ藤沢周平の原作なら昨年の「必死剣 鳥刺し」の方をはるかに高く評価する。

2011年7月23日 (土)

またも記事を書きそこなう

最近,本当にこういう感じが多いなぁ。ということでさぼり癖をつけてもいけないので,情報を一つ。

Nonesuchレーベルの情報によれば,Brad Mehldauの新作が9/20にリリースされる。その名も"Modern Music"である。本作はPatrick Zimmerliのアレンジした曲をBrad Mehldau,Kevin Haysがピアノ・デュオで演奏するというもの。彼らのオリジナルに加え,Steve Reich,Ornette Coleman,Phillip Glassの曲をやってしまうということで,興味津々である。早く来い来い発売日。

2011年7月22日 (金)

Gretchen Parlato:これは確かにいいわ

Gretchen_parlato "The Lost & Found" Gretchen Parlato (Obliq Sound)

電脳世界のお知り合いの皆さんが高く評価されているアルバムである。私はジャズ・ヴォーカルをあまり好んで聞く方ではないことはこのブログでも書いているが,ヴォーカルが嫌いということではない。女性ヴォーカルではJoni MitchellやらLaura NyroやらRickie Lee Jonesやらと好きなシンガーは沢山いるので,所謂ジャズ・ヴォーカルとは違う世界での女性ヴォーカルは結構好きなのだ。そんな私が聞いてこのアルバムはどうだったか。

思うにこのアルバムは,典型的なジャズ・ヴォーカル・アルバムとは一線を画している。サウンドがずっとコンテンポラリーなので,私にはカテゴリーなど関係ない女性ヴォーカルとして聞けてしまったところがまずいい。また,Gretchen Parlatoの声がまた魅力的でポイントが高いのだが,私が評価したいのはバックの演奏とのバランスである。特に私がRhodes好きということもあって,Rhodesによる伴奏の曲に対するシンパシーが非常に強いが,このサウンドが本当に魅力的なのである。いずれにしても,ヴォーカルとバックの演奏の「対等感」が強く感じられるところに,バンドとしてのグルーブさえ感じさせるところが素晴らしいのである。

そして,このGretchen Parlatoはデビュー以来,必ずWayne Shorterのオリジナルを収録してきていて,今回は"Juju"である。こういう選曲をするところに,この人の出自を感じさせて非常に興味深いが,それ以外の選曲も"Blue in Green"はあるわ,オリジナルはあるわ,更にSimply RedやらLauryn Hillを交えてしまうところにこの人の指向が見えてくるようにも思える。

私がジャズ・ヴォーカルに関しては蘊蓄を披露することはできないとしても,このアルバムを聞けば,Gretchen Parlatoという人はずっと広いレンジで捉えられるべき優れたミュージシャンという理解である。お知り合いの皆さんが高く評価するのも当然と感じられる傑作。これならばRhodesの響きも魅力的なので,ちょっとオマケもありの星★★★★★である。このアルバムは,独自の判断だったら絶対聞いていなかっただろうが,これをネット上でご紹介頂いたお知り合いの皆さんに感謝したくなってしまうような優れた作品。

しかし,ここで共同プロデュースを行っているRobert GlasperとGretchen Parlatoのつながりってあまり想像できないと思うのはきっと私だけではないだろう。それでも,こんな作品が出来上がるのなら,それはそれで素晴らしいことだと思う。

Recorded on August 19-21, 2010

Personnel: Gretchen Parlato(vo, perc), Taylor Eigsti(p, el-p, org), Derrick Hodge(b), Kendrick Scott(ds), Dayna Stephens(ts), Alan Hampton(g, vo), Robert Glasper(key)

2011年7月21日 (木)

なぜだ!中村とうようの死を惜しむ。

中村とうようが亡くなった。なぜ彼が自死という手段で世を去ったのか知る由もないが,音楽評論において,さまざまなジャンルを越境したと言う意味で,彼が果たした役割は大きいはずだ。私はニューミュージック・マガジンの頃からの現「ミュージック・マガジン」の愛読者だが,同誌が音楽界に与えた影響は大きいし,私の雑食性に輪を掛けたのも同誌だったと言っても過言ではない。同誌の最新号はまだ入手していないが,最後の「とうよう’s トーク」には何を書いたのか...。

ここに生前の中村とうようの活動に感謝するとともに,心から哀悼の意を表したい。惜しい。あまりにも惜しい。

I am givin' up

また飲み過ぎた私には音楽を語る気力は残っていないようだ。 最近、こういう言い訳記事が本当に多くなったが、まぁ、私も年なのでお許し願いたい。だが、それにしても情けない限りである。

2011年7月20日 (水)

サイドマンとしてのWayne Krantzとしてはこれが一番いいような...。

John_escreet_2 "The Age We Live in" John Escreet (Mythology)

毎度毎度書いているが,私はWayne Krantzのファンである。よって,Krantzが参加しているという理由だけで,ついついアルバムを買ってしまうのだが,そこにおけるKrantzの露出度が必ずしも高くなくて,結構がっくりくることが多いのも事実である。本作は,そんなことを思いながらも,今回もやっぱり買ってしまったKrantz参加作であるが,これが私がこれまで聞いたKrantzがサイドマンとして参加したどのアルバムよりもいけていると感じてしまった。

そもそも基本編成がベースレス,ワンホーン,ギター入り+キーボード+ドラムスということはサックスの種類は違えどもChris Potter Undergroundのようではないか。そのUndergroundのオリジナルのギタリストがKrantzだったことからすれば,当然期待も高まるわけだが,この作品はそれこそ裏Undergroundのような音がする。無茶苦茶カッコいいのだ。

全編を通して,それこそ変態ファンクとも言うべき音楽が展開されているが,やはりUndergroundのテイストを感じてしまう私である。基本のメンツとなる4人はバンドとしてNYCの55 Barにも出ているから,そういうところもUnderground的だと思ってしまう。それでも,Undergroundのコピーというのではなく,このバンドにはこのバンドらしい個性も,特にEscreetのホーンやストリングスのアレンジから感じられる。そのアレンジ感覚,どこかで聞いたようなことがあるなぁと感じていて,思いだそうと努力したのだが,達した結論がおそらくはWayne Shorterの"High Life"の"Children of the Night"のようなサウンドではないかというものだった。基本的には変態的なファンクなのだが,時折そういう音が顔を出すのが非常に面白いと感じた私である。

しかし,上述の通り,この作品ではKrantzの露出度も高く,Krantzファンは納得できる作品だと思うし,バンド全体のグルーブも(Steve Coleman Five Elements + Chris Potter Underground)÷2みたいな感じでその手のサウンドが好きな私としては,年甲斐もなく通勤電車の中でかなり興奮してしまった。

John Escreetはそもそも英国出身で,現在はNYCに在住らしいが,出ている音は現在のNYCらしいと言うべきだろう。そもそも彼がライブでやっているメンツを見れば,やはり...と思わせるミュージシャンが並んでいるが,こんな音楽が55 Barから聞こえてきたら,私だったらあの狭い店の中に確実に吸い寄せられていったであろうこと間違いなしのアルバム。星★★★★☆。

ちなみにこの基本構成の4人からEscreetを抜いて,変わりにベースのTim Lefebvreが入ったバンドのライブ音源がDavid Binneyのサイトで購入できるが,これも相当カッコいいのは言うまでもない。実はBinneyのサイトにはそういう音源が結構あって,気になっているのだが,まだまだ押さえきれていないのが実情である。Krantz入り音源だけでも買おうかなぁ(爆)。

Recorded in March & April, 2010

Personnel: John Escreet(p, key), David Binney(as, electronics), Wayne Krantz(g), Marcus Gilmore(ds), Tim Lefebvre(b), Brad Mason(tp), Max Seigel(tb), Christian Howes(strings)

2011年7月19日 (火)

ギャンブル成功:ジャケ買いだったが,これは大当たりだったCelso Sim & Arthur Nestrovski

Pra_que_chorar "Pra Que Chorar" Celso Sim & Arthur Nestrovski (Biscoito Fino)

ジャケの雰囲気だけでも音が聞こえてきそうな時がある。だいたいそういうアルバムは,実際に音を聞かないで購入しても,そう大きくずれるサウンドが聞こえてくることはない。もちろん,大はずれを食らって,自分の選択の誤りを反省することもそれなりにはあるので,ちょっとした不安を感じながらそういうCDを初めてプレイバックするときには相応の緊張感があると言ってもいいかもしれない。

しかし,このジャケットである。これがどう見てもよさそうだったのだ。ギター1本を伴奏にヴォーカルが乗るという編成。どちらのミュージシャンも全然知らないが,私はこのジャケに賭けたと言ってもいいだろう。そして結果は吉と出た。

私もギタリストのはしくれ,かつ昨今の主楽器がクラシック・ギターになっていることもあり,もちろん伴奏にも関心はあるが,まず私が気に入ってしまったのがCelso Simの声である。何とも透明感のある声でこれがよい。更にそれを支えるArthur Nestrovskiのギターも素晴らしい。この人,サンパウロ交響楽団の芸術監督を務めているらしいから,基本的にクラシック畑の人のはずなのだが,ここで聞かれる感覚は純粋ブラジル音楽って感じで,過度にクラシック的にならないのがこれまたよい。更に,Arthur Nestrovskiのオリジナルがなかなか魅力的なメロディを持つものであり,かなりの引き出しを持つ人という感じである。更にシューマンやシューベルトまでアダプテーションして訳詞やアレンジもしてしまうという懐の深さなのである。

全体のトーンを聞けば,Celso Simの声とも相俟って,まさに真夏の清涼剤的なサウンドであり,ブラジル音楽のよさをつくづく感じさせる作品となっている。これは私にとってはこの夏の必須アイテムとなったと言ってもよいかもしれない作品である。正直,相当好きだなぁ。星★★★★☆。

Recorded between November 2009 and February 2010

Personnel: Celso Sim(vo), Arthur Nestrovski(g)

2011年7月18日 (月)

おめでとう,なでしこジャパン!

2 これこそ快挙である。予選リーグでイングランドに敗れ,クォーター・ファイナルでのドイツとの対戦が決まった時,ベスト8どまりかと思わされたが,見事に最強ドイツを撃破,ファイナルまで勝ち上がり,そして今回の勝利である。

決勝戦は,米国のスピード感溢れる攻撃と早いプレスに手も足も出ないという感じの前半,更にはカウンター一発でゴールを決められた1点目(それにしても見事なAlex Morganのゴール。敵ながらあっぱれ。),延長前半で決められ,決定的とも思えた2点目という逆境をはねのけ,同点に追いついた末のPK戦勝利はあまりにも劇的であり,私は心から感動し,そして涙した。素晴らしいチームである。

決勝戦の戦いぶりも決してほめられたものではないかもしれない。しかし,勝てば官軍である。パスの精度の低さも,クリアの小ささも,シュートのタイミングの悪さも全て今回は許す。宮間の1点目はよくゴール前に詰めていたし,澤の2点目には誰しもが驚かされたはずである。そして,スポーツの世界での日本人は逆境やプレッシャーに弱いというのが通常だが,なでしこジャパンはチームとしてそうした概念を覆したという点で評価されるべきだと思う。

震災の爪痕がまだ残る日本において,今回の快挙は多くの日本人に勇気と感動を与え,くじけない心を強く印象付けた。こうした力を見せられる日本はまだまだ捨てたものではないと思わされると同時に,心底感動させられてしまった私である。

おめでとう,そして,ありがとう。これほど泣いたのは久しぶりだ。

そして敗れたとは言え,米国チームの実力の凄まじさはまさに驚異的であった。また,敗戦後のAbby Wambachの対応ぶりはまさにスポーツマンシップに満ちたものであり,彼女の人格的な素晴らしさにも多くの人が感動したことだろう。本当の実力世界一はきっと彼女たちだというプライドを持つに値する見事なチームであったと思う。

Who is Rudresh Mahanthappa???

Apex "APEX" Rudresh Mahanthappa & Bunky Green (Pi Recordings)

米国Down Beatの8月号で国際批評家投票の結果が発表になっているのだが,この投票を見ていて面白いと思うのは,"Rising Star"で次代を担うであろうミュージシャンについての投票結果である。以前は「より注目に値するミュージシャン」というカテゴリーだったはずだが,最近は変わったようである。いずれにしても,あまり日本では知られていなくても,こういうところに顔を出してくる人は注目しておいてもいいと思う。

そして今回,私が不勉強で全く知らなかったのが,その"Rising Star"ではなく,堂々ほんちゃんのアルト・サックス部門の1位となったRudresh Mahanthappaである。これまで名前すら聞いたことがないこの人がなぜこのような評価をされるのか,興味がわくのが当然ということで,彼の最新作である"APEX"を聞いてみた。

そもそもDown Beatの批評家投票では,尖ったミュージシャンがより高い評価を得る傾向があるように思えるものの,この人,Lee Konitzに28票差をつけての断トツのトップなのである。この人が,トラディショナルなタイプのミュージシャンでなかろうということはここに参加するミュージシャンを見ても明らかではあるが,一聴してやはりかなりハイブラウな音が聞こえてきた。まさにイースト・ヴィレッジのマイナーなクラブで聞こえてきそうな音である。一方のBunky Greenも教育者としてもGreg OsbyやSteve Colemanに影響を与えたということだから,その音楽性は推して知るべしではあるが,御年76歳である。それでこの音楽は強烈と言わずして何と言うべきか。ご老体恐るべしではあるが,音楽としてはこれはまさに現在の米国のジャズ・シーンの断面を切り取ったものと考えてよさそうだと思わせるところも凄いことではないか。

曲はMahanthappaの出自たるインディアン・フレイバーを感じさせるものもあって,このあたりが日本人のリスナーにはどうかなと思わせる部分がないわけでもないが,それでもここで展開される音楽はかなりのスリルとともに迫ってくる。このハイブラウな感覚を持ちながら,"Lamenting"ではメランコリックな表情も見せるところのバランスも悪くない。これはかなりの実力だということはよくわかるアルバムである。

逆に言えば,フリーの手前で留まりながら,こうしたタイプの演奏を展開しているところが,ポピュラリティとしては今一歩になってしまう部分も感じさせる。高く評価はされるが,一般には必ずしも受けがよくないという感じかもしれない。しかし,これまで全然知らなかったこういう人が,米国ジャズ界では高く評価されているということを知る意味でもこのアルバムはよかった。今後の活動への期待も込みで星★★★★☆。

ちなみにこのRudresh Mahanthappaだが,現在,Jack DeJohnette Groupの一員として活動しているようである。このバンド,ほかにDavid Fiuczynski,George Colligan,そしてJerome Harrisという面々である。今でもDeJohnetteはとんがっているだねぇと思いつつ,彼が本作に参加しているのもそうした縁ということなんだろう。

Personnel:  Rudresh Mahanthappa(as), Bunky Green(as), Jason Moran(p), François Moutin(b), Jack DeJohnette(ds), Damion Reid(ds)

2011年7月17日 (日)

定冠詞付きのハード・フュージョン:Abstract Logixレーベルのオールスター・ライブ

New_universe "Abstract Logix Live: The New Universe Music Festival 2010" Various Artists (Abstract Logix)

既に当ブログでも書いた通り,Abstract Logixのライブ盤が到着した。正式リリースに先駆けて,予約者には早めに送ってくれるという心遣いも嬉しいが,ついでにTシャツもゲットしてしまった私である(毎度のことながら好きだねぇ)。

Ablx_musicfest2010_shirt350 いつも書いているように,近年のハード・フュージョンの世界で,このレーベルが果たしている役割は極めて大きいと思うが,ここに集ったメンツを見ても,おぉっとなるその筋の好き者は多いはずである。これだけのメンツが揃っていて,各バンドが1~3曲っていうのはちょっともったいないような気もするが,それでもこれはかなり満足のいくライブ盤と言っていいだろう。

中でもWayne KrantzはAnthony JacksonにCliff Almondという強力なメンツを得て,1曲しかないのが惜しいという出来を示している。好きだからってのもあるが,ここでのKrantzはかなりよい。

そのほかのバンドも,Alax Machacekのウネウネ感,Jimmy Herringの優れたフレージング,まるでJoe ZawinulのようなHuman Element(ここでのドラムスはGary NovakではなくRanjit Barot),相変わらずのJohn McLaughlinと聞きどころ満載である。Human ElementとRanjit Barotのバンドなんて,メンツが結構かぶっているのに,全然違う音楽性を聞かせるのも面白かった。

いやいやこれは聞いていて爽快というか,この手の音楽が好きな人間にはたまらない出来である。9月にはDVDもリリースされる予定だが,これなら買いだな。全部が最高とは言わない。でも現在のハード・フュージョンを語る上では避けては通れまい。星★★★★☆。

尚,下記のパーソネルはバンドそれぞれのメンツを記しているので,かぶりもある点にはご注意願いたい。

Recorded Live in Raleigh on November 20 & 21, 2010

Personnel: Alex Machacek(g), Jeff Sipe(ds), Neal Fountain(b) / Ranjit Barot(ds, vo), Bala Bhaskar(vln), Scott Kinsey(key), Matthew Garrsion(b), Arto Tuncboyaciyan(perc, vo), Wayne Krantz(g) / Scott Kinsey(key), Matthew (Garrison), Arto Tuncboyaciyan(perc, vo), Ranjit Barot(ds) / Jimmy Herring(g), Neal Fountain(b), Matt Stocum(key), Jeff Sipe(ds) / Wayne Krantz(g), Anthony Jackson(b), Cliff Almond(ds) / Lenny White(ds), Jimmy Herring(g), Tom Guarna(g), Richie Goods(b), Vince Evans(key) / John McLaughlin(g), Etienne M'Bappe(b), Gary Husband(key, ds), Mark Mondesier(ds), Zakir Husain(tabla)

2011年7月16日 (土)

間もなく半世紀

明日7/17で私は50歳になるのだが、自発的に音楽を聞くようになってからは約40年というところか。 思えば最初はラジオから聞こえる音楽を聞きながら、かなり早い時期から洋楽指向だったなぁと思う。聞く音楽はどんどん雑食性を増したが、ポップス→ロック→プログレ→ジャズと嗜好は変化しながらも、そこにクラシックやソウル、ブラジルも加わり、ますます分裂症的傾向が増している。だから病気だと言われるのだが、好きなものは仕方がないのだ(と開き直る)。 残りの人生がどの程度かはわからないが、多分大した変化もないことだろう。しかし、これからも人生に潤いをもたらす優れた音楽に出会えればと思う。 もちろん、はずれをつかむこともあるが、全勝の人生なんてありえない。それもまた勉強である。 なんてことを書きながら聞いているのはSalif Keitaの"Amen"。相変わらず食も音楽も何でもありだなぁ(笑)。

2011年7月15日 (金)

ちょっと寄り道:Fabrizio Bossoが本当にいいと思ったアルバム

Michel_polga "Michele Polga Meets Fabrizio Bosso Live at Panic Jazz Club" Michel Polga (abeat)

今日はAbstract Logixのライブ盤を取り上げるつもりだったのだが,ちょっと寄り道である。唐突であるが,私はイタリアン・ハードバップが嫌いなわけではない。High Five の音源にシンパシーを感じる部分もあれば,爽快感をおぼえることもある。だが,トランペッターとしてのFabrizio Bossoは私の中ではPaolo Fresuよりもかなり評価が低い状態が続いてきた。心に響かないのである。それでも,昨年彼のライブを見に行くチャンスがあって,かなり見直したのも事実だが,それでもミュージシャンとしてはFresuの方がはるかに上だと相変わらず思っている私である。

そんな私ではあるが,今回聞いたこのアルバムでは完全にBossoを見直した。本作はハードバップと言うよりも,イタリアン・モーダル・ジャズって感じなのである。そうしたサウンドの中で聞こえるBossoのラッパは,元気印ハードバップの時よりも何倍も魅力的に思えてしまったのである。これはある意味不思議ではあったが,私はBossoにはこういうサウンドの方がフィットしているのではないかと感じる。

収録された曲には"Re-Trane"なんて曲もあって,明らかに"A Love Supreme"の響きが聞こえたりして,サウンドがイタリアっぽくないのも事実である。しかし,このライブ・セッティングにおいて聞かれるこのクインテットの演奏は,60年代のモード・ジャズが現代によみがえったような感覚を覚えさせるもので,ある意味これは私には想定外の音だったのだが,逆に極めて新鮮に響いたのだ。Fabrizio Bossoって何でも吹けるよねぇとも思っていたのだが,ここまでだとは思っていなかった,と告白してしまおう。

本作は,私がイタリアン・ハードバップに感じているところ(ある意味楽しく,ある意味退屈)をかなりのレベルで払拭してしまったということで,このアルバムは高く評価したいと思う。まじでBossoに驚かされたということも含めて星★★★★☆としてしまおう。これはかなりいいと思う。

Recorded Live at Panic Jazz Club, Marostica, Italy on September 15, 2010

Personnel: Michele Polga(ts), Fabrizio Bosso(tp), Luca Mannutza(p), Luca Bulgarelli(b), Tommaso Cappellato(ds)

2011年7月14日 (木)

Abstract Logixのライブ盤到着。

待望のアルバムがデリバリーされて、一回聞いたところで、記事をアップしようと思ったのだが、今日は力尽きた私である。また、明日以降に記事を書きたいが、ベスト・テイクは直感的にWayne Krantzだと思った私である。それが正しいかどうかは改めて。

2011年7月13日 (水)

夏の珍事?New Orderを聞きまくっていた私。

New_order "Retro" New Order(London)

このアルバムはNew Orderのコンピレーションだが,その制作には結構金が掛かっているだろうということは容易に想像できる4枚組である。4枚ともにちゃんとした選者がコンパイルしているという編集方針も立派(ちなみに"Live"の選者はPrimal ScreamのBobby Gillespieである)。しかも,英国盤には"Retro:Rare"というオマケ盤が付随していたのだ。このオマケ盤付きの5枚組が日本にどれぐらい入ってきたかは謎なのだが,5枚目だけというかたちでもオークション・サイトですぐに(かつそれほど大枚はたかずとも)ゲットできるから,これが欲しい~という方は当たってみるといいだろう(ちなみに私はそうした)。


いずれにしても,何も知らない人が聞いて,このバンドの前身がJoy Divisionと信じられる人がどれぐらいいるんだろうなぁ。

主題では夏の珍事と書いたが,実は私は結構New Orderが好きなので,珍事でもなんでもない(笑)。このコンピレーションも久しぶりに聞いたが,やっぱり好きだなぁ。演奏能力?野暮なことは言わない,言わない。

2011年7月12日 (火)

Michael Franks:変わらないねぇ。

Michael_franks_time_together "Time Together" Michael Franks(Shanachie)

私が初めてMichael Franksを意識したのはDave Grusinがオケと共演したライブ("Dave Grusin and the NY/LA Dream Band"ってタイトルでCD化された)にゲストで登場した時だったと思う。その頃には,ちゃんと売れていたはずだが,別に当時の私は彼には何の興味もなかったし,ライブではガチガチに緊張しているのが痛々しいぐらいで,「俺には縁がないな」なんて思っていたのが実態である。

しかし,不思議なもので,それから暫くして,私がNYCに在住している頃,当時愛聴していたWQCD-FM (CD101.9)でしょっちゅうエアプレイしていて,彼の世界に深く足を踏み入れてしまったことは"Art of Tea"をこのブログで取り上げた時にも書いた。その頃リリースされたのが"Blue Pacific"で,私は後追いで"Art of Tea"やら"Sleeping Gypsy"やらを購入したクチである。ということで,私は正統派のMichael Franksファンではないわけだが,この脱力感は一度はまると抜けられないのである。

そんなFranksの新譜だが,既視感たっぷりの音というか,Michael FranksはどうやってもMichael Franksなのだと強く感じさせる一作となっている。特にラストの"Feathers from an Angel's Wing"なんて,前にどこかで聞いたように感じさせる最たる事例だろう。ワンパターンと言えば,その通り。しかし,ワンパターンの何が悪い!と言いたくなるような,ファンの期待に応える一作である。

冒頭からして"Now That the Summer's Here"である。「もう夏なんだから!」みたいな曲名で今の日本にぴったりであるが,この湿気たっぷりの日本には何とも心地よいボサノバ・サウンドである。そのほかにも"Summer in New York"とか,今回のテーマは夏ですかい?とも思わせる。いずれにしても,ここでのFranksにはブラジリアン・テイストの方がフィットしていて,ジャズ的なアレンジの曲は今イチ感が強いのはちょっと残念である。このあたりのプロダクションには改善の余地があるように思うが,まぁそれはそれである。全体を通じて聞けば,ちょっと甘いかもしれないが星★★★★としてしまうのはファンの弱みか。いずれにしても,私が一番好きなのは先述した既視感たっぷりのラスト曲だろうなぁ(笑)。

Personnel: Michael Franks(vo), Chuck Loeb(g, key, ds, prog), David Spinozza(g), Romero Lubambo(g), Gil Goldstein(p), Charles Blenzig(p, key), Clifford Carter(key), Will Lee(b, vo), Greg Cohen(b), Mark Egan(b), Scott Petito(b), Jay Anderson(b), Tim LeFebvre(b), Wolfgang Haffner(ds,  perc), Shawn Pelton(ds, perc), Jerry Marotta(ds), Billy Kilson(ds), Joe Bonadio(ds, perc), Roger Boccato(perc), Mike Mainieri(vib), Eric Marienthal(as), David Mann(sax), Till Bronner(tp), Alex Sipiagin(tp), Carmen Cuesta(vo), Lizzy Loeb(vo), Veronica Nunn(vo), Beth Nelson Chapman(vo)

2011年7月11日 (月)

懐かしいなぁ:Steve Miller Band

Book_of_dreams "Book of Dreams" The Steve Miller Band (Capitol)

今を去ること約35年前,私がSteve Miller Bandに痺れてしまったのは,TVで"Fly Like an Eagle"期のビデオを見たことによるものである。私は子供の頃から,音楽については雑食だったが,プログレやハード・ロックを聞きながら,Doobie Brothers等のアメリカン・ロックも結構好きで,そうした嗜好に彼らの音楽がジャスト・フィットしてしまったのだから,何とも訳のわからん中学生であった。

Steve Miller Bandが人気のピークにあったのは"The Joker"~"Fly Like an Eagle"~"Book of Dreams"の3作ってことになろうが,その後突発的に"Abracadabra"にヒットを飛ばしたこともあった。しかし,彼らの活動のピークも人気にリンクしてこの3作の頃というのは間違いない事実だろう。私は聞いたことはないが,60年代にはBoz Scaggsも在籍したり,その後はBen Sidranも参加したりとそういう人脈でも注目されていたが,私にとってはこの3作のうち,後者2作こそが彼らの音楽ってことになってしまうのである。リアルタイムだったしねぇ。

今回,iPodに突っ込んで久しぶりにこのアルバムを聞いてみたのだが,"Fly Like an Eagle"よりはかなりポップな感覚が強くなっているが,これはこれでやっぱり楽しめるよなぁなんて思ってしまった。もちろん,痺れるような感覚はないので,私にとってはアルバム単位としては"Fly Like an Eagle"の方が上だという認識にも変わりはないのだが,私にとっては初発時にこのLPを買ったという同時代感こそが重要なのである。"Jet Airliner"なんてチャート・アクションもよかったしねぇ。今にして思えば詞も含め大した曲ではないが(苦笑)。

Steve Millerによれば,本作と"Fly Like an Eagle"はほぼ同時に録音されていたようなのだが,どちらかと言えば"Fly Like an Eagle"がウェットな感覚を持っているのに対し,こちらはかなり軽くて明るい感覚が強いように思える。もはや懐かしいとしか言いようのないシンセのサウンドで始まる冒頭の"Threshold"からキャッチーなリフを持つ"Jet Airliner"への流れには時代を強く感じさせたり,その一方で"Winter Time"や"Wish Upon a Star"のようなマイナー・ムード歌謡みたいな曲もあって,結構今にして思えばバラエティに富んだアルバムだったのである。"Wish Upon a Star"に続いて"Jungle Love"のような曲が聞こえてくると,ある意味ギャップが大き過ぎて笑ってしまうが。

いずれにしても,この作品は歴史に残るような名品ではないし,しょうもないと言ってしまえばその通りだろう。しかし,1970年代,あるいはよりスペシフィックに言えば,1977年というタイミングでこういう音楽を好んで聞いていた自分を懐かしんでしまった私である。星★★★★。結局,私も年を取ったということなんだろうなぁ(苦笑)。

でも,アメリカに行くと,(確か)DHLのTVコマーシャルで,"Fly Like an Eagle"が使われていて,つい反応しちゃうのもやっぱり年?

Personnel: Steve Miller Band(Steve Miller, Byron Allred, Gary Mallaber, David Denny, Lonnie Turner, Greg Douglass) with Norton Buffalo(hca), Les Dudeck(g), Kenny Johnson(ds), Jachym Young(p), Charles Calmise(b), Curly Cooke(g), Bob Globb(b)

2011年7月10日 (日)

ジャズの新譜は夏枯れ状態?

今年の前半はかなり優れたジャズ・アルバムが多くリリースされて,豊作だと思っているのだが,7月に入った途端,ある意味夏枯れのような状態が続いている。

これまでに購入済みのアルバムでも,まだ記事としてアップしていないものも多数あるのだから,そんなことはどうでもいいではないかとも思えるのだが,それでもここのところ,食指を動かされる作品があまり見当たらないように思える。これは私だけが気がついていないだけかもしれないが,6月までのハイペースな佳品の連発に比べれば,おそらくはそんなに大した作品はリリースされていないように思える。

そんな状態なので,少なくともジャズに関しては新譜買いは一服ってところなので,最近は敢えてiPodに入れていなかった本来の愛聴盤(というか常に取り出しやすい位置にあるアルバム群)もiPodに突っ込んで,久しぶりに聞くという機会が増えている。決して温故知新ということではないのだが,例えば次のような音楽である。ジャズのアルバムではないものばかりだが...。

Michael Jackson "Off the Wall"

Chicago "Live at Carnegi Hall Volume 1 ~ Volume 4"

Steve Miller Band "Fly Like an Eagle", "Book of Dreams"

John Hiatt "Bring the Family", "Slow Turning", "Stolen Moments", "Beneath the Gruff Exterior" 等々。

しかし,よくよく考えてみれば,取り出しやすい場所に置いておきながら,これらのアルバムをちっとも聞いていないことに愕然とさせられた私である。だからいつも家人に次のように言われるのである。

「あんたさぁ,一生のうちに一回しか聞かないCD,何枚持ってるわけ~???」(爆)

だからと言って,買う枚数を減らすことができない私はやっぱり病気?ダウンロードへの移行を本当に進めるべきかもしれないと思ってしまった。でも少なくとも,手持ちのCDのリッピングはさっさと進めた方がよさそうである。それにしても困ったものである。

2011年7月 9日 (土)

今日はお休みです。

また,記事を書きそこなってしまった~。ということで今日はお休みです。

2011年7月 8日 (金)

ジャンルを越境するMe'Shell Ndegéocello

Meshell "The World Has Made Me the Man of My Dreams" Me'Shell Ndegéocello (Emarcy)

私がこのMe'Shell Ndegéocello(長いので以下MNと略す)という人に出会ったのは彼女の"Peace Beyond Passion"というアルバムだったが,それが本当に素晴らしい作品で,私は一発でこの人に痺れてしまったのであった。今でもMNの最高傑作は"Peace Beyond Passion"だと信じている私である。だったら,そっちのアルバムについて書けばいいじゃないかという声もあろうが,今日は本作である。

このアルバムはいつものMNって感じで,軽くソウルもファンクもワールド・ミュージックもジャズも超越してしまう彼女のスタイルがよく出た作品で,これはこれで非常に楽しめると思う。NYCのイースト・ヴィレッジあたりにあるやや先鋭的なバーで流れていても不思議はなく,サウンド的にもバランスがよいものだと思う。だが,このアルバムがジャズ・ファンに注目されるとすれば,それはPat Methenyが一部で参加しているからと言ってよい。だからと言ってPatが弾きまくるって感じではなく,あくまでも伴奏に徹しているのだが,その他にもこれは...というジャズ・ミュージシャンが結構参加していて,彼女の人脈の広さを示していると言ってもよいだろう。

人脈の広さ=音楽の間口の広さという考え方も成り立つわけで,彼女のことを私が越境型ミュージシャンと感じるのは,こうした交流を通じて培われたところもあるのではないかと思う。いずれにしても,いろいろなスタイルを消化しながら,最終的にはMN色に染めるところがこの人の大したところである。私の場合,彼女のアルバムが出ると何だかんだと言っては買ってしまうのだが,音楽に対して偏見を持たずに聞けるリスナーには,この人の音楽性は受けるのではないかと思っている。雑食性リスナーの私らしいテイストと言えばそれまでだが,それでもこの人の才能は高く評価していいと思う。そうでなければこんなにミュージシャンは集結してこないだろう。

しつこいようだが,私にとってのMNの最高傑作は"Peace Beyond Passion"であり,それに比べれば,やや落ちるものの星★★★★には相当する佳作である。

Personnel: Me'Shell Ndegéocello(vo, b, g, ds, perc, key, org), Brandon Ross(g), Mike Severson(g), Herve Sambe(g), Rhamis Kent(g), Pat Metheny(g), Doyle Bramhall(g), David Gilmore(g), Daniel Jones(key), Jason Lindner(key), Mark Kelley(b), Deantoni Parks(ds), Rhamis Kent(ds), Gilmer Gomes(perc), Dave Vieira(perc), Oliver Lake(sax), James Newton(fl), George McMullen(tb), Graham Haynes(cor), Hamsa Yusef(vo), Daniel Jones(vo), Farenheit(vo), Sy Smith(vo), Thandisa Mazwai(vo), Amatus-Sami(prog), Jack Bean(spoken words)

2011年7月 7日 (木)

Roxy Musicの"Avalon"こそ傑作の名に相応しい

Avalon "Avalon" Roxy Music(EG)

私はこのブログでBryan Ferryのアルバムを何枚か取り上げているが,Roxy Musicについては記事を書いたことがなかった。それは何を今更って気がしたのも事実であるが,昔,武道館にライブを見に行ったりしていた割には,ブログ上では結構冷たくあしらってきたかもしれない。

しかしである。この"Avalon"というアルバムは,Roxy Musicというバンドが生んだ後世に残る傑作としてちゃんと取り上げておかなければならないと感じさせる作品である。サウンド・プロダクションとしてはFerryのソロ作"Boys & Girls"とも非常に近いものがあるが,作品としての品格ははるかに"Avalon"の方が上であろう。とは言え,私は"Boys & Girls"も相当に好きなので,品格云々を考えなければ同格に扱ってもいいのだが,それでもやっぱり"Avalon"である。

ロックの世界にありながら,この落ち着きはらったサウンドは一体何なのかと,このアルバムが出た頃には漠然と思っていたのだが,それから約30年,私も年齢を重ねたわけだが,このアルバムの魅力は衰えるどころか,年々増していると言ってもよいのは凄いことである。つまり,年を取れば取るほど,このアルバムはよくなっていく,あるいはよく聞こえてくるのだ。これこそまさしくエバーグリーンなのだと言ってよいだろう。

曲,歌唱,演奏,サウンドの4つの要素がこれほど完璧に組み合わされたアルバムは滅多にないと思うが,Roxyが本作を最後に活動を停止したのは,"Hotel California"後に失速したEaglesと同じ理由ではなかったか。つまり行くところまで行ってしまったのである。だが,行くところまで行ってしまったものは,野暮な言い方だと自覚しながら書けば,「バンド活動の停止」と引き換えに,永遠の命を吹き込まれたのだと考えてしまう。

だからこそ,Roxy Musicは本作に収められた曲をライブで演奏する機会が少ないのではないかとも思えるのだ。本作がリリースされた直後はさておき,ライブでやるのはタイトル・トラックぐらいで,ほかはあまり演奏していないのではないか。つまりここまで来ると,サウンド・プロダクションも込みということになれば,再現不能だと彼らも認識していると考えるのは私の思い込みかもしれないが,そう思えてしまうのである。

いずれにしても,この作品は大人向けのロックとして永遠不滅の魅力を今なお放つ傑作だと声を大にして言っておきたい。おかしな言い方をすれば,私は自分の人生を終えるまで,このアルバムを聞き続ける自信がある。ということで,当然のことながら星★★★★★。

Personnel: Bryan Ferry(vo, key, g-synth), Phil Manzanera(g), Andy McKay(sax), Neil Hubbard(g), Neil Jason(b), Alan Spenner(b), Andy Newmark(ds), Rick Marotta(ds), Jimmy Maelen(perc), Fonzi Thornton(vo), Paul Carrack(p), Kermit Moore(cello)

2011年7月 6日 (水)

完全ノーマークだったが,何とも素晴らしいPretendersのライブ盤

Pretenders "Live in London" The Pretenders (Koch)

このアルバムはこれまで完全ノーマークだったのだが,ふとしたきっかけで知ったものである。よくよく見れば,このアルバムがリリースされたのは2010年2月のようである。なぜあまりこのアルバムが認知されていないか(あるいは私が認知していなかっただけ?)と言えば,添付されたDVDがリージョン1のため,ショップに並ばなかったからではないかと勘繰ってしまう。私はかなりの頻度で地元のショップに顔を出していると思っているが,店頭に並んでいれば,確実に認知したはずなのだ。だが,今回はアルバムを買うほどでもないかということで,まずMP3でダウンロードして聞いてみたのだが,これが何とも素晴らしい出来なのである。

私はPretendersでは"Learning to Crawl"というアルバムが非常に好きで,あれこそがこのバンドの最高傑作だと今でも信じて疑わないが,いずれにしても非常にエッジの効いたいいバンドだったことは間違いない事実である。近年,
"Break up the Concrete"という新作で復活した時にも記事をアップしたものの(記事はこちら),曲のクォリティに若干の不満を覚えた私であるが,ここでは新曲も交えながら,往年のヒット満載で,これぞPretendersと言いたくなるような選曲で本当にうれしくなってしまった。

また,それに輪を掛けてうれしかったのが,ハード・ドライビングな演奏ぶりである。女性の年齢を書くのは失礼なのは承知だが,Chrissie Hyndeは今年で還暦を迎える。このアルバム録音時とて50代後半なわけだが,年齢関係なしのロック魂の炸裂ぶりに感動すら覚えてしまった。バックのメンバーも好演だし,これを往年のファンが聞き逃しているとすれば,あまりに惜しい。

Chrissie_hynde 私はこのアルバムをいつものように通勤電車で聞いていたのだが,朝のラッシュもあまり気にならずに時間を過ごさせてしまったことが,このアルバムの素晴らしさを物語っている。Chrissie Hynde及びPretendersというバンドがいまだ現役バリバリであるということを示した作品であり,多くのリスナーに聞いて欲しいという思いも込めて星
★としてしまおう。こうなったら,映像も見たいので,DVD付きのCDを買うしかないか(私のDVDプレイヤーはリージョン・フリーなので全然問題なしなのだ)。ブルーレイでもいいんだが,値段を考えればCD/DVDの方がお買い得感ありだろう。ただ,そちらのバージョンは一般の皆さんは映像はPCでご覧になるしかないのが残念。

いやいやそれにしてもこれは嬉しい驚きであった。ついでながら,あまりにかっこいいので,Chrissie姉さんの写真もアップしてしまおう。こりゃ~最高だ!


Recorded Live in London on July on July 15, 2009

Personnel: Chrissie Hynde(vo, g), Martin Chambers(ds, vo), James Walbourne(g, vo), Nick Wilkinson(b, vo), Eric Heywood(pedal steel, vo)

2011年7月 5日 (火)

中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第10回)

Bud_powell "The Bud Powell Trio" Bud Powell (Roost)

久々にこのシリーズの登場である。そして,今日のアルバムは「バド・パウエルの芸術」だ。「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするという趣旨のこのシリーズであるから,このアルバムを取り上げることにいささか躊躇がないわけではない。演奏の凄さは折り紙つきであるが,いかんせん音源が古いので,音がよろしくない。よって,初心者の皆さんがこれを聞いたら,何じゃこの音は?と思ってしまっても仕方がないのである。しかし,そんな音であろうとも,モダン・ジャズ・ピアノを語る場合,このアルバムは絶対に避けては通れないと言える。

Bud Powellと言えば,日本での人気盤は「クレオパトラの夢」が収録された"The Scene Changes"になるだろうが,もはやあの段階では,Bud Powellはピアニストとしては下降線をたどっていたのであり,最も強烈なBud Powellを聞こうとすれば,本作か"The Amazing Bud Powell Vol. 1/2"かってことになるだろう。ここに聞かれるPowellのピアノはまさに「凄み」という表現しか思い当たらない。特に1947年の演奏(LPで言えばA面)の強烈さと言ったら。中でも最も強烈なのが"Indiana"ってことになるだろうが,このフレーズ,このスピード感こそがこの演奏の最大の特徴である。ピアノ界のCharlie Parkerという表現もまぁうなずけるのはこういうところにこそ表れていると言えよう。もちろん,それはPowellだけでなく,Max Roachのドラミングあってこそという話もあるが,それでもこの演奏は凄い。今でもこの演奏を聞くとぞくぞくしてしまう私である。

振り返ってみれば,私は本作のA面ばかりを聞いていた記憶しかないが,誰が聞いても,47年と53年の違いは明らかなはずである。もちろん,1953年ならばまだまだBud Powellもいけていた時期だが,それでも47年の演奏が凄過ぎるのである。こんなアルバム(CD)が999円で買えるなんて,いい時代になったものだ。私が初めてLPを買ったときだって1,500円だったのだ。繰り返しになるが,音は悪くても,絶対もとは取れるので,1,000円札を持ってショップに行くか,ネットですぐに注文しましょう。とにかく黙って前半の8曲だけでも聞いてもらいたい超弩級の傑作。星★★★★★以外にはありえないまさにモダン・ジャズ・ピアノの聖典。

Recorded on January 10, 1947 & August 14, 1953

Personnel: Bud Powell(p), Curly Russell(b), Max Roach(ds),
George Duvivier(b), Art Taylor (ds)

2011年7月 4日 (月)

Asiaはプログレなのか,哀愁歌謡なのか?

Anthologia "Anthologia: 20th Anniversary Geffen Years Collection 1982-1990" Asia (Geffen)

札幌からの帰り道に聞いていたのがこのアルバムである。AsiaというバンドはYes,King Crimson,EL&Pというプログレ界の人気バンドのメンバーが集結したことで大きな注目を集めたのがほぼ30年前である。その彼らの初期3枚のアルバムと,当時の限定的なリリース等により入手困難となっていた音源を全部まとめたという超お買い得な2枚組である。

かく言う私も,彼らのアルバムは2枚目まではLPで購入していたのだが,私のAsiaキャリアはそこで終わった。これは「プログレ」的なものを求める私のようなリスナーが,高度な演奏能力に裏打ちされたポップ・ミュージックを指向するこのバンドの方向性と合わなかったからだということになると思う。そうした感覚は久々にこのアルバムを聞いてみても変わらない。デビュー・アルバムはそれでもハードな感覚を残しながらも優れた曲が多くて,今でも私はこれならOKである。しかし,セカンドの"Aqua"になると,それが一歩間違えば哀愁歌謡のようなメロディが連発してきて,どうも居心地が悪くなってくるのである。

彼らの名誉のために言っておけば,収録されている曲や演奏が悪いというのではない。素晴らしいメロディ・ラインを持った曲だとも言えるのは事実である。だが,これが私の彼らに求める音ではなかったということなのである。更に第3作"Astra"になるとまるでZARDのようにすら感じられてしまう"Wishing"のような曲が登場するに至り,う~むとなってしまう。ある意味,これは完全なインダストリアル・ロックの世界である。

いずれにしても,このバンドに対するリスナーの期待値と演奏される音楽のギャップは確実に大きかったことは否定しがたい事実であろうし,Steve Howeが2作目を以て脱退したこととも無関係ではないだろう。

そういうことを思いながらも,これがこういうメンツでないバンドによって演奏されていたとすれば,受け取られ方は絶対に違っていただろうとも思えるのである。よくよく聞くと本当にいい曲が多いのである。何だか惜しいような気もするが,それがこのバンドの限界ということかもしれない。

ちなみにこのアルバムについては以前も記事にしていて,ここには2度目の登場である。こういう例は非常に少ないことでもあり,何だかんだ言って好きなんじゃんってことで(爆)。

Personnel: John Wetton(b, vo), Geoff Downes(key, vo), Steve Howe(g, vo), Carl Palmer(ds, perc), Steve Lukather(g), Ron Komie(g), Mandy Meyer(g), Scott Gorham(g), Michael Sturgis(ds, perc), Jamie Green(vo)

2011年7月 3日 (日)

ハード・フュージョン・ファン注目:Abstract Logixレーベルのミュージシャンによる豪華ライブ盤

Abstract_logix "Abstract Logix Live! The New Universe Music Festival" Various Artists(Abstract Logix)

近年のハード・フュージョン界を支えるレーベルと言ってもよいAbstract Logixレーベルのミュージシャンが集結し,ノースキャロライナ州のラレイにてライブを行ったのが昨年の11月のことである。そのメンツを見て,あぁ~,これって見てみたいなぁと指をくわえていた私だが,めでたくまずはその音源がアルバムとしてリリースされることとなった。ついでに9月にはDVDもリリースされるようなので,好き者は要チェックである。2枚組なのにWayne Krantzが1曲ってのは寂しいが,John McLaughtlinだ,Jimmy Herringだ,Alex Machacekだと相当に賑々しい。これは相当に燃えるアルバムになるはずである。

私はTシャツ付き(またか!)でアメリカに発注したのだが,今から届くのが楽しみである。

2011年7月 2日 (土)

恋の町札幌?

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「時計台の下で逢って私の恋ははじまりました」ということは全くなかったが、久しぶりに仕事で札幌に来た。ってことで時計台の写真。私の場合は、時計台よりも下の写真の方が適切か。すすきの、すすきの(笑)。

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ところで札幌に向かうフライトでは、着陸時に座席の背も倒したまま、iPodも掛けっぱなしという状態に陥るほど、爆睡してしまった。敢えてそんな私を寝かしたままにしてくれたJALのCAさん、ありがとう。今度から気をつけます。だが、それほどばてていたってことだ。かなりまずいな。

帰りのBGMは何にしようかな。いずれにしても今日は爆睡しないように気をつけよう。

2011年7月 1日 (金)

やはり…

仕事も多忙なのは事実だが、夜な夜な宴席が続いては音楽を集中して聞く余裕がない。私の主たる音楽鑑賞時間である通勤時間もかなりどよ〜んとした状態ではどうしようもない。 ということで今日もダメな私である。気温も湿度も高くて嫌になってしまうこんな日のBGMはやはりロックだな。今日は"Burn"な気分だが、iPodに入ってないや(爆)。よって代替手段は"Made in Japan"しかないな。

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