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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2011年6月30日 (木)

本日も…

いろいろ訳あって、記事が書けない状態が続いている。今日もダメ、多分明日もダメ、明後日には何とかってところか。切羽詰まった中年音楽狂(苦笑)。 こんな日のBGMはハードロックだな。デフレパでも聞きながら通勤することにしよう。

2011年6月29日 (水)

出張中につき

どうも、最近こういう記事が多い。以前なら出張時には記事の書きだめをしたものだが、最近はそれもままならなくなってきた。仕事が忙しいのも事実だが、どうも以前ほどの「書かなきゃ」感は確実になくなりつつある。 だが、一方で自分を甘やかせば、どんどん記事のアップがいい加減になっていくことも自覚しているので、こうしたかたちでも書き続ける私である。 これは東京に戻る新幹線で書いているが、現在のBGMはDave Masonの"Alone Together"。懐かしいねぇ。

2011年6月28日 (火)

Toots Thielemans:こんなライブもあったのか...。

Toots_home_coming001 "Home Coming" Toots Thielemans(CBS Sony)

これは地元の中古盤屋でゲットしたアルバムであるが,ジャケだけ見ていると,何じゃこりゃ?というものである。しかし,よくよく見てみるとバックはFred HerschにJohnson~Baronという凄い顔ぶれではないか。ジャケだけにだまされていては絶対買っていなかったが,気がついてよかったと言わざるをえないようなアルバムであった。

Toots Thielemansはよくよく考えてみればライブ盤の多い人だと思えるのだが,私もこのブログで近年のライブ盤を非常に高く評価したのが去年のことである(記事はこちら)。年はとっても非常に優れた演奏をしていて,はっきり言って驚かされたと言ってもいいだろう。そんなThielemansの25年前の録音だが,このバンド,Tootsのキャリアを振り返ってもピカイチと言ってもよいメンツではないかと思う。演奏も予想通りの素晴らしさなのだ。

Fred HerschとTootsの共演はConcordレーベルの"Only Trust Your Heart"もあったからこれだけではないが,私はメンツもほぼ一緒のそのアルバムよりずっとこっちの方がよかったように思える。それは選曲にもよるところもあれば,ライブならではのダイナミズムを特にBaronのドラムスが生み出しているからだと感じられる。とにかくメリハリがあっていいのだ。

選曲はTootsらしい曲もあれば,へぇ~って曲もあるが,何てたって冒頭は「行かないで」である。シャンソンをTootsのハーモニカで吹かれると,バンドネオン的な響きがあって哀愁度が非常に高まるのだ。これでまずまいってしまうのが必定と言うべきだ。いいねぇ。

その後の演奏もすべからく出来がいいが,びっくりさせられるのは最後の"Bluesette"だろう。通常,この曲はTootsのギターと口笛のユニゾンでプレイされることが多いが,ここでは何と聴衆に口笛を吹かせているのだ。しかも聴取の口笛,かなりしっかりとメロディ・ラインを吹けているのが更に驚きである。なかなかこの曲でこうは口笛は吹けない(まじで難しいのだ)。恐るべしベルギー人!

いずれにしても,このアルバムはほとんど認知されてはいないと思われるが,無視されるには余りに惜しい好ライブ作。バックのメンツの好演も評価すべきである。星★★★★☆。

ちなみに本作は別ジャケットで再発されているが,曲も変わっているが,そっちに入っている"Velas"も気になるなぁ。でもそっちも結構中古は高値なので,私はこれで我慢することにしよう。

Recorded Live in Brussels on June 19, 1986

Personnel: Toots Thielemans(hca, g, whistle), Fred Hersch(p), Marc Johnson(b), Joey Baron(ds)

2011年6月27日 (月)

Tangerine Dream:音の極北

Zeit "Zeit (Expanded Edition)" Tangerine Dream(Esoteric)

この音楽にはビートらしいビートも,メロディらしいメロディもほとんど現れてこない。よって,これを音楽と呼ぶのか,あるいは呼べるのかという疑問もあることは間違いのない事実だろう。よって,これをどういう局面でプレイバックするのかというのも問題になってくるわけだが,私がこれを聞いていたのは,料理中のキッチン・ドリンカーとして,しかも流し聞きしていたという信じられないシチュエーションである。

だからと言ってこれをそうした局面でプレイバックしていることが苦痛だったかと言えば全然そんなことはない。単純に環境と一体化していただけと言ってもいいし,プレイバックしていることすら意識させなかったと言ってもよい。換言すれば,生活の中の通奏低音のごとく,音が流れ続けているだけのことなのである。

だが,多くの人々にとってはこのアルバムは確実にハードルが高いものであり,ほとんどの人は「何じゃこりゃ?」という反応を示すに違いない。だからこそ,主題に音の極北と書いたわけだが,この音は特定の人にとっては麻薬的にも響くだろうし,多くの人にとっては睡眠導入剤としての効果を持つもののように思える。私はこれにはまるところまでは決していかないが,これはこれとして,次世代のミュージシャンたちに与えた影響も大きかろうという点では評価せざるをえないと思う。

いずれにしても,このアルバムには採点行為そのものが無意味である。基本的には賛否両論確実とは言え,理屈では考えられない世界に行ってしまっていることは厳然たる事実であるから,まずは一度何も考えずに身を委ねてみるということが重要だろう。それでダメなら二度と聞かなければいいし,気に入れば,このアルバムを繰り返し聞くもよし,ほかのアルバムも当たってみるもよしというだけのことだ。

それにしても,Disc 2としてついてきたケルンでのライブも,音の極北感はほとんどDisc 1と一緒というのは考えてみれば凄いことである。ある意味これほどぶっ飛んだ音楽は滅多に聞けない。Tangerine Dream恐るべし。

Recorded in 1972(Disc 1) and Recorded Live at he Grossen Sendesaal des Rundfunkhouses, Cologne on November 25,1972

Personnel: Chris Franke(synth, cynbals, key), Edgar Froese(g, generator), Peter Baumann(synth, org, generator) with Steve Shroyder(org), Florian Fricke(synth), Christian Vallbracht(cello), Jochen von Grumbcow(cello), Hans Joachim Brune(cello), Johannes Lucke(cello)

2011年6月26日 (日)

追悼:Peter Falk

Peter_falk Peter Falkが亡くなったそうである。Peter Falkと言えば,「刑事コロンボ」である。小池朝雄の名吹替えもあって,NHKでこの番組を見るのが結構私は楽しみだった。同じ枠で放送された「警部マクロード」も私は好きだったのだが,一般的な人気は「コロンボ」の方が圧倒的に上だったであろう。

番組そのものが毎回結構有名なゲストを迎えたり,演出も後に出世するSteven SpielbergやJonathan Demme等が参加したことでも注目されたこのシリーズだが,やはりPeter Falkのキャラクターがそのカギだった言ってもよいだろう。そうでなければ,一度放送が終了してから10年以上経って,シリーズとして復活するなんてことがありえないのである。私は昔のエピソードしか見ていないが,「殺人処方箋」で登場した時は,全然感じが違っていたのが,レギュラー・シリーズになって,ドラマとして修正がかけられていたのは見事だと思った。

Peter Falkは映画界でも活躍した人ではあるけれども,多くの日本人にとってはやはり「刑事コロンボ」こそが彼の代表作だと言っていいのだろうと思う。

ご冥福をお祈りしたい。

2011年6月25日 (土)

Kuti家って凄いわ:これぞアフリカン・ファンク!!

Seun_kuti "From Africa with Fury: Rise" Seun Anikulapo Kuti & Egypt 80(Knitting Factory)

いくら私が雑食系音楽リスナーだからと言って,アフリカ音楽を頻繁に聞いているわけではない。どちらかと言えば私にとってはプライオリティは低い方の音楽だと言ってもよい。ではそんな私がなぜこのアルバムを買うのかって言えば,プロデュースをBrian Enoが行っているからにほかならない。

Enoと(広義の)ファンクと言えば,Talking Headsの"Remain in Light"がその代表という気がするが,私にとって"Remain in Light"はこれ以上ないと言ってよいぐらいの完成度だと思っている(記事はこちら)。だからこそ,このアルバムにも期待を掛けてしまったわけだが,その期待は決して裏切られることはない。私たちが想像するような音が,こうやって欲しいという感覚で飛び出してくるのである。よって,こんなアルバムを聞いたら,Enoってわかってるよねぇなんて好き者同士の会話が展開されること必定という感じだ。

名前を見れば明らかな通り,Seun KutiはFela Kutiの息子である。親子の血は隠せないねぇと思えるぐらい,オヤジ同様のファンクぶりにはある意味驚かされるが,才能も一筋縄ではないと思わせる。そうしたSeun Kutiの資質とBrian Enoのプロデュースが相俟って,素晴らしいファンク・アルバムが生まれたと言ってよいだろうが,父,Fela Kutiもあの世で喜んでいるに違いないと思わせる傑作。

梅雨も明けていないのに,いきなり暑くなってしまった日本であるが,その暑さも吹き飛ばすような熱気(変な表現だなぁ...)を感じさせる燃えるファンク・アルバムである。星★★★★★。それにしても,今年は出来がいいアルバムが多いのがジャズだけではないな~。

尚,ミュージシャンのクレジットは追って時間のある時にでもアップしたいと思う(本当にその時は訪れるか微妙だが...)。

2011年6月24日 (金)

またしても

記事が書けずに食い物ネタでお茶を濁す私である。これはスペインのバルの店先に吊るしてあったハム群。これだけあれば、絶対うまいだろう。あ〜、食べたい、イベリコ豚! 1308845596419.jpg

2011年6月23日 (木)

James Farm:Joshua Redmanが今イチ苦手な私もOKの快作

James_farm "James Farm" James Farm(Nonesuch)

このアルバムを新譜と呼ぶにはリリースから随分と時間が経っているのだが,私の中ではまだまだ新譜ということにさせてもらおう。もっと早い時期に記事にしようと思っていたのだが,ずるずるとここまで来てしまった。

主題にも書いたとおり,私はJoshua Redmanが今イチ苦手である。名門Harvard卒という育ちのよさというか,この人の音楽には非常に「理知的」なものを感じてしまい,クールに演奏されると何だかなぁとなってしまうのである。うまいのはよくわかるんだが,どうもサックス・プレイヤーとしての魅力を感じさせてくれないと思えてしまう。これが相性ってやつなのかもしれないが仕方がない。ということで,Joshua Redmanがシーンに登場してからも,実はBrad Mehldauがらみのアルバムと"Wish"ぐらいしか買っていない。MehldauがらみはあくまでもMehldauで,"Wish"も伴奏陣に魅かれてということであるから,本当にほとんど関心がないのだ。

しかし,このアルバムはお知り合いのブロガーの皆さんの間でも評価が高いし,何よりもリズム・セクションが気になる面々ということで購入したわけだが,やはりJoshuaとの相性からというわけではないが,どんどん聞く優先順位が劣後していってしまった。

だが,ようやくここにきて何度かプレイバックしてみて,これはかなり出来がいいのではないかと思うに至った私である。Joshua Redmanは相変わらずのクールな吹きっぷりであるが,このアルバムの面白いところは曲とアレンジなのだと思える。自発的のようで,実は書き込まれているのではないかと思える精緻さが演奏の端々に感じられる。Eric Harlandは思ったほど激しくやってはいないが,この演奏でのキーはAaron Parksが握っていたのではないかと思えるほど,私にはParksの演奏ぶりが気に入ってしまった。

彼らはやはりバンドとして活動しているだけに,きっちりアレンジしている感覚が濃厚ではあるが,ジャズ的なスリルに乏しいということでは決してない。ワンホーンというジャズの王道のような編成を取りながらも,聞こえてくる音楽には普通の4ビートなんてほとんど顔を出さないところが面白い。まさに典型的なコンテンポラリー・ジャズとして捉えることができるように思う。Joshua Redmanは相変わらず私のタイプではないが,このバンドならばOKと言える。また,アルバムとしては推薦に値する出来だと思う。星★★★★☆。

いやいや,それにしても今年はいいアルバムが多いなぁ。年末のベスト盤選びに苦しみそうである。

Recorded on August 26-29, 2010

Personnel: Joshua Redman(ts, ss), Aaron Parks(p), Matt Penman(b), Eric Harland(ds)

2011年6月22日 (水)

Gary Burtonの新クァルテットはレベルが高い。

Common_ground "Common Ground" New Gary Burton Quartet (Mack Avenue)

Gary Burtonは今年で68歳になるが,年齢に比べるとやっている音楽は非常に若々しい。長年のデュオ・チームを組むChick Coreaが,70歳になってもRTF IVでほとんどロックといっていい演奏をしているのと同じだが,それにしても凄いことである。

今回リリースされたこのアルバムでも,「昔の名前で出ています」的なところは皆無。まだまだクリエイティビティは衰えていないことを示す快演集となっている。Gary BurtonはPat Methenyとのライブ盤もあり,昔からギタリストとの共演が多い人だが,今回はJulian Lageである。Burtonの"Generations"に参加した時はティーンエイジャーだったLageだが,今でもまだ弱冠23歳である。今回のアルバムのキモはこのJulian Lageだと言ってもいいぐらいの活躍ぶりである。BurtonがLageに花を持たせている感覚さえ覚えると言っては言い過ぎか。"My Funny Valentine"等は最たる事例で,その冒頭に聞かれるLageのスパニッシュな響きをたたえたソロ・ギターなど見事なものだ。

しかも彼らを支えるのがColley~Sanchezの重量級リズム隊であるから,このアルバムは聞く前から悪いはずはないという予感はあったが,これは予想以上にいい出来だと言ってよいと思う。ここで演奏される曲は通常の4ビートではない。非常にコンテンポラリーな感覚が強いだけでなく,なかなか優れたメロディ・ラインを持っていることが魅力的なのである。

私はBurtonとMethenyのライブ盤に関しては予定調和的だと評した(記事はこちら)が,私には今回の新作の方が好ましい印象を与えたことは間違いない。この作品はGary Burtonのリーダーとしての統率力と,優れたミュージシャンの演奏能力が結びついてできたものと思う。1曲ぐらいテンポを上げた曲があってもよかったという気がしないでもないが,これは気に入った。星★★★★☆。

7月にはBlue Note東京に出演するようだ(但し,Scott Colleyは来ないみたい)が,これならライブを見に行ってもいいかなぁなんて思わせる。Gary Burton,まだまだ現役であることを見事に実証した佳品である。

尚,ライナーにも録音日は明示されていないが,Web上の情報によると下記のものらしい。しかも録音場所は我が母校NYUってのが私の郷愁をそそる。レコーディング・スタジオなんてあったのか~って感じである。

Recorded on December 4-6, 2010

Personnel: Gary Burton(vib), Julian Lage(g), Scott Colley(b), Antonio Sanchez(ds)

2011年6月21日 (火)

今日も記事を書きそこなったので…

うまいものの写真でお茶を濁す中年音楽狂…。ってことで今日ははも。夏の風物詩ですな。梅が効いてます。 1308612535533.jpg

2011年6月20日 (月)

Nguyên Lê:無国籍かつカテゴライズ無意味の音楽

Songs_of_freedom "Songs of Freedom" Nguyên Lê(ACT)

私がNguyên Lêのアルバムとして保有しているのはPeter Erskine,Michel Benitaとやった"E_L_B"とPaolo Fresu Angel Quartetの2枚ぐらいだと思う。Paolo Fresuとの共演においてはかなり興奮させられるプレイぶりを聞かせてくれた人ではあるが,私としては追い掛けるだけの対象とはなっていなかったというのが正直なところである。しかし,今回,このアルバムを購入するに至った動機はその選曲にある(ブログのお知り合い,すずっくさんに感謝である)。

Nguyên LêのWebサイトには"Exotic Eccentric versions of Pop Hits  from the 70's"と書いてあるのだが,正確に言えば彼のオリジナルも入っていれば,Beatlesの曲は60年代だろうなんて突っ込みも可能なわけだが,ここに収められた曲を見れば,ロック/ソウル好きの血が騒ぐのは仕方がないのである。そして"Exotic Eccentric"という表現がまさに当てはまるある意味変態音楽である。ここにはジャンルも国籍も不要というような非常に風変わりと言ってよい演奏が展開されている。しかし,それが単なる変態かと言えば必ずしもそうではない。だが,ジャズだと思っては決していけない。これはあくまでも分類不能なのである。それを受容できるかどうかがこのアルバムを聞くリスナーにとってのハードルになるとは言っておこう。

このブログを見て頂ければわかる通り,私の音楽的な嗜好はかなり雑食であるから,そんなことは全く気にならないのだが,それでも冒頭の"Elenor Rigby"からして何じゃこりゃと思ったのは事実である。しかし,聞き進めていくうちにNguyên Lêの術中にはまっていく自分を実感してしまったのである。この曲をこうやるかぁという感覚を残しながら,ここで聞かれるバンド・サウンドのグルーブ(特にヴァイブが効いている)に没入していくと言えばいいだろうか。換言すれば心地よいのである。ここまで軽々と国境を越えてくれれば文句も出ない。アジア,中近東,アフリカなんでもござれなのである。いやいやこれは強烈なアルバムと言ってよいし,これはかなり興奮度の高い音楽であった。

まさに過去のロックの名曲をここまでいじれば"Songs of Freedom"と言っても間違いはないが,ある意味「自由過ぎる」よねぇ等とも思いながら,この音楽は私としては高く評価したいと思う。原曲の良さを100%活かしているとは言い切れない部分もあるが,それでも十分星★★★★☆には値する作品である。

だが念のため繰り返す。原理主義的音楽リスナーが手を出すと大怪我をするので,要注意。これは心を自由にして聞くべき音楽なのだ。

Recorded between July & October, 2010

Personnel: Nguyên Lê(g, saz, computer), Illya Amar(vib, marimba, electronics), Linley Marthe(b, vo), Stéphane Galland(ds), Ousman Danedjo(vo), David Linx(vo), Youn Sun Nah(vo), Himiko Paganotti(vo), Julia Sarr(vo), Dhafer Youssef(vo), Guo Gan erhu(chinese violin), David Binney(as), Chris Speed(cl), Prabhu Edouard(perc), Stéphane Edouard(perc), Keyvan Chemirani(perc), Karim Ziad(ds, perc)

2011年6月19日 (日)

追悼:Clarence Clemons

Clarenceclemonsandspringsteenarebor Clarence Clemonsが亡くなったそうである。脳卒中で倒れた後,あっという間に亡くなってしまったようだ。Bruce Springsteen and the E Street Bandと言えば,Clemonsなしには成り立たないと言っても過言ではないはずだ。サウンドのみならず,ボスの「明日なき暴走("Born to Run")はClemonsなしにはジャケットが成立しなかった。69歳,早過ぎる死である。本日は"Born to Run"を聞いて,彼を追悼することとしよう。

R.I.P.

"Revelator"の記事のアップついでに...

Ttb_tshirt Tedeschi Trucks Bandの"Revelator"を私は米国に発注したのだが,それはこのTシャツを一緒に購入するためであった。やってる音楽も渋いが,Tシャツのデザインも渋いねぇ。今年のTシャツはロゴだけになっているが,色使いは結構似ているところに,この人たちの趣味が出ているようで面白い。

いずれにしても,こんなもん着ているのは,よほどの好き者ってことにして頂こう(笑)。Tシャツを見るとわかるが,昨年のツアー時はTrucks Tedeschi Bandだったのねぇ。新作では本来のカカァ天下に戻ったってことだな。

アメリカン・ロック・ファン待望のTedeschi Trucks Band

Revelator_tedeschi_trucks_band "Revelator" Tedeschi Trucks Band(Sony Masterworks)

私が以前,Susan Tedeschiの"Back to the River"をこのブログで取り上げた時,「次はヴォーカル彼女,リード・ギターDerek Trucksの夫唱婦随アルバムの制作を期待したい(離婚しなければきっと作るだろう)」と書いたが,それが実現したのが本作である。そしてバンドは11人という大所帯なのにはびっくりしたが,それでもこれは昨今のDerek Trucksのよさを認知している人間にとっては待望のアルバムと言ってよいだろう。

そして結果は相変わらず素晴らしい。これぞ近年のアメリカン・ロックのひな形にしたいと言いたくなるようなまさしく王道的サウンドである。冒頭から聞かれるDerek Trucksのスライドの響きを聞いてまずまいってしまう。とにかくうまい。素晴らしいアーティキュレイションである。そんな旦那のバックに乗ってのSusan Tedeschiも相変わらずの姉御肌の歌唱ぶりである。さすが姉さん女房である。

全編を通じてそういう感じで,TedeschiとTrucksのいいところがてんこ盛なのだから,ファンにとってはそれだけでOKだろう。このある意味でレイドバックした感覚はEric Claptonの"461 Ocean Boulevard"を聞いたときに近い。安心感があるサウンドと言えばいいだろう。私としてはもう少しハード・ドライヴィングな曲があってもよかったのではないかとも思えるが,それでもこれはやはり悪くない。

但し,iPodで聞いていると,この音楽のよさは半分ぐらいしかわからないのではないかと感じているのも事実である。ショップでこれが大音量でプレイバックされていると,更によく聞こえるのである。やはりロックには相応のボリュームが必要なんだろうと感じたわけだが,それはさておきとして,私としては十分楽しめたアルバムである。皆さんに聞いて欲しいので,かなりオマケも入っているが星★★★★☆としておこう。

Personnel: Derek Trucks(g), Susan Tedeschi(vo, g), Oteil Burbridge(b), Kofi Burbridge(key, fl),  Tyler Greenwell(ds, perc), J.J. Johnson(ds, perc), Mike Mattison(vo), Mark Rivers(vo), Kebbi Williams(sax), Maurice Brown(tp), Saunders Sermons(tb), Eric Krasno(g), Alam Kham (sarode), David Ryan Harris(vo), Ryan Shaw(vo)

2011年6月18日 (土)

料理は芸術だ!

Photo ここに写っているのがじゅんさいって信じられます?ちなみに蛙(よく見ないとわからない?)はきゅうりでできています。これぞ季節感を反映した芸術だよね〜。出張先にて。

2011年6月17日 (金)

音楽狂は今日もダメだった

「長崎は今日も雨だった」に引っ掛けて言ってみた。記事が書けない言い訳に過ぎないが、2日続けてってのは、あまり記憶にない。 単に余裕がないだけなのだが、それなら今までは余裕があったんかい!?と自分で自分に突っ込みを入れたくなる私である。いずれにしても、もう少し落ち着いて音楽を聞きたいと思ってしまう今日この頃。 やっぱりストレスがたまっているかもしれないな。

2011年6月16日 (木)

開店休業

訳あって本日は開店休業です。まぁ、こういうこともありますわ。明日もお休みするかもしれません。いよいよ私も限界か(笑)。

2011年6月15日 (水)

Prysm "On Tour"を聞いて思ったこと

Prysm_on_tour "On Tour" Prysm(Blue Note)

先般リリースされたPrysmの新作"Five"は興奮度満点と言ってよい強烈なライブであった。それがあまりにもよかったものだから,ブロガーの皆さん大絶賛の"On Tour"も聞きたくなるのが人情というものである。これまでも中古盤をせっせと捜していたのだが,コンディションのいいものになかなかお目に掛かれないこともあり,こうなれば海外に活路を見出すしかあるまいということで,フランスのサイトで比較的簡単にゲットできた。値段は送料もあって,今の輸入盤市場からすればちょっと割高感もあったのだが,こういうのは善は急げである。

そして聞いてみたのだが,本作はアコースティックなピアノ・トリオというフォーマットもあって,新作とは随分と違う印象を受けたということは言っておく必要があるだろう。だが,リスナーを興奮させる術はこの段階でも十分に感じられるものだっとことは間違いない。

それでもって,私がこの作品を聞いてどう思ったかと言えば,これは変拍子も使っているが,サウンド的には「新主流派」に近いのではないかというものであった。フレージングやスピード感と言ったものが私に新主流派の音を思い起こさせたのだと思うが,これは決して回顧的なサウンドだと言っているのではない。あくまでも感覚の問題なのである。それでもって,これが好きか嫌いかと言えば,好きに決まっているわけだが,やはりこうしたバンドがフランスから出てきたこと自体,私には奇跡的のように思えてしまうのである。いまどき,こうしたサウンドを聞かせる人たちは,本国アメリカにもそうはいるまい。だからこそ,ニューオーリンズで演奏しても受けるわけだし,昔から米国ジャズに強いシンパシーを感じているはずのフランス人に受けるのももっともである。

更に,こうしたある意味テクニックだけではなく,スリルさえ感じさせるこうしたバンドに多くの日本人ブロガーが魅かれるのもむべなるかなという感じである。例えは変だが,最新作"Five"がJeff Beckならば"Wired"に近い感覚をもたらすのに対し,こちらは"Blow by Blow"という感じと言えるかもしれない。つまり,どちらも好きだが,その時々でどちらがいいかは変わるタイプの作品だと言えるのだ。

いずれにしても,入手までは時間が掛かってしまったが,やはり皆さんが痺れて当たり前と言ってよい作品であった。こういうのをバーゲン品で買わなかった自分を悔いて星★★★★★としよう。しかし,こんな演奏をあの狭いSunset(正確に言うと私が行ったのは階上のSunsideだが,おそらくキャパは変わらんだろう。いや,むしろ狭いだろうなぁ)で聞いたら悶絶確実だっただろう。

Personnel: Pierre de Bethmann(p), Christophe Wallemme(b), Benjamin Henocq(ds)

Recorded Live at the Snug Harbour in New Orleans on June 17, 1999, at the Sunset in Paris on October 1, 1999 and at the New Morning in Paris on April 13, 2000

2011年6月14日 (火)

「真夏の方程式」:「麒麟の翼」よりはよかった

Photo 「真夏の方程式」 東野圭吾 (文藝春秋)

何だかんだと言って,発売されると読んでしまう東野圭吾の新作である。私は彼の前作の加賀恭一郎シリーズ「麒麟の翼」をあまり評価できなかった(記事はこちら)のだが,今回はガリレオ・シリーズである。私は以前ガリレオ・シリーズというと「容疑者Xの献身」を読んだぐらいだが,実はあまり記憶に残っていない。

そういう意味では,あまり先入観なしで読めたとは思うのだが,ある意味,「麒麟の翼」同様の人情ものと言ってもいい展開なのは意外な気がしないでもない。しかし,私としては「麒麟の翼」よりもはるかにページのめくりは早く,ストーリーにも驚きはないとは言え,この同時パラレル型ストーリー展開(湯川側と警視庁側)も非常に面白く,ストーリーとしてはよく考えられているのはいつもの東野圭吾のパターンである。

しかし,この犯罪が起こる経緯というのが,さすがにこれは行き過ぎではないかと思わせるほどのものなので,そのあたりが評価の分かれ目になるような気がする。登場人物の造形もいいものと,今イチなものが混じっていて,どうも具合がよくない部分はあるので,全面的に傑作という評価は到底できない。しかも,今回もドラマ化を意識したようなあざとさを感じるのはきっと私だけではあるまい。

そういった感覚を持ちながらも,がんがん読み進ませるストーリーテリングのうまさは認めなければならないということで,星★★★☆。間違いなく面白くは読める。

2011年6月13日 (月)

懐かしのLive under the Sky:久々に聞いたColtrane Tribute

Luts001 "Tribute to John Coltrane: Select Live under the Sky '87 10th Special" Wayne Shorter / Dave Liebman / Richie Beirach / Eddie Gomez / Jack DeJohnette (Paddle Wheel)

いやいやこれは懐かしい。1987年のLive under the Skyにおいて,目玉と言ってよい企画の一つだったShorter / LiebmanによるColtraneトリビュートである。この演奏についてはDVDは今でも容易に手に入るが,国内生産のCDはなぜかずっと廃盤のままである。私も久しくこの演奏は聞いていなかったのだが,中古で見つけたら買おうと思っていたところに,なぜか中古盤屋のクラシック・コーナーで発見である。

"Live under the Sky"というイベントそのものは豪華なメンツを集めた野外フェスとして,ジャズ界において非常に重要な位置づけにあったと思うが,こうしたイベントそのものがなくなってしまったのはちょっと残念な気がする。私も結構な回数,よみうりランドには足を運んだものだが,この時も私は会場にいた。もう24年も経ってしまったということにちょっと驚いてしまうが,それにしても懐かしい。

そして久しぶりにこの演奏に触れたのだが,このアルバムでのDave Liebmanの気合の入り方が凄い。まさにこれはLiebmanを聞くためのアルバムだということを再認識した私である。私がこの演奏に生で触れていた頃には,明らかにWayne Shorterへの興味の方が勝っていたはずだが,今,ちゃんと聞いてみれば,誰がどう見ても,ここではLiebmanの方がいい仕事をしていると思えるのである。ShorterがColtraneの影響皆無とは思わないが,やはり影響度合いからすれば,Liebmanの方が圧倒的にColtraneにシンパシーを感じているはずだから,それも当然なのだ。だが,ほぼ四半世紀前の私がそんな風に感じていたとは思えないことは告白せざるを得ないが,それも仕方があるまい。逆に言えば,それぐらいこちらも修行を積んで,そうしたことが理解できるようになったということである。

繰り返すが,ここでのShorterはあくまでもゲスト。よりはっきり言ってしまえば,Liebmanでは集客,あるいは聴衆の反応に不安を覚えたプロモーターの言い訳的配慮にしか思えないのである。いずれにしても,ここにはLiebmanが本気でColtraneにトリビュートしようという意思が非常に強く感じられるとともに,そういう演奏をしている。MCをLiebmanが務めるのも当たり前だったということである。それにしても,このLiebman,いいねぇ。本当に久々にこの音源を聞いたが,そうした思いばかりが強くなった私である。ここはLiebmanのために星★★★★★としてしまおう。但し,客がうるさいのが興醒めの部分があることははっきり言っておこう。野外フェスだからいいやという感覚の合いの手は下品でしかない。

それにしても,真夏の炎天下で,これだけ暑苦しい演奏をされれば,さぞビールがうまかっただろうねぇ(と言いつつ,自分もガバガバ飲んでいたはずだが)。

Recorded Live at オープンシアターEAST,よみうりランド on July 26, 1987

Personnel: Wayne Shorter(ss), Dave Liebman(ss), Richie Beirach(p), Eddie Gomez(b), Jack DeJohentte(ds)

2011年6月12日 (日)

Marsha Ambrosius:これは凄い!曲よし,声よし,そして歌うま過ぎ!!

Marshaambrosiuslatenightsearlymorni "Late Nights & Early Mornings" Marsha Ambrosius(J Records)

私はこれまでこのMarsha Ambrosiusという人の音楽については全く聞いたことがない。だからMichael Jacksonの"Butterflies"を書いたとか,Floetryというデュオを組んでいたといっても全くわからないのである。しかし,音楽雑誌の批評を読んでいてどうしても気になって購入したのだが,これはソウルの分野では久々のヒット,それも特大のヒットと言っても過言ではない。

このアルバム,ほとんどの演奏が彼女の手によるものなのだが,どちらかと言えば,余計なものをそぎ落としたようなシンプルな伴奏である。そうした伴奏の中で歌うということは,相当に歌唱力に自信がないとできないことだと私には思えるのだが,それをものともせず歌い切る彼女の歌唱がそもそも凄い。とにかくこれはうまいと思わされる素晴らしさである。世の中装飾過剰な音楽なんていくらでもあるが,こうしたシンプリシティこそが彼女の歌の本質的な魅力を見事なまでにあぶり出しているのだ。そのことにまず感動。

更に彼女の書く曲がこれまた素晴らしく,また何曲かあるカヴァー曲も選曲バッチリって感じで,この人は自分のことがよくわかっていると思わせる。そしてこの魅力的な声ならば,このアルバムに痺れない方がおかしいと思えてしまう。これらの要素を合わせて,更に感動。

私はこのアルバムを通勤途上の電車の中で聞いていたのだが,一聴して耳をそばだててしまい,新聞を読むのをやめてしまったぐらいである。それぐらい私にとってはインパクトの強いソウル・ミュージックだったと言っても過言ではない。彼女は現在33歳だそうだが,あらゆる意味で完成していると言ってもよいミュージシャンだと思う。こんなミュージシャンを今まで知らなかったなんて...。う~む,世界は広いなぁ。

いずれにしても,このアルバムの素晴らしさはより多くの人に知ってもらいたいという意味も含めて星★★★★★である。とにかくこれには驚いた。慌ててネットでいろいろ調べてみたら,彼女,相当ダイエットしたみたいで,これまた昔の写真との違いにびっくりである。女性は強し。まぁ,かなりカメラ・フェースは意識しているみたいだが(笑)。そんなことは置いておいてもこのアルバムは傑作だと思う。ソウル/R&B部門の今年の最高作候補だろう。

2011年6月11日 (土)

Miles Davis:"Tutu"のデラックス・エディションの注目はディスク2だよねぇ。

Tutu "Tutu Deluxe Edition" Miles Davis(Warner Brothers)

実を言ってしまえば,私はMilesがWarner Brothersレーベルに移籍してからのアルバムをあまり評価していないのだが,唯一許せるというのがこの"Tutu"だったような気がする。そんな私だから,"Tutu"がリマスターされるだけなら買っていないが,今回は未発表ライブ音源がオマケでついてくるということで,どちらかというとそっちが聞きたくて購入してしまった。そもそも値段も手ごろだし。

この頃のMilesはアルバムでやっている音楽と,ライブの場での音楽が結構違って,ライブでは相当ハード・ファンク的な要素もあったように思えるのだが,私もアルバムは今イチと思いながら,来日公演では結構燃えていたのも懐かしい。だが,死が近づくにつれて,私はそのライブにさえ魅力を感じなくなっていたのも事実であり,Milesが客に媚びてはいかんと,亡くなる直前のNYCのJVCジャズ・フェスティバルでは感じていた。あれは91年6月の頃のはずだが,あまりにも演奏がつまらなくて,私は拍手をする気にもなれなかったのである。

しかし,今回収録されたのは1986年,フランスはニースにおけるライブであるから,まだまだMilesがそんな感じになってしまう前の,ハードボイルドな側面も残っている頃である。注目すべきはギタリストがRobben Fordだってことだろうが,彼との共演はモントルー・ボックスにも入っていたから私にとって初めてではない。だが,あのボックス,なかなか引っ張り出して聞くには気合が必要なので,Robben Ford入りMilesを聞くのは久しぶりである。だが,これがかなりよいのである。まずそれが意外。Robben Fordはブルーズ色が濃い人ではあるが,ここでのこの人のトーンやフレージングが,この頃のMilesバンドに相当フィットしているように聞こえてしまうのである。絶対John Scofieldより合っていると言っては言い過ぎだろうか。でもかなり相性がいいと思えるのだ。

Fordもいいが,やはりこの頃のMilesバンドが魅力的なのはBob Bergのサックスのせいだと思うのはきっと私だけではないはずだ。ワンパターンと言えば身も蓋もないが,いかにもBob Bergらしいフレージングの連発である。しょうがないな,好きなんだからと開き直るしかないが,やっぱりBob Bergはカッコいいのである。やたらに体をくねらせて吹けばいいと思っていたかのようなKenny Garrettとは大違いである。

いずれにしても,こういう音源がいくらでもあるってことが明らかになったようなものであるが,Milesはハイノートもちゃんと吹けているし,まだまだ元気一杯である。でも私としてもこの頃がMilesを聞くのが限界だったのかなぁとも思えてしまう。というよりもRobert Irving IIIが抜けてから,バンドとしての締まりがなくくなってしまったのではないかと感じられるという完全回想モードの中年音楽狂である。

ともあれ,このライブは荒っぽい演奏とも言えるが,ちゃんと聞かせる音源になっており,オマケとしては相当レベルが高いと言っておこう。オマケなので評価はしないが,これを目当てに買ってもまぁ損はしない。久しぶりにモントルー・ボックスも聞いてみますか。

Recorded Live at Jardin de Arenes de Cimiez, Nice in July, 1986

Personnel: Miles Davis(tp, key), Bob Berg(ts, ss), Robben Ford(g), Robert Irving III(synth),
Adam Holzman(synth), Felton Crews(b), Vincent Wilburn, Jr.(ds), Steve Thornton(perc)

2011年6月10日 (金)

今年のジャズ界は大豊作?アップできていないアルバム多数...

今年はジャズのアルバムに結構いい作品が多いように思える。ブログの右側にアップしているお薦め盤の数も結構な数になってきている。しかし,そうした豊作はいいのだが,いまだに入手してから,記事をアップしないばかりか,ちゃんと聞いていないアルバムも多数である。ということで,今日はそんなバックログについてである。

Joshua Redmanが俊英たちと組んだ"James Farm"を筆頭に,Kenny Wheeler,John Taylor,Steve Swallowという渋いメンツによる"One of Many",Konitz/Liebman/Beirachによる"Knowing Lee",同じくLiebmanの参加したWe 3の第2作"Amazing"等など枚挙にいとまがない。ジャズだけでなく,ロックやソウルでもアップしていないアルバムもかなりの数になってしまい,はっきり言って優先順位がつけられない状態なのである。

そもそも買い過ぎなのだと言われてしまえばその通りだが,ストレスがたまって,その反動が酒と買い物に出るというどうしようもない生活である。このままでは買ったまま,年末までアップしないアルバムも相当ありそうだが,う~む,困ったものである。

2011年6月 9日 (木)

Alex Sipiagin:ライブも最高,アルバムも最高!

Alex_sipiagin_destination_unknown "Destination Unknown" Alex Sipiagin(Criss Cross)

先日,私がNYCに出張した時,Alex SipiaginのグループのライブをSmallsで目撃するチャンスがあったことは既にこのブログに書いた(記事はこちら)。その時のライブも強烈な印象を残したのだが,そのSipiagin(念のために言っておくが,この人の名前はカタカナ的に書くとシピアギンが正しいのであって,シピアジンではないことはSmallsで確認済み)の新作が出たのだが,このメンツである。期待しない方が無理だろう。

リーダーSipiaginを支えるフロントがDavid Binneyとクリポタ,リズムがCraig Taborn,Boris Kozrov,更にはEric Harlandっていうのは強烈過ぎるメンツである。現在のNYCのコンテンポラリー・ジャズ・シーンにおいては必ずや誰かが顔を出すっていう感じのオールスターではないか。かつNYCと言えどもこのメンツが一堂に会することはきわめて稀だろうっていうメンツである。誤解を恐れずに言えば,プレイバックする前から音が聞こえてきそうであるが,その演奏がこちらの期待にびしっと応えてくれるのだから,もう私としてはたまらん。

先日取り上げたPrysmが疾走感を表現しているとすれば,このバンドの疾走感はPrysmに譲るとしても,「ジャズってのは燃える音楽だぜ」という気概,あるいは実体感(i.e. リアル・ジャズとしての存在感)をPrysm以上に感じさせるようなバンドのように思える。ライブの時でも,彼のアルバムを聞いた時も思ったことだが,私はそもそもAlex Sipiaginという人の音楽とフィット感が強い。よって,ここで演奏される「わけのわからん」オリジナルを演奏していても,その強烈なジャズごころを感じさせるのがSipiaginのいいところだと思っている。そこに加わるのがクリポタならば尚更である。

バンドとしての演奏は極めて楽しめる。最近,吹きまくるクリポタが聞けなくてフラストレーションを感じていた私(実のところ,クリポタの新作"Transatlantic"に今イチ納得感がない)にとっては,ここでのクリポタこそあるべき姿という感じで思わず嬉しくなってしまったのだ。いかにも現代的なオリジナルの上に現れるクリポタのソロはまさにハードボイルドである。確かに"Transatlantic"だって十分ハードボイルドなのだが,ここでのクリポタの切れ方は半端ではない。これぞ私が彼に求める姿である。

しかも,それを煽っているのがHarlandではもうコメントを発するのは無理っていうところだろう。これぞ,現在のモダン・ジャズの礎をなす音楽だと思うと,この業界の未来は相当明るいかもしれない。そう思いたくなるほど、これって最高なのだ。但し,1曲が長過ぎてちょっと冗長な感じもあるため星★★★★☆。でもこれはマジで燃える。こういうのを聞くとNYCに住みたくなる私である。ところで,一曲目のタイトルは「次は築地」だが、一体なんでやねん?(笑)

Recorded on January 14, 2011

Personnel: Alex Sipiagin(tp, fl-h),David Binney(as), Chris Potter(ts), Craig Taborn(p, Rhodes),Boris Kozlov(b),Eric Harland(ds)

2011年6月 8日 (水)

Danny Grissett:穏やかで繊細なピアノ・トリオ

Danny_grissett "Stride" Danny Grissett(Criss Cross)

Danny Grissettと言えば,Tom Harrellのバンドのレギュラーであり,私は彼らのアルバムや,Vanguardでのライブを聞いているのだが,このGrissettのリーダー作を聞くのは今回が初めてである。Tom HarrellのバンドではGrissettの弾くRhodesの響きがいいなぁといつも思っている私だが,このアルバムでは全く違う感覚である。

一言で言えば,この人のピアノはタッチが繊細で,全く黒人らしからぬピアノと言ってよいかもしれない。別の表現を使えば,かなりクラシックの修行をしてきた感じが強いのである。よって,いわゆるゴリゴリ感とか,アーシーな感覚など皆無と言ってよい極めてスマートな音楽である。そんな感覚なので,一聴してこのアルバムが与える印象は「穏やか」というか,英語で言えばCalmって感じなのだ。換言すれば,この人の育ちの良さが如実に感じられる穏やかさってところか。

だからと言って,Bill Evansの焼き直しかと言えばそんなことはなく,フレージングは引き出しが多く,かつ相当の歌ごころを持っていると感じさせるところが,このピアニストの特性という気がした。全8曲中,オリジナルは3曲にとどまるが,彼のオリジナルも魅力的なら,選曲も魅力的なのである。何だかいい曲ばかりで,とにかく聞いていて心地よいのだ。ショパンの「エチュード」には驚いたが,それも別に違和感がない。そして,エンディングのゆったりとした"Some Other Time"を聞いて,この人の実力が確信に変わった私である(遅い!)。

こういうアルバムがCriss Crossから出ているというのが不思議な気がするが,以前の彼のアルバムもこうしたものだったのか極めて興味深いところではある。

いずれにしても,Tom Harrellのバンドとは異なる音楽性を聞かせるこのアルバムは,かなり好感度が高いだけでなく,今後のGrissettの更なる活躍を確信させる一枚。例えは変だが,おそらくはこれがCriss Crossから出ていなければ,マイナー名盤の地位を間違いなく確保したであろう作品と言っておこう。これは日本人の心の琴線をくすぐるタイプのピアノ・トリオだと思う。やや甘さに流れている感がないわけではないが,これはかなりいい。星★★★★☆。

Recorded on January 17, 2011

Personnel: Danny Grissett(p), Vicente Archer(b), Marcus Gilmore(ds)

2011年6月 7日 (火)

清々しいJ.D. Southerセルフ・カバー作

Jdsouthernaturalhistory "Natural History" J.D. Souther (Entertainment One)

J.D. Southerが2008年に25年振りとなる新作を発表した時には相当こき下ろした私だが(記事はこちら),それなら彼が新譜を出そうが,何しようがもう見限っておけばいいではないかという話もある。しかし,今回の新作,彼が携わった曲のセルフ・カバー作と聞いては,やはり気になって買ってしまった私である。

そして,このアルバムでは,Eaglesレパートリーを含めた曲をアンプラグドのようなかたちで演奏されるのだが,あのJDの声はいまだに健在,非常に清々しいい印象を残しているのである。これははっきり言って曲の勝利である。いい曲が揃っているもんなぁ。

そうした印象は全編を通して変わることがない。これなら昔のファンが聞いても全然問題なしって感じで,前作で一度は失いかけた信頼を,このアルバムでJDは取り戻したと言っては言い過ぎか。まぁでもこれって「昔の名前で出ています」的な企画だと言ってしまえばそれまでなのだが,それでもいいものはいいのである。刺激はないが,ここには多くの人が期待するJDの姿があって,私はこのアルバムは結構好きである。星★★★★。

Personnel: John David Souther(vo, g), John Hobbs(p), Chris Walters(p, org), Bryan Sutton(g), John Jorgensen(g), Jerry Douglas(dobro), Viktor Krauss(b), Jim White(ds, perc), Rod McGaha(tp), Jeff Coffin(as, ts, ss), Charlie McCoy(vib)

2011年6月 6日 (月)

Prysm:これを聞いて燃えない奴はもぐりだ!

Prysm "Five: Live at Opera de Lyon" Prysm(Plus Loin Music)

となかなか刺激的な主題である。しかし本当なのだ。私はPrysmがリアルタイムで活躍していた頃のことはほとんど知らないので,彼らについて語る資格はほとんどない。しかし,今やなかなか手に入らない"On Tour"の強烈なことはブログのお仲間の皆さんの記事から推して知るべし(某輸入盤屋のバーゲン・コーナーにあったのに,その頃は関心がなかったから買い逃したままだ)だったので,気にはなっていた。そしてめでたく,それ以来のアルバムとなる作品が突然リリースされた。

その間に,私も欧州ジャズに結構目覚めてしまって(完全にではないが...),Pierre de Bethmannのアルバムもこのブログで取り上げたし,Benjamin Henocq入りのアルバムも取り上げている。しかし,ここで聞かれる音楽は,とてもフランス人とは思えない演奏というか,とにかく熱い。それに輪をかけるのがRosario Giulianiである。Prysmの面々も飛ばしまくっているが,Giulianiも暑苦しいというか,燃えるような激演である。ギターのManu Codjiaってのはこれまで聞いたことがないが,これまたジャズのフィールドからははみ出したと言っていいギタリストも加わり,全編を通じて私としては興奮の坩堝という感じであった。

このスピード感や強烈なテンションは最早ロックを聞いている時の快感に近い。これでは聴衆が燃えるのは当然だが,これをリヨンのオペラ座でやってしまうというのがこれまた快感である。クラシックの殿堂のような場所に流れる強烈なコンテンポラリー・ミュージック。フランス人って自由なのねぇなんて妙な感心の仕方をしてしまった私である。

いやいやそれにしてもこれは強烈。「興奮度」という観点では,これまでのところ今年ナンバーワンと言ってもよいだろう。激烈な音楽の快感に浸りたい方は是非。このアルバムには多言は無用だろう。触れてみればわかる。星★★★★★。でも火傷には注意(笑)。それにしても丁度2年前の録音だなぁ。こんなに強烈な演奏をできてしまうんだから,ちゃんと活動は継続して欲しいものである。そして日本に来て欲しいと思っているのは私だけではないはずだ。

Recorded Live at Opera de Lyon on June 5 &6, 2009

Personnel: Pierre de Bethmann(p. key), Christophe Wallemme(b), Benjamin Henocq(ds), Rosario Giuliani(as), Manu Codjia(g)

2011年6月 5日 (日)

Steve WinwoodがEric Claptonと来日するそうだ

Clapton_winwood_live 今年の暮れにこの両巨頭の来日公演が実現するようである。これはやっぱり気になるよねぇ。多分行くな。Steve Winwood,いいからねぇ。日程は下記のようなものらしい。頑張るねぇ。

11/17(木)札幌
11/19(土)横浜
11/21(月)大阪
11/22(火)大阪
11/24(木)福岡
11/26(土)広島
11/28(月)金沢
11/30(水)名古屋
12/2(金)東京(日本武道館)
12/3(土)東京(日本武道館)
12/6(火)東京(日本武道館)
12/8(木)東京(日本武道館)

2011年6月 4日 (土)

ザ・ストレス

と言ったら森高千里だが、今日はそれとは違う話である。

最近、仕事の変化により、ストレスがたまりまくっていて、そのはけ口は酒に向かっている。世の中、腹の立つことも多いし、酒量は増える一方で、不健康なこと甚だしい。

まさに、「たまる、ストレスが、たまる、無茶苦茶よ。ストレスが私をダメにする」って感じである。

今にして思えば森高千里の歌の通りな、私である。まじでたまる〜。ついでだから,画像もアップしてしまおう。懐かしいねぇ。

2011年6月 3日 (金)

出張中に見た映画(11/05編):その5

Photo 「あしたのジョー」('11,東宝)

監督:曽利文彦

出演:山下智久,香川照之,伊勢谷友介,香里奈,倍賞美津子

随分と時間が空いてしまったが,米国への出張中に見た最後の映画がこれである。私は原作の「あしたのジョー」の世代なので,あのちばてつやのマンガの世界がどのように映像化されるかに興味が集中するのは当然である。

この映画は原作にできるだけ忠実に作ろうとした姿勢は感じられるが,笑えるのが香川照之の怪演であろう。メイクを施しているとは言え,まさに丹下段平って感じなのである。これが本当に笑える。しかし,その香川を差し置いて,この映画で最も凄いのは伊勢谷友介であろう。減量に減量を重ねていく姿は,まさにあの「力石徹」のイメージそのものである。彼の横顔が,原作の力石と重なったと言っても過言ではない。プロとしての役者根性を見せたと言ってもよいと思う。

それに比べれば,山下智久のうす味加減はどうしようもないし,香里奈は完全なミスキャストである。更にスーパー・スロー映像のようなかたちで,拳闘シーンを見せる演出は明らかにあざとい。そしてしつこい。

そうした文句はありながらも,伊勢谷と香川の二人によって,これはある程度見られる映画になっていたと言ってもよい。だからと言ってもう一回見たいと思う映画ではないというのがこの映画の限界である。二人の役者の頑張りに敬意を表して星★★★。でもこれだけははっきり言っておくが,「ヤマト」よりはるかにましな映画である。

2011年6月 2日 (木)

Steve Hackettのプログレ魂

Steve_hackett_live_rails "Live Rails" Steve Hackett(Inside Out)

いきなりであるが,Steve Hackettという人に私はかなりのシンパシーを感じてしまう。私は別に彼のファンってわけではないのだが,私が保有する決して数多くないアルバムを聞いているだけで,特にライブにおける彼のギターって非常に魅力的だよなぁって思わせてくれる。"Seconds Out"然り,"Tokyo Tapes"然りである。

そのHackettの新しいライブ盤がリリースされたのだが,これまた私が嬉しくなるような出来である。こういう音源を聞いていると,ポップ化する前のGenesisを支えていたのはHackettだったんだろうと思わせるし,ポップへ傾斜していくGenesisに嫌気がさして脱退するのも必定だったように感じられる。この時代になってもここで聞かれるような音楽をやっているってことは,骨の髄からプログレな人なのだろうと思う。

本作は2009年から2010年に掛けてのツアーの様子をパリ,ロンドン,NYCで収録したものだが,ある意味では本当に何も変わらないねぇと思わせる。いつものようなHackettのギター・プレイが聞けてこれがかなり楽しい。演奏はほとんどハイブラウなものだが,"Serpentine Song"のようにまるでCSN&Yのコーラス・ワークかっ!と思わせる曲もあり,その辺はおそらく好みが分かれるはずである。だが,Hackettの現役ミュージシャンとしての実力をきっちり捉えていると言ってよい。

いずれにしても,全体的には私が求めるHackettの音楽と言ってよく,こうしたアルバムは(きっとそんなに売れないだろうが),より多くの人に聞いてもらいたいと思ってしまう。録音は現在のレギュラー・バンドによるものだろうが,バックもタイトに好演していている。中でもこの手の音楽にAmanda Lehmannという女性ギタリストが参加していることは非常に珍しいが,彼女もギターのみならず,コーラスでも貢献している。もちろん,本作には"Tokyo Tapes"のようなメンツの重量感はないが,出てくる音楽の質感はかなり近いのである。その辺りがSteve Hackettの音楽性が一貫していることを示しているように思える。

こんなライブなら,小さな小屋で見てみたいものである。全部が全部,曲も最高だとは思えないが,これはかなりいけている。星★★★★。

Recorded Live in Paris, London and NYC between 2009 and 2010

Personnel: Steve Hackett(g, vo), Roger King(key), Amanda Lehmann(g, vo), Gary O'Toole(ds, perc, vo), Nick Beggs(b, stick, vo), Rob Townsend(sax, perc, vo)

2011年6月 1日 (水)

Julian & Roman Wasserfuhr: ロマンティシズムという言葉はこういう音楽のためにある。

Gravity "Gravity" Julian Wasserfuhr & Roman Wasserfuhr (ACT)

ブログのお知り合いのすずっくさんのご紹介記事なかりせば,絶対自分では買っていないし,聞いてもいないだろうというアルバムである。しかもこのわけのわからんジャケだしねぇ。しかし,これが完全にネクラの私の琴線をくすぐる極めてロマンティックな響きに溢れたアルバムで一発でまいってしまった。

全編を通じて,ほぼミディアム/ミディアム・スロー以下のテンポで演奏されるのが,そこに挿入されるアップ・テンポの2曲が甘さだけに流れない絶妙なバランスを構成していると言ってもよいかもしれない。まぁそれでも,私としてはNat King Coleでお馴染みの私のカラオケの持ち歌である(爆)"L.O.V.E."はなかろうという気もするが,それでもこれはかなりよい。

そもそも私はトランペットのワンホーンというフォーマットが好きということもあるが,ほぼフリューゲルで通すJulian Wasserfuhrは1987年生まれというのが信じられないような歌ごころを示してるではないか。これにははっきり言って驚かされるが,どうしてこの年齢で酸いも甘いも噛みわけたような演奏ができるのか?そもそもこの人がドイツ人だというのも音楽的にはちょっと感覚が違う。ドイツと言えばフリー・ジャズみたいな感覚が私にはあるのだが,この人たちの演奏する音楽は,フリー・ジャズとは対極である。もちろん,ドイツはクラシック音楽の本場でもあるので,いろいろな音楽性があって然るべきとは言え,何となく突然変異的に現れてきたようにさえ思えてしまうぐらいである。

それにしても,このアルバムをプロデュースしたのがドラムすのWolfgang Haffnerというのも意外である。Haffnerと言えば,フュージョン・バンドMetroのメンバーだが,これまたMetroの音楽とは全然違うではないか。またこの人もいろいろな顔を持ったミュージシャンであることがわかってしまうプロダクションぶりである。

繰り返しになるが,ここに聞かれるロマンティシズムにしびれるリスナーは多いのではないかと思う。決してネクラだからこの音楽を好きなのではない。本当にしびれる出来なのである。久々にじっと膝を抱えたくなる音楽に出会ってしまったって感じである。星★★★★☆。こりゃーええですわぁ。

Recorded between January 4 & 6, 2011

Personnel: Julian Wasserfuhr(tp,flh), Roman Wasserfuhr(p, celesta, synth), Lars Danielsson (b, cello, g), Wolfgang Haffner (ds)

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