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2011年6月 8日 (水)

Danny Grissett:穏やかで繊細なピアノ・トリオ

Danny_grissett "Stride" Danny Grissett(Criss Cross)

Danny Grissettと言えば,Tom Harrellのバンドのレギュラーであり,私は彼らのアルバムや,Vanguardでのライブを聞いているのだが,このGrissettのリーダー作を聞くのは今回が初めてである。Tom HarrellのバンドではGrissettの弾くRhodesの響きがいいなぁといつも思っている私だが,このアルバムでは全く違う感覚である。

一言で言えば,この人のピアノはタッチが繊細で,全く黒人らしからぬピアノと言ってよいかもしれない。別の表現を使えば,かなりクラシックの修行をしてきた感じが強いのである。よって,いわゆるゴリゴリ感とか,アーシーな感覚など皆無と言ってよい極めてスマートな音楽である。そんな感覚なので,一聴してこのアルバムが与える印象は「穏やか」というか,英語で言えばCalmって感じなのだ。換言すれば,この人の育ちの良さが如実に感じられる穏やかさってところか。

だからと言って,Bill Evansの焼き直しかと言えばそんなことはなく,フレージングは引き出しが多く,かつ相当の歌ごころを持っていると感じさせるところが,このピアニストの特性という気がした。全8曲中,オリジナルは3曲にとどまるが,彼のオリジナルも魅力的なら,選曲も魅力的なのである。何だかいい曲ばかりで,とにかく聞いていて心地よいのだ。ショパンの「エチュード」には驚いたが,それも別に違和感がない。そして,エンディングのゆったりとした"Some Other Time"を聞いて,この人の実力が確信に変わった私である(遅い!)。

こういうアルバムがCriss Crossから出ているというのが不思議な気がするが,以前の彼のアルバムもこうしたものだったのか極めて興味深いところではある。

いずれにしても,Tom Harrellのバンドとは異なる音楽性を聞かせるこのアルバムは,かなり好感度が高いだけでなく,今後のGrissettの更なる活躍を確信させる一枚。例えは変だが,おそらくはこれがCriss Crossから出ていなければ,マイナー名盤の地位を間違いなく確保したであろう作品と言っておこう。これは日本人の心の琴線をくすぐるタイプのピアノ・トリオだと思う。やや甘さに流れている感がないわけではないが,これはかなりいい。星★★★★☆。

Recorded on January 17, 2011

Personnel: Danny Grissett(p), Vicente Archer(b), Marcus Gilmore(ds)

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コメント

音楽狂さん こんにちは。

こんな感じの アルバム好きです。
穏やかで繊細。
いいですね。

それとは 反対?! といいますか
クラブ・ジャズって ジャズですか?
わたし 中古で安かったのと ジャケットがシンプルできれいってだけで 衝動買いしてしまったアルバムがあるんです。
ジャズコ-ナ-にあったからジャズだと思ったのですが…
かなり アップテンポ ディスコ(古っ)みたいでした。
オムニバスなんですが
「Colours of Groove 4」です。

聴かれたことありますか?
気分によっては こういうのもいいなぁと思いましたが
ご紹介のアルバムのほうが聴きたかったです…

マーリンさん,こんばんは。このアルバム,結構いいですよ。

クラブ・ジャズというのはよくわからない謎のカテゴリーです。私にとってはビートや低音が強調されたダンス・フロア向けの音楽って感じでしょうかねぇ。やはりよくわからないんです。"Groove"とついているから,そういう感じでしょうが,ジャズの本質からはちょっと離れているのではないかと思っています。まぁいいんですけどね。

知的で繊細な感じもあっていいピアニストと思いました。過去盤も良かったですが、さすがにトリオでこのレーベルからアルバムを出し続けている人ですね。

今回Criss Crossはどれもいいアルバムなので、逆に困ってしまいます(笑)。

TBさせていただきます。

>極めてスマートな音楽である。

でしたねぇ。
時に、甘い香りが立ちこめるようなロマンティックな演奏で、感情移入もなかなかでした。

>そして,エンディングのゆったりとした"Some Other Time"を聞いて,この人の実力が確信に変わった私である(遅い!)。

うん、結構、遅い。(笑)
って、冗談ですが、前からいいと思ってたんですが、今回のアルバムは、わたくしは特に好きかも。だって、女の子だし。(爆)
おすすめのピアニストの仲間入りですゎ。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

私にとっては,Criss Crossらしからぬ音楽で予想外でしたが,こういうののなら大歓迎です。実力ありますよねぇ。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

すずっくさん,こんばんは。TBありがとうございます。

このアルバムはそれこそマーリンさんにお薦めしたいって感じのアルバムです。誰が聞いてもきっと満足できる,かなりの好印象アルバムでした。

こういうタッチを聞かせるからTom Harrellも気に入ったんだろうなぁって思います。

こちらからもTBさせて頂きます。

中年音楽狂さん、こんばんわ。

グリセットは顔つきからしてNobleですからね。デビュー当時から比べるとちょっとふっくらしてきたような気もしますが、でもイイ面構えですよね。

最初はちょっと地味目なアルバムかとも思いましたが、これはこれで良い感じです。激しいのが聴きたいときは旧作を聴けば良いかと。トム・ハレルの新譜でもグリセットが弾いてますが、やっぱりかの真価はピアノトリオだと、トムハレルのアルバムを聴いて思っちゃいました。

ということで、TBさせていただきますね。
今回も残念ながら中年音楽狂さんのTBは駄目でしたので、本文最後にリンクを貼らせていただきます。

では、また。

crissさん,こんばんは。TBありがとうございます。私のは相変わらずダメですが,crissさんのTBはちゃんと届くようになったようです。う~む。リンクお世話さまです。

それはさておき,このアルバムを最初に聞いたときはへぇ~っと思いました。もっと激しいかと思っていたんですが,この上品さは結構たまらないものがありました。私はこれは評価しちゃいますね。

Tom Harrellの新譜は試聴したんですが,実はそれで買う気が失せました。だって変なんですもの(爆)。

こんにちは
買いました♪
すごく良いです。

まだ 届いたばかりなのであまり ゆっくり聴けていませんが こちらも エヴァンスのご紹介くださったアルバムのように 膝をかかえて ゆっくり聴きたいです。
落ち着きますね。

マーリンさん、おはようございます。返信が遅くなりました。お気に召して幸いです。

私にとっては「膝を抱えて」聞くというタイプの音楽ではないかもしれませんが、それでもこれは非常に落ち着きを与えてくれるアルバムだと思っています。飽きのこないいい演奏ですよね。

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
紹介を受けたこのアルバム、突然良さが襲ってきました。
素直に聞かないといけない繊細さがあります。
TBさせていただきます。

monakaさん,続けてこんばんは。TBありがとうございます。

私が想定していた音とは違いましたが,だからと言ってこれが嫌いなわけではありません。むしろ積極的に支持したい音楽でした。この人は間違いなくクラシックの素養があると確信しましたが,ジャズ的なセンスも半端ではないところが凄いです。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

>黒人らしからぬピアノ
と言うのは、言えてますね。
だからといって、北欧調の温度感が低いピアノになっているわけでもなく、適度に熱い演奏が楽しめて◎です。
おっしゃっているクラシックの修行をしてきた感を想起させる知的な雰囲気を維持した丁寧なソロが印象的なアルバムでした。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。

この人,間違いなく育ちの良さを感じさせます。それがジャズという音楽をやる上でいいか悪いかという議論はあると思いますが,もはやジャズも普遍性を持っている以上,こういうタイプの演奏が出てきても不思議はないですね。

Wynton Marsalisが一番の優等生(必ずしも人から好かれない)とすれば,この人は何も言わないけれども勝手にクラスの中心になっているような感じがします。例えが変ですが。

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