2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

2016年おすすめ作

無料ブログはココログ

« 追悼:Phoebe Snow | トップページ | Karizma:タイトなフュージョンってぇのはこういうもんだ! »

2011年5月 3日 (火)

Randy Breckerの歌ごころ

Randy_brecker "The Jazz Ballad Song Book" Randy Brecker with DR Big Band(Red Dot Music)

昨年,私がジャズのベスト・アルバムの一枚に選んだのがChris Minh Dokyの"Scenes from a Dream"(記事はこちら)であったが,そのアルバムはDoky自身のレーベルからのものだということは特に認識していなかった。しかし,今回,DR Big BandとChris Potterの共演盤が同レーベルから発売されるということもあって,Webサーフィンをしていたら,同時にこのRandy Breckerとの共演盤もリリースされるという情報をキャッチした。

実は私は,それほど熱心なビッグバンドのリスナーではないこともあり,本盤は購入すべきかどうか迷っていたのだが,今回,そのChris Potter盤を買おうと思ってショップを訪れた際に,収録曲を見て,これは買いだと即決したものである。原則,著名なスタンダードや映画音楽をDR Big Bandとデンマーク国立室内管弦楽団のストリングスをバックにRandyが吹くというものである。加えてRandyのオリジナルが2曲という構成だが,"Goldfinger"(そう,あの007のである)みたいな珍しい曲もありながら,魅力的な曲揃いなのである。

それでもって,このアルバムであるが,タイトル通り基本的にはバラッド中心であるが,冒頭の"All or Nothing at All"なんてミディアムに軽快に決めているから,バラッドばかりというわけでもない。だが,そんなことは正直言ってどうでもよくて,このアルバムはRandy Breckerの歌ごころを聞くためのアルバムであると言ってもよい。Randyと言えば,どうしても以前のBrecker Brothersにおけるイケイケの音楽を想像してしまうのが人情であるが,ここにあるのは成熟したトランペッターとしてのRandy Breckerの姿である。そして,これが何とも素晴らしい吹奏ぶりなのだ。

私は2曲目の"Cry Me a River"で完全に参ってしまったのだが,輪を掛けて泣かせるのが"The Immigrant/Godfather"である。そう,あの「ゴッドファーザーPart2」のテーマ曲である。このメロディそのものがそもそも泣かせるものだが,ここでのRandyのフレーズを聞いていてしみじみとしてしまった私である。私としては,ここでの演奏が全曲完璧なものとは思わない(特にRandyのオリジナルはアドリブはいいが,曲そのものは今イチって気がする)が,それでもここでのRandyとBig Bandのコラボレーションは結構なレベルに達しているし,ビッグバンドのソロイストのレベルも高い。だが,それをもはるかに凌駕するRandyの素晴らしいソロである。こんなにいいトランペッターだったのかと今更ながら気づかされてしまった私であった。そうした反省も込めて星★★★★☆としよう。これはやはりよい。プロデュースをしたのはChris Minh Dokyだが,わかってるねぇ~と思わずひとりごちてしまった。繰り返すが,これはRandyの歌ごころを楽しめばいいアルバムだと言い切ってしまおう。

そう言えば,このDR Big Bandは以前,Maria Schneiderをアレンジャー,コンダクターに,更にはDavid Sanbornを迎えて,Gil Evansのオリジナル・スコア再現に取り組んでいた(当該演奏を収めたブートに関する記事はこちら)から,進取の精神に富んだバンドだと言えると思うが,それにしても大したものである。デンマークという国のジャズへの取り組みが非常に高いレベルにあることを実証していると思う。

Recorded in January, 2010

Personnel: Randy Brecker(tp) with DR Big Band: Michale Bojesen(cond), Anders Gustafsson(tp), Christer Gustafsson(tp), Thomas Kjagaard(tp), Mads la Cour(tp), Gerard Presencer(tp), Vincent Nilsson(tb), Steen Hansen(tb), Peter Jensen(tb), Annette Huseby Saxe(tb), Jakob Munck(tb), Nicholai Schultz(reeds), Peter Fuglsung(reeds), Lars Moller(reeds), Uffe Markssen(reeds), Pelle Fridell(reeds), Henrik Gunde(p), Kasper Vadsholt(b), Seren Frost(ds), Per Gade(g) with Danish National Chamber Orchestra

« 追悼:Phoebe Snow | トップページ | Karizma:タイトなフュージョンってぇのはこういうもんだ! »

ジャズ(2011年の記事)」カテゴリの記事

新譜」カテゴリの記事

コメント

おお、璃事長とシンクロニシティでしたね。

これはクリポタとともに買いですかね。兄に聞かせてやらんとな(笑)。

ヨーロッパの放送局系(?)ビッグバンドはケルンのWDRがブレッカーブラザーズやザヴィヌルとの共演で有名ですが、ここhttp://bogardjazz.blogspot.com/とか見ると他にもHRとかNDRとかいろいろあって、一流どころを読んでバンスカコンサートやってるみたいですね。ただ呼んできて聴くだけじゃない地元音楽業界の意地みたいなものを感じますな。羨ましい限りです。ええと日本は・・・

こやぎさん,おはようございます。本当に偶然ですわ。

その通り,クリポタとともに買いました。ついでにDR Big BandとJeff Wattsの共演盤ってのもあったので,珍しくもビッグバンドものを3枚買ってしまいました。

欧州のビッグバンドって,DRもWDRもNDRも放送局が抱えている感じですから,ミュージシャンも収入的にある程度は安定して,チャレンジングな取り組みもできるような気がします。

日本の場合,これをできるのはNHKしかないと思いますが,クラシック偏重の彼らにはそんな気概はないでしょうねぇ。本来は国から助成金を出してでもやっていいと思いますけどね。

それはさておき,このアルバムはよかったですぜ。ちなみに明日からUS出張ですわ。きついなぁ。Smalls行かなきゃ(爆)。

音狂閣下、トラバしたままですみませんでした。

と、わたし的には、クリポタのおまけみたいなモンだったのですが、あけてびっくり玉手箱でした。
歌心満載って、その通りですね。
わたしは、ヒロミちゃんよりこれでげんきをもらえましたよ。
ヒロミちゃんもいいアルバムだと思いましたけど。

デモねぇ。。お兄様、、には、どうかなぁ。
あの3兄弟、、くさい感じの曲はだめなんですよねぇ。

無事つきましたか?

すずっくさん,こんばんは。というかこちらは朝の7時過ぎですが(笑)。ということで,無事到着しております。

私もRandyには悪いですが,クリポタのおまけで買ったようなものです。それがこんなにいいと嬉しくなってしまいますよねぇ。ありがたや,ありがたや。

上原ひろみはRandyとは異質の音楽と思いますが,あれはあれで楽しめばいいでしょう。ついでに言うと,3兄弟にとっても完全に異質の音楽でしょうね(違うか?)。

 今、NYCですね、、良い時間をお過ごしのこと羨ましいです。折角の時間を思い切り、楽しんで下さい、、私も行きたいです。歌ごころRandy、、同感です。
Jeffの後ろでミネラルウォーターを持ってるRandy、演奏が始まり演奏するRandy、、たまたま見つけた映像に微笑んでしまいました。歌ごころ、Randy、、何故か映像をみているだけで、温かくなる。
http://www.youtube.com/watch?
v=YCsbQVXRPYA
 
 

http://www.youtube.com/watch?v=YCsbQVXRPYA

さっきはすみません。貼り付けの時、ミスしました。 これなら、、

ひまわりさん、こんにちは。返事が遅くなりました。現在、シャーロットの空港におります。これからダラスに向かうところです。まだ画像は拝見していませんが、仲間ならではの感覚が見て取れるんでしょうね。

久々のNYCはやはり刺激的でした。また行きたいです。

お疲れ様です。シャーロットから、ダラスですか?NYCだけではなく、移動、さらに移動だったのですね。
それは、きついですわ!まあ!
 私は、早いフライトを考えただけで心配で、日本の家族に「起こして電話」をお願いし、さらに、目覚ましセットです。
早く寝ようと思っても、、、せっかくここまで来ているのに、行きたい、観たい、、で、優先順位を決めるのに必死で、結局は寝る時間を削ってしまいますが、身体に悪いんですよね。
時差ぼけは、太陽みれば大丈夫!と言いながら、友人宅で夕食を待ってる間に寝てしまったこともあります。それが1時間半も、、ほんの、15分くらいに思っていたのですが、、びっくり。
 音楽狂さま、どうぞ、こまめに睡眠を取って下さい。私は、南部の田舎街も好きです。
ナッシュビルのシナモンとりんごの香りがする土産物屋さんを思い出しました。

ひまわりさん,こんにちは。返事の順番が前後してしまい申し訳ありません。ダラスの仕事が先ほど終わりました。最終目的地はSF~San Joseなので,また明日の朝,移動です。

まぁ,私は出張中の移動には慣れている方ではありますが,やはり体力的にはきついですねぇ。年ですね。でもあと二日ですので,がんばります。

皆さん、だいぶ早く聴かれてますねえ。注文で出遅れ、入荷で待たされて、しかもバラード集ということで、順番を後回しにしてしまったので、もっと早く聴けばよかったなあ、と思います。

バラード集なんですけど、それを飛び越えてソロで吹きまくる場面があったり、半数以上の曲が何だか割と賑やかなバンドアレンジに聴こえたのは、気のせいでしょうか。個人的にはけっこう好みのタイプのサウンドだったのですが。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

私も最初はこのアルバムを買うつもりはなかったんですが,買って正解でした。少なくともRandy Breckerがこれほどの歌心を持っていたと認識できたことだけでも価値があったと思います。

こちらからもTBさせて頂きます。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198475/51533076

この記事へのトラックバック一覧です: Randy Breckerの歌ごころ:

» The Jazz Ballad Song Book / Randy Brecker Feat. DR Big Band [My Secret Room]
秋風とともに聴くトランペットには、人生の悲哀が漂うけど、緑の風にのせて聴くトラン [続きを読む]

» The Jazz Ballad Song Book/Randy Brecker With DR Big Band [ジャズCDの個人ページBlog]
このレーベルのこのシリーズ、ちょっと前にクリス・ポッターのオリジナル集が出たんで [続きを読む]

« 追悼:Phoebe Snow | トップページ | Karizma:タイトなフュージョンってぇのはこういうもんだ! »

Amazon検索

2017年おすすめ作