最近のトラックバック

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

2016年おすすめ作

無料ブログはココログ

« 愚かなのは政治家だけではなかった。 | トップページ | 中年音楽狂 in 広州 »

2011年3月24日 (木)

加賀恭一郎シリーズの新作は...

Photo 「麒麟の翼」 東野圭吾(講談社)

おなじみ,加賀恭一郎シリーズの新作である。私は前作「新参者」を結構高く評価したが(記事はこちら),今回は前作の連作的なかたちと異なり,完全な書き下ろしである。今年,あと2作の新作出版を抱える東野としても,相当の早書きをしたのではないかと想像されるが,ストーリーとしては正直言ってあまり驚きがない。

伏線をちゃんと張っていて,全ての辻褄は合っているので,いい加減さというのは微塵も感じられないが,それでも「新参者」のストーリーテリングが見事だったのに比べると,かなり見劣りがする出来と言わざるをえないだろう。

もちろん,加賀恭一郎という主人公の魅力は今回も不変であるが,今回のプロットについては,少々安っぽい2時間ドラマのようにさえ感じさせるところが決定的な難点である。映像にすれば,それなりのものに仕上がるだろうが,小説として読んでいると,「ほんまかいな」,あるいは「ありえへん」という突っ込みを入れたくなるようなものである。もちろん,冒頭から一気に読ませる東野の構成力,筆力については疑いもないが,これはシナリオの出来があまりよろしくない映画を見るようなものだと言っては言い過ぎか。特に登場人物の交錯し具合が唐突な感覚が強いのである。更に,人物の造形がいかにもありがちという感じで,面白みに欠ける。

東野も阿部寛主演によるドラマ化を想定しての作品として書いたのではないかとうがった見方もしたくなるが,純粋ミステリーに仕立てたいのか,人情ものに仕立てたいのか何ともよくわからないというのが正直なところである。

しかしながら,面白く読ませてもらったので,そこは評価して星★★★としておこう。私が「新参者」を読み終えた後,私の母がその本が欲しいと言ったのでそれを譲ったら,「新参者」は大層面白かったと言っていたが,彼女がこの本を読んだら,何と言うだろうか。彼女は小説について熱心な読み手とは言えないが,その反応には非常に興味あるところである。今度,何かのついでに送ることにしよう。

« 愚かなのは政治家だけではなかった。 | トップページ | 中年音楽狂 in 広州 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198475/51185797

この記事へのトラックバック一覧です: 加賀恭一郎シリーズの新作は...:

« 愚かなのは政治家だけではなかった。 | トップページ | 中年音楽狂 in 広州 »

Amazon検索

2017年おすすめ作