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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2011年2月28日 (月)

この時期はつらい...

私は1980年代後半以来の花粉症持ちである。突如発症した時のあの訳のわからなさは今でも記憶に新しいが,長年のアレルギー発症により,この季節は非常に憂鬱になってしまう。特に今年は花粉の飛散量の多さが早くから言われていたので,ますます憂鬱であった。

しかし,通常,私は人より早く発症して,人より早く治癒するというパターンだったので,今年はなかなか発症せず,どうしたのかと思っていた。しかし,先日の春一番を境に,強烈に花粉が飛びだしたようで,いきなり症状がドカンと来たという感じである。今年は特に鼻のむずむず感がひどいように感じる。

こういう状態で困るのは,集中力がどんどん低下していくということで,音楽を聞いていても集中できない状態が結構続いてしまう。そんな状態であるから,週末に音楽を聞いても楽しめない。よって,音楽に関する記事も書きようがない。

時間の経過によって,花粉症は治癒するものであるとはわかっているものの,ここ数日の飛び方はおそらく半端でなく,これまでとのギャップに頭も体もおかしくなりそうである(頭は昔からおかしいという話もあるが...)。ここのところ,結構記事をアップしたいアルバムはたまってきているのだが,少なくとも本日はその気力なしである。明日以降も心配になってきたが,花粉症悪化の因子として「ストレス、睡眠不足、飲み過ぎ」が挙げられているそうなので,慢性的睡眠不足で慢性的な飲み過ぎの私がよくなる要素はないってことかもなぁ。ますます憂鬱になってきた。

2011年2月27日 (日)

BANN:ちょっと期待が大き過ぎたかも知れないな

Bann "As You Like" BANN(Jazz Eyes)

このアルバム,巷で結構な話題になっていたものだが,ようやく発売されたようである。と言っても,私は新品が店頭に並んでいないのに中古でゲットしてしまうという変な入手パターンであったため,「ようである」と書かざるをえないのである。

それはさておきである。なぜ,このアルバムが注目を集めるかと言えば,Seamus BlakeとOz Noyの共演だからと言ってもいいだろう。正直言ってしまうと,私はOz Noyのアルバムを店頭で試聴してみても,一度もピンと来たことがなく,そのためこれまで彼のアルバムを買ったことは一度もない。それでも,Seamusとの共演であれば,そんな私でも聞いてみたいと思ってしまったのである。

冒頭から,いきなり変態的な"All the Things You Are"で始まり,おぉっ,これはと思わせるのだが,聞き進んでいってみると,演奏自体は決して悪いと思わないのだが,このフロント二人に期待するような高揚感が得られないのはどうしたことだろうか。我々リスナーは,あるイメージを持って音楽を聞いてしまっているから,実際とは違った姿を期待してしまっているのかもしれないが,それでもこれはちょっと「肩透かしを食う」という感覚に近いかもしれない。つまり,Seamus BlakeとOz Noyならもっとかっ飛ばした(あるいはぶっ飛んだ)演奏をするだろうという予断が私にあったからなのかもしれないが,このアルバムは私が想定した以上に淡々としているのである。結構ルースな感覚が強く,ファンク度もそれほど高いわけではないというのもちょっと意外な感じがした。私としてはもうちょっと派手にやって欲しかったなぁというのが本音である。

しかし,そうした印象を持ちながら,何度か聞いていると,やはり演奏自体は悪くない。特にタイトル・トラックにおけるSeamusのフレージング等は特によいし,David Crosby作の"Guinnevire"をここで聞くとは思わなかったが,これがしっとりしたなかなかの出来なのである。ということで,私にとっては評価していいのかどうなのかさっぱりわからん相当アンビバレントなアルバムである。それでもこのアルバムは星★★★が精一杯だろうってほどの出来だと思う。だってあんまり好きになれないんだもんなぁ(爆)。

世の中の期待に応えるのはなかなか大変なことだとは思うが,ここではSeamus,更にはOz Noyももっと頑張るべきだったと言っておこう。これではあまりにも惜しいねぇ。

Recorded on May 27 & 28, 2009

Personnel: Seamus Blake(ts), Oz Noy(g), Jay Anderson(b), Adam Nussbaum(ds)

2011年2月26日 (土)

やっぱり凄いぞ,山田べにこ!

2いやいや,びっくりである。2/24(木)にNHKの「クエスタ」に山田べにこが出演することはこのブログでも告知していたのだが,彼女がTV出演すると,私のブログへのアクセスが急増するという法則は今回も見事に繰り返された。驚きの2日間で6,000PVである。日頃は一日当たり800~900PVの私のブログにしてはやはり異常である。これは公共放送としてのNHKの力と言ってもよいかもしれないが,昨日,録画しておいた同番組を見て,ほかのどの女性出演者より,山田べにこその人が一番魅力的に映ったのだから,このアクセス数急増もむべなるかなである。

そうは言いつつも,彼女もだいぶTV出演慣れしてきたようには見受けられるが,その素人っぽさ,初々しさは今でも不変で,それが多くの男性諸氏の琴線に触れたに違いないと思っておこう。しかし,NHKも3カ月に1回出演させるってどういうこと?プロデューサーの趣味に違いない(笑)。でも彼女,番組出演によって,相当好感度高く映っているはずだと確信した私である。だって,温泉に入ってなくたって魅力的ですから。まぁ,でもあんまりメディアに露出しないで欲しいなぁなんてわがままなことも思ってしまう私である。

2011年2月25日 (金)

現物はまだ来ていないが,Brad Mehldauの新譜の話

Live_in_marciac"Live in Marciac" Brad Mehldau (Nonesuch)

当初1/11のリリース予定だったものが,延び延びになって,ようやく発売された待望のBrad Mehldauの新譜である。とは言っても,私はNonesuchのサイトで購入したので,現物は現在空輸中で,購入者には自動的に付帯される320kbpsのMP3音源で聞いている。このMP3音源,一部,拍手の途中でブツっと切れて,次の曲に行ってしまう部分があるが,現物がどうなっているかはまだわからない。それはさておきである。現物にはDVDも付帯してくるので,それも楽しみではあるが,今日はまずは音だけについて語ってみよう。

そもそもこの音源が録音されたのは2006年のことであり,この音源がなぜ今になって発売されたかはよくわからない部分があるが,2006年と言えば,トリオでのVanguardライブもその年であったから,Mehldauが活発なライブ活動を行っていた頃と解釈してもよいかもしれない。いずれにしても,ソロ・アルバムとしては2003年のすみだトリフォニーでのもの以来ということになるが,この2作の間の3年半でMehldauが強烈に成熟度を深めていることがわかる演奏である。それは冒頭の"Storm"から"It's All Right with Me"への流れからも感じられる。"Storm"を長大なイントロのごとく,"It's All Right with Me"になだれ込んでいくさまは,まさにMehldauというピアニストが素晴らしい集中力で演奏に臨んでいることを感じさせるものである。

ここでは久しぶりに"Elegiac Cycle"からも3曲を演奏して,Mehldauは一旦ここでそれまでのソロ演奏活動を総括しようとしたのかもしれないが,そのほかにそれまでは弾いたことがないであろう"My Favorite Things"等も弾いていて,あっという間に約1時間40分の収録時間が過ぎ去っていく。ダイナミズムを感じさせるところはダイナミックに,美的な部分は徹底的に美的にということで,私がMehldauファンということを差し置いても,これは相当に優れた出来だと言える。"Secret Love"なんて,あれだけスローに弾かれたら,大概のリスナーはまいってしまうはずだ。

ある意味,ピアノ・ソロでこれだけ聞かせるのは,Keith Jarrettか,Fred Herschか,あるいはBrad Mehldauかと言いたくなるぐらいである。違いはKeithが完全即興であるのに対し,HerschとMehldauは素材がはっきりしているということだが,ピアニズムという点では,かなり近似的な部分を感じてしまう私である。もちろん,Mehldauの両手奏法等に好き嫌いは分かれる部分もあるだろうし,Keithとは全然ちゃうわっ!という声も聞こえてきそうだが,あくまでもピアノに対峙する姿勢のことだと思ってもらえばいいだろう。HerschはMehldauのメンターであるから,ある程度似ていてもまぁそれは納得ってことで。

本作についての正式な評価はいろいろなオマケもついているらしいDVDを見てからにしてもいいのだが,音だけでも私は星★★★★★にしてしまおう。まぁ贔屓にしているということもあっての点の甘さとも言えるが,これは間違いなくいけている。早く現物が来ないかなぁ~。

Recorded live at Jazz in Marciac on August 2, 2006

Personnel: Brad Mehldau(p)

2011年2月24日 (木)

余韻が素晴らしかった「ヒア アフター」

Hereafter 「ヒア アフター("Hereafter")」('10,米,Warner Brothers)

監督:Clint Eastwood

出演:Mat Damon,Cecile de France,Jay Mohr,Bryce Dallas Howard,Frankie McLaren,George McLaren

この映画は,実は今年の映画でも最も早い時期から見たいと思っていた映画である。私は過去2年,映画の年間ベスト作にEastwoodの「グラン・トリノ」と「インビクタス -負けざる者たち-」を選んできたが,近年のEastwoodのヒューマンな感触に満ちた作品は,私の心の琴線に本当に触れてきたからである。よって,今回の新作についても非常に期待が大きかった。そしてこの映画であるが,私はまたも感動させられてしまったのである。

この映画のテーマは「苦悩と救済」だと思う。様々なかたちで「死」と結びついた3人の登場人物にまつわるストーリーが,一つに紡がれるように絡みあっていくという展開は,近年の映画には結構あるパターンだと思うが,この映画のシナリオにはその「偶発性」に若干の無理があるようにも思えるが,フィクションなのだから固いことは言うまい。それよりも苦悩を抱える3人が,何らかのかたちでの魂の救済を得るというところが何とも心地よく,私は素直に感動してしまった。

Eastwoodにはめずらしく,津波のシーンのようなVFXを駆使したシーンが出てきて,ビックリするのも事実であるが,それはストーリー上必要なものであり,不自然な感じはしなかった。逆にこうした映像と,その後に展開される落ち着いたストーリーとのコントラストが明確でよかったのではないかと思う。

もちろん,「臨死体験」あるいは「死後の世界」というもののイメージをより明確にすべきだという議論もあるだろうが,それがこの映画の主題ではないのである。繰り返すが,そうしたモチーフを使ってEastwoodが描いたのは「救済」なのである。そして私が何よりも強く印象に残ったのは,この映画のラスト・シーンである。これほどある意味では地味な終わり方でありながら,非常に強い印象を残すラストはなかなかない。このシーンのあまりの心地よさには今回もやられてしまった。私が何を言いたいかは映画を見て頂くしかないのだが,まさしく「滋味」に溢れながらも,素晴らしい余韻を残している。大傑作とは言わないが,今回も見てよかった~とつくづく思わせてくれるEastwoodの佳作である。星★★★★☆。

2011年2月23日 (水)

Daniel Lanoisの新プロジェクトが素晴らしい。

Black_dub"Black Dub" Black Dub(Jive)

こういうのを「一聴惚れ」と言う。昨年,Neil Youngの"Le Noise"の素晴らしいプロデュースも記憶に新しいDaniel Lanoisが,バンドとしての活動を開始したというのはちょっと驚きだが,Brian Bladeの参加もあり,これはどうしても聞いてみたいということで早速アルバムをゲットした。そして,これが何とも素晴らしい出来なのである。

基本的にはTrixie Whitleyをリード・ヴォーカルに,Lanois以下のギター・トリオがバッキングするという形式であるが,そこはLanoisらしい音響満載であるのに加え,Lanoisの書く曲がアメリカン・ロック好きの心を掴んで離さないのである。このサウンド,この曲にちょっとハスキーなTrixie Whitleyの声が加われば,何にも文句がないというのが正直なところである。期待はしていたが,ここまでいいとは思わなかった。やはりDaniel Lanois恐るべしである。

このバンド,急造プロジェクトかと思いきや,いろいろなところでライブもやっていて,ライブでも同じような音がしているというのはLanoisマジックか?と思ってしまったが,こんなバンドなら是非生で見てみたい。それもできるだけ小さな箱で見てみたいし,聞いてみたい。

一聴して参ってしまうというアルバムは年に数枚あるかないかって感じだが,このアルバムは私にとってはまさにそんな作品であった。こういう作品の前では,多くを語る必要は感じない。聞いてもらえばきっとこの魅力をわかってもらえるはずである。

もちろん,グループ名にDubと付けるだけあって,レゲエ的な部分もあり,テンポも心臓の鼓動に合わせるかのようにミディアム中心であるから,ロック的な高揚感は感じられない。しかし,これは高揚を求めるべき音楽ではなく,こうしたリズムやメロディに静かに身を委ねればいいのだとさえ言いたくなるような傑作。Bladeのドラムスがいいのは当たり前だが,Daryl Johnsonのベースが輪を掛けてよかったということは述べておきたい。ついでにLanoisのギターも結構いけてたのねぇ。知らんかったわい(爆)。また,Triexie Whitleyの声って何となく宇多田ヒカルを思わせる瞬間もあるが,このハスキー度,どちらかと言えば母親の藤圭子っぽくもある(笑)。

いずれにしても,トータルに見ても,これならば喜んで星★★★★★である。いや,それにしてもこれはいい。かなり気が早いが年間ベスト入り確実と現段階では思っている。

Personnel: Daniel Lanois(g, vo, key), Trixie Whitley(vo), Daryl Johnson(b, vo), Brian Blade(ds, vo), Chistopher Thomas(b), Aaron Embry(key), Brady Blade, Sr.(vo)

2011年2月22日 (火)

どうしてここまで渋いのか:Gregg Allmanの新作

Gregg_allman "Low Country Blues" Gregg Allman(Rounder)

T Bone BurnetteのプロデュースによるGregg Allman14年振りのソロ・アルバムであるが,プロデューサーがT Boneということもあり,音はある程度想像できたが,これが想像以上のド渋のアルバムであった。はっきり言ってこの渋さは凄い。

このアルバムは,1曲を除いて古いブルーズばかりをT Bone人脈の伴奏でGregg Allmanが歌ったものである。正直言ってしまうと,私はあまりこの人に思い入れはなく,Allman Brothers Bandも昔だったらDuane Allman,今だったらDerek Trucksが聞きたいから聞いているようなものなのだ。だから,彼のソロ・アルバムは今まで買ったこともなければ,聞いたこともないのである。だが,プロデュースがT Boneならば,ルーツ・ミュージック的なアプローチで来るであろうから,それがAllmanとどのような相性を示すかというところに関心があったし,ショップで流れてきた本作の音をちょっと聞いただけで,「これは買いだ!」って思ってしまったのである。それはルーツ的な響きはありながらも,予想をはるかに超えた「ど」ブルーズだったのである。これにはまじで痺れてしまった私である。

そもそもGregg Allmanってこんなよかったっけと思わず感じてしまった私だが,こうした感覚は全編を通じて感じられるところが凄いと言えば凄い。ここでプロデューサーとしてのT Bone Burnetteが打ち出したかったのは,Allmanのブルーズ・シンガーとしての実力だったのではないかと思わされるぐらいである。そのせいか,Allmanのオルガンにしても,Dr. Johnのピアノにしてもミックスが控え目で,どちらかと言えばギター・バンドを伴奏にしているようにさえ聞こえるのである。そうした狙いそのものは私はここでは十分成功していると思う。

但し,一点気に入らない点があるとすればホーン・セクションだ。全部が全部悪いわけではないのだが,ここでの演奏であれば,私にはホーン・セクションはなくてもよかったと思わせるところがちょっと残念と言えば残念である。しかしながら,それを除けば,このアルバムは相当しびれる出来である。Billboard初登場5位(結局これが最高位だったみたいだが)というのはこのアルバムにしては売れ過ぎって気もするが,多くの人がその価値を認めたということであろう。いずれにしてもこれはかなりいけているブルーズ・アルバムとして十分推薦に値すると思う。星★★★★。

Personnel: Gregg Allman(vo, g, org), Jay Bellrose(ds), Dennis Crouch(b),  Mac Rebenack(p), Doyle Bramhall II(g), T Bone Burnette(g), Hadley Hawkensmith(g), Vincent Esquer(g), Colin Linden(dobro), Mike Comptoon(mandolin, vo), Lester Lovitt(tp), Daniel Fornero(tp), Darrell Leonard(tp, b-tp), Joseph Sublett(ts), Jim Thompson(ts), Thomas Peterson(bs), Judith Hill(vo), Alfie Silas-Durio(vo), Tata Vega(vo), Jean Witherspoon(vo)

2011年2月21日 (月)

ECMファン注目のブート現る

Jan_garbarek_1978001"Hamburg 1978" Jan Garbarek Group(Megadisk)

いつも書いていることだが,私はこのブログで声高にブートを推奨したいとは思っていない。しかし,無茶苦茶演奏が凄いとか,メンツがメンツだけにとかいうものについては皆さんに情報をシェアしておいてもよかろうということで,例外もあるわけだ。今回もそんな例外に当てはまると言いたいブートが現れたのでご紹介しよう。

主役のGarbarekはさておき,何と言っても私にとっての今回のキモはRalph Townerであるが,そこにJohn Abercrombieまで参加のツイン・ギター,更にはNana Vasconcelosとのクァルテットというメンツを見て,「おぉっ!」となるECMファンは多いはずである。曲も"Dis"からだとか,"Solstice"からとかもやっているとなれば,更に「おぉっ!!」となること必定である。このメンツであれば,演奏が聞きたいと思うのは当たり前であるが,このブート,ソースはFM放送用音源らしく,音もかなりよい。

Jan_garbarek_boot ブートだけに敢えて星を付けることはしないが,やはりこれは好き者にはたまらないブツだと言えるのだ。いやいや参りました。ということで,またも無駄遣いをしてしまったが,これならまぁ納得である。ちなみに,同じ音源で別のジャケのブートもあるようだが,センス的には下の方がいいような気もするなぁ。収録曲に合わせて"Waterwheel"の写真を使うところは,ちょっとベタ過ぎるが(笑)。

Recorded Live in Hamburg on April 11, 1978

Personnel: Jan Garbarek(ts, ss, fl), Ralph Towner(g), John Abercrombie(g), Nana Vasconcelos(perc)

2011年2月20日 (日)

何とも不思議な映像感覚を持つ「トロン: レガシー」

Tron_legacy「トロン:レガシー("Tron: Legacy")」('10,米,Walt Disney)

監督:Joseph Kosinski

出演:Jeff Bridges,Garrett Hedlund,Olivia Wilde,Bruce Boxleitner

私はオリジナルの「トロン」を見たことがないので,本作は私にとって独立した作品としての評価となるわけであるが,オリジナルにJeff Bridgesが出ていたのは知っていたが,本作にも登場しているBruce Boxleitnerも出ていたんだぁと後から知ることとなって,「へぇ~」と思ってしまった。いずれにしても,3Dでこの映画を見たのだが,なかなか映像的には面白いものだったと思う。

ストーリーはコンピューター・プログラムが人間の形をした世界における人間とソフトウェアのバトルってことになるので,かなりわかりにくいと言えばわかりにくい話である。しかし,それを映像の力で,ストーリーはさておきって感じさせるところがこの映画の作戦ではないかと思うのだが,何よりも私がびっくりしたのはJeff Bridgesの二役における見た目の違いである。これが特殊メイクによるものなのか,映像の操作によるものなのかはわからないが,とにかくClu役のJeff Bridgesの若々しさにはびっくりである。実態はKevin Flynn役を演じている方が今のJeff Bridgesってことになるが,それにしてもテクノロジーの力は凄いと一番感じさせたのが,Jeff Bridgesの顔ってのがまずは笑える事実である。

映画,あるいはストーリーの性格上,映像の背景が暗いことはある程度仕方がないと思うが,そうしたセッティングの中では,映像的なかなり善戦していると言っていいのではないかと私には感じられた。私としてはストーリーを咀嚼しながら眺めていたので,若干頭がこんがらがりつつも,そういうことを感じさせないところに,映像の力を感じるのである。とは言いながら,ラスト・シーンを見ていて,ソフトウェアの世界と実体社会のリンクにまたまたとまどいながら,このシーンの撮影の背景はどう見てもヴァンクーバーだなぁと既視感たっぷりに思っていた私である(と,昨年訪れたウイスラーが恋しくなる)。

更に,この映画を面白くしたのがDaft Punkによる音楽であったが,この二人がDJとして映画に登場した瞬間には思わず微笑んでしまった私である。

まぁいろいろ批判もあろうが,私はこれはこれで楽しめた。星★★★☆。今度はオリジナル「トロン」をレンタルで見てみることにしよう。

2011年2月19日 (土)

注目のSteve Grossmanの新譜

Steve_grossman "Homecoming" Steve Grossman(Cheetah)

Steve Grossmanが新譜を出すと言って,世の中のどれぐらいの人が反応するかはわからないのだが,私の周りには結構Grossmanファンがいる。私もそこそこアルバムは保有しているが熱狂的なファンってことはない。しかし,彼が参加しているアルバムは常々気にしているし,彼が聞かせるソロに思わずのけぞらされたことも度々である。そんなGrossmanが10年振りにリーダー作をリリースするとなっては,やはり気になって仕方なかったと告白してしまおう。ただ,GrossmanもAntonio Ciaccaとのアルバム等もあり,全く音が聞けなかったわけではないので,無茶苦茶ありがたや~ってほどのことはない。

それでもって,早速聞いてみたのだが,1曲目が"Una Mas"で完全なラテン・タッチで入るところからして,私はずっこけてしまった。別に演奏が悪いというのではない。だが,多くのリスナー,あるいはGrossmanファンがこのアルバムに期待するのは,ブリブリ吹きまくるGrossmanであったはずである。それがメンバーのソロ回しで,Grossmanのソロが短くなってしまったのでは正直欲求不満を感じてしまう。

2曲目の"Katonah"になって我々が期待するワンホーンの世界になって感じが変わるが,3曲目の"Afro Blue"はまたもラテン・パーカッション入りということで,どうもこのアルバム,聞いていて落ち着かないのである。これはプロデューサーたる中村照夫が,リスナーの気持ちがわかっていないことの表れだと言っては言い過ぎか。本作にもTom Browneのラッパが必要だったかというと,私にはそれも疑問である。まぁ,それでもSteve Grossmanのリーダー作が出るだけでも良しとしなければならないという気もするし,本作を制作したことについては中村には感謝すべきとは思う。

しかしである。Grossmanはそこそこ吹いているとは言え,アルバムとしては私たちが期待した姿とは違っているという印象が強いため,それを減点対象とせざるをえず,星★★★。折角出したのに惜しいなぁ。また,Antonio Ciacca盤と2曲かぶっているのもちょっと微妙。

Recorded on October 26 & 27, 2010

Personnel: Steve Grossman(ts), Tom Browne(tp), Bill Washer(g), Larry Wills(p), John Webber(b), Reuben Rodriguez(b), Joe Farnsworth(ds), Ralph Irizarry(timbales), Roberto Quintero(congas), Chuggy Carter(shaker)

2011年2月18日 (金)

またも匿名さんから山田べにこ情報が届く

先日,TV東京の番組に山田べにこが出演するという情報を匿名のコメントで頂いたので,それを記事のかたちで掲載したのだが,またまた匿名さんから次のようなコメントの書き込みが...。

2011/02/24 20:00~20:43 の放送内容 NHK総合 新感覚ゲーム クエスタ

温泉特集。これまで全国3500以上の温泉に入ったことがあるという温泉愛好家・山田べにこさんが、真冬の北海道・絶景の名湯秘湯からクイズを出題。

今回は「温泉特集」。これまで全国3500以上の温泉に入ったことがあるという、会社員で“女性温泉愛好家”の山田べにこさんがゲスト。真冬の北海道で味わうことができるという、絶景の名湯・秘湯からクイズを出題。

【司会】名倉潤(ネプチューン)、橋本奈穂子アナウンサー【出演】男性チーム:的場浩司、つるの剛士、テリー伊藤、レッド吉田、ゴルゴ松本、女性チーム:はしのえみ、優木まおみ、東ちづる、熊田曜子、里田まい 【声】平野義和,森優子

前回,山田べにこがこの番組に出た時には1時間で1,000PVという数字を叩き出してびっくりさせられたが,今回もまた大変なことになってしまうのだろうか。どなたか存じ上げませんが,情報ありがとうございます。録画,録画(笑)。それにしても,最近の山田べにこ,メディアへの露出度が高いなぁ。

2011年2月17日 (木)

なんで上原ひろみがグラミー受賞ってことになるのやら???

Photo 「グラミー賞を受賞したジャズピアニスト 上原ひろみさん」???

これは2/16付の朝日新聞「ひと」欄のタイトルである(疑問符3つは私が付けた)。曰く『欧州、米国、日本、そしてカナダと、週替わりに移動するツアーの真っ最中に受賞の知らせを聞いた。それから携帯電話が鳴りっぱなし。「振動音が『オメデトウ』って聞こえる気がする。出会いのすべてに感謝したい」』って,どういうことだろうか?グラミーを受賞したのはStanley Clarke Band(受賞アルバムに関する記事はこちら)である。確かに上原ひろみはそこに参加してはいるが,参加曲はほぼ半分にとどまるということを考えれば,朝日新聞の扱い及び記事の主題も,上原のコメントもどう考えてもおかしいのである。

これってやっぱり変なのだ。私はB'zの松本孝弘には何の関心も興味もないが,彼とLarry Carltonの共演アルバムはグラミー受賞としてちゃんと認めるべきものと思う一方,今回の上原ひろみのメディアの扱いには大いに疑問を感じざるをえない。こんなことが通用するなら,グラミーを受賞したヴォーカリストのバックを務めていたら,グラミー受賞ってことになってしまうではないか。Stanleyのアルバムへの彼女の貢献は認めないわけではないが,今回の報道での扱いはまともなものではないし,極めてミスリーディングだと言わざるをえない。朝日新聞には大いに反省してもらいたいし,上原にしてもはしゃぎ過ぎである。携帯にメッセージを入れる奴もアホなら上原自身もアホかと言いたくなってしまった。

ということで上原ファンからは怒りのコメント覚悟の記事である。喧嘩売ってどうすんねん?

2011年2月16日 (水)

最近買った比較的珍しいアルバム群

中古盤屋をマメにうろついていると,日頃あまりお目にかからないアルバムに遭遇することがあって,ついつい買ってしまうということがある。収納場所にすら困っているような状態なんだからよせばいいのにとおもいつつ,心の片隅に困ったら「売り抜けよう」なんて邪な考えがよぎるものだから,つい手が伸びてしまう。もちろん,それは真っ当なプライシングということが条件ではあるが,今日はそんなアルバムをご紹介しよう。

Jt_in_rio"James Taylor Live in Rio" James Taylor(Columbia Brazil)

このアルバムはブラジルのみで発売されたJT「初の」ライブ・アルバムである。1985年のリオ・デジャネイロにおいて収録された本作は,やたらに「音が悪い」と言われるが,別にそこまでひどいとは思わない。それよりもこのアルバムを聞いて驚いてしまうのは,ブラジルの聴衆の熱狂ぶりである。JTは米国においては国民的な歌手として,非常に人気のある人だとは思うが,ここでのオーディエンスはそれこそ尋常ならざるやかましさである。逆に言えば,こうしたオーディエンスが,JTにこのツアーを非常に印象深いものとしたという話もあって,なかなか興味深い。確かにローファイではあるが,ライブの雰囲気はよく伝わってくると思う。1,470円。

Kraftwerk_autobahn_tour"Autobahn Tour" Kraftwerk(Nippon Crown)

これは全然知らなかったKraftwerkのライブ・アルバムであるが,1975年頃という時代が時代ということもあって,MCも収録されているという珍奇なアルバムである。笑ってしまうのは「エレクトリック・ドラムスの調子が悪くて...」云々というセリフまで入っているということだろう。近年のKraftwerkのパッケージ化されたステージからは全く想像もできないような作品である。これも決して音はよいとは言えないが,こういう時代を感じさせてくれるようなドキュメントはある意味で貴重である。1,995円。

Jess_roden_bbcということで,値段そのものは無茶苦茶高いというわけではない。また,これらのアルバムもそこそこのお金を出せば,決して入手が困難ということでもない。しかしながら,こういうあまり知られていないアルバムを,中古盤屋で拾ってくるというのは結構楽しいものであって,だからショップめぐりはやめられないのである。

Jess_roden_humans001

最近ではこれらのほかに存在すら知らなかったJess RodenのBBCライブやJess Roden & the Humansのスタジオ・アルバム(彼らのライブ・アルバムはカッコよかったが,スタジオ盤があるとは全く知らなかった。ライブ盤の記事はこちら)等が収穫として挙げられるが,本日はそれらはジャケのイメージのアップだけにして,紹介は改めての機会としたい。それにしても,これらのアルバムを聞いて,Jess Rodenはいいシンガーだとつくづく思ってしまったが,いかんせん市中の価格が高騰している。BBC盤なんてAmazonでは12,000円からなんていう無茶苦茶な値段が付いているが,さすがにそれはないよなぁ(苦笑)。

2011年2月15日 (火)

まるでBrad MehldauクローンのようなDan Tepfer

Dan_tepfer"Five Pedals Deep" Dan Tepfer Trio(Sunnyside)

パリ生まれのDan Tepferはエジンバラ大学で天体物理学を学んだあと,ボストンのニューイングランド音楽院で学ぶというかなり異色のキャリアを持つ人だが,米国のメディアからは結構な注目を浴びているようである。これまでの共演歴もLee Konitz,Steve Lacy,Paul Motian, Bob Brookmeyer,Joe Lovano,Ralph Towner,Mark Turner,Billy Hartと,かなり多岐に渡る活動ぶりである。この夏にはバッハのゴールドベルク変奏曲をテーマとしたソロ・アルバムも出すらしいし,結構クラシックとジャズの越境型ミュージシャンと言ってもよいかもしれない。

そのDan Tepferがピアノ・トリオ形式で昨年リリースしたアルバムが本作であるが,ジャケも結構雰囲気があるし,ちょっと期待して聞いてみたところ,冒頭からBrad Mehldau色濃厚なサウンドが聞こえてくるではないか。これは彼の両手奏法による部分もあるが,プレイぶりの陰影や,その雰囲気にはBrad Mehldauの影響を感じさせる音となっている。Dan TepferがBrad Mehldauの直接的な影響を受けたかどうかはわからないが,このサウンドからはそう感じるリスナーが多いものと思われる。ある意味では既にBrad Mehldauはコンテンポラリーなピアノ・トリオのひな形となっていると言えるのかもしれないが,それにしてもこれは濃厚である。

だからと言って,このアルバムをけなすつもりは私にはない。Mehldauというひな形が存在しないとすれば,私は一発でこの音楽に参ってしまっていたはずである。演奏やTepferのオリジナルには別に文句はないし,そこに混じってJacque Brelの"Le Plat Pays(平野の国)"や大スタンダード"Body & Soul"を収録するというプログラムも悪くないセンスである。そうしたことを踏まえれば,私はこのアルバムを結構評価してもいいと思うのだが,いかんせんこのアルバムに対する世間の注目度は極めて低いままなのが残念である。もちろん,Mehldau色が強過ぎて,オリジナリティが感じられないという批判もあるだろうが,もう少し様子を見るに値する音楽のように思えるのである。ということで,ここでは今後の活動への期待も込めて星★★★★とするが,かなり美しいタッチを聞かせる瞬間もあり,なかなか侮れないピアニストだと思う。

いずれにしても,Mehldau好きの私にとっては相当好みのサウンドと言ってもよいので,次作の"Goldberg Variations/Variations"を期待して待ちたいと思う。

Recorded on June 21, 23 & 29, 2010

Personnel: Dan Tepfer(p), Thomas Morgan(b), Tedd Poor(ds)

2011年2月14日 (月)

いきなりのアップビートにビックリするCorinne Bailey Raeの新カヴァーEP

The_love_ep"The Love E.P." Corinne Bailey Rae(Capitol)

私はデビュー以来,Corinne Bailey Raeを贔屓にしてきたが,昨年リリースした"The Sea"も非常に素晴らしい出来だったと思う。しかし,ご主人を事故で亡くすという悲劇もあり,アルバム全体にはダークなトーンが支配的だったことは否定しがたい事実である。

先日,ショップをうろついていたら,そのCorinne Bailey Raeの新作カヴァーE.P.が発売されていたので,即ゲットである。だって,PrinceやらBob Marleyに加えて,Paul McCartneyの"My Love"をやっているのでは,この曲が相当好きな私が無条件で購入することは言うまでもない。しかし,本作を聞いて,びっくりしたのは冒頭のPrince作"I Wanna Be Your Lover"の弾けっぷりである。今までのCorinneに対するイメージを覆すと言ってもよいこのビートの効き方は,彼女が悲劇を乗り越え,ポジティブに生きていくという明確なステートメントのように感じてしまったと言っては大袈裟だろうか。

2曲目のBellyの"Low Red Moon"もハードにエッジの効いたギターの・サウンドにびっくりさせられて,更に驚いてしまう。もはやこれはCorinneの新機軸と言ってもよい世界かもしれないが,バックのサウンドとCorinneの声の何とも言えないコンビネーションにビックリするファンも多いはずである。そして,Bob Marleyの"Is This Love"をしっとりと歌って,私の期待の"My Love"の登場である。まぁ,Corinneならこれぐらい普通だろうという歌唱だが,Corinneの声でこの歌を聞けることを素直に喜ぼう。

そして最後は何と"Que Sera Sera"をライブでソウルフルに歌い上げていて,ゴスペル的な感覚さえ感じさせるというなかなか良く出来たEPである。まぁちょっと長いかなぁとは思わせるが,それもご愛嬌である。しかし,この曲でのJohn McCullamのヴォーカルも非常にいい感じで,非常に強力なソウルを感じさせてくれる。そもそもAlfred Hitchcockの名作「知りすぎていた男」でDoris Dayが歌ったこの曲が,このようなサウンドになるということに感心してしまった私である。

いずれにしても,おそらくはレギュラー・バンドの作品として,非常にまとまりもよく,私は彼女のファンということもあって,大いに満足したのであった。まぁE.P.であるから無茶苦茶高い評価をしようとは思わないが,それでもファンは必聴,必携の作品と言えると思う。星★★★★。やっぱりいいねぇ,Corinne。

Personnel: Corinne Bailey Rae(vo, g, marxophone, perc), John McCallum(g, vo), Steve Brwon(key, synth, marxophone, perc), Kenny Higgins(b), Luke Flowers(ds), Jennifer Birch(g, vo)

2011年2月13日 (日)

あなどれないBen Affleckの監督としての才能

The_town「ザ・タウン("The Town")」('10,米,Warner Brothers)

監督:Ben Affleck

出演:Ben Affleck,Rebecca Hall,Jon Hamm,Jeremy Renner,Blake Lively,Pete Postlethwaite,Chris Cooper

私はBen Affleckというと,あのどうしようもない愚作「パール・ハーバー」を思い出してしまうという可哀想な役者で,あまりいい印象は持っていない。しかし,今回の作品は評価もそこそこいいようだし,彼の監督作ということもあり,興味津々で見に行ってみた。しかし,これが思わぬ拾い物というか,結構,この人才能があるのではないかと思わせるような映画になっていたのにはちょっと驚いてしまった。

主たる舞台はボストンとチャールズ川を挟んで北側のCharlestownであるが,ボストンの町も映像に登場してきており,私はボストンに出張する機会も結構多かったので,何だか既視感のある風景や地名が続々と出てきてちょっとそれだけでも嬉しくなってしまった。だが,そんなことは重要ではなく,この結構劇的なストーリー展開,更には結構筋肉質な演出等,Ben Affleckってこんなんだったっけ?という感じが強く,いい意味で驚かされてしまった。もちろん,それを支えた役者陣も秀逸なのだが,凶暴なJeremy Renner,にくたらしいFBI捜査官のJon Hamm,Affleckの父を演じるChris Cooper等,適材適所のキャスティングが光ると言わざるをえない。また,Rebecca Hallのような女優を使うことで,ある意味ではリアリティさえ感じさせる出来となっているのも同じくキャスティングの妙である。ここで,超美人女優が彼女が演じた役をやっていたならば,私の印象も随分違ったものになって,もっと冷めた目で見ていたかもしれない。

話としては,本当にそんなことありえるかなぁっていう気がしないでもないのだが,それでも嘘臭さを感じさせないのは演出,シナリオ,キャスティングの3つの要素がうまくいっているからだとも言える。また,アクションとドラマのバランスもいいし,ちょい甘のラストの後味も非常によいものだったから,私としては結構この映画を評価したくなってしまうのである。

もともとBen Affleckは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」でオスカーの脚本賞をMatt Damon共々受賞しているぐらいだから,そうした才能は前からあったのかもしれないが,今回は監督も兼ねるということで,巷ではClint Eastwoodになぞらえられるようなこともあるようだ。だが,そうしたこともあながちはずれていないと思わせるような佳作であったと思う。ただ近年のEastwoodが発露するヒューマニズムはAffleckにはまだまだ出せないだろうなぁとは思えるが,Affleckが年齢を重ねていけば,結構いい線いくかもしれない。ということで,星★★★★。

ということで,Ben Affleckには出演作品をもう少し吟味した方がいいだろうということだけは言っておいてもいいかもしれない。そうすれば,もっと評価も高まると思うんだけどなぁ(笑)。そういうのはNicholas Cageにも当てはまるし,Denzel Washingtonにも当てはまるが...。しかし,繰り返しになるが,この作品は結構よかった。

2011年2月12日 (土)

アクシデントが生んだMiles "Lost Quartet"

Bitches_brew_live"Bitches Brew Live" Miles Davis(Columbia Legacy)

このタイトルにこのジャケットである。しかも後半は「ワイト島」の演奏であるから,私はこのアルバムのことをてっきりブートまがいの商品だと思っていたのであるが,よくよく見たらColumbia Legacyからの正規品ではないか。しかも冒頭の3曲はなぜかWayne Shorter抜きのクァルテットである。それも"Lost Quartet"ということでは聞きたいと思うのが当然である。ということで,早速ゲットし,その演奏をテナーの聖地,新橋Bar D2で大音量でプレイバックしてもらった。

この演奏を聞いて,やりゃできんじゃん,Legacyと思わずつぶやきたくなるぐらいの非常に面白い演奏であった。この演奏がそもそもブートでも発掘されていたかどうかわからないのだが,冒頭の3曲はMilesバンドが1969年のニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演したときの模様である。その際,Wayne Shorterが渋滞に巻き込まれて遅刻した結果,Lost Quintetが急遽Lost Quartetとなったというのがそもそも非常に珍しい上に貴重である。演奏時間が24分強しかないというのがちょっと惜しいが,それがこの演奏の価値を下げるものではないことは明らかだ。

所謂Lost Quintetはその素晴らしい演奏の数々にもかかわらず,スタジオ録音を残していないためその名がついているわけだが,ブート音源では結構彼らの演奏は聞くことができるし,ライブ盤も正規で発売されたことがあるものの,やはり多くの一般的なリスナーにとってはあまり触れることが多くはないバンドだったと言える。しかし,私にとっては歴代Milesバンドにおいても最も興奮度が高い演奏をするのはまさにこのLost Quintetであったように思える。

そんなメンツからWayne Shorterが不在になるとどういうことになるのか。Miles,吹きまくりの巻である。先日,たまたまYouTubeで見た晩年の最後の来日時における"Strawberry Fields Forever"の体たらくな演奏をしている同じ人間とは全く思えない吹きっぷりである。凄いトランペット奏者としてのMilesの姿を見事に捉えた演奏ではないかと思う。当時のLost Quintetの演奏に比べれば,フリー度は控えめで,ポップ感さえ漂うような演奏とも言えるが,それでも,鍵盤を叩きつけるChick Coreaの演奏なんて,山下洋輔のようだと言っても過言ではない激しさである。

はっきり言ってこの演奏でも私は燃えてしまったわけであるが,やはりこの当時のMilesバンドの勢いは尋常ではない。あっという間の24分である。もちろん,これが彼らの最高作とは思わないが,やはりどうしてもファンは買わなければならないし,聞かなければならない演奏だと思う。星★★★★☆。

尚,下記のデータは冒頭3曲のみのものであり,ワイト島の演奏は割愛する。

Recorded Live at the Newport Jazz Festival on July 5, 1969

Personnel: Miles Davis(tp), Chick Corea(el-p), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds)

2011年2月11日 (金)

Colin Vallon:期待通りのECMらしさと言うべきか

Rruga "Rruga" Colin Vallon(ECM)

久々の(そうでもない?)ECMレーベルの新作である。私はこのColin Vallonという人の名前は初めて聞いたのだが,既にHatHutにもアルバムを残しており,まだ30歳にしては,トリオでの活動歴は1999年からと結構長いし,現在はスイスのベルン芸術大学で教鞭も執っているらしいから,凄いものである。ただ,活動の拠点が母国スイスということもあり,一般的な注目を浴びることはそれほどなかったと言ってもよいはずである。

そんなVallonのECM第1作であるが,これがいかにもECMらしいというか,現代音楽の要素も含んだナイスなピアノ・トリオ作品である。プリペアド・ピアノを使うととたんに現代音楽っぽくなってしまうのはご愛嬌だが,それ以外ではVallonのピアノは中音域が中心で,かなり落ち着いた響きを醸し出している。そして,時に表出されるはっとするような美しいメロディが刺激的である。さすがにECMレーベルの音楽ということもあって,燃え上がるようなサウンドというのではないが,これはやはり好き者の心はきっちりグリップして離さないものと言えるのではないか。美的なるものと,アバンギャルド的なもののバランスの良さというのを感じさせる音楽となっている。

正直言ってしまえば,私としては全編美的な線で攻めてもらった方がよかったのだが,それでは本人たちもメリハリがないと感じたがゆえのこうした構成かもしれない。ECMでの欧州のトリオと言えば,近年ではMarcin Wasilewski(記事はこちら)とStefano Bollani(記事はこちら)の二人が代表格だと思うが,そこに割って入ってくるだけのポテンシャルは十分感じさせる作品にはなっている。もちろん,この作品が彼らと同格と言うことはできず,あくまでもそれはまだポテンシャルに過ぎないが,それでも今後の活躍が期待できる器である。

とにかく,これだけ中音域を中心に美しく弾く人は最近ではあまり思い浮かばないのだが,その分,ダイナミズムは感じづらいものとなっているのも事実である。でもそれってECMらしいよねぇって考えれば,私には全然苦にならないし,このアルバムも相当好きなのだが。ということで,今回は挨拶がわりってことで,次作の更なる飛躍を期待して星★★★★。

尚,収録曲はメンバー3人がほぼ分け合ったようなかたちなので,これはVallonのリーダー作というよりもメンバー3人によるコラボレーションというのが実態かなという気がする。そうは言ってもバンマスはVallonだろうが。

Recorded in May, 2010

Personnel: Colin Vallon(p), Patrice Moret(b), Samuel Rohrer(ds)

2011年2月10日 (木)

なぜかTennstedtのマーラー5番が聞きたくなった

5 "Marler: Symphony No. 5" Klaus Tennstedt & London Philharmonic (EMI)

突然のようにこのアルバムが聞きたくなった。Gergievの5番がなかなかリリースされないこともあって,予習のためというわけではないが,マーラーの5番である。

本作は,結構世評も高いものだと思うが,実は私にはこの作品には人一倍思い入れがあるのだ。何を隠そう,私は1988年12月13日,この演奏が収録されたロンドン,ロイヤル・フェスティバル・ホール(RFH)にいたのである。当時,私は担当プロジェクトのカット・オーバーを翌年早々に控え,その立ち上げ準備もあって,ロンドンに5週間ほど出張していたのだが,実際のシステム立ち上げの準備に入る年末までは比較的余裕のある生活を送っていた。

そんな私は時間を見つけてはサウス・バンクにあるRFHやクイーン・エリザベス・ホールにクラシックのコンサートを聞きに行っていたのである。今はどうかわからないが,英国のオケには英国王室がパトロンとなっていて,何と言っても入場料が安かった記憶がある。同じ時期にTennstedtがシューベルトの「グレイト」を振ったことがあるが,その時はオケの後ろの席が確か2.9ポンド(多分800円ぐらいであった),このマーラーだって15ポンドしなかったはずという,はっきり言って夢のような生活であった。

正直言ってしまうと,昔の私は,マーラーがそれほど好きだったわけではないのだが,一気にマーラーに本当の意味で目覚めてしまったのはこの演奏を聞いてからではないかと思う。一言で言えば「燃えてしまった」のである。静と動,緩と急によるダイナミズム溢れる演奏に,私もその魅力をようやく理解し,私の中のマーラーへのシンパシーを覚醒させたというところだったのではないかと思う。こんな感覚は,Abbadoがロンドン響を日本に連れてきたときに,バイトで彼らの楽器搬入をしていた役得で,舞台袖から彼らのマーラー5番を聞いたときでさえなかったものであり,私にはこちらの演奏がよほどフィットしていたのではないかと思える。

この時の聴衆の熱狂ぶりは,演奏終了後の拍手(+ブラボーの絶叫)にも感じられるが,私も同様の興奮と感銘をおぼえていたのは間違いないところである。そんな懐かしさやありがたさのある演奏だから,喜んで星★★★★★を謹呈するが,今度のGergievの演奏は果たしていかに。

2011年2月 9日 (水)

ここのところアクセスが増えたと思ったら,またも山田べにこである。

Photo 理由は不明だが,ここ数日,アクセス数が通常よりかなり多くなっていて,しかも検索ワードは「山田べにこ」が他を圧倒している。このブログのアクセス数への山田べにこの貢献度は極めて高いのだが,その理由は何なのかなぁと思っていた。

そう言えばということなのだが,先日,当ブログに次のようなコメントが匿名で書き込まれていた。

『2011/02/12 19:00~20:54 の放送内容 テレビ東京 .土曜スペシャル「芸能界女子温泉部 冬こそ行きたい!雪見の秘湯」

芸能界が誇る温泉好き、温泉通の女性タレントが“芸能界女子温泉部”を結成!冬のこの時期、オススメの雪見の秘湯を訪れ、温泉の魅力を満喫。
美肌効果の湯、絶景雪見風呂、動物と出会える温泉、カラフル温泉などこの時期、オススメの雪見の秘湯を訪れ、温泉の魅力を満喫。 さらにそのVTRを持ち寄り、女性目線から全員で温泉の魅力を大いに語る。 他にも芸能界女子温泉部が推薦の温泉を数多く紹介。一般からも“秘湯ハンター”の異名を持つ温泉愛好家OL山田べにこも参加。温泉訪問数2800以上という実績を持ち、驚きの変わりダネ温泉、秘湯を紹介。

出演  友近  小原正子(クワバタオハラ)  西村知美親子  芦川よしみ  河合美智子  山田べにこ  ほか』

まるでテレビ東京の番宣のようなコメントだったし,投稿者が匿名ということもあり,このコメントはアップしないでいたのだが,アクセス数も増やしてくれているのは山田べにこその人だし,最近,私も山田べにこを見ていないので,ちょっとぐらい告知しても罰はあたらんだろうということでアップしてしまおう。何だかテレビ東京,または番組関係者の思惑にはまっているようでちょっと悔しいが,まぁいいや。はっきり言ってほかの山田べにこと友近以外の出演者はどうでもよいが,やっぱり見たいので,家人の手前,私は録画して秘かに見ることにしよう(爆)。全然秘かになっとらん?

2011年2月 8日 (火)

中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第7回)

Kind_of_blue "Kind of Blue" Miles Davis (Columbia)

1月はさぼってしまったこのシリーズである。毎度のことながら,主旨は「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするものである。と言っても,本作ならもうお持ちかもしれないが,しかし,私がMilesのアルバムを取り上げること自体がブートレッグ以外はまれなので,まぁいいかということで...。

今更,このアルバムについて何を語ればいいのかというと困ってしまうような,ジャズ史を代表するような名盤である。さぁ,Milesのアルバムを1枚だけ選べと言われれば,"Bitches Brew"か本作で相当悩んでしまうと思うが,"Bitches Brew"が編集の素晴らしさも多々あることを踏まえれば,「本来の」ジャズという条件をつけるならば,本作を選ばざるをえまい。

このアルバムの魅力を語るとすれば,色々な点が挙げられるのだが,Bill Evansが墨絵になぞらえたライナー・ノーツにこそこの作品の特性が雄弁に語られているように思う。曰く:

Miles conceived these settings only hours before the recording dates and arrived with sketches which indicated to the group what was to be played. Therefore, you will hear something close to pure spontaneity in these performances. The group had never played these pieces prior to the recordings and I think without exception the first complete performance of each was a "take."

意訳すれば「Milesはレコーディングの数時間前にこのコンセプトを編み出し,スタジオでは,グループに演奏すべき要素のスケッチのみを提示した。従って,ここでの演奏には純粋な自然発生に近い何かが聞き取れるはずだ。グループが収録曲をレコーディング以前に演奏したことはなかったし,ここでの演奏は例外なく,完奏されただけで「テイク」(中年音楽狂註:一発OKと言えばよりわかりやすいだろうか)となりえた最初の演奏と言えるのだ。」ってなことになろう。

この作品が重視されるのはモード手法によるアドリブの自由度を高めたという点もあるのだが,そんなこと以上に,このBill Evansのライナーは,"Spontaneity"の重要性を示しているように思えるのである。リハーサルも何もなしで,こんな音楽が生まれてしまうことには感動すら覚えてしまうが,Milesのコンセプトを見事に体現したバンドも見事の一言に尽きる。これこそ最優秀ジャズ・ミュージシャンの実力と言えるだろう。(但し,このライナーが書かれたことにより,昔はこのアルバムには別テイクは存在しないと誤解されてきたようにも思えるが,実は違うということは後のブートレッグの発掘により判明したのはよく知られたことである。)

誤解を恐れずに言ってしまえば,このアルバムを聞いて,この音楽が気に入らなければ大概のジャズはお気に召さないだろうと思えるほど,ジャズの特性やスタイルを完全なまでに実現してしまっているのである。だからこそ,このアルバムをこのブログで取り上げることには抵抗がないわけではないし,米国内だけでも400万枚以上が既に売れていることが,このアルバムの影響力を雄弁に物語っているはずだ。

演奏のムードからしても,曲からしても,これほどジャズを濃密に(決して「濃厚」ではない)感じさせるアルバムはそうはないはずだ。だから,私がごちゃごちゃと述べるよりも,とにかくこの音楽に耳を傾け,身を委ねればそれでOKということになってしまうのである。

何を今更ではあるのだが,完全無欠とはこのアルバムのためにあると言ってしまおう。星★。

Recorded on March 2 and April 22, 1959

Personnel: Miles Davis(tp), Julian "Cannonball" Adderley(as), John Coltrane(ts), Bill Evans(p), Wynton Kelly(p), Paul Chambers(b), Jimmy Cobb(ds)

2011年2月 7日 (月)

買って,売って,また買って(アホや~)

Mick_taylor"Stranger in This Town" Mick Taylor (Maze)

何とか体調も持ち直した。週末で風邪を治してしまうのが我ながらサラリーマン!って感じである(笑)。

このアルバム,以前も保有していたことがある。私の記憶に間違いがなければ,在米中の90~91年頃に買ったもののはずだが,このアルバムの冒頭のタイトル・トラックを現地でもカッコいい~なんて言いながら聞いていた(はずである,とかなり怪しい)。

近年の私が購入したCDは決して売却しないというポリシーを貫いてきたのは,売るはずのないCDを誤って売却してしまって,激しく後悔したからなのだが,このアルバムが実はその契機になった一枚なのだ。私が最後にCDを処分したのは随分前の話になってしまうのだが,その後,このアルバムのタイトル・トラックを聞こうと思って捜しても,ない,どこにもない。そして,ようやく売ってしまったのだと気がついたのである。その後,何とか買い戻そうと思ったのだが,これが結構高くて,そこまでの投資はできないと思っていたから,中古盤屋に行く時は,必ずMick Taylorのコーナー,Stonesのコーナー,あるいは新着中古盤を漁っていたものである。

過日,某ショップの新着コーナーでこのアルバムを見つけたときは,「苦節何年」なんて表現が思わず頭をよぎってしまったが,本当に久しぶりにこのジャケを発見して,「おぉっ!」となったことは言うまでもない。しかも945円だし。思わず,「うしし」となったわけだが,間違って売却してなければ,こんな苦労もなかったものをと考えると「アホや~」という気分にもなってしまった私である。

そこで,このアルバムを久々に聞いてどう思ったか。タイトル・トラックのカッコよさは相変わらずである。そして基本的にはブルーズを基調とした演奏が数多く収められていて,かなりいけている。まぁMick Taylor自身のヴォーカルについてはご愛嬌のレベルではあるが,あくまでもMick Taylorはギターを聞いていればいいのである。バックにはMax Middleton,Wilbur BascombというJeff Beckの"Wired"でのコンビも参加していて,最初に私がこのアルバムを買ったのもそれが大きな理由だったはずだが,あくまでも主役はTaylorだと思って聞く必要はあると思う。

本作は89年のスウェーデン録音を中心に,ドイツ,フィラデルフィアの音源が収められているが,最後の曲のフィラデルフィアはほとんどオーディエンス録音のブートレッグという趣の音で,これを入れる必然性があったのかなぁとも思えるのだが,ブルージーっていうのはこういうのを言うんだよねぇと考えれば,これもまたよしである。ということで,久々にこの音を聞いて,本当に懐かしさが溢れてきてしまった私である。そうした感慨も含めて星★★★★。だが歴史的名盤とかそういうのでは決してないので,念のため。あくまでも個人的感慨が結構強く反映された星なのだ。

Recorded Live in Sweden, Germany, and Philadelphia in 1989

Personnel: Mick Taylor(g, vo), Max Middleton(key), Wilbur Bascomb(b), Eric Parker(ds), Joel Diamond(key), Shane Fontayne(g), Blondie Chaplin(g)

2011年2月 6日 (日)

さすがに限界を越えたか?中年音楽狂、発熱す。

ここのところ、無茶苦茶な生活を送ってきたツケが遂に回ってきたようだ。熱がどんどん上がり、体の節々は痛むという状態だ。普通に考えれば、インフルエンザだろうが、予防接種で甘く見ていた私が悪いのは明らかである。

何とか週末で決着をつけないとまずいが、さて、どうなることやら。いずれにしても年を取ってからの発熱はきつい。まぁ、自業自得なのだが。

2011年2月 5日 (土)

全国うまいもの列伝(松山編)

Photoここのところ,飲み過ぎで音楽をまともに聞いていないということもあるのだが,ちょっと今日は気分を変えて,過日の出張時の話である。

最近,私は仕事の質が変わってしまって,以前ほど地方出張の機会に恵まれていないのは事実なのだが,それでもゼロになったわけではない。地方にお邪魔した際の楽しみは当然のことながら地場のうまいものである。

それでもって,今回は本当に久しぶりに愛媛県松山市にお邪魔する機会があったのだが,そこで食したのが「夢の家」さんの炙り〆サバである。当日仕入れた生サバを〆るのだから,それだけでもうまいのは必定だが,食する前に皮の部分をバーナーで炙るというのは初めての食べ方であった。しかし,これがまじでうまかった。〆サバは当たり外れの多い料理だと思うが,ここの〆サバは酢の利き加減,塩の利き加減ともに絶妙であるだけでなく,この炙りが更に利いているのである。ある意味生臭さゼロ,しかも食するときは辛子だけでOKというのがいいねぇ。本来の〆サバの味を堪能できる食べ方である。

はっきり言ってしまえば,私の人生を振り返ってみても,こんなうまい〆サバは食したことがないと言いたいぐらいの逸品である。しかも,このお店,従業員の皆さんのホスピタリティが素晴らしい。オーナーの教育が行き届いているねぇと思ってしまったが,こんな逸品を食し,更にはこんなサービスを受けてしまえば,松山にお邪魔した際にはまた行くぞとリピーター化するのが当たり前だと言いたくなってしまった。

いずれにしても,ほとんどのお客さんがこの炙り〆サバを注文していたのもむべなるかなと言わざるをえない一品である。素晴らしい。出張は結構辛いこともあるが,こういうことがあるからモチベーションの維持ができるのである。

夢の家の皆さん,ごちそうさまでした。

2011年2月 4日 (金)

アナログはデジタルを越える,あるいは人間技がテクノロジーを越えるというお話

Sounds_and_stuff_like_that"Tell Me a Bedtime Story Now" from "Sounds... and Stuff Like That" Quincy Jones (A&M)

歌謡曲のカテゴリー以外で,曲単位で私が記事を書くのは初めてのことだと思う。しかし,これはアルバム単位でも好きだが,どうしてもこの1曲のためにだけでも記事を書きたいと思わせる演奏なのである。

今や音楽を取り巻くテクノロジーは無茶苦茶進歩していて,MIDIインターフェースなんて常識みたいになっているわけだが,このアルバムが吹き込まれた(リリースされた?)1978年当時は,シンセサイザーはある程度一般化していたとしても,そんなコンピューターの利用なんてことはまだまだ考えられていなかった頃である。

そして,そんな時代の音楽であるこの曲に私が感動してしまうのは,Herbie Hancockが弾いたソロを採譜して,Harry Lookofskiにヴァイオリンでそのソロを改めて弾かせて,何回かオーバーダブするという超アナログなやり方ながら,それが素晴らしい効果を生んでいることである。私はソロの冒頭の何小節かはHerbieのエレピだけで,そこにヴァイオリンがかぶる瞬間が本当に好きなのである。これはアルバムが吹き込まれて30年以上を経た今でも不変だし,これからもきっと変わることはないだろう。本当にぞくぞくする。

現代であれば,そんな面倒なことをしなくたって,MIDIやデジタル・ディレイでこれに近い音は生み出すことはできるに違いない。しかし,それがこの曲がもたらすような感動を生みうるかと言えば,大いに疑問である。私はアナログだろうが,デジタルだろうが,いい音楽はいい音楽だと認めたいというタイプの人間ではあるが,この曲に限っては,人間が力技で優れた音を生み出そうという努力をしているよなぁと強く感じさせられて,アナログ万歳,人間万歳と叫びたくなってしまうのだ。ちょっと大袈裟かもしれないが,この音楽に限っては本当にそうなのである。

それにしてもナイスなサウンドである。いつ聞いても,何度聞いてもプロデューサーとしてのQuincy Jonesの凄さをまざまざと感じさせられる名曲,名演。素晴らしい。もちろん,こんなナイスなソロを弾いてしまったHerbie Hancockにも最敬礼である。この曲単体でも星★★★★★。やっぱり凄いのだ,これは。

2011年2月 3日 (木)

こんな生活を続けていると…

また飲み会で帰りが遅くなってしまった。いつか天罰が下ると思わざるを得ない。何せ私の父は肝炎を契機に、肝臓がん、最後は脳腫瘍という道筋を歩んでいるのだ。

自業自得だとは思うが、酒の飲み方まで父に似る必要はなかろうにと感じる今夜である。やはり、まずいよな。反省。

2011年2月 2日 (水)

結構好きだったなぁ,このPatti Austin。でもこんなによかったとは思っていなかった。

Patti_austin "Every Home Should Have One" Patti Austin (Qwest→Friday Music)

懐かしアルバムが再発されたので思わず手が伸びてしまったという事例である。このアルバムはQuincy Jonesプロデュースで,QuincyのQwestレーベルから発売されたものであるが,それがWarner系の再発レーベルであるFriday Musicから出たものである。そもそも,このアルバム,Patti Austin自体はQuincyのアルバムにも参加したり,このアルバムが出た頃の来日にも付き合っている("Razzamatazz"とか無茶苦茶カッコよかった)から,そうしたところも踏まえてQuincyが制作したものと思われる。同じく参加しているJames Ingramもそんな感じだったなぁ。

いずれにしても懐かしい。このアルバムが出た頃は私が大学生活を始めた前後であるが,今にして思えば,結構分厚いシンセの音など,時代を感じさせるものの,やはり曲の懐かしさには勝てないのである。

もちろん,そうした懐かしさもあるものの,このアルバム,今にして思えば結構いい曲が揃っていてなかなか楽しめるし,更にこのアルバムの一つの魅力となっているのがSteve Lukatherの全面参加だろう。もう一人,Eric Galeがギターでは参加しているが,LukatherがいつものQuincyのサウンドに更なる新しさ,あるいはキレみたいなものを提供しているように感じられるのである。

正直言ってしまえば,昔,このアルバムを聞いていた頃は,"Do You Love Me?"や"The Genie"のようなアップ・テンポの曲には魅力を感じながらも,その他の曲にはあまりピンとこない部分があった。しかし,時の流れとともに,ほかの曲の魅力が増したように感じた。まさに私が年をとった証拠ではあるが,不思議な感じがしたのも事実である。いずれにしても,これは本当に久しぶりに聞いたのだが,思った以上の出来だったんだなぁという思いを強くした。そもそもIvan Linsの"The Island"を英詞カバーしたのって本作がかなり早かったはずだと今頃気がついている私も私である。LPで聞いていた頃は,全然そんなことに気づいていなかった節があり,思わず反省してしまった。お詫びも込めて星★★★★☆。

まぁ,本作は便宜上,ジャズとソウルの両カテゴリーに区分したが,音楽的にはどう聞いてもブラック・コンテンポラリーである。ジャズ・ヴォーカルを期待して聞くと,何じゃこりゃ?だが,そういう音楽だと思って聞くと,本当によくできていた。あまりにいい感じだったので,iPodで何回も聞いてしまった私である。

Personnel: Patti Austin(vo), James Ingram(vo), Steve Lukather(g), Eric Gale(g), Richard Tee(p, el-p), Bob James(p, key, synth), Greg Phillinganes(key, synth), Michael Boddicker(synth), Rod Temperton(synth), David Foster(synth), Louis Johnson(b), Eddie Watkins, Jr.(b), Anthony Jackson(b), Chris Parker(ds), John Robinson(ds), Paulinho Da Costa(perc), Ralph MacDonald(perc), Ernie Watts (ts)

2011年2月 1日 (火)

ブログなんてと思いつつ

毎日更新する義務なんてないんだけど、更新しないと不安、と言うより居心地が悪いと言う方が正確になってしまった私はかなりの病気だな。

というのは記事を書けない言い訳(飲み過ぎ)ということは読者の皆さんにはバレバレですな。ごめんなさい〜。

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