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2011年2月25日 (金)

現物はまだ来ていないが,Brad Mehldauの新譜の話

Live_in_marciac"Live in Marciac" Brad Mehldau (Nonesuch)

当初1/11のリリース予定だったものが,延び延びになって,ようやく発売された待望のBrad Mehldauの新譜である。とは言っても,私はNonesuchのサイトで購入したので,現物は現在空輸中で,購入者には自動的に付帯される320kbpsのMP3音源で聞いている。このMP3音源,一部,拍手の途中でブツっと切れて,次の曲に行ってしまう部分があるが,現物がどうなっているかはまだわからない。それはさておきである。現物にはDVDも付帯してくるので,それも楽しみではあるが,今日はまずは音だけについて語ってみよう。

そもそもこの音源が録音されたのは2006年のことであり,この音源がなぜ今になって発売されたかはよくわからない部分があるが,2006年と言えば,トリオでのVanguardライブもその年であったから,Mehldauが活発なライブ活動を行っていた頃と解釈してもよいかもしれない。いずれにしても,ソロ・アルバムとしては2003年のすみだトリフォニーでのもの以来ということになるが,この2作の間の3年半でMehldauが強烈に成熟度を深めていることがわかる演奏である。それは冒頭の"Storm"から"It's All Right with Me"への流れからも感じられる。"Storm"を長大なイントロのごとく,"It's All Right with Me"になだれ込んでいくさまは,まさにMehldauというピアニストが素晴らしい集中力で演奏に臨んでいることを感じさせるものである。

ここでは久しぶりに"Elegiac Cycle"からも3曲を演奏して,Mehldauは一旦ここでそれまでのソロ演奏活動を総括しようとしたのかもしれないが,そのほかにそれまでは弾いたことがないであろう"My Favorite Things"等も弾いていて,あっという間に約1時間40分の収録時間が過ぎ去っていく。ダイナミズムを感じさせるところはダイナミックに,美的な部分は徹底的に美的にということで,私がMehldauファンということを差し置いても,これは相当に優れた出来だと言える。"Secret Love"なんて,あれだけスローに弾かれたら,大概のリスナーはまいってしまうはずだ。

ある意味,ピアノ・ソロでこれだけ聞かせるのは,Keith Jarrettか,Fred Herschか,あるいはBrad Mehldauかと言いたくなるぐらいである。違いはKeithが完全即興であるのに対し,HerschとMehldauは素材がはっきりしているということだが,ピアニズムという点では,かなり近似的な部分を感じてしまう私である。もちろん,Mehldauの両手奏法等に好き嫌いは分かれる部分もあるだろうし,Keithとは全然ちゃうわっ!という声も聞こえてきそうだが,あくまでもピアノに対峙する姿勢のことだと思ってもらえばいいだろう。HerschはMehldauのメンターであるから,ある程度似ていてもまぁそれは納得ってことで。

本作についての正式な評価はいろいろなオマケもついているらしいDVDを見てからにしてもいいのだが,音だけでも私は星★★★★★にしてしまおう。まぁ贔屓にしているということもあっての点の甘さとも言えるが,これは間違いなくいけている。早く現物が来ないかなぁ~。

Recorded live at Jazz in Marciac on August 2, 2006

Personnel: Brad Mehldau(p)

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コメント

はじめまして。JAZZの記事いつも拝見しCD入手等の参考にさせていただいております。
"My Favorite Things"を今聴いているところですが
たいへんGOODですね。
DVDの方も観ましたが、右手と左手をクロスするなど、こうやって弾いているのかと見入ってしまいました。

baikinmannさん,はじめまして。お名前はお知り合いのところでちょくちょく拝見しておりました。最近,ジャズの記事が少なめで申し訳ありません。

このアルバムは,私は相当よかったと思います。敢えて2006年の演奏を今,出してくる意味もあるというものですね。私のところにはまだ現物が来ていませんので,DVDは未見ですが非常に楽しみです。

これからも少しでもお役にたてる情報の発信に努めたいと思いますので,引き続きよろしくお願いします。

こんにちは

最近 中古で「メセニ-&メルド-」だったかな…
ジャケットが白とブル-のシンプルなCDを購入しました。
パット・メセニ-とメルド-の共演って凄い!と 衝動買いでした。
まだ しっかり聴けていませんが トリオばかり聴いていたせいか 少しさみしい感じがしました。
良さが分かるには まだまだですね…

キ-スは5月に来日しますね。

マーリンさん,こんにちは。"Metheny Mehldau"ですね。あのアルバムは私がこのブログを始める前でしたので,記事にはしていませんが,Amazonに次のような評価を書き込んだことがあります。ちょっと長いですが,ご参考です。

『待望のMetheny~Mehldauの共演盤である。全10曲中8曲がご両人のデュエット,トラック4,7のみ現Mehldau TrioとPatの共演となるが,このQuartetによる演奏が素晴らしい。Quartetでの演奏はサウンド的にはちょっと聞いた感じではPMG的にも響くのだが,ドラマー(ここでのJeff Ballardが素晴らしい)の違いがこれほど演奏の個性に影響を与え,最終的にはPMGとは違うものとなることがわかるという点でも極めて興味深い演奏である。デュエットでの演奏が静謐で美しいものとなっているのに対し,このQuartetでの2曲は非常にスリリングな展開を示しており,評者としては Quartetでの路線で1枚通して聴きたいという欲求にかられるものである。もちろんデュエット演奏も水準ははるかに越えたレベルにあり,大いに楽しめる。その中で,2曲目には楽器編成は違うものの,Chick Corea~Gary Burtonのデュエットへの傾倒を感じさせるのが面白く,Patの師匠と言ってもよいGary Burtonへのオマージュのようにも聞こえる。

Quartetでの更なる高みへの到達を期待して今回は4つ星とするが,リスナーの期待を裏切らない佳品であることは間違いない。』

ただ,その後のクァルテット作品は私はあまり評価していません。そちらの記事は下記のURLでご覧になれます。
http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2007/03/methenymehldau2_8edb.html

ちなみに5月のKeithは行きません。さすがに最近のKeithは私にもきつくなってきたというのが正直なところです。もちろん嫌いじゃないですが。

音楽狂様、こんばんは。
結構ハードながら今までのmehldauのソロの中では良い具合に理性を感じて即気に入ってしまいました。Secret LoveとElegiac Cycleからの3曲は特に気に入っています。今回も数曲では弾き過ぎる印象というのもあるんですが、徹底的に埋め尽くた所に別世界があって単純に否定しきれないものがあると感じてます。何にしても圧倒的な音世界という印象です。

ちなみにマリーン様にも横からお邪魔して(はじめましてでしょうか)、、、Metheny Mehldauは個人的には入り込めていません。評価が高いので結構トライしたんですが、どうしてもそれぞれのリーダー作のほうがずっといいなぁという印象です。連名の迫力は凄いんですが、私の耳がまだまだ聴けていないのかなと考えさせられる作品です。

ki-maさん,こんばんは。TBありがとうございます。これは相当優れもののアルバムと言ってよいと思います。Mehldauのコンプリートを目指して久しい私ですが,彼のアルバムの中でもかなり強力なインパクトで迫ってきたと思います。

Brad Mehldauはどこまで行ってしまうのか。そんなことすら感じさせる傑作だと思います。

音狂さん ki-maさん

Amazonの評価 感想 ありがとうございます。
2006年の作品で その後も2人の共演作が出てますね。
きのう あらためて聴いてみましたが
デュオは良かったです。4曲目「Ring of Life」のクァルテットで いきなり賑やかになります。

でも 少し背伸びしたかなぁ…
2人一緒に聴く前に 一人 一人をよく聴いて知った上で聴いたほうがよかったかもと思いました。
初心者は 調子にのって 名前だけで買っちゃったりしますね…(笑)

マーリンさん,こんばんは。マーリンさんはデュオの方がよかったですか。まぁ人それぞれです。

「背伸び」とかおっしゃらなくてもいいと思いますよ。私とて何でもかんでもわかって聞いてきたわけではないですし,私がHerbie Hancockの「処女航海」を初めてのジャズLPとして買った時も,雰囲気,あるいは背伸びをしたかっただけなのかもしれませんから。そうした中で気に入ったものを見つけるのが楽しくなるんだと思います。

私の場合はそれ以前にジャズ喫茶で相当鍛えられましたが(笑)。

マーリン様
すみません、名前を間違えてしまいました。
違和感があっても頑張って聴いているうちに突然ハマるようになることがあるので、「背伸び」的なことはジャズなんかにはアリだと思ってます。出会う順番で感じ方が違ったりしますしね。なのでMetheny Mehldauには時々会いにいって確認しています。そういうのも楽しいんです。

このところ立て続けに2枚組でアルバムを出していますが、このアルバムも、やはり無理して1枚に仕立てなくても、十分素晴らしい構成だと思います。それだけこの’06年のライヴが良かったのだと思います。DVDの方はまだ実は観ていないんですが。

TBさせていただきます。

910さん,TBありがとうございます。やっと現物がデリバリーされました。早いところ映像もチェックしたいと思います。

お、、さすが、メルドーコンプリター。
賑やかで、、いいなぁ。

って、メセニーメルドーをブログにあげてなかったですか?

最近、、メリドーならば、、力でねじ伏されても、、ええかも、、
って、感じかも。
音を制御したときの美しさが、たまらないですね。はい。

すずっくさん,続けてこんばんは。

賑やかって,コメントがですよね。Mehldau好きが結構いらっしゃるということでいいことですよ。昨今のBrad Mehldauはジャズとクラシックの境界を飛び越えた活動と思いますが,次はどういう方向を目指すのか,全く読めません。ファンとしては何でもOKですが。いずれにしても,このピアノの鳴らし方,尋常なセンスではありませんよね。

判りやすくも奥が深いというか、
>ピアノ・ソロでこれだけ聞かせるのは,Keith Jarrettか,Brad Mehldauかと言
うのは間違いのないところだと思います。
このアルバムの聴き応えは、かなり高レベルになることは間違いありません。

(先に)TBさせていただきます。

oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。

私にとってBrad Mehldauは非常に重要なミュージシャンですが,この作品は全く期待を裏切らない素晴らしい出来でした。どこまで行ってしまうのか,少々怖い部分もありますが,それでもずっと追い掛けたいと思わせるミュージシャンです。

また明日以降にTBをリトライしてみます。

音楽狂さん、こんばんは。
TBありがとうございます。半年以上も聴いていながら未だにMehldauの弾き出す示唆的な旋律にはっとすることがあります。ソロはどこまでいってしまうのかってくらいなところに到達していると思いますが、トリオではこの域に達していないと思うので、来年期待しています。
こちらからもTBさせていただきます。

追伸:レイソル、残念でしたね。でも普段着のサッカーをサントス相手にやっていて今後がさらに楽しみになりました。

とっつぁんさん,こんばんは。TBありがとうございます。このアルバムも久しく聞いていませんが,年末に向けてもう一度聞かないといかんですね。トリオは先日のボックス・セットのオマケのライブ音源がかなりよかったので,それはそれで満足ですが,そろそろ活動を再開して欲しいですね。

レイソルはよく頑張った方だと思いますが,サントスのディフェンスが強過ぎました。あのディフェンスの対応能力は凄いです。1点取れてよかったって感じでした。

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