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2011年1月 3日 (月)

今のNYCのクラブってこういうのが多いのだろうと思わせるAri HoenigのSmalls Live

Ari_hoenig"Punkbop: Live at Smalls" Ari Hoenig (SmallsLIVE)

一昔かふた昔前にパンク・ジャズなんてわけのわからんカテゴリーが喧伝されたことがあった。Luther ThomasとかDefunktとかがそうした音楽にカテゴライズされたような気がするが,結局フリーとファンクの中間みたいな感じってところだったのかなぁなんて今にして思う。そんあ昔話をしてしまうのも,このアルバムのタイトルが"Punkbop"なんてものだからだが,ここに収められているのは,至極真っ当な,コンテンポラリーなジャズであって,決してパンク云々の文脈で語られるべきものではない。

Ari Hoenigと言えば,彼のリーダー作 "Bert's Playground"を本ブログで取り上げたことがある(記事はこちら)が,本作はそれに続く作品のはずである。しかも,現代のNYCのジャズ・シーンの凝縮したようなSmallsにおけるライブであるから期待するなと言っても,それは無理ってものである。そして,ここでの演奏は,そういうリスナーの期待に十分応えたものになっているように思う。

そもそも本作ではソロイストの位置づけが面白い。ギターのJonathan KreisbergはアルトのWill Vinsonと並ぶソロイストの扱いであり,全面的にフィーチャーされていると言ってもよい。むしろKreisbergが目立ち過ぎていて,誰のアルバムかわからんという声も聞こえてきても仕方あるまい。それでも,こういう演奏を眼前で行われたら燃えること必定,最近のドラマーのアルバムはみんないいねぇと言いたくなる。しかも,本作所収の6曲は全てHoenigのオリジナルである。大した才能ではないか。

しかも,この一筋縄で行かない曲を,非常にスリリングに演奏するこのバンドはかなりレベルが高いと言ってよい。特に私が感心したのがWill Vinsonのフレージングである。いかにも現代のアルトって感じのサウンドを生み出していて,非常にいけている。そしてKreisbergのギターも非常にキレがあって素晴らしい。その割に,リーダー・アルバムではあれだけ弾き倒したTigran Hamasyan(記事はこちら)が地味に聞こえるのが意外だが,"Green Spleen"では非常に熱いソロを聞かせている。思うにこの曲,"Bert's Playground"でも最高の出来だったと思うが,リスナーも,プレイヤーも燃えさせる曲なのではないかと思えてくる。いいねぇ。

結局のところ,こうした優秀なソロイストを抱えつつも,バンド・サウンドとしてきっちりレベルを高めたのは,リーダーとしてのHoenigの優れたところだと評価したい。一般的には決してメジャーなプレイヤーとは言えないHoenigではあるが,こういうアルバムを通じて,より注目が集まれば良いと思う。いずれにしても,NYCのクラブではこうした音楽を通じて,ミュージシャンが創造性の高い活動を行っていることを実証したアルバムだと言えるように思う。やはりこういう演奏は生で聞いてみたいと思わせる魅力に溢れている。最後の"Ska"なんて冗長で,あまり面白くないなぁと思わせるが,昨日のPortalに続き,本作もちょいと甘いが星★★★★☆としてしまおう。今年の中年音楽狂は甘いのか?(爆)

何にせよ,次にNYCに行く機会があれば,Smallsに行ってみようと思わせるアルバムであった。やっぱりレベル高いし,無茶苦茶カッコいいわ。でも決してコンベンショナルな響きを期待してはならないのであって,これが「今」のNYCのサウンドだと言ってもよいのかもしれない。是非このメンツで来日して欲しいものだ。

Recorded Live at Smalls on February 8, 2010

Personnel: Ari Hoenig(ds), Will Vinson(as), Jonathan Kreisberg(g), Tigran Hamasyan(p), Danton Boller(b)

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コメント

明けましてあめでとうございます.

前回NYCに行ったのは2008年.一泊だったので,お決まりのVillage VanguardとBlue Noteをハシゴだったのですけど不完全燃焼.
次回は多分,今年の6月なのでSmallsには行ってみたいですね.webみても面白そうですね.

面白い情報ありがとうございました.

kenさん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくどうぞ。

VanguardやBlue Noteはエスタブリッシュメントって感じですから,安心ではあるけれども,尖った音楽が聞ける可能性は低くなってしまってますよね。

これらのクラブに比べれば,Smallsなんて相当安いチャージでこんな音楽が聞けるんだからいいですよねぇ。是非お試しの上,ご感想をお聞かせ下さい。ちなみにAri Hoenigは毎週月曜日に出演していますね。

個人的には、露出の多いJonathan Kreisbergにヤられた感が強いです。
そのJonathan Kreisbergの新作が今月リリースのようなのですが国内での扱いがなさそうで..

NYのジャズクラブの普段の演奏を体験できるという意味では貴重なシリーズだと思っています。
ということで、今のところ全部買い続行中です(^^)

本年も変わらずよろしくお願いいたします。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんにちは。TBありがとうございます。

Smallsってプログラムを見ていると,なかなか面白いですし,Ari Hoenigは手を変え品を変えメンツを変えて演奏しているみたいですね。

次回,NYCに行くチャンスがあれば,月曜日を狙いたいですね(笑)。

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