2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

無料ブログはココログ

« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »

2011年1月31日 (月)

Lew Soloffってうまいんだよね~。これも悪くはないとは思うが...

Lewsoloff_yesterdays"Yesterdays" Lew Soloff(Paddle Wheel)

サッカーのアジア・カップも日本の優勝という最高の結果で終わったので,音楽ネタへの復帰である。私の中ではLew Soloffと言えば,Gil Evans Orchestraにおける番頭格の演奏が一番記憶に残っている人だが,世の中にはManhattan Jazz Quintetが懐かしいという人もいるだろう。しかし,私はあのバンドをほとんど評価できない人間なので,やはりGil Evansありきでこの人は見てしまう。アルバム"Priestess"のタイトル・トラックにおけるソロなんて凄いもんなぁ(同アルバムに関する記事はこちら)。

そんなLew Soloffではあるが,もともとはBlood Sweat & Tearsにいたというキャリアは別にしても,やはりスタジオ・ミュージシャン的な側面が強い中,Gil Evansとの活動が突出しているのは事実だと思う。しかし,日本のレーベルを中心として,彼のリーダー作は結構な数になっているはずである。初リーダー作はGilも参加した"Hanalei Bay"だったはずだが,それも日本制作であった。それに続くのが本作で,このメンツを見た時,おぉっ!となってしまった人は結構いるのではないだろうか。注目はElvin Jonesの参加と,Mike Sternがどういう演奏をするかという点にあったと思う。少なくとも私にはそうだった。

そうした観点では,冒頭のタイトル・トラックからして,かなり渋い演奏って感じで,まず意表を突かれるが,Mike Sternのギターなんて,誰がどこから聞いてもMike Sternで,非常に微笑ましいと感じてしまった私である。このアルバムを聞いていて,私には前半の演奏の方が,好ましいものに感じられて,後半までそのよさが継続していないように思えるのがちょっと惜しい。特にLew Soloffのオリジナルは,軽快な曲になればなるほど面白みがなくなってしまうのが残念である。

しかし,SoloffとSternのユニゾンとか,それをバックからプッシュするElvinとか,聞きどころはそれなりにあるからこそ,その惜しいという感覚が強くなってしまうのである。これは私がSternのギターのファンであることもあるかもしれないが,この人たちはややウェットなスリルを感じさせるような曲の方がメンツ的には合っていたかなぁと思う。ということで,悪くはないし,前半なんて結構好きな展開だが,全体を通じては星★★★☆ぐらいだろうか。だが,私が聞いたSoloffのリーダー作では変にフュージョンぽくないという点で,一番いいとは思う。同じくElvinが参加し,Kenny Kirklandがピアノを弾いた"But Beautiful"も保有していたはずだが,どこ行っちゃったかなぁ。あるいは持ってなかったかなぁ(笑)。逆に言えば,本作が結構すぐ見つかるところにあるってことは比較的愛着があることの裏返しなのである(爆)。

Recorded on September 15 & 16, 1986

Personnel: Lew Soloff(tp), Mike Stern(g), Charnette Moffett(b), Elvin Jones(ds)

2011年1月30日 (日)

おめでとう、ありがとう、日本代表!!

試合としては今イチ,今ニだったかもしれんが,感動した!!

ザック,あんたは最高やっ‼ 全部采配が当たるって凄いぞ。嬉しい〜!!

2011年1月29日 (土)

本日は…

明日のオーストラリア戦に向けてエネルギー充填中のため、お休みです。明日は日本人たる者、こぞって応援しましょう。しない貴方は非国民と呼ぶ(笑)。ということで、次の記事更新も、決勝戦後になります(きっぱり)。

2011年1月28日 (金)

こんなんもありましたぁ:Dave Liebmanのダウンロード・オンリーのライブ音源

Ornette_plus "Ornette Plus" Dave Liebman Group (Jazz Heads)

先日,Dave Liebmanのライブ盤について書いたばかりだが,その後,Liebmanのサイトを訪れたところ,ダウンロード・オンリーの音源やら,未発表音源やらが結構アップされていた。その中でも,タイトルからして魅力的な"Ornette Plus"は,昨年パリで見たレギュラー・グループによるもので,Ornetteを3曲,Jurisのオリジナルを1曲というまさにタイトル通りの選曲である。ということで,即,MP3音源を購入して聞いてみた。

Ornetteの3曲は"Turnaround"とも重なっているが,ライブだけに雰囲気の違いはあるものの,基本的にはアレンジもスタジオ盤に近いような気がする。そしてJurisのオリジナル"Victim"は何と30分を越える演奏で,トータルとしては1時間強である。演奏はあくまでもLiebman的で,ファンには嬉しいものと言える。

しかし,私がプロデューサーだったとすれば,もう少しアップ・テンポの曲を1曲入れたかなって感じである。十分スリリングな演奏集ではあるのだが,"Cross Beeding"なんかはスタジオのフリーなアプローチが強烈な短い演奏の方がいいように感じる。まぁ,ライブだからあまり小難しいことは言いたくないとしても,やはりもう少し強烈さを感じさせるテンポの曲があってもよかったように思えるのだ。演奏時間の長さもあって,ちょっと冗長性を感じるということもあり,星★★★☆ぐらいとしておこう。

だが,こうしたリアルなライブの場でのLiebmanに触れる機会にあまり恵まれない日本のリスナーにとっては,こういう形式でもどんどん出して欲しいって思ってしまう。こういうことがあるので,ちゃんとWebサイトはマメにチェックしないと駄目だってことである。

Recorded Live at Deer Head Inn and Roberto's Woodwind Shop between 2008 and 2009

Dave Liebman(ts, ss, wooden-fl), Vic Juris(g), Tony Marino(b), Marko Marcinko(ds)

2011年1月27日 (木)

ユニクロのUT,今度はブルーノートかぁ...

Right_now 以前,ユニクロがUTシリーズでECMレーベルのジャケをあしらったものを出した際,結構大量購入した私だが,今度はBlue Noteレーベルの諸作のシリーズが発売されたようである。こういうのを見ると,ふつふつと購買意欲がそそられるが,今回のシリーズ,ジャケをそのままというものもあれば,字体のロゴだけを使ったものもあって,見た感じは玉石混交。今回のシリーズではJackie McLean作品が多いのが目立つが,"Right Now"あたりはいいよねぇ。

Sunny_side_up 一方,全然いけていないのが,Tony Williamsの"Spring"だったりするが,私は"Sunny Side Up"もいいなぁなんて思っている。さて,今回は何枚買ってしまうのか?今回,相応の枚数を購入するなら,ただでさえ余っている古いTシャツは処分してしまうことになるだろうなぁ。まぁ首回りとか伸びてしまっているのもあるので,全然問題ないのだが,それならさっさと捨てろ!という声が家人から飛んできそうである(爆)。

2011年1月26日 (水)

日本代表:ここまでくれば優勝だ!

審判の技術には問題があったとしても、今回の韓国戦はいい試合だった。2点目を最悪のタイミングで決められた時は、正直負けを私は覚悟したが、それを上回る力を感じた私であった。

まずは近年稀に見るナイス・ゲームだったと思う。やはり日韓戦は格別なのだ。いずれにしてもこうなりゃ優勝だけだ。

頑張れ‼日本代表!応援するぞ。そして、ありがとう、川島。次も頑張れ!それで優勝がますます見えてくるぞ。

2011年1月25日 (火)

絶好調,Dave Liebman

Liiebman_tuscia001_2"Tuscia in Jazz - Live" Dave Liebman (TIJ-Live)

今年初の新譜購入の1枚として,先日紹介したこのアルバムであるが,早速聞いてみたところ,これが嬉しくなるような出来だった。何がいいかというと,通常,Liebmanは超ハイブラウな,テンションの高い演奏をする人だが,ここでは比較的テンションもいい感じに緩めた感じで,非常に聞きやすいのである。

本作はイタリア人トリオをバック(最後の"India"だけ2ベース)にしたワン・ホーン・アルバムだが,そうしたバンドのメンツにもよるところが大きいのかもしれないが,Liebmanのことであるから,決してやわな出来ではないとしても,いつもよりはリラックスして聞けて,これなら何度でも聞いちゃおうかなぁなんて思ってしまうような演奏なのである。しかも冒頭から”On Green Dolphin Street"である。私はこの曲が結構好きなので,大概の演奏はOKって感じだが,Liebmanは相変わらずのLiebmanながら,いつものようなキリキリするような演奏ではないところが,逆に気に入ってしまった。

もちろん,2曲目の"Off a Bird"なんて,Charlie Parkerにトリビュートすると言いながら,全然Parkerっぽくなかったりで,一筋縄ではいかないが,最後はお約束のようにColtraneの"India"で締めるってのもいいねぇ。そもそも,その"India"もLiebmanは最初はバンブー・フルートでピーヒョロ言わせながら,ソプラノに持ち替えるとColtrane憑依モードに突入している。

もちろん,ライブゆえの瑕疵がないわけではないが,私にはLiebmanが結構楽しみながら吹いているのではないかと感じられるのである。それはLiebmanのMCからも感じられることであり,たまにはこういうLiebmanも楽しいということで,本作は結構好きだなぁ。前の記事にも書いたが,このジャケも雰囲気満点である。そうした点も含めて星★★★★☆。いずれにしても,最近のLiebman,素晴らしいアルバムの連発である。これはやはり絶好調と言ってもよいだろう。もっとやって~(爆)。

ちなみにこの"Tuscia in Jazz"シリーズ,"Jazz Italiano"シリーズに対抗するわけではなかろうが,結構な枚数が出るようである。Liebmanと同じタイミングで出たEddie Gomez盤ではピアノをDado Moroniが弾いていて,なかなかいい感じのピアノ・トリオだったが,私はGomezがあまり好きではないのでパス。まぁ,でも結構シリーズとしても期待できるかもしれないと思ってしまうような音はしていた。

Recorded Live at "Tuscia in Jazz" in Soriano nel Cimino on July 28, 2010

Personnel:Dave Liebman(ts, ss, bamboo-fl), Domenico Sanna(p), Giorgio Rosciglione(b), Marco Valeri(ds), Michel Rosciglione(b)

2011年1月24日 (月)

Ornette Coleman:フリー・ファンクって面白いねぇ

Body_meta_2 "Body Meta" Ornette Coleman (A&M→Harmolodic/Verve)

同一セッションを収録(諸説あるが,同一セッションの可能性が高い)した"Dancing in Your Head"が容易に入手できるのに対し,以前再発されて後はあまり市場に出回っていないため,このアルバムに出会うことはあまりなかったように思う。そんなアルバムを中古盤屋をうろついていたら偶然発見,即ゲットである。

思えば,このアルバムが出たのは1970年代の後半であり,私がジャズを聞き始めた頃とほぼ合致するわけだが,ジャズを聞き始めの小僧にOrnette Colemanのよさなんてわかるわけないということもあり,このアルバムも長年素通りしていたものである。しかし,私も年齢を重ねるとともに,いろいろな音楽を聞いていると,昔は全く理解を越えていたColemanの音楽が非常に楽しいものに思えてきてしまうから不思議なものである。

ここに収められた音楽も,Ornetteを聞いたことがないリスナーにとっては,調子っぱずれのわけのわからない音楽になってしまうのかもしれないが,これは頭で理解するというよりも,体で反応すべき音楽のように思える。Ornetteの言うところの「ハーモロディック理論」(wikipediaには"The use of the physical and the mental of one's own logic made into an expression of sound to bring about the musical sensation of unison executed by a single person or with a group"と書いてある)ほどわけのわからんものはないが,これを真面目に考えてはならないように,この音楽も理論がどうのこうだと言っていては全く楽しめないタイプの音楽と言ってよいだろう。

私は本作を聞いたのは今回が初めてだったが,感覚的に言えば,"Dancing in Your Head"よりも好きだなぁと思ってしまった。その最大の理由が冒頭の"Voice Poetry"にあるのは間違いない。所謂Bo Diddleyのビートを使った泥臭いファンクが何とも心地よく,そこに切れ込むColemanのアルトに思わず「素敵っ」ってなってしまう私は変態かもしれないが,この何とも言えないフィジカルに訴える音楽が気持ち良いのである。よくよくこの曲のタイトルを見ればBo Diddleyの名前と韻を踏んでいるから,これは間違いなく意図的なものと思うが,まずこれで心をつかみつつ,その後は強烈なフリーなフレージングを聞かせる"Home Grown",更には自作のタイトルをパロったような"Macho Woman",そして"Fou Amor"を挟んで,Golden Circleでもやった"European Echoes"まで,これが結構楽しめてしまった。

ここでのバンドが元祖Prime Timeってことになるのだろうが,2ギターがわけのわからん展開を示す中で,Ornetteが吹きまくるってのはかなり笑える。TacumaとJacksonのリズムも相当の変態なので,ある意味では「脳味噌ウニ」みたいになってしまう音楽だが,それは頭を使った場合である。この音楽を聞くときに頭を使ってはいかんのだ。ということで,何とも言えないフリー・ファンクの心地よさゆえ星★★★★☆。いずれにしても,これが廃盤ってのは惜しい気がするなぁ。

Recorded in December, 1975

Personnel: Ornette Coleman(as), Charles Ellerbee(g), Bern Nix(g)Jamaaladeen Tacuma(b), Ronald Shannon Jackson(ds)

2011年1月23日 (日)

VenusレーベルのFred Herschは...

Hersch_everybodys_song_but_my_own "Everybody's Song But My Own" Fred Hersch Trio(Venus)

私はFred Herschのピアノの持つ繊細で美しい響きに強い魅力を感じてきた人間である。彼の弾くピアノの持つ何とも言えない美しさこそがHerschのHerschたる所以である。しかし,このアルバムを聞いた時の違和感は何なんだろうか。このアルバムの冒頭からFred Herschらしさが感じられないのである。

その原因は明らかに,このFred Herschの魅力を全く理解できていないプロデューサーの原哲夫によるミキシングによるところが大きい。ベースとドラムスの音の粒立ちをよくしたいというのはわかるが,そのためにHerschのピアノにブースターを掛けたような音になっていて,私としては全くこの音楽に没入できないのである。

よって,まだ冷静に音楽単体として聞けていないので,星は別の機会に改めるが,これはFred Herschのファンには納得できない音であることは間違いないとだけ言っておく。

Recorded on May 19 and 20, 2010.

Personnel: Fred Hersch(p), John Herbert(b), Eric McPherson(ds)

2011年1月22日 (土)

よく勝った,日本!

完全アウェイ・モードの中,相手の術中にはまって,吉田がレッド・カードをもらったのはいただけないとしても,数的不利の中,よくぞ逆転したというのが正直な感想である。これまでの日本代表ならば,逆転はおぼつかなかったかもしれないが,それをはねかえす力を見せた今の日本代表は結構期待できると思ってしまった。久しぶりに燃えたぞ!!(と言っても後半しか見ていないが)。

ここに来て,ザッケローニの采配も非常にシンプルでわかりやすいのは大いに結構。小難しいことをするより基本に忠実なのが私はいいと思う。こうなったら,準決勝はイランだろうが,韓国だろうが撃破せよ!ということで,私も相当気合が入ってきてしまった。準決勝当日は国内出張予定だが,出張先でスポーツ・バーに参戦か(爆)。ということで,いずれにしても頑張れ日本!,と言っておこう。

2011年1月21日 (金)

今年最初の新譜は予想と違うものだった:でもまだ聞いてない(爆)。

先日,今年はまだ新譜を買っていないなんていいながら,中古やら旧譜やらを結構買っていると書いたのだが,今年初の新譜を2枚仕入れたので,まずはその情報だけご紹介しておきたい。残念ながら,まだ聞く時間が取れずに聞いていないので,記事は追ってアップすることとしたい。

Hersch_everybodys_song1枚目はFred Herschが何とVenusレーベルに吹き込んだ"Everybody's Song But My Own"である。私はVenusのエロ・ジャケが嫌いなので,どうなることかと思っていたが,今回は足だけだけだからまぁいいかって感じである。メンバーは昨年の秀作"Whirl"と全く同じトリオである。プロダクションの方針によってどうなるのか若干不安はある(だってVenusだもんなぁ,と毛嫌いする私)が,これはHerschだけに期待したいと思う。Venusと言えども,Enrico Ravaのような例外もあるわけで,本作もそうした例外的なものになると信じたい。ついでに紹介しておくと,2月にはHerschのVillage Vanguardにおけるソロ・ライブがPalmettoレーベルから発売されるようである。実は私の期待はこちらの方に極大的に高くなっていると言っても過言ではない。

Liiebman_tuscia001もう1枚はまたもDave Liebmanである。今回はLiebmanがイタリア人トリオ(1曲ではベースがもう1本追加)をバックに演奏した"Tuscia in Jazz -Live"である。Liebmanは本当に多作だが,今回の作品は"On Green Dolphin Street"やら,"All Blues"やら,"India"やらと,好き者の食指をそそる曲をやっているので,こちらも期待してしまおう。それにしても雰囲気のあるジャケ写真だよねぇ。パリでのライブを思い出しちゃうなぁ(と言っても,あの時はソプラノしか吹かなかったが)。Liebmanと言えば,QUESTの新作ライブも昨年から仕入れてあるのだが,何回聞いても,あれって敷居が高い感じがしてしまって,まだ記事にできていない。あれもいつかは記事にせねば。

ということで,こんなことをやっているから,CDの積んどく状態が慢性化するのだが,まぁいつものことだから仕方がない(爆)。ちなみに,以前紹介したBrad Mehldauの新譜は延期,延期で,結局は今のところは2月後半のリリースになるみたいである。今の積んどく状態を考えると,丁度良かったかもしれない。

2011年1月20日 (木)

往時のジャズ喫茶でよく聞いたBob Berg

Steppin "Steppin'" Bob Berg(Red)

このアルバムって,昔,ジャズ喫茶でよく掛かっていたなぁなんて郷愁にも誘われて,中古盤のLPをゲットしてきたのだが,よくよく見たら,MP3でも売っているのねぇ。実は,このアルバムもCDでゲットしようとしていたのだが,なかなか手に入らなかったものを,格安な値段で中古LPを入手したというのが真相である。しかし,MP3があるなら,最初からそっちを買っときゃよかったと思わせるようなローファイ作品である。でもiPodでも聞きたいので,結局MP3版もダウンロードしてしまった。あぁ無駄遣い(嘆息)。

このアルバムが吹き込まれた1982年と言えば,デジタル・レコーディングが本格化していたはずだが,この作品はステージ上のマイク1本で音を拾ったのではないか(あるいはオーディエンス録音)と思わせるようなサウンド・クォリティである。こんなに音が悪かったかなぁなんて,久しぶりに聞いて思ったわけだが,ジャズ喫茶では音量も相応に上げているから,そんなことも気にしていなかったのではないかと思わせる。しかし,いずれにしても,音は相当にシャビーである。

では,このアルバムがなぜジャズ喫茶の人気盤(と思っているのは私だけかもしれないが...)となりえたかと言えば,冒頭のBergのブロウに痺れたリスナー(あるいはジャズ喫茶のオヤジまたはレコード係)が多かったのではないかと思わせる。いきなりBergとGattoのデュオによる導入部で膝を乗り出す人間は少なくないはずである。それぐらいの熱い吹きっぷりである。そこにピアノとベースが加わった瞬間には「ぐわ~っ!」という感覚を覚えざるをえないというのが正直な感想である。

全編を通してこんな調子だったら疲れ果ててしまうかもしれないが,このアルバムのよいところは勢いだけでぶちかました感じでないことである。そもそも2曲目はTom Harrellのオリジナル"Terrestris"(Steeplechase盤"Open Air"所収)である。Berg とHarrellはHorace Silverのバンドでも一緒だったから,長年のなじみってところだろうが,その後のBergの活動を考えると,Harrellのオリジナルを演奏するってのは意外感がないわけでもない。それでもここでの演奏は,Harrellのオリジナルの曲の良さも十分に出たものと言ってよいだろう。やはりHarrellのオリジナルはいいのである。それでも相当暑苦しい演奏であることは否定しないが,LPであればサイドが変わってB面の曲になると,だいぶ様相が変わってくるのである。Bergのオリジナル,"Arja"なんて結構雰囲気を持ったナイスな曲で,歌い上げる感じがいいと思う。その次の"Luca di Fulvia"もBergのオリジナルだが,これは曲の感じもあって,ややBrecker的に響く。そして,LP最後の曲はDanilo Reaとのデュオで展開される何とStevie Wonder作"The Secret Life of Plants"である。これがまた実にいいのである。曲がいいのはもちろんだが,このハイブラウでありながら,メランコリックな感覚も持った演奏ぶりがたまらない。あのStevieにしてはマイナーなアルバムからこういう曲を持ち出してくるところが偉い!

尚,CD版及びMP3版には最後にもう1曲,ほとんどBergのソロという演奏(エンディングだけトリオが加わる)が入っているが,これはBergのカデンツァ部分のみ抽出し,ボーナス・トラック的に入れたものであろう。なくてもいいと言えばその通りだが,オマケだと思えばよかろう。

いずれにしても,本作について冷静に判断すれば,ジャズ喫茶でプレイバックされていたのは主にLPのA面に当たる冒頭2曲だろうということは間違いないところである。Bob Bergはフリーではないし,メインストリームのハード・バッパーという感じでもないので,ある意味,コンテンポラリーな感覚は持ちつつも,当時のMichael Breckerあたりとは多少違う感じということで,こういう音がリスナーに訴求した可能性は高いように思う。このあたりは,私の同僚にして,最強(狂?)のサラリーマン・テナー,こやぎ@でかいほうさんに意見を聞いてみたいところではある。いずれにしても,後のMilesバンドやMike Sternとの双頭バンドとはちょっと違ったBob Bergが楽しめる好盤である。星★★★★。それにしてもここでのDanilo Rea,Doctor 3のReaと同一人物とは思えないなぁ(笑)。

ちなみに,Bob Bergとジャズ喫茶と言えば,Cedar Waltonとの"Eastern Rebellion 2"も懐かしいが,既に記事にしていたな(記事はこちら)。

Recorded Live in Perugia on December 8, 1982

Personnel: Bob Berg(ts), Danilo Rea(p), Enzo Pietropaoli(b), Roberto Gatto(ds)

2011年1月19日 (水)

実写版ヤマトは受け入れがたい駄作

Photo「Space Battleship ヤマト」('10,東宝)

監督:山崎貴

出演:木村拓哉,黒木メイサ,柳葉敏郎,緒形直人,西田敏行,高島礼子,山崎努

「三丁目の夕日」で泣かせてくれた山崎貴が,「ヤマト」を撮るなら,相応のCGで,相応のストーリーに仕立ててくれるだろうという期待を見事なまでに打ち砕いた駄作である。ここまでひどいと,けなすのも馬鹿馬鹿しいと言いたくもなる。

何が気に入らないか。最悪なのは脚本である。脚本を書いたのは山崎貴の奥方の佐藤嗣麻子であるが,そもそも上映時間にストーリーを突っ込めないからと言って,ナレーションでストーリーを展開させるという手法がまず許せない。ちゃんと(それには時間がかかるとしても)丁寧に上映時間の中でストーリーを再構成しようという気概に欠けている。それから,この既視感たっぷりのようなストーリーはなんなんだろうか。主題歌をSteven Tylerに歌わせたからというわけではないだろうが,まるで「アルマゲドン」のような展開ではないか。また,それに「エイリアン2("Aliens")」を混ぜたような映像によって,山崎は,あるいは佐藤は何を描きたかったのか。あれだけガミラス兵がうじゃうじゃ出てくるのでは「エイリアン2」か,復讐に現れたバルタン星人を想像してしまうのが,我々の年代では当たり前ってやつである。ついでに言っておけば,滅亡寸前の地球の地下都市は「ブレード・ランナー」かとも言いたくなる。

結局のところ,山崎貴は,この映画をアニメーション版に対するオマージュとしたかったのか,あるいは完全に新たなものとして生まれ変わらせようとしたのか全くわからないのである。私が期待したのは後者だったわけだが,そんなストーリー展開であるから,そんな期待は完全に吹っ飛んでしまった。はっきり言って,夫婦そろってこの映画を駄目にしたと言っても過言ではない。

私は「宇宙戦艦ヤマト」世代ではあるが,アニメーションには特に思い入れはない(というか真面目に見たわけではない)。だから,アニメ版との比較においてどうのこうのと言うつもりはないし,「ノルウェイの森」のように原作に引きずられることもない。しかし,CGには驚きはなく,ストーリーに感動もないのでは,この映画のどこを評価すればいいのかさっぱりわからない。真田役の柳葉敏郎のようなナイスなキャスティングがあるにもかかわらず,ストーリーがこの映画を駄目にしたのである。大体,誰が見たって,ここにアップした画像に見られるような,埋もれている「ヤマト」が宇宙戦艦としてすぐに飛び立つってこと自体があまりに唐突過ぎるのである。アニメを見ている人間は「そうなるもの」だと想像はつくとしても,初見の人間にはその唐突感はあまりにも強過ぎるはずである。

結局のところ,ストーリーは皆知っているはずだから,その都合の良いところは利用し,あとはしょうもないCGを交えて話をごまかそうとしたのが見え見えで,私は劇場でこの映画を見ていて失笑を禁じ得なかった。イスカンダル到着後の黒木メイサの映像もありきたりである。なんで宇宙服だけがはがれるのか。これ以上言うとエロになってしまうが,あそこは着衣が全部はがれるぐらいでないと,映像としてのインパクトはない。髪が風になびくような演出も陳腐であること甚だしい。

いずれにしても,ストーリーの連続性を保つこともできなかったこの映画のシナリオは本当に「最悪」であり,CGもこれみよがし(というか,戦闘シーンなんてあまりに無意味かつちゃちで嫌になる)で,現代のCGのレベルってこんなものかと悪態もつきたくなるような映画である。この映画は既にネット上でも賛否両論かまびすしく語られているが,私はシナリオの瑕疵ゆえにこの映画は全く評価する気になれないと言っておこう。結構製作費も掛け,宣伝広告費も掛けていると思われるが,これこそ完全な金と時間の無駄である。無星。

2011年1月18日 (火)

やっぱりJeff Lorber Fusionはバランスがよい

Galaxian "Galaxian" Jeff Lorber Fusion(Arista)

昨年見事な復活を遂げたJeff Lorber Fusion(JLF)だが,この名義での復活前の最終作がこれである。ここ暫くJLFの旧作を仕入れたりして,彼らの音楽を聞いていると,スムーズ・ジャズではない真のフュージョンの良さをつくづく感じさせる演奏だと感じてしまった私である。そうした感覚はここでも全く変わりがない。

そうなんだけれども,このアルバムが出た当初なんてのは,私はジャズ喫茶でどっぷりモダン・ジャズに浸っていた頃であり,どちらかというと,この手の音楽は敢えて自発的に聞いていなかったような気がしないでもない。しかもタイトルが当時全盛(あるいは全盛を過ぎた)アーケード・ゲーム「ギャラクシアン」では,ちょっと見栄を張りたい年頃の私には関係ないねっなんて感じだったかもしれない。そうは言っても,81年と言えばフュージョンもまだまだ全盛だったから,本作もどこかで聞いていたのだろうが,それでも私の性格からすれば斜に構えて聞いていたことは間違いないだろう。

だが,この音源をそれから30年経過して聞いてみて,シンセの音などにはもちろん当時の時代を感じさせるのも事実だし,ホンセクなんてどこかで聞いたような既視感たっぷりだが,それでも特に別に古臭い感じはしなかった。ブラック・コンテンポラリー,ファンク,アダルト・コンテンポラリー,そしてフュージョン等が混然一体となったまさにクロスオーバー・フュージョンの世界である。冒頭の誰がどう聞いてもStanley Clarkeというスラッピング・ベースも心地よいしなぁ。

だからと言って,これが歴史に残る音源だとは私も言う気はない。しかし,多くのフュージョンがすぐに陳腐化していった中で,30年経っても悪くないと思わせるのは大したものである。これなら今後もいけそうだと思うし,淀んだ気分の通勤時間を多少は心地よいものにしてくれる音楽として重宝するだろう。

アルバム全体を通じて聞いてみれば,タイトル・トラックがキメも一番それっぽい雰囲気で私は好きだが,それでも全編を通じて曲が3分台から5分台ってのも丁度よくて,どこから聞いても悪くない。私はJLFに対して点数が甘いかもしれないが,この作品も星★★★★である。

これで私は,JLFは"Water Sign"を除いて購入したことになるが,こうなったら"Water Sign"も買わないわけにはいかないな(爆)。

Recorded between December 1980 and January 1981

Personnel: Jeff Lorber(p, key, synth), Dennis Bradford(ds), Kenny Gorelick(sax, fl), Danny Wilson(b), Stanley Clarke(b), Marion McClain(g), Dean Parks(g), Paulinho Da Costa(perc), Danny Gerraud(vo), George Johnson(vo), Jerry Hey(tp), Larry Williams(ts), Kim Hutchcraft(tb)

2011年1月17日 (月)

やっぱり強烈だった"The Sun"

The_sun"The Sun" Chick Corea(東芝EMI)

このアルバムは,テナーの聖地,新橋Bar D2で聞かせてもらったことがあるのだが,Milesグループの一党によるかなりフリーに傾斜した作品として,相当興奮度が高かったものである。特にSteve Grossmanの吹きっぷりは強烈。特にB面において顕著なほぼフリー・ジャズ・フォームにおけるSteve Grossmanを聞いて興奮しない人間がいるのかっ!と思わず熱くなってしまうような演奏である。

そんな作品ではあるが,おそらく再発しても数がさばけるような演奏ではないし,相当ヘビーな演奏であることは間違いのない事実である。よって,CDで再発される可能性は極めて低いと思われ,それでもこれは欲しいなぁ~と思っていた私は,いろいろネット・オークションやら何やらで入手を試みていた作品である。今回,ヤフオクに出品されていたものもあったのだが,価格の叩き合いになりそうな雰囲気がプンプンしていたので,ネット・サーフィンで探していたら,あった,あった。コンディションもそんなに悪くない状態で\1,800だったら,オークションで値段をつり上げられるより,はるかに妥当な価格として納得である。即発注である。

それが早速デリバリーされたので聞いてみたら,やっぱり強烈である。そもそもCorea~Holland~DeJohnetteがMilesの所謂Lost Quintetでやっていた演奏だって,相当フリーなアプローチに基づくものだったと言ってもよういが,ここでの演奏は更にそれに輪をかけたような展開であり,やはりこれは燃える。今にして思えば,いかにも1970年という時代感を強く感じさせるものと言ってもよいかもしれないが,それから40年以上を経過して,こういう熱い時代を追体験できることの幸せを感じてしまった私である。とにかく全員熱い。いいねぇ。

The_sun_originalもちろん,こんな強烈な演奏なので,家人がいる前でのプレイバックは相当厳しい。次回も,家人が出掛けた間隙をぬって,ある程度の音量でプレイバックすることとしよう。私が入手した盤はジャケット(
上に掲示した)はセカンド・プレスのものなので,オリジナルとはジャケ違い(そちらのイメージもアップしておこう。これも雰囲気あるねぇ。)であるが,音が聞けただけでもよしとしよう。最高である。入手した嬉しさ込みで星★★★★★としてしまおう。

Recorded on September 14, 1970

Personnel: Chick Corea(p), Steve Grossman(ts), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds), Steve Jackson(misc. instruments), Dave Liebman(musette), Teruo Nakamura(perc)

2011年1月16日 (日)

今年はまだ新譜を買っていない

2011年はスタートしたばかりであるから,まぁそういうこともあるだろうとは思いつつ,今年は今のところ,新作の購入がゼロ(例外はEddie Jobsonだけ)である。だって,今のところ,大した作品は出ていないし...(気がついていないだけ?)。だからと言って,CDを買っていないわけではなく,旧譜やら中古はそれなりに買っているから,ペースが減速しているわけでは決してない。結局変わっていないではないか(爆)。

記事は追ってアップしたいが,最近,買ったのはJoe Farrellの"Outback"と"Moon Germs",Circleの"Paris Concert",Jeff Lorber Fusionの"Galaxian",Phil Woodsの"Alive and Well in Paris"にTom RushやらThe Bird and the Bee等であるが,お分かり頂ける通り,相変わらずの無節操ぶりである。これに加えて,今年になって記事にしたLevon HelmもDave Grusinも買っているから,やっぱり買い過ぎ?はっきり言ってしまえば病気なのである(開き直り)。

そんな私の今年の新譜初購入候補はGergiev/ロンドン響の「マーラー5番」か,Paolo Fresu
/ A Filetta Corsican Voices / Daniele de Bonaventuraという不思議な組合せによるECM作品だろうか。前者ではグワ~っとやってもらい,後者ではしみじみって感じになるのかなぁなんて予想している私だが,結果やいかに。いずれにしても,FresuはEicherのお気に入り化したってことかもしれないが,それも何だか納得できてしまう私である。

ちなみにECMから出るスイスのピアノ・トリオらしいColin Vallonも気になるねぇ。こんなことでは今年の購入枚数が減るわけない(苦笑)。

2011年1月15日 (土)

旅の途中で見た映画(3)

Robin_hood「ロビン・フッド("Robin Hood")」('10,米/英,Universal)

監督:Ridley Scott

出演:Russell Crowe,Cate Blanchett,Max von Sydow,William Hurt,Mark Strong

Ridley ScottとRussell Croweと言えば,まずは「グラディエーター」が思い浮かぶが,またも歴史もので来た。私自身はRidley Scottは結構高く評価している方だと思うし,今でも「エイリアン」はなかなか怖くて見られないぐらいのショックを与えてくれた。Scottはその「エイリアン」の前日譚を準備中ということだからそちらも相当に楽しみではあるが,まずはこの作品である。

これまで何度も映画になっているこの人物について,比較的真っ当に描いた映画と言えるとは思うが,この映画を見ていて,イギリス人がフランス人が嫌いな理由がわかるような気がしてくると言っては不穏当か。いずれにしても,フランス人の描き方は結構嫌らしいものがあって,なかなか笑えてしまった。プラス,Russell Croweをいかにカッコよく見せるかってところに力点が置かれているのではないのかと皮肉も言いたくなるほどのカッコよさである。

まぁ,そんな映画だから,小難しいことを言っても仕方がないと思うし,それらしいコスチューム・プレイとして見ていれば,それなりに楽しめる作品ではあると思う。だけどねぇ...。Cate Blanchettって非常に美しい人だとは思うんだけど,このMarion Loxleyは人間的に強く描かれ過ぎて,どうなんだか。そこがBlanchettらしいと言えばその通りだが。私のようなオヤジにはIsabella役のLea Seydouxが妙に魅力的に見えてしまったと言っておこう。いずれにしても,Ridley Scottらしい感覚があまり感じられなかったのは残念。星★★★。

2011年1月14日 (金)

無理だ,ムリだ,無理だ

昔、こういう爆風スランプの曲があったよねぇ。ワニの腕立てとか(笑)。いずれにせよ世の中,私を含めて駄目な時もあるよねぇ。今日はお休みである。

ところで,昨日はSteve Grossman入り,Chick Coreaの"The Sun"のLPを某サイトで買った。聞く時間はあるんだろうか。まぁいいや。

2011年1月13日 (木)

完全にノーマークだったが,燃えてしまったEddie Jobson U-Z Projectライブ盤

Uz_project"Ultimate Zero Tour Live" Eddie Jobson U-Z Project(Glodigital)

Eddie JobsonがUKZなんてバンド名でミニ・アルバムをリリースした時にはこのブログでも取り上げた(記事はこちら)わけだが,その後,Alex Machacekを含むメンバーで来日も果たした後はどうなったのかと思っていたら,超強力なメンツでのライブ盤がいきなり登場である。

実はこのアルバム,既に昨年11月にリリースされていたらしいのだが,私が知ったのはハード・フュージョンと言えばここみたいになっているAbstract Logixからのメルマガであった。そこにもJapan Importとして紹介されていたこのアルバム,とにかくメンツを見てびっくりである。John WettonとTony Levinが参加し,CrimsonやU.K.の曲をやっているとなったら,プログレ好きは無視することはできまい。その他のメンツも強烈だが,それにも増して演奏が非常にタイトかつ強力なものであったのは嬉しい誤算であった。ここには「昔の名前で出ています」的な雰囲気はない。今でも現役感バリバリで,キメるところはビシビシとキメて,オジさんを完全に痺れさせてくれた。

このアルバムはいくつかの場所で収録されているので,メンツは一定ではない(大方はJobson, Wetton, Levin, Howe, Minnemannである)のだが,驚くほどアルバムの一貫性が保たれているように感じさせるのは,Jobsonのプロダクションが優れているからだと言ってもいいかもしれない。なおかつ,参加メンバーをフィーチャーした演奏も交えてこの出来だから大したものだと言いたいのである。

それにしてもである。このテンションの高さってどういうこと?って感じである。さすがに私も最近はメタル・インプロヴィゼーション化したKing Crimsonは聞かなくなってしまったが,Crimsonまでとんがってはいないものの,プログレの良さをいい意味で体現しているこのバンドぐらいならば,私でもOKと感じてしまうのである。これがJobsonの資質と言っていもいいかもしれないが,それに加えて,John Wettonの声がよく出ていることにも驚かされた私である。こんな演奏の裏で,Asiaもやっているって,どっちが本音なのかとも言いたくなるが,それでもこれはいい。しかもWettonの後ろではTony LevinがStickを操っているって,これまたどういうこと?って言いたくなってしまう。それでもこれがいいのである。こんなメンツで"Red"とかやられてしまったら,悶絶してしまうではないか。

正直言って,私はこのアルバム,聞きたいなぁとは思ったが,ここまで凄いことになっているとは思わなかった。これで,もう少し音がよければ,満点さえ献上したかもしれないと思わせる音質は惜しいが,それでも聞いていて臨場感はあるし,別に気にしなければいいことである。とにかくこれは濃い。プログレ・ファンは聞いて損はしないと断言してしまおう。星★★★★☆。

Recorded Live in Bydgoszcz, Poland, Boston, USA, and Perm, Russia in 2009

Personnel: Eddie Jobson(key, vln), John Wetton(vo, b, g), Tony Levin(stick), Greg Howe(g), Marco Minnemann(ds), and Trey Gunn(touch-g), Ric Fierabracci(b), Simon Philips(ds)

2011年1月12日 (水)

旅の途中で見た映画(その2)

Shrekforeverafter 「シュレック・フォーエバー("Shrek Forever After")」('10,米,Paramount)

監督:Mike Mitchell

声の出演:Mike Myers, Cameron Diaz, Eddie Murphy, Antonio Banderas, Walt Dohrn, Julie Andrews, John Cleese

旅の途中で見た映画の第2弾。現在,日本でも公開中のこの映画が飛行機で見られてしまうってのが機内エンタテインメントのいいところである。

私はこのシリーズをまともに見たことはないが,そんなことは関係なく,声の出演がMike MyersやEddie Murphyってだけで結構OKだろうと思うのは,私が"Saturday Night Live"好きだからかもしれない。よって,私はこの映画については,全く日本語版に興味をおぼえないのである。今回この映画(英語版)を見ても,主役ShrekはMike Myersであり,DonkyはEddie Murphyでなければならないはずであると強く思えてしまった。私にとっては,少なくともShrekは決して浜田雅功ではありえないのだとだけはっきり言っておきたい。浜田はMyersほど芸達者ではないのだから,そもそも無理があるし,絶対合ってない。イメージが違い過ぎるのだ。その一方で,日本語版は見ていないから何とも言えないとしても,ランプルスティルスキンの劇団ひとりはおそらくははまり役だろう。吹替えと言えども,声にだってキャスティングってものがあるはずなのである。

まぁ,それはさておきである。この映画を見ていて強く思ったのは,アニメーションの質感が非常にリアルだってことである。顔の表情などは人間そのものと言ってもよいし,そうした意味でのテクノロジーの変化は非常に強く感じさせるものだったと言える。ストーリーはさておき,私はこうした顔の表情の豊かさばかりに目をとらわれていたと言っても過言ではないのである。私には人間の表情の変化をそのままCGに置き換えたのではないかとさえ思われたと言っては大袈裟か。いずれにしても,私はそんなところに驚いた映画であった。

世の中では,ディズニー(i.e. Pixar)とDreamWorksがアニメーションの勢力争いをしているようにも思えるが,それでこうした技術の向上が図られるのであれば,映画,あるいはメディア全体にとってもいいことだと思う。ただ,最近は粗製乱造とも思えるほど,アニメーション映画が製作されているから,そんなことをするよりも,品質の向上を図ることがオーディエンスのためであり,最終的には映画界のためだというぐらいの意識を持って欲しいと思ってしまった。

この映画そのものはシリーズとしてもヒットしていたので,今回で落とし前をつけたってことだろうが,それにしてはちょっと中途半端かなぁって気がする。こういう映画であるからUnhappyなエンディングはないとしても,もうひとひねりあっても良かったのではないかと思えるのは私だけだろうか。技術に驚き,英語版キャスティングの妙に驚きつつも,シナリオが今イチだったのが,シリーズ最終作としては惜しいだろうと,外野の人間でも思ってしまったのだから,シリーズのファンはどうなんだろうか。まぁどうでもいいんだが。星★★★。映画としては「トイ・ストーリー3」の勝ちである。

2011年1月11日 (火)

Dave Grusin,70年代の傑作:久々に聞いてもこれは最高だった。

One_of_a_kind_cd"One of a Kind" Dave Grusin(Polydor→GRP)

昨日のLevon Helmと同じような時期に出たアルバムである本作も,私はLPだけで保有していて,聞こうと思えばいつでも聞けるのだが,なかなか聞く機会に恵まれなくなっていたアルバムである。しかし,フュージョンがまだクロスオーバーと言われていた頃,ほかのアルバムとは決定的に何かが違うと感じさせてくれたアルバムであり,私の中では,Dave Grusinというミュージシャンの占めるポジションが,この作品で一気に高まったような気がする。

One_of_a_kind_lpもちろん,本作が出た頃と相前後して,渡辺貞夫とのコラボレーションが進められたりしていたから,Grusinの名前については,認知度は高まっていたのだが,リーダー作がこれほどいいとははっきり言って思わなかった。
以下は以前Amazonに投稿した内容とも相当かぶるが,まぁよかろう。

なぜかはわからないのだが,初出のLP(ジャケ画像もアップしてしまおう)とCDでは曲順が変更されており,LPではCD4~5曲目がサイド1,1~3曲目がサイド2であった。この曲順変更の意図は不明ながら,素晴らしい曲,素晴らしい演奏の数々であることは間違いない。

このCDの冒頭に収められた"Modaji"こそクロスオーバー/フュージョンにおける屈指の名曲と思うが,この曲をプッシュしたいという思いがGrusin本人にもあったのかもしれない。それも当然だと思わせるぐらいのしびれる名曲である。続く映画「愛すれど心さびしく」の主題曲"A Heart Is a Lonely Hunter",Milton Nascimento作のサンバ・タッチが楽しい"Catavento",はじけるリズムとシンセの響きが絶妙な"Montage"(しかも何ともAnthony Jacksonらしいベース・ライン!),Granadusの曲をアダプテーションした美しいバラー ド"Playera"とどこから聞いても駄曲なしである。久々に聞いたが,やはりこのアルバムは素晴らしい。まぁ,曲順変更によって,最初が"Montage"でないというのに,若干違和感がないわけではないが,それなら,iPodでプロパティを変更すればいいだけの話である。

Dave Grusinは渡辺貞夫の"California Shower"の影響もあって,西海岸的なイメージが強いが,これは明らかにNYCあるいは東海岸的なサウンドと言ってもよい,何とも心地よいウェットな感覚に満ちている。決して能天気ではなく,非常に優れた曲,アレンジ,演奏なのである。Dave Grusinのストリングスのアレンジは一聴しただけでわかるぐらい,明確な個性があるが,ここでもそうした美点が表出していると思う。まぁ,映画音楽も多数ものにしている人なので,ストリングスが過剰になれば,どうしても映画音楽的な部分を感じさせてしまう(というか"Cinemagic"のようになってしまう;と言いながらあれも好きだが...)ところがないわけではない。だが,ここはストリングスは控え目なので,そうした点も一切気にならないという点では,やはり好きだなぁ。

何か機会がないと,こういうアルバムの買い方はできないのだが,どうしても聞きたくなってしまったのだから仕方がないのである。だったらLPでいいじゃんという話もあるが,やっぱりiPodに突っ込んでおきたかったというのが本音である。

いずれにしても,本作は70年代のDave Grusinがいかに優れた仕事をしていたかを示す証として,より多くの人に聞いてもらいたい傑作。そして,このアルバムが,凡百のアルバムではないということは,ギターが入っていないということにも感じられる。ギターという楽器はクロスオーバー/フュージョンの中では花形楽器の一つだと思うが,それなしでも素晴らしい音楽を構成できるのである。私の中では,クロスオーバーのひな型はこれだったということで,星★★★★★を謹呈してしまおう。

Personnel: Dave Grusin(key, p), Grover Washington(ss), Dave Valentine(fl), Anthony Jackson(b), Ron Carter(b), Francisco Centeno(b), Steve Gadd(ds), Ralph McDonald(perc), Don Elliott(mellophone, vo), Larry Rosen(perc), with Strings

2011年1月10日 (月)

アメリカン・ロック・ファン落涙必至:懐かしの凄いメンツの真のオールスターズ

Levon_helm "Levon Helm & the RCO All Stars"(MCA)

下記に示したメンツを見たら,アメリカン・ロック好きは絶句するのではないかと思わせるメンバーが揃った傑作である。

The Bandが1976年11月25日の"The Last Waltz"でその活動に一旦終止符を打った後,The BandのメンバーであるLevon HelmやRick Dankoが逸早くソロ・アルバムをリリースしたが,これはそのLevon Helmの1977年の初リーダー作である。これはそのLevonの人徳というべきなのかよくわからんが,よくぞこれだけのミュージシャンが集まったというぐらい,このメンツはやはり強烈である。しかもゲスト扱いはRobbie RobertsonとGarth Hudsonだけで,ほかのメンツはあくまでも「バンド」として演奏しているのだ。今更,私がどうのこうの言う必要のないメンバーが,一堂に会してアメリカン・ロックの良心,あるいはこれぞルーツ・ミュージックのような演奏を展開しているのだ。これはたまらん。

私はこのアルバムのLPを保有しているのだが,アルバムはスタジオのイメージを描いたインナー・スリーブがそのまま抜けるというちょっと変わったジャケットである。しかし,LPを聞く機会が激減し,iPodが音楽鑑賞生活の中心になってしまったので,そんなジャケにも触っていないし,ここでの演奏も久しく聞いていなかった。しかし,私は昔からこのアルバムが大好きで,やっぱり聞きたいなぁと思っていたところに中古盤をゲットしてきたものである。LPを持ってるんだからよしゃいいのにって話もあるが,見つけた時が買い時という中古盤の原則に従っただけのことだが,家人からすればやはり「アホ」であろう。

それでもって,久しぶりに聞いたわけだが,やはりオジさんにはしみる音楽であった。これこそ所謂Woodstockの音だと言い切ってしまっていいと思うが,このレイド・バック具合とか,ここで聞けるサウンドそのものにはやはり抗いがたい魅力が何年経っても変わることがない。渋いと言えば渋い。こんな音楽を高校時代から聞いていた私は一体何者?と今にして思ってしまうが,やはりこの年になると,更にこの音楽のよさが本当の意味でわかってくると言ってもいいかもしれない。Paul Butterfieldがこれだけリラックスしたハーモニカを聞かせることって珍しいようにも思うし,それがLevonの声をバックアップしているということだけで感動してしまう私である。

ちなみに本作で私が最高だと思っているのは今も昔もLPならB面1曲目の"Milk Cow Boogie"だが,このノリの良さって素晴らしいよねぇと思うのは私だけではあるまい。タイトルを日本語にしたら「乳牛ブギ」ってなんじゃそりゃな世界だが,これぞアメリカン・ロックである。ほんまにええわぁ~。この曲だけでなく,私は全編に渡って本作には痺れっぱなしである。とにかく,私の中でのアメリカン・ロックのイメージを非常に強く印象付けた作品としてやはりこれは皆さんにも一度でいいから聞いてみて欲しいなぁという思いも込めて星★★★★★。邪道かもしれないが,The Bandのアルバムよりも個人的には好きかもしれないぐらいだ。このお気楽さ加減が絶妙なのだ。

このバンドが来日したというのは信じ難いが,来日時はBooker TやらDr. Johnがいない代わりにBobby Charlesがいたというのも凄い事実である。Woodstockのつながりは血よりも濃い?

いずれにしても,中古でもCDを買ってよかった~と音を聞きながらつくづく思ってしまった私である。

Personnel: Levon Helm(ds, vo), Booker T. Jones(key, perc), Mac Rebennack "Dr. John"(g, key, perc, vo), Paul Butterfield(hca, vo), Fred Carter, Jr.(g), Steve Cropper(g), Donald "Duck" Dunn(b), Robbie Robertson(g), Garth Hudson(accor), Howard Johnson(bs, tuba),
Tom Malone(tb), Lou Marini(sax), Alan Rubin(tp), Emmeretta Marks(vo), John Flamingo(vo), Jeannette Baker(vo), with Jesse Ehrlich, Louis Kievman, William Kurash, Sid Sharp(strings)

2011年1月 9日 (日)

"The Indian Hard Fusion"って感じだなぁ。

Bada_boom "Bada Boom" Ranjit Barot(Abstract Logix)

まだ発売されてから,そんなに時間も経っていないので,新譜扱いとさせて頂く。私がこのアルバムを購入したのはWayne Krantz参加という情報をゲットしたからにほかならない。実を言えば,私はこのRanjit BarotがJohn McLaughlinの"Floating Point"に参加した際の演奏を酷評していて(記事はこちら),こんな下品なドラムスは聞いたことがないというようなトーンの記事を書いたことがある。だから,Krantz参加なかりせば,このアルバムは絶対買っていなかった。それぐらい,"Floating Point"におけるBarotのドラムスが嫌いだった私である。

しかし,"Floating Point"で彼をけちょんけちょんにけなした私が言うのも何だが,ここでのRanjit Barotはその時よりもはるかにまともに聞こえる。ちゃんとニュアンスも持たせながら叩けるのではないかと思わされたのが意外にさえ感じた。ということは"Floating Point"のミキシングのミスだったってことになるのかもしれないが,いずれにしても,本作でBarotをちょっと見直した私である。

音楽的にはインド・フレイバーが濃厚なハード・フュージョンだが,ヴォーカルが入る曲はややメロウな感覚も有していて,飽きずに聞くことができる。どうせならKrantzをもっと目立たせて欲しかったと感じてしまうが,Krantz以外にも相当数のギタリストが参加し,その他の楽器も有名どころから中堅,若手まで,なかなかツボを押さえたキャスティングと言えるかもしれない。ここでも1曲だけ参加の御大McLaughlinは,誰がどう聞いてもMcLaughlinのフレーズを爆発させたものだが,これはオーバーダビングだろうなぁ。ここでは,インド人ミュージシャンも大挙出演であるが,Zakir Hussain以外は全く知らん(爆)。それでも,全体を通して聞けば,演奏としてもなかなか良く出来ているとは思う。

だが,そうは言ってもインド・フレイバーが合うか合わないかによっても,この音楽の評価は変わるだろう。私のような雑食性音楽リスナーは大いにこういうのも結構だと思ってしまうが,本質的にはメジャーな音楽とは言えない中で,多くのミュージシャンを使いこなしたプロダクションが良かったと考えてよいだろう。そして,ギタリストばかりに目が行きがちな中で,ベースのMatthew GarrisonやDominique Di Piazzaもきっちり自己主張した演奏で,そちらも評価しておきたいと思う。星★★★★。

Personnel:  Ranjit Barot(ds, key, vo), John McLaughlin(g), Mattias IA Eklundh(g), Marc Guillermont(g), Amit Heri(g), Sanjay Divecha(g), Dhruv Ghanekar(g), Wayne Krantz(g), Tim Garland(ts, ss, fl), Patras Nath(fl), Palakkad Sreeram(synth, fl, vo), Harmeet Manseta(p, key), Aydin Essen(key), Gwilym Symcock(p), Scott Kinsey(key), Matthew Garrison(b), Dominique Di Piazza(b), Elie Afif(b), Mohini Dey(b), Nicolas Fiszman(b), U. Rajesh(el-mandolin), Punya Srinivas(veena), Pete Lockett(perc), Taufique Qureshi(perc, vo), Sridhar Parthasarthy(perc), Thiru Moorthy(nadaswaram), Zakir Hussain(tabla), Suzanne D'mello(vo), Samantha Edwards(vo), Thomson Andrews(vo), Leon De Souza(vo), Chandana Bala(vo), Kirti Sagathia(vo), Neuman Pinto(vo), Bianca Gomes(vo)

2011年1月 8日 (土)

いつの間にやら50万PV。皆さん,ありがとうございます。

全然意識していなかったのだが,2011年に入ってからこのブログへのアクセスが50万PVに達していたようである。そう言えばもう近いかなぁなんて思っていたのだが,すっかり失念していた。こんなしょうもないブログではあるが,続けていれば,皆さんにアクセスして頂けるということで,これからも頑張ります。そして,アクセスして下さった皆さん全てに感謝致します。

でもそのうち結構な数は山田べにこが貢献しているんだよなぁ。まぁ,いいか(笑)。

旅の途中に見た映画(その1)

Photo「TSUNAMI -ツナミ-」('09,韓国)

監督:ユン・ジェギュン

出演:ソル・ギョンク,ハ・ジウォン,パク・ジュンフン,オム・ジョンファ,イ・ミンキ

昨年,ヴァケーションに行った際には飛行時間が長いので,結構映画を見ることができた。出張の時は無理やり起きていて,時差の調整をしようなんて考えもあるが,休みはそういうことでもないので,気楽なものである。しかし,出張でも多くの機内エンタテインメントを見てしまっているので,残されたチョイスは必ずしも多くなかった。今回は順不同だが,見た映画を何回かにわけてご紹介しよう。

最初は韓国産パニック映画の本作である。パニック映画でありながら,コメディの要素を入れるところなどは珍しいなぁと思わせるが,はっきり言ってしまえば,「グランド・ホテル」形式に乗っ取った複数の逸話が絡み合う構成ではあるが,何とも底が浅い駄作であった。加えて,どこかで見たような映画の要素を組み合わせたごときストーリーもしょうもないこと甚だしい。例えて言えば「日本沈没」+「海猿」+「パーフェクト・ストーム」かっ!って感じなのである。また,ありがちなお涙頂戴モードがあったり,シナリオがあまりにもわざとらしくて,全く共感できないのである。

私は韓国映画を否定するつもりは毛頭なく,いろいろな映画で機内エンタテインメントでも結構楽しませてもらっているクチだが,この作品に関して言えば,昔で言えば,パニック映画がヒットしたら,その設定をパクったような日本映画が制作されていたような感じにしか受け取れないのである。つまり,昔日の日本映画の悪いパターンを踏襲してしまっていて,韓国ならではのオリジナリティも何も感じられないのである。星★。やはり韓国映画はコメディならコメディに徹するとか,暗いトーンならそれに終始するという徹底した姿勢が必要なのではないかと思える。無理にストーリーを押し込むことによって,大失敗に終わった典型的な例と言ってよいかもしれない。

Photo_2ということで,完全に時間の無駄と言ってよい映画だったわけだが,唯一の救いは美女,ハ・ジウォンの顔をながめられたことである。私に限った話ではないだろうが,私はとにかく美女に弱い。映画があまりにもしょうもなかったので,私は彼女の顔ばかり凝視していたと言っても過言ではない。映画の性格上,美貌爆発という感じのメイクではなかったが,それでもこの人が綺麗だということが分かってしまうぐらいの美人なのだ。この映画を紹介するよりも,彼女の美貌をちゃんと紹介すべきだという義務感さえ感じてしまったので,ここに画像もアップしてしまおう。韓国焼酎チャミスルのカレンダーの画像だが,見よ,この美貌!いいよねぇ。思わず惚れ惚れしてしまった私である(爆)。

2011年1月 7日 (金)

いいなぁ,NYCは...(その2)

Keith Carlockのつぶやきによると,次のようなメンツで1/11~16の期間,NYCのBlue Noteに出るらしい。

"Bill Evans / Steve Lukather Toxic Monkey": Bill Evans(ts, ss), Steve Lukather(g), Steve Weingart(key), Will Lee(b), Keith Carlock(ds)

Blue NoteのWebサイトによれば,EvansとLukatherの双頭バンドってことらしいが,一体どんなことになるのやら。それにしてもこのリズム・セクション,見てみたいよねぇ。いいなぁ,NYC。

2011年1月 6日 (木)

いいなぁ,NYCは...

だって,こんなメンツのライブってありえないだろう。ひえ~っである。

  Tomasz Stanko - trumpet
  Chris Potter - tenor saxophone
  Craig Taborn - piano
  Thomas Morgan - bass
  Jim Black - drums

@Jazz Standard,1/13-16。こんな組合せのライブが聞けるなら,やっぱりまた住みたいと思ってしまった私。

Tomaszstanko なんだかTwitterみたいな記事になってしまった(爆)が,なんでクリポタは1/13の1stセットだけ出演できないのか?レコーディングだろうか。はたまた移動か?謎だ...。それにしても,Jazz StandardのサイトにアップされたStankoのこの写真はかなり怖い。まるでエルム街の悪夢のフレディのようではないか(言い過ぎ?)

2011年1月 5日 (水)

Onaje Allan Gumbs:ゆるゆると言えばその通りだが,心地よい

Onaje_gumbs "Just Like Yesterday" Onaje Allan Gumbs(Cheetah)

Onaje Allan Gumbsって,結構懐かしい名前である。多くの人にとってはやはりWoody Shawのバンドでの活動が記憶に残っているのではないかと思うが,Who's Whoなんてフュージョン・バンドをやってたこともあったはずである。よくよく調べてみれば,そのリズム・セクションは本作にも参加のBailey~Hakimコンビだったようなので,本作は突飛な組合せのように見えて,実はそうでもないのである。そうは言っても,Onaje自身は決して知名度が高い人ではないだろうし,楽歴もそれほど目を見張るようなものではないというのが実態だろうから,リズム隊につられる人が多いのではないだろうか。

では私がなんでこのアルバムを買ったかと言えば,Rhodesでソウル・チューンを演奏しているからにほかならない。つくづく私はRhodesという楽器に弱いと思うわけだが,Rhodesでソウル/R&Bの曲を演奏すれば,メロウな感覚が横溢し,普通にやっても悪くなるわけはないだろうと思いたくもなるが,実際,その感覚はこのアルバムにも当てはまる。サウンド的にはジャスト・フィットである。しかも,いきなりBobby Caldwellの"What You Won't Do for Your Love(「風のシルエット」である)"からスタートってのは確信犯的というか,はまり過ぎだろう。

しかし,このアルバム,ソウル・チューンばかりってわけでもなく,Onajeのオリジナル"Quiet Passion"に加えて,Thad Jones作"A Child Is Born",Horace Silver作"Tokyo Blues",更にはHancock作"Dolphin Dance"まで入っているのだが,特にジャズ・オリジナルはちょっと雰囲気が違う気もするが,違和感ってほどではない。ただ,これらの曲を後半に並べたってのは判断としてはどうだっただろうか。敢えて並べるから雰囲気の違いを感じさせるのではないかという気もするのである。

それはさておき,このアルバム,リズム隊からすればもっとタイトなサウンドであっても良かったのではないかと思うが,プロダクションの観点では,意図的に緩く演奏していると感じさせないでもない。このあたりはプロデューサーである中村照夫に聞いてみたいような気もするが,それでもやはりこのRhodesの響きは何とも心地よいことこの上ない。

そういう意味では,音楽的な価値についてどうこう言うこと自体が野暮って気もしてくるようなアルバムであり,さまざまなシチュエーションにおいてBGMとして使えるお気楽音楽として考えればいいようにも思える。だから昔のジャズ喫茶のように,腕組みしながら,難しい表情で聞くような音楽ではないのである。曲のよさと,サウンドの心地よさを楽しめばいいというのがこのアルバムの楽しみ方であろう。まぁ,毒にも薬にもならんと言えばその通り。でもこういう音楽があってもいいと思う。ということで,Rhodesのサウンドにおまけして星★★★☆。これがピアノだったら,この星にはならないところは是非ご理解願いたい。

ちなみに本作で使われたRhodesは中村照夫が,昔,Onajeに売った楽器そのものだそうである。こういう逸話を聞くと,このアルバムのタイトルもうなずけるような気がしてしまう私である。

Personnel: Onaje Allan Gumbs(el-p), Victor Bailey(el-b), Omar Hakim(ds), Billy 'Spaceman' Patterson(g), Chuggy Carter(perc), Marcus McLaurin(b)

2011年1月 4日 (火)

新年早々騒々しいが...:本田珠也Planet X

Planet_x"Planet X" 本田珠也Planet X (Somethin' Else)

これは昨年中古で拾ったアルバムであるが,私がこのアルバムを購入したのは五十嵐一生の参加によるところが大きい。人間的にはいろいろ言われる五十嵐だが,日本で一番カッコいいラッパを吹くのはこの人ではないかと実は思っている私である。

そして,このアルバムであるが,カテゴライズ不能と言うか何と言うか,とにかく騒々しい。もはやハード・ロックではないかと思わせる瞬間もあるが,そこに聞こえる五十嵐のトランペットにはMiles Davisの残像が強く感じられるものである。音楽的にも,Milesがやっていたものと極めて近しいものを感じる。その手の音楽に魅力を感じるリスナーには強く訴求するタイプの音楽と言ってもよいだろう。

それにしても結構豪華なメンツが集まっているが,彼らの活動歴からすれば,必ずしもこうした音楽との連関性が見出せるとは限らないように思えるのだが,やっぱりMilesには影響されてるんだってのをつくづく感じてしまった。だが,この音楽は決してMilesのコピーで片付けるべきではなく,自分たちの中で相応に消化された音楽になっていると言えるところは評価してよいと思う。

だが,正月のお屠蘇気分も抜けない時に聞くと,ちょっと刺激が強過ぎるかなぁって気がしないでもないが,それでもだらけた脳味噌を活性化させるにはこれぐらいでもいいかとも思えてしまう私である。10年前にこういう音楽が日本で生まれていたことは,知らぬこととは言え,大したことである。例えば,このアルバムに収録されたWayne Shorter作"Masqualero"がどこかで掛かっていたとしたら,耳をそばだてるその筋の音楽ファンが多いのではないかと思う。クインテットと編成にして,この音の分厚さも気に入った。そもそも"Shuffle Boil"を聞いて,この曲がThelonious Monk作と気づく人が何人いることか...。

このアルバム,もはや廃盤らしいが,廃盤にしておくのはもったいない。しかし,MP3ならすぐ手に入るというのが何とも複雑である。自分の音楽趣味との合致度も含め,ちょいと甘めの星★★★★☆(やっぱり今年の星は甘目かなぁ...)。でもやっぱりうるさいなぁ(苦笑)。

Recorded on November 27-29, December 9, 1999, January 17-19, 2000

Personnel: 本田珠也(ds),五十嵐一生(tp),津村和彦(g),野力奏一(key),米木康志(el-b)

2011年1月 3日 (月)

今のNYCのクラブってこういうのが多いのだろうと思わせるAri HoenigのSmalls Live

Ari_hoenig"Punkbop: Live at Smalls" Ari Hoenig (SmallsLIVE)

一昔かふた昔前にパンク・ジャズなんてわけのわからんカテゴリーが喧伝されたことがあった。Luther ThomasとかDefunktとかがそうした音楽にカテゴライズされたような気がするが,結局フリーとファンクの中間みたいな感じってところだったのかなぁなんて今にして思う。そんあ昔話をしてしまうのも,このアルバムのタイトルが"Punkbop"なんてものだからだが,ここに収められているのは,至極真っ当な,コンテンポラリーなジャズであって,決してパンク云々の文脈で語られるべきものではない。

Ari Hoenigと言えば,彼のリーダー作 "Bert's Playground"を本ブログで取り上げたことがある(記事はこちら)が,本作はそれに続く作品のはずである。しかも,現代のNYCのジャズ・シーンの凝縮したようなSmallsにおけるライブであるから期待するなと言っても,それは無理ってものである。そして,ここでの演奏は,そういうリスナーの期待に十分応えたものになっているように思う。

そもそも本作ではソロイストの位置づけが面白い。ギターのJonathan KreisbergはアルトのWill Vinsonと並ぶソロイストの扱いであり,全面的にフィーチャーされていると言ってもよい。むしろKreisbergが目立ち過ぎていて,誰のアルバムかわからんという声も聞こえてきても仕方あるまい。それでも,こういう演奏を眼前で行われたら燃えること必定,最近のドラマーのアルバムはみんないいねぇと言いたくなる。しかも,本作所収の6曲は全てHoenigのオリジナルである。大した才能ではないか。

しかも,この一筋縄で行かない曲を,非常にスリリングに演奏するこのバンドはかなりレベルが高いと言ってよい。特に私が感心したのがWill Vinsonのフレージングである。いかにも現代のアルトって感じのサウンドを生み出していて,非常にいけている。そしてKreisbergのギターも非常にキレがあって素晴らしい。その割に,リーダー・アルバムではあれだけ弾き倒したTigran Hamasyan(記事はこちら)が地味に聞こえるのが意外だが,"Green Spleen"では非常に熱いソロを聞かせている。思うにこの曲,"Bert's Playground"でも最高の出来だったと思うが,リスナーも,プレイヤーも燃えさせる曲なのではないかと思えてくる。いいねぇ。

結局のところ,こうした優秀なソロイストを抱えつつも,バンド・サウンドとしてきっちりレベルを高めたのは,リーダーとしてのHoenigの優れたところだと評価したい。一般的には決してメジャーなプレイヤーとは言えないHoenigではあるが,こういうアルバムを通じて,より注目が集まれば良いと思う。いずれにしても,NYCのクラブではこうした音楽を通じて,ミュージシャンが創造性の高い活動を行っていることを実証したアルバムだと言えるように思う。やはりこういう演奏は生で聞いてみたいと思わせる魅力に溢れている。最後の"Ska"なんて冗長で,あまり面白くないなぁと思わせるが,昨日のPortalに続き,本作もちょいと甘いが星★★★★☆としてしまおう。今年の中年音楽狂は甘いのか?(爆)

何にせよ,次にNYCに行く機会があれば,Smallsに行ってみようと思わせるアルバムであった。やっぱりレベル高いし,無茶苦茶カッコいいわ。でも決してコンベンショナルな響きを期待してはならないのであって,これが「今」のNYCのサウンドだと言ってもよいのかもしれない。是非このメンツで来日して欲しいものだ。

Recorded Live at Smalls on February 8, 2010

Personnel: Ari Hoenig(ds), Will Vinson(as), Jonathan Kreisberg(g), Tigran Hamasyan(p), Danton Boller(b)

2011年1月 2日 (日)

ブログ界で話題沸騰:Michel Portal,恐るべき75歳の爺さん

Michel_portal "Baïlador" Michel Portal (Universal)

ブログ界では既に昨年から話題になっていたアルバムを今更のように紹介することには抵抗がないわけではないが,それでもやはりこれは取り上げないわけにはいかないアルバムである。

私は以前から公言しているとおり,フランスのジャズがあまり得意ではない。私には,彼らのかなり癖のある(頭でっかちと言ってもよい)音楽性には抵抗があることは事実である。よって,Michel Portalについてもまともに聞いた記憶があるかと言えば相当怪しいというのが実態である。だが,お知り合いのブロガーの皆さんの反応を見ていると,これは聞かないとまずいかなぁと思ったのだが,それでもこれは聞いて良かったと感じさせるアルバムであった。

私にとってこのアルバムの意義を高めたのは,本人には申し訳ないが,Portal自身と言うよりもJack DeJohnetteの鋭いドラミングであった。近年,DeJohnetteはKeith Jarettとの共演でしかほとんど聞くチャンスがなく,件のStandards Trioにしても,昔日の魅力を放っているかと言えば,決してそんなことはないと思っていた。だが,このアルバムの冒頭の"Dolce"からして,タイトルとは真逆と言ってよいハイブラウでスリリングなドラムスを聞かせているDeJohnetteを聞いて,「おぉっ,これは!」と思ってしまった私である。これだけを聞いていてもDeJohnetteは全く枯れていないと思わせる演奏である。全編を通して,こんなDeJohnetteを聞きたかったのだというリスナーたちのこれまでのフラストレーションを解消させるような強烈なドラミングの連続で,まずはこれでまいってしまった私である。

こうしたDeJohnetteの演奏を生み出したのが,リーダーのPortalの功績として挙げられるだろうが,それにしても,そもそもこのメンツって強烈すぎるだろう。とても75歳の爺さんが一緒に演奏するようなメンツではない(爆)。そこに挑み,更にこのジャケのショッキング・ピンクである。この爺さんの頭の中は一体どうなっているのかと思いたくもなるが,自ら「あらゆる意味」で現役であることを発露しようという意識が感じられると言っては言い過ぎか。このヴァイタルな感覚,とても年齢相応とは言えない。さすがラテン系...と呟きたくなってしまった私である。

いずれにしても,様々な出自のミュージシャンが集って,こんな音楽が生まれることを実証したこと自体が素晴らしいと思わせるアルバム。私はLionel Louekeはこれまで全然評価していなかったのだが,このアルバムで評価を見直さなければならないと感じさせてくれたし,全編のアレンジを実質的に担当したと思われるBojan Zというミュージシャンについても一気に注目度が高まったアルバムである。Monkコンペ優勝者,Ambrose Akinmusireについても,その実力を十分発揮したと感じさせる。そうした要素を含めて,総合的にも星★★★★☆に値する。自分のアンテナだけではこのアルバムを聞くことはなかったであろうから,やはりお知り合いのブロガーの皆さんには感謝しなければならない。

それにしても,自分が75歳になったときに,自分はどんな老人になっているのかとつい感じてしまった一作である。どうせならこんなショッキング・ピンクの似合うエロじじいになってみたいものだ(爆)。

Recorded in March, 2010

Personnel: Michel Portal (bcl, ts, ss), Ambrose Akinmusire(tp), Bojan Z(p, key), Lionel Loueke(g), Scott Colley(b), Jack DeJohnette (ds)

2011年1月 1日 (土)

あけましておめでとうございます。

皆さん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。早いものでこのブログも5年目に突入です。飽きっぽい私にしてはよく続いていると思いますが,今年もこれまでに変わりなく,駄文を垂れ流していきますが,引き続きご愛顧のほど,よろしくお願いします。

新年一発目の記事は,年末に見た映画についてです。以下は通常のトーンに戻ります。

Photo_2 「ノルウェイの森」('10,東宝)

監督:Trần Anh Hùng(トラン・アン・ユン)

出演:松山ケンイチ,菊地凛子,水原希子,玉山鉄二,霧島れいか

非常に多くの人が読んだ書物,それも現代文学を映像化することは極めてチャレンジングなテーマだと思う。村上春樹でも,「1Q84」のようなシュールな世界を映像化するのは不可能だろうが,その中で本作に限っては,まだ映像化ができる話ではある。その一方で,村上春樹に対する思い入れの強い読者も多いだけに,原作との同質性や相違点ばかりに注目が集まってしまって,独立した映画として楽しめなくなってしまうことも十分考えられる。だからこそこの映画は注目されると同時に,最初から難しさを背負ってしまっていると言える。

かく言う私も,それなりの村上春樹のファンであるし,原作を読んだ時のこともよく覚えている。友人の結婚式に出席するために京都へ訪れた際に,東京~京都の往復の新幹線で一気に読んでしまったのだが,大いに感動した記憶だけは今でもちゃんと残っている。だが,それから四半世紀近くが経ってしまっているので,ストーリーそのものを完璧に記憶していたわけではないが,それでも大筋はきっちり覚えていた。そういう私のような読者からすれば,脚色としてはまぁ健闘していると言えるのではないかと思う。少なくとも原作の雰囲気を壊してはいないだろう。

だが,私の中でどうしてもぬぐえない違和感があったとすれば,菊地凛子ではないかと思う。徐々に壊れていく直子を演じるには,彼女の演技力が必要だろうし,女優としてのキャラクターも適しているように思えるのだが,彼女が20歳の役を演じること自体には無理があった。だから私にはどうしてもその時点で没入できなくなってしまう。松山ケンイチはだんだん村上春樹のように見えてきてしまうから,合格と言ってもよいのだが,私には菊地凛子がどうしても駄目だった。うまいのはよくわかるんだが...。何かが違うのである。

しかし,映像としてはなかなか綺麗に撮れているし,時代感もよく出したと思う。私が一番受けたのはワタナベがバイトするレコード屋のシーンだったかもしれないが,早稲田のキャンパスもうまく当時の時代感に合わせて撮ったものだと感心してしまった。また,風のそよぎなどはまるでタルコフスキーのようでもあった(西川美和も「ディア・ドクター」で影響を感じさせたなぁ)が,特に屋外撮影の映像は認めてよいものだと思う。

ということで,私としては実はいいのか悪いのかよくわからないという非常にアンビバレントな感覚を残した映画だと言える。原作にとらわれなければそれなりの映画なのだろうが,やはり,私も原作にとらわれて,純粋に映画として評価できないという当たり前の罠にはまったということかもしれない。ということで,星★★★☆。

« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »

Amazon検索

2017年おすすめ作

2016年おすすめ作

2016年おすすめ作(本)