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2010年12月 5日 (日)

想定外の素晴らしさ:Toots Thielemansのライブ盤

European_quartet_live_2"European Quartet Live" Toots Thielemans(Challenge)

久々の音楽ネタ。

本作はToots Thielemansが欧州のミュージシャンと吹き込んだライブ・アルバムである。だからリーダーのTootsも含めてEuropean Quartet。わかりやすいねぇ。録音は2006~2008年に渡っているが,メンツが同じこともあって,一貫性は保たれている。

それにしてもである。Toots Thielemansは1922年生まれだそうだから,直近の録音である2008年の時点でも既に86歳だったことを考えると,この演奏のレベルは凄いと言わざるをえない。実を言うと,私は大して期待して本作を買ったわけではない。購入の最大の理由は「安かった」からなのである。しかし,これが私の期待をはるかに上回る見事な出来であった。こういうのを嬉しい誤算と言う。

Hank Jones亡き今,ジャズ界の最長老の一人となったTootsがこうしたレベルを維持していること自体がそもそも驚異的である。冒頭の"I Love You  Porgy"から泣かせるリリシズムを聞かせたと思えば,"All Blues"を思わせるようなアレンジで演奏される"Summertime"ではそうしたリリシズムだけでなく,力強さを聞かせるところにまたまた驚かされるのである。

このアルバムのいいところは,そうした演奏のよさもさることながら,その選曲の素晴らしさである。特に私がしびれてしまったのが「真夜中のカーボーイ」のテーマである。このJohn Barryが書いた素晴らしいメロディ・ラインを紡ぐThielemansのハーモニカには心底しびれた私である。オリジナル演奏もTootsによるものだが,私はここでの演奏をより強く支持する。こういう曲/演奏を出張中の外地で聞くと,普通に日本で音楽を聞いているのとは別の感慨を生むから不思議だが,これはまじで心にしみた。

バックも好演である。ピアノのKarel Boehleeについては,彼のリーダー・アルバムを酷評したことがある(記事はこちら)が,プロデューサーが違えば,あるいはリーダーが優れているとこれほど違うのかと思わせるほどの大きな違いである。なんてたって酷評したアルバムと,ここでのバックのトリオのメンツは一緒なのだ。なぜこんなに違うのかと私が思ってもそれは仕方がないことなのである。逆に言えば,Tootsがいかにリーダーとして,彼らを統率しているかと考えることも可能ではあるが,彼ら(特にBohelee)に対して,やりゃできんじゃんと言わざるをえなかった私である。

いずれにしても,こんなアルバムが1,000円ちょっとで買えるって,ある意味凄いことである。というより,これは買って決して損はしないと言っておこう。これからもTootsが元気で活躍してくれることを祈る意味も含めて星★★★★☆。本当に心にしみるのである。

Recorded Live in 2006, 2007 & 2008

Personnel: Toots Thielemans(hca),Karel Boehlee(p, synth),Hein Van de Geyn (b),Hans van Oosterhout (ds)

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コメント

なんだか、夜中に聴きたくなるアルバムですよね。
当然、独りで。

人生、、段々先が見えてくるわけですが、死への恐怖が大きくなると言うことは、、普通ないじゃないですか。。
彼のハーモニカの演奏はまさにそういう心境の演奏って言うか。。
まぁ、、なんだかしみます。で、バックの好演がほんとうに光っていて結構スリリングだったりするんですが、そういうエネルギーを太極拳や合気道みたいな感じで自分の演奏に反映させてる感じで、やっぱ、トゥーツすごいなぁ。。って、言うか、、言葉なく、、目が潤んでしまいマした。

リーブマンにハグできましたか?

すずっくさん,こんにちは。TBありがとうございます。

ここでのTootsは確かにしみる。しみ過ぎます。この人の年齢を考えると,今後,あまり多くを期待してはならないのだろうとは思うのですが,こんな作品を出してくるミュージシャンとしての創造力は素晴らしいですよね。是非長生きして欲しいなぁ...。

Liebmanはこれからです。ハグは...ですが,一応CDは持っていこうと思います。問題は現地にたどりつけるかですね。多分大丈夫でしょうけど。

時間は信じられないくらいの速さで過ぎ去っていきます。もう師走。ついこの間クリスマスツリーの飾り付けをしたばかりなのに...。

この盤を聴いていてたら古いシールマンスのアルバムも聴きたくなり、引っ張りだして聴いていたら、フレッド・ハーシュと共演している90年代のアルバムがあって、それがなかなか良かったので、今度はハーシュのアルバムを引っ張りだしてずっと聴いています。ハーシュもこれからどうなるのやら。考えるだけで胸が苦しくなります。

ということでTBさせていただきます。

あ、そう、最近、僕のブログに芸能関係のスパムTBが頻繁にはいるのですが、それがココログなんですよね~~。なんでスパムがTBできるのに、中年音楽狂さんのが駄目なのか納得がいかないです。

crissさん,こんばんは。返事が遅くなりました。

crissさんの怒涛のHersch聞きも拝見していますよ。ThielmansとHerschの共演盤はConcordレーベルのを聞いたことがあります。

TBの件ですが,不思議ですねぇ。一度リトライしてみますね。

音楽狂さん、お休みの疲れとれましたか。
昨年末に皆さんの記事から、スルーしていたアルバムを拾いなおして聴いていた一枚です。
びっくりするわけではないのですが、何度も聴けて、それが心に残りました。このアルバム、ですからしばらくは、ずっっとおいておいて、また続けざまに2,3回聴くようなアルバムに思います。TBさせていただきます。

monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。

おっしゃる通り,ビックリするような演奏ではないですが,しみますよね。確かにmonakaさんのおっしゃるような聞き方がいいかもしれません。参考にさせて頂きます。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

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