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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2010年12月31日 (金)

皆さん,よいお年を。

本年もいよいよ本日でおしまいである。本ブログにアクセスして頂いたすべての皆様に感謝致します。

来年はどんな年になるか全然想像がつかないが,どんな年になろうとも,いい音楽を聞き,面白い映画を見て,皆さんとそうした情報を共有できればと思っている。今年,記事をアップしそこなった多数のアルバムについても,追々記事を書いていきたいが,新しいCDを仕入れると,どんどん順番が先送りされる可能性も大であると,あらかじめ開き直ってしまおう。でも,できるだけUp-to-Dateな方がいいので,何とか努力したいものだ。

いずれにしても,皆さん,よいお年をお迎え下さい。

2010年12月30日 (木)

中年音楽狂の休日(最終回)

ついにヴァケーションも最終日を迎えてしまった。今回は必ずしも天候に恵まれたとは言えなかったが,こういうこともあるということだ。でも,最後の二日だけはまぁまぁの天候だったので贅沢は言うまい。米国の東海岸を襲った大雪に比べれば,文句を言うような天気とは言えない。JFKやLGA等の大混乱ぶりが想像できるだけに,私たちなんかは何の問題もないと言えるのである。

ということで,あとは帰るだけになってしまったが,何もなければこの記事がアップされる日には帰国しているはずである。すぐに新年の準備もしなければならず,休んでいる暇は全くなさそうだが,筋肉痛で動けない可能性大だなぁ(爆)。

ところで,こちらのニュースを見ていたら,Eaglesの全米ライブが,チケットの売行き不振で,全面的にキャンセルされたとのことである。彼らは来年日本公演を行うことになっているが,そちらはどうかはわからないとしても,もはや彼らのライブには昔日のような集客力はないということである。そもそもチケットがバカ高くて顰蹙を買っていたのも事実だからなぁ。私にとっても,28年ぶりのスタジオ作がちっとも面白くなかったこともあり,さすがに今度の来日公演に行く気も全くなかったが,ちょっと気になるニュースであった。まぁ日本にはお小遣い稼ぎに行くのかもしれんが...。でもDon Henleyがソロで来日するなら行ってしまうのかなぁ...。

2010年12月29日 (水)

中年音楽狂の休日(その5)

ゲレンデに出るのも5日目になって,ようやく晴れ間がのぞくという天候となった。今日,滑っていて思ったのは,これまでの4日間との感覚の違いである。やはり,天候はスキーをする場合にも心理的に大きな影響を及ぼすということを痛感した一日であった。とにかく気持ちいいのである。昨日まではこういう感覚は少なかったように思える(というのは贅沢かもしれないが...)。

こうした天候のせいか,今日はスキーヤー,ボーダーの数がどっと増えたように感じてしまうのだが,それによって,ゴンドラやリフトの待ち行列はどんどん長くなっていくことは誰の目にか明らかだったと思う。こういう場合,待ち行列の心理的なストレスをどう緩和するかというのが問題になるはずだが,昨日までは聞けなかったゴンドラの乗り口のBGMというものが聞こえるようになったのは,そういう理由によるものだろう(ほんまか)。

今日かかっていた音楽はJourney,CCR,Bruce Springsteen,Rod Stewart等だが,私が一番反応してしまったのはYesであった。Yesと言っても,Trevor Rabin加入後の"Big Generator"から"Love Will Find Away"だったのだが,ミキシング的にはRabinがリード・ヴォーカルのように聞こえるのだが,よくよく聞くと,RabinとJon Andersonがユニゾンで歌ってたのねぇなんて,ゴンドラを待ちながら思っていた私はやはり変態である(爆)。

ついでに言うと,Bob Segerの"Old Time Rock & Roll"にも鋭く反応して,歌ってしまった私であった。馬鹿だねぇ,と我ながら思った私である。ついでだから,「卒業白書」のTom Cruiseの姿も初々しいこの曲のビデオを埋め込んでしまおう。

2010年12月28日 (火)

中年音楽狂の休日(その4)

こちらではここ1週間の降雪が200㎝近くになっていることもあって,こちらに来てから天気もずっと雪みたいな感じである。そのため,ほとんど晴れ間というものにもお目に掛かっていないのはちょっと残念だ。こういう天候なので,山頂まで登ることはできないため,本来の絶景も楽しめないのは痛い。しかし,ここのところ,雪のコンディションは日に日によくなっているので,つい自分がスキーがうまくなったのではないかと誤解するのだが,あくまでも誤解である(爆)。それにしても,天気予報によれば,私たちが帰った後に天候が回復するってのは,日頃の自分の行いの悪さを痛感させられる。

ところで,これだけの降雪量であるから,当然雪崩のリスクは高まっているはずだが,毎日のように山からはドカン,ドカンという爆発音のようなものが聞こえるのは,おそらく人工的に雪崩を起こすための発破であろう。一日何発も聞こえるってのが凄いが,それだけ雪が降っているってことである。

いずれにしても,私の休日ももはや後半戦に入ってしまったが,体力的には全く問題はない。しかし,こちらでの食べ過ぎ,飲み過ぎでますます体重が...。年末年始も控えているだけに,そっちが心配である。

2010年12月27日 (月)

中年音楽狂の休日(その3)

Christmas_day_3 スキー3日目が終了して,そろそろ足にも負担が相当掛かってきたようだ。上の方は新雪だらけで私はこけて雪まみれ,下の方は気温が高く,雪がべたついていたこともあるが,雪にかなり足を取られてしまった。既におさえが効いていないのである。前にも書いた通り,私はへぼスキーヤーなので,そもそも技術がないのが問題なのだが,それにしてもきついコンディションであった。

だが,3日目は現地がChristmas Dayということもあって,人出はかなり少なかったようである。キリスト教徒は家族で七面鳥を食しているって感じだったのだろうと思われる。この反動はおそらく4日目に出てくるはずで,某レストランのおやじも,26日は一番混みますねと断言していた。またそれは報告をすることとしたい。

それでもって,今日のお題は現地産のワインである。私はこれまで,カナダのワインというのは飲んだことはなかったのだが,これが意外にいける。そうは言っても初めての経験である。まず,私は間違いのないところでSan Giovese種のワインを頼んだが,これが正解。別の日にはCabernet Sauvignon種を頼んだのだが,これもコスト・パフォーマンスがよいということで,なかなか侮れないではないか。きっと安いだろうから今度は輸入してみるかなんて思ってしまった私である。

ということで,Christmas Dayの夜は人出も少ないという証拠写真をアップしておこう。夜の街に出ているのはほとんどがAsianって感じだったなぁなんて,自分のことはさておき思ってしまった私である。

2010年12月26日 (日)

中年音楽狂の休日(その2)

ゲレンデに出るのも2日目が終わった。今日は雪が結構降っていたので,ほとんどグルーミングもしておらず,新雪状態のコースが多かった。へぼスキーヤーの私は,新雪よりも,やや硬いバーンに,グルーミングした新雪が乗っている状態が一番好きなので,2日目は雪に埋もれて非常に疲れてしまった。天候も悪くて,何だか休憩ばかりしていたようにも思える。

こちらのゲレンデでは,コースで音楽が鳴っていることはないが,レストハウスなどではガンガン音楽が鳴っている。さすがに時節柄,2日目はクリスマス音楽,それもさまざまなタイプのクリスマス音楽一色であったが,通常はこちらではオールド・ロックが主流のようである。例えば,Neil Youngの"Ohio"だの,The Beatlesの"Come Together"だの,Steve Miller Bandの"Joker"といった具合で,そういう音楽が好きな私はついのってしまうのである。

ほかのスキー・リゾートがどうだったかの記憶はないのだが,いずれにしても,休憩中にビールを飲みながら,そういうオールド・ロックを聞いてるのってのは,それはそれでなんだかいい気分になってしまった私である。

ちなみに,私は年なので筋肉痛はまだ大して出ていない(というか,加齢とともに,痛みが出るタイミングは遅くなるそうである)が,3日目以降ぐらいから痛みに耐えながらスキーに挑むってことになるのかなぁなんて戦々恐々としている。まぁいつものことだが(爆)。

2010年12月25日 (土)

中年音楽狂の休日

Season's Greetings from Canada!!

今回の私の訪問先はカナダのWhistler/Blackcombである。今年のバンクーバー五輪において,スキー競技の主会場となったのはこの土地だが,私がここを訪れるのは16年ぶりのことである。その間に,街のつくりも様変わりし,私はその変貌ぶりに驚いてしまったのであるが,今回,何よりも驚いたのは,その混雑ぶりだろう。まぁ,こちらでは世の中がHoliday Season一色の中であるから,それも仕方がないのだが...。

昨今,日本ではスキー・ブームも去り,ボーダーは市民権を得ながら,昔ほど若い人がスキーやボードに情熱を傾けるという光景は見られなくなっているように感じられる。私たちが若い頃は(と,中年モードに突入である),少ない休みの合間に,比較的近場のスキー場に行くというのが当たり前のパターンであった。私のころは蔵王(あるいは頑張って行っても志賀が限界)が多かったが,世の中が便利になり過ぎたのか,社会生活が楽になり過ぎたのか,どうも悲壮感を漂わせてまで,こうした娯楽にひた走る人ってのは見つけにくくなったように思える。そんな時代だから,スキー場に閑古鳥が鳴いているなんて記事を見つけると,私のような年代の人間はへぇ~っと思ってしまうのだが,スキー場そのものの経営努力がなければ,そういう結果も当然なのかもしれない。それに比べれば,この地の変貌ぶり(即ち経営努力)は尋常ではないのだ。ということで,16年前とは全く違う風景を見たような気がすると改めて報告しておこう。これも五輪の成果なのかもしれないが,以前にも増して素晴らしいリゾートになったものである。

その一方で,日本のスキー場の凋落を見ると,私はどんどん没個性化するだけの「就活生」諸君に見受けられるネガティブな一面と同じようなものを感じるのだが,そうしたことをまったく感じさせない魅力が,この場所にはあると言えるだろう。スキー場の従業員の対応もいいしねぇ。

天候があまりよくないため,頂上付近はクローズしているにもかかわらず,とにかく広いというのが今日一日滑った感触だが,これで天気がよければもっと楽しめるのになぁと贅沢なことも感じてしまった。とにかくずっと雪が降っている状態なのだ。視界が悪いのはちょっと辛いが,まぁ仕方あるまい。

いずれにしても,せっかくの休みだから,十分に満喫をして帰りたいと思う。体がついていけるかには大いに不安はあるが...。

2010年12月24日 (金)

私が今いるところ...

Tree_2今回の目的地に到着した。今,私のいるところの周りは,完全にホリデイ・シーズン・モードである。まだ,どこにいるかはもったいぶって明らかにしない。この写真は,iPhoneで撮影したものに,更に画像サイズを落とすために,いろいろ手を加えているので画像が粗いのが残念だが,実際はもっときれいなので為念。でも,雰囲気だけは伝わるものと期待したい。続きはまた明日以降ということで。

いずれにしても,皆さん,Happy Holidays!!

2010年12月23日 (木)

今年の回顧が早かったわけ...

いつもは年末ギリギリにその年の回顧をしている私が,まだ10日以上残しているタイミングで回顧の記事を書き始めたのには理由がある。私はこの記事がアップされる頃にはバケーションのため,某所を訪れているはずなのである。もっと正確に言うと,この記事が公開される頃は空の上にいるはずだ。私がどこへ行くのかはこれから追々明らかにしていきたい(もったいぶるほどのもんか!!大体知っている人はとっくに知っている。)が,そういう事情もあって,現地ではなかなか記事を書く時間がないだろうということで,早めの回顧となったのである。

まぁそんなことはさておき,せっかくの休みである。せいぜい休暇を満喫してくることとしたい。現地レポートは明日以降ということで。でもまぁ手短かにしか書けないだろうな(爆)。

2010年12月22日 (水)

2010年を回顧する(その4):音楽編(ジャズ)

本年を回顧するシリーズも,これが最終回である。今年もいろいろなジャズを聞いてきたが,当然のことながらいいものもあれば,大したことがないものもあった。しかしながら,色々なタイプの音楽を今年も聞けたのではないかと思う。

Baroque そんな私が,今年のベスト作に挙げるのが大西順子の"Baroque"である。このアルバム,メンツの強力さもあったが,大西順子のリーダーとしての統率力やアグレッシブな音楽性について,非常に楽しませてもらった。元来,私は大西順子の音楽は好きだったわけだが,まさに完全復活,大西順子恐るべしを実感させたアルバムである。このアルバムがあまりによかったために,オーチャード・ホールで開催されたライブにも駆け付けたのだが,PAはどうしようもないものだったのは減点材料としても,演奏はライブでも強烈だったと言っておこう。彼女のTwitterは何だかなぁって感じの内容が多かったが,音楽については文句なしである。

Scenes_from_a_dream 一方,私の感情を痛烈に刺激したアルバムがChris Minh Dokyの"Scenes from a Dream"である。例えは変だが,フォーレの「レクイエム」を聞くが如き「天上の音楽感」とでも言えばいいだろうか。私はこのアルバムに関する記事を書いたとき,「夢見心地」と書いたわけだが,このアルバムは年末のせわしなさを和らげる効果もあったと言える。今の私にとってまさにジャスト・フィットとも言うべき音楽だったと言えるだろう。

Mirror 心に沁みたという意味で,今年一番だったのはCharles Lloydの"Mirror"かもしれない。70歳を過ぎたLloydが示す境地というのは,中年の私には非常に沁みた。まさにLloydの心象を映し出す「鏡」って感じなのである。近年聞いたLloydの作品では,最高のものだと思うし,本年聞いたECMレーベルの作品の中でも最高のものと思う。それにしても,このバックのメンツでこんなに枯れた感じの演奏ってのが凄いよねぇ。

Relevanceまた,ガツンと言わせてくれたアルバムとしては,Eric Harlandの"Voyager",Chris Potter入りDaniel Szabo Trio,更にはバスクラ・トリオという変わった編成ながら,非常に優れた演奏を聞かせたThomas Savyなどが記憶に残る。しかし,今年最もガツンときたアルバムはDave LiebmanとEvan Parkerの共演作"Relevance"だったかもしれない。このアルバムで聞かれるフリー・ジャズの快感というのを,私は久々に味わったと言っても過言ではない。あまり日本では流通していないし,相当強烈なフリー・ジャズだけに,万人にはお薦めできないが,これは大変なアルバムであった。皆さんの認知度を高めるためにも,再度紹介しておきたい。

Silver_pony ヴォーカルについては,私はあまり聞いていないので,とても偉そうなことは言えないが,Cassandra Wilsonの"Silver Pony"はジャンルなんてどうでもいいわと思わせるぐらい優れた出来だったと思う。やはり,この人は現代を代表する歌手の一人という位置づけにあると確信させられた作品であった。

Highway_rider そして,私のアイドルであるBrad Mehldauは"Highway Rider"で新機軸を打ち出し,見事なアルバムを出してきたのが嬉しかったし,また,奇跡の生還を遂げたFred Herschの新作もよかった。ということで,来年はどんな音楽が聞けるのかとまた楽しみになるが,年明け早々にはBrad Mehldauのソロ・ライブの発売が控えている。ビルボードでのライブも素晴らしかっただけに,今から楽しみにしている私である。

Whirl でも,その一方で,来年はちょっと新譜,中古含めてCDを買うペースを落とそうかなんて実は考えている。収納スペースに限界が来ていて,収拾がつかないような状態だからである。だからと言って,MP3に依存するのもなぁってことで,どうなることやら...。毎年同じようなことを考えて,実際にそうなったためしはないから,まぁ無理だな(爆)。

2010年12月21日 (火)

2010年を回顧する(その3):音楽編(非ジャズとライブ)

本年の回顧シリーズ,その第3弾はジャズ以外の音楽についてである。今年気に入った音楽については,当ブログの右サイドに2010年おすすめ作として掲示しているので,そこと相当にかぶってしまうのだが,実はブログにアップしていなくても,これはいいわぁっていうのは実はいくつかあるのである。そういう作品も含めてご紹介をしたいと思う。

Le_noise<ロック>今年最大の驚きは兄貴ことNeil Youngの"Le Noise"だったと言ってよい。バンクーバー・オリンピックの閉会式に出てきたり,昨年のアーカイブ・シリーズの発売など,話題に事欠かなかったNeil Youngだが,それでもこの「弾き語り」アルバムは曲のクォリティを含め,私にとって近年の兄貴の新作アルバムの中では一番気に入ったと言ってもよいだろう。Daniel Lanoisがもたらしたケミストリーというものを強く感じた一枚である。このほかに,Tom Petty & the Heartbreakersの新譜もオヤジ・ロックのあるべき姿みたいな形で好きだったなぁ。

The_bird_and_the_bee <ポップ>ポップの分野では何と言ってもThe Bird & the Beeの"Interpreting the Masters 1: Tribute to Hall & Oates"がよかった。これは彼らの演奏,歌唱もいいのだが,Hall & Oatesの曲の素晴らしさを再認識させてくれたという点で評価したいアルバムである。次は何で来るのだろうか?楽しみである。

Carol_king_james_taylor <フォーク/SSW>これはもう懐かしさだけで,
Carole KingとJames Taylorの"Live at the Troubadour"が筆頭である。音楽としてはおすすめ作にも掲載したJohn Mellencampのド渋のアルバムの方が感銘度は高い。しかし,やっぱりねぇ。今年出たアルバムではKing & Taylorがあのバックで歌っていることだけで感涙なのである。

Solomon_burke_nothing <ソウル/R&B>今年,私が最も感銘を受けたアルバムは,惜しくも亡くなったSolomon Burkeの"Nothing's Impossible"ではなかったかと思う。なぜ記事にしなかったのかとお叱りを受けそうだが,タイミングが合わなかったのである。しかし,このディープ・ソウルって感じの歌唱を聞いてしまえば,大体の人はまいることだろう。アムステルダムにおける突然の客死が本当に惜しまれる。

Bettye_lavette でもソウル部門で実は一番好きだったのはBetty Lavetteの"Interpretations: British Rock Songbook"である。ソウルフルな歌唱でロックの名曲を歌えば,そりゃいいに決まっているのだが,それにしてもこのアルバムには痺れた私である。私の場合,やはりこの分野は,メロウなものより魂に響くって感じの方が好きだってのは完全にバレバレであろう。あまりにこのアルバムがよかったので,彼女のほかのアルバムも慌てて買ってしまったことを告白してしまおう。

Samba_carioca <ブラジル>これは完全にVinicius Cantuariaの"Samba Carioca"で決まりである。本作にはBrad Mehldauも参加しているという要素が,購入動機としては強かったのだが,このボサノバを更に現代のフレイバーで演奏するのがたまらなくよかった。梅雨の時期に大変世話になったアルバムである。でも,Deodatoの新譜もブラジル・フレイバーの音楽として非常に楽しかったことは追記しておきたい。

クラシックは残念ながら,ここで取り上げるほど聞けていないのは残念である。その他,歌謡曲等の分野では,韓国勢のパワーが凄かった。オジさんとしては少女時代やらKARAを見て喜んでいるが,彼女たちのせいで,Perfumeが減速したように思えるのは気のせいだろうか。私自身はPerfumeには思い入れはないが,ファンの気持ちは移り気なものだと感じてしまうのだ。でも韓国勢もいつまで続くものやら。でも可愛いよねぇ。

<ライブ>私はあまりライブに熱心な生活を送ってきた方ではないが,今年は結構,ライブの場に足を運んだように思う。Wayne Krantzから始まり,パリでのDave Liebmanで締めるってのはなかなか刺激的であった。Kurt Rosenwinkelを人で一杯のNo Trunksで聴いたり,Fabrizio Bossoを見直したり,Lars Janssonを初めて生で見たりと,いろいろなライブに通えたのはよかった。Brad Mehldauのソロもよかったしなぁ...。PAは最悪だったが大西順子のライブもよかったし,どれか一本というと難しいが,やっぱりここはLiebmanかなぁ。まぁ,こうしてライブに通っていると,生はやはりいいのだと思ってしまうが,次は何に行けるのだろうか。Dave Douglasとか,Chris Potterに自分のバンドで来て欲しいと思っているのはきっと私だけではないはずだ。Marcin Wasilewskiとかも来ないかなぁ(無理?)

2010年12月20日 (月)

2010年を回顧する(その2):映画編

Invictus 今年も機内エンタテインメントにお世話になりながら,結構映画は見たが,それでも30数本ってところだろうか。劇場にもできるだけ足を運びたいと思いつつ,なかなか難しい部分もあった。そんな中で,私にとって今年珍しいと言えば,間違いなく洋画派の私が,結構日本映画を見るために劇場に行ったってことだろうか。昨今,ハリウッドはリメイクばかりでなんだかなぁってところもある中,興行収入も含めて邦画が元気な状態にあったということだろうか。

Photo そんな中で私が映画として最も楽しめたのは「インビクタス -負けざる者たち-」だろうか。去年は「グラン・トリノ」に参ってしまったが,今年もEastwood作品かって気がしないでもない。しかし,Eastwoodが描くヒューマニズムってのは非常に中年の私の心に響くのである。後味の良さって重要だと思うのだ。

Photo これに加えて,機内エンタテインメントで見た「悪人」と「瞳の奥の秘密」が映画的な魅力という点では記憶に残った。これは見てから間もないということで,まだまだ記憶がビビッドだということもあるかもしれないが,この2本はなかなかよく出来ている。気持ちが切なくなったり,落ち込んだりするというのも映画の持つ立派な要素だと思うが,この2本は見ていて暗くなってしまうことは事実だとしても,映画の表現が持つ力というものを十分発揮しているように思える。

Toy_story3 後味の良さっていう点で,今年もっとも後味が良かった映画は「トイ・ストーリー3」かもしれない。これは子供よりも大人が楽しんでしまうような映画だったと言ってもいいと感じた。

いずれにしても,今年はまだ終わっていないが,今のところはこの4本だろうか。と言っても,劇場2本,機内エンタテインメント2本ってのもいかがなものかって気もするので,来年はもっと劇場に足を運びたいものである。最低でも月2本ぐらいは行きたいなぁ。

2010年12月19日 (日)

2010年を回顧する(その1):書籍編

Photo_2いつもよりちょっと早い今年の回顧である。いつもなら年末も押し迫った頃に書いているのだが,今回は訳あって若干早めの回顧記事となった。ということで,最初は書籍編だが,今年はあまり本を読まなかったなぁというのが実感である。これは歳のせいもあるかもしれないが,根気があまりなくなったというのも事実である。

1q84_book3そんな私が今年読んだ中で最も期待したのは「1Q84 Book3」であったことは間違いのない事実だし,それなりに面白く読むことができたが,最も読んで楽しめたのは吉田修一の「横道世之介」(毎日新聞社)である。この小説の持つ後味の良さというのが,世知辛い世の中においては,非常に貴重なものであったと言いたい。記事をアップした時にも書いたが,本書読了後のプチ幸せ感はいまだに私の中に鮮明に残っている。本当に爽やかな書物だったと思う。

Photo_3 そのほかに今年の始めに読んだ東野圭吾の「新参者」(講談社)もよかった。映画にしたら面白いなんて書いたが,さっさとドラマ化されてしまった。私としては,珍しくドラマを見たいなぁと思ったのだが,結局1回も見ずじまいに終わってしまった。しかし,私が読んだ東野の小説の中でも,非常に出来のよい作品だったのではないかと思う。

ということで,今年の3冊は上記に挙げたもので決まりである。出版年度は必ずしも今年ってわけでもないのでちょっと問題があるかもしれないが,まぁそれはそれでということで。それにしても何だか普通だなぁ。

Blue_period もう1冊,忘れていたので補記をするが,ミッシェル・マーサーの「ジョニ・ミッチェルという生き方 ありのままの私を愛して」(P-Vine Books)はJoni Mitchellというミュージシャンにまつわる逸話に多数触れられただけでも十分価値があったと思う。小説以外ではこの本と,「インテリジェンス 闇の戦争」という本が,事実は小説より奇なりを地で行っていて,面白いなぁと思ったのであった。

2010年12月18日 (土)

出張中に見た映画(10/12編):その6(最終回)

Enemy_of_the_state「エネミー・オブ・アメリカ ("Enemy of the States")」('98,米,Touchstone)

監督:Tony Scott

出演:Will Smith,Gene Hackman,John Voight,Lisa Bonet,Regina King

今回の欧州出張では都合7本映画を見たが,「インセプション」は2回目だったので,今回アップする記事としてはこれが最後の映画になる。私はこの映画を以前も機内エンタテインメントで見たような気がするのだが,当ブログではアップしていないので,ブログを始める前のことだったのかもしれない。帰路に見た映画が結構重いものだったので,多少は軽く見られる映画をと思って選んだのがこの映画である。

監督のTony Scottについては,私はあまり評価していない。兄貴のRidley Scottのようなポリシーが感じられないところがこの人の決定的な弱点であるが,この映画はそのScottの作品の中ではまだまともな方だと思った。これはWill Smithはさておき,その他の役者に救われた部分が大きいように思う。何と言っても,なぜかクレジットはされていないが,冒頭からJason Robardsが出てくるしなぁ。また,John Voightの相当憎たらしい感じもいいしねぇ。

筋書きとしては,プライバシーさえ踏みにじりながらも,国家の安全を優先させようという輩による犯罪に巻き込まれるWill Smithというのは,典型的なHitchcock式巻き込まれ型スリラーの現代版という感じである。もちろん,Hitchcockの映画のような品格は感じられないが,それでもこういうシナリオならば,まぁある程度のエンタテインメントにはなるだろうと思わせる。ユーモアもある程度交えながらというのもHitchcock的ではある。それでも,シナリオについては無茶苦茶だよなぁと思わせる部分もあり,ストーリーとして説明が付かないと感じさせるから,やはり全面的には評価はできない。本質的にはもう少しスリラーとしての色彩を強めることができたと思うのだが,安直なアクションや爆破,カーチェイスに依存するのがTony Scott,あるいはシナリオを書いたDavid Marconiの駄目なところだよなぁと改めて思ってしまった。やりようによっては,この作品はもう少しいいものにできただろうと思えるだけに,ちょっと惜しい気がする。

まぁそれでも,Gene Hackmanはもうけ役とは言え存在感たっぷりだし,Jack Blackが出てたのねぇってのも今回気が付いた次第。やっぱり役者に助けられているな,この映画。ということで,役者陣に敬意を表して半星オマケして星★★★☆。

2010年12月17日 (金)

出張中に見た映画(10/12編):その5

Photo_2 「瞳の奥の秘密("El Secreto de sus Ojos")」('09,スペイン/アルゼンチン)

監督:Juan Jose Campanella

出演:Ricardo Darin,Soledad Villamil,Guillermo Francella,Pablo Rago,Javier Godino

帰りの飛行機の中で見た2本目である。1本目の「悪人」がかなり沈鬱な感じだったので,2本目はもう少し明るい映画を見ればいいものを,「悪人」に輪をかけたような映画を見てしまった。途中で睡魔に襲われてしまったので,結局話の筋がよくわからんということで,気を取り直して2度目に挑んだ私であった(爆)が,見終わった後,これも「映画を見た~」って思わせてくれたのは「悪人」同様である。

この映画,オスカーの最優秀外国語映画賞を受賞した作品だが,映画の印象としては非常に重苦しいものの,これまた優れた映画であることは間違いない。いかにも映画的というか,CGなんぞ使わなくても,魅力的な映画は作れるということを雄弁に実証している。

この映画を理解するにはアルゼンチンという国が,25年前どういう状態であったかということを理解する必要があるが,そうしたことは全く描かれていない。アルゼンチン国民にとっては常識的なことだろうが,日本人にはよく理解できない部分が背景にあることは事実だと思う。そのあたりは若干不親切ではあるが,そもそも作り手はそんなことは意識しているまい。だが,映画として見ればサスペンスフルな描き方は立派なものだし,いろいろな伏線を張りめぐらしたシナリオも優れていると思う。

そして,こうくるかぁという結末には誰もが驚くだろうし,印象的なラスト・シーンは年月を越えたラブ・ストーリーの趣すら感じさせる。最後にSoledad Villamiが放つセリフがまた思わせぶりながら,快い後味を残していると思う。睡魔に負けず,ちゃんと見直してよかったと思える作品であった。星★★★★☆。でも機内エンタテインメントとしてはちょっと?とも言えることは言えるが(苦笑)。

ちなみに,ハリウッドではこの映画のリメイク計画があるそうだが,どんなことになってしまうんだろうねぇ。アメリカ人にこのウェットな感覚が描けるのだろうか?難しいだろうなぁ...。

 

2010年12月16日 (木)

中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第6回)

Wynton_marsalis "Hot House Flowers" Wynton Marsalis(Columbia)

久しぶりのこのシリーズである。毎度のことながら,主旨は「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするものである。

前回もCharlie ParkerのWith Stringsものだったのに,またかという声も飛んできそうであるが,数あるWith Strings作の中で,私としては実はこの作品が最も優れているのではないかと思っているので,敢えてこのアルバムを紹介する。

Wynton Marsalisのトランペッターとしての実力には疑問を差し挟む余地はないと思えるが,その原理主義的発言が,一部で顰蹙を買っているのも事実だし,彼のラッパがうま過ぎるところに反発すら感じる人々がいることも否定できない。私も彼の言動や,最近の音楽活動には若干疑問を感じているクチであるが,このアルバムの前には,そうした批判は無意味と言ってもよい出来だと思う。また,彼がデビューしてきた頃,世間が大騒ぎしていた時には斜に構えて見ていた私が,彼の実力を本当に理解し,参ったと思ったのがこのアルバムであった。うまい,とにかくうまい。そしてそれがここでは嫌味になっていない。

このアルバムの印象を一言で表すならば「ビター・スウィート」って感じである。With Stringsは甘さに流れる傾向がないわけではないが,ここで聞かれる演奏にはそうした甘さというものがほとんど感じられないのである。ある意味,本作においてメロディ・ラインを紡ぎだすWynton にはストイックな姿勢すら感じてしまう。だからと言って聞きにくい要素なんて皆無なのである。これまでジャズを聞いたことがないリスナーにとっても,クラシックを聞いてきたリスナーにとってもこれなら安心して聞けるのではないかと思えるのが本作を推奨する理由である。

いずれにしても,本作は「大人の音楽」として,長く鑑賞に堪える傑作アルバムである。単なるバラッドだけでなく,"When You Wish upon a Star"ではイントロからスリリングな展開さえ示し,アルバムとしてのメリハリをきっちりつけたプロダクションも立派。ジャズ的な感覚をこれほど持ち合わせたWith Stringsものを私は知らない。Wynton嫌いも認めざるをえない傑作であり,オーケストレーションを担当したRobert Freedmanの功績も大きい。星★★★★★。20代前半の若者の吹奏のレベルでは決してないということは,すぐにおわかり頂けるだろう。

尚,本作の邦題は「スターダスト」なので念のため。

Recorded on May 30 & 31, 1984

Personnel: Wynton Marsalis(tp), Branford Marsalis(ts, ss), Kenny Kirkland(p), Ron Carter(b), Jeff Watts(ds), Kent Jordan(al-fl) with Orchestra conducted and arranged by Robert Freedman

2010年12月15日 (水)

まさに夢見心地:"Scenes from a Dream"

Scenes_from_a_dream"Scenes from a Dream" Chris Minh Doky (Red Dot Music)

これは凄い。こんなリリカルなアルバムはなかなか聞けるものではない。タイトルに偽りなく,夢の断片(決して悪夢ではありえない)を切り取ったらこんな音になるのではないかというような音楽である。

私はこれまでChris Minh Dokyの音楽を聞いたことがないはずである。そんな私がこのアルバムを購入したのは,ブログのお知り合いの皆さんの記事があってこそであるが,このジャケットも何となく雰囲気があって,私に「おいで,おいで」をしているようであったのは確かだ。メンツもいいしねぇ。

そして音楽を聞いてみてびっくりである。こんな音が出てくるとは思わなかった。素晴らしくリリカルなのだ。私はこれを通勤途上にiPodで聞いていたのだが,その時はChris Minh Dokyを「アーティスト」から選択しただけであって,このアルバムのタイトルは全く意識していなかったのだが,何となく「夢見心地」というような音だなぁと漠然と思っていた。そして,よくよくタイトルを見てびっくりである。"Scenes from a Dream"。まさしく言い得て妙ではないか。自分の感覚とアルバム・タイトルがこれほどフィットするってのは極めて珍しいと思うが,これはまさにそんな音である。

そうした夢見心地にさせる最大の要因がDokyの非常に魅力的なベース音とフレージングにあることは間違いないが,GoldingsもErskineも楚々とした演奏で,そうした雰囲気を作るのに大きく貢献しているのがまたよい。そして,「夢見心地」を決定的にするのが,Vince Mendozaによるストリングスのアレンジ。これがまさしく絶妙なアレンジである。決してうるさくならず,目立つこともないが,見事な伴奏効果を示している。これがなければ,この演奏にこれほど感動したかどうか...。様々な要素が相俟って,この夢のような音楽が生み出されたとするならば,これはほとんど奇跡に近い。それほど美しく,私を完全なまでに魅了してしまった音楽である。

ジャズ的な要素は希薄かもしれないが,これは誰が聞いても楽しめる本当に素晴らしいアルバムである。甘甘だと言えばその通り。でもそれで何が悪い!と私は開き直る。一瞬の夢見心地を体験したければこのアルバム,とは言い過ぎかもしれないが,これは選曲,アレンジ,演奏の三拍子そろった演奏である。年の瀬のせわしない時期に,いいものを聞かせてもらった。星★★★★★。但し,興奮はしないので念のため(爆)。

Recorded on May 29 & 30, and July 1 & 2 in 2009

Personnel: Chris Minh Doky(b), Larry Goldings(p), Peter Erskine(ds) with the Metropole Orkest Conducted by Vince Mendoza

2010年12月14日 (火)

出張中に見た映画(10/12編):その4

Photo「悪人」('10,東宝)

監督:李相日

出演:妻夫木聡,深津絵里,岡田将生,満島ひかり,樹木希林,柄本明

この映画,公開時に見に行きたいと思いながら,行けなかったものなので,今回,飛行機の小さな画面でも見られたのはよかった。私は原作者,吉田修一の作品は殆ど読んでいるぐらい好きな作家である。その吉田の作品の中でも,この「悪人」は一際異彩を放った作品と言ってもよいもので,このブログでも小説については大分前になるが,記事も書いたし,その年の書籍ではベストに挙げたものである(記事はこちら)。

その記事にも書いたが,誰が本当の悪人かをわからなくするようなトーンが小説にもあったわけだが,そういう感覚は映画でも踏襲されている。よくあの原作をこの時間に脚色したなぁと思ったら,なんと原作者が脚色にかかわっているではないか。なるほどねぇ。だからこそ,原作のトーンがうまく活かされているわけである。

この映画,見ていて感じるのは「憂い」という言葉である。ストーリーとしてはほとんど救いがないと言っても過言ではないが,そこにいくつかの「救い」を挿入して,主人公たちの救いのない「憂い」からの救済を図っているとい言えばいいだろう。即ち,世の中悪人ばかりではないと思わせる挿話である。だが,本質的には世の中には悪い奴は沢山いるからと言っても,主人公,妻夫木聡が不幸だと思わせることが本作の狙いではあるまい。結局は妻夫木演じる清水祐一だって十分なワルなのだ。でもそれがそうでもないように思えてしまうほど,世界には悪意が満ちているということを原作も,映画も描きたかったのではないか。

そんな映画だから,見ていて楽しいものではない。李相日としても前作「フラガール」には,笑いの要素も織り込んでいたから,かなりトーンには違いが感じられる(私を大泣きさせてくれたし...)が,前作同様の秀作だという評価はしていいと思う。この重苦しいトーンはいかんともしがたいが,「映画を見た~」っていう感覚は十分に味わえた。願わくば劇場で見たかった作品である。星★★★★☆。

ところで,本作で深津絵里がモントリオール映画祭で主演女優賞を受賞したのも,納得はできるにはできるのだが,もうひと押ししていれば,決定的な名演として私も認めたのになぁって感じである。何が言いたいかと言えば,脱ぎっぷりが半端なのである。エロ親父の戯言と思って頂いてもかまわないが,ラブ・シーンのリアリティという点で,これはやっぱり中途半端である。寺島しのぶみたいでなくてもいいが,演出に無理を生じさせたのではないかなぁという点が,ほんの少しだが気になっている。まぁあれがぎりぎりだと言われてしまえばそれまでだが。妻夫木聡はイメージを覆す役を演じて,よく頑張ったと言ってよいだろう。でも一番いいのは柄本明かなぁ,なんて思っている私である。

昔の記事で,原作を映画的だと言った私だが,あながちはずれていなかったかなぁと見終わった後思った私である。まぁそれは吉田修一に聞いてみないとわからないが。

2010年12月13日 (月)

Deodatoの新作は気持ち良過ぎるメロウ・グルーブ

Deodato_crossing"The Crossing" Eumir Deodato(Expansion)

突然リリースされたDeodatoの新譜である。前作ライブ盤もその年のベスト盤に挙げてしまうほど気に入ってしまった(記事はこちら)のだが,そこでも聞かれた心地よさは,このアルバムでも健在である。

このアルバムは,イタリアの(お金持ち)グループ,NicolosiファミリーによるNovecentoプロデュースによるものであり,"Summertime"を除けば,彼らやほかのメンツとの共作で占められている新曲集である。NovecentoってのはこれまでもBilly Cobham,Stanley Jordan,Billy Prestonのアルバムをプロデュースしているが,どれも質が高く,心地よいフュージョン・ミュージックとなっていて,私は結構彼ら関連のアルバムは期待してしまっているのが実態である。そこに看板がDeodatoときては,買わずにいられないのは当然である。しかもNovecentoらしく,毎度のことながらゲストも結構豪華である。

冒頭にも書いたとおり,このアルバムはDeodatoのエレピが生み出すメロウな感覚もあって,心地よさ満点と言ってもよいアルバムである。もちろん,メロウさだけではなく,例えば冒頭のAl Jareauをフィーチャーした"Double Face"に聞かれるグルーブ感も,ファンにはたまらんものだ。結局本作を聞いていて思ってしまうのは,自分がDeodatoが好きだってことになってしまうのだが,それでもこの心地よさは本物だと思う。メロウ・グルーブという観点では前作を上回っているように感じるのは,ヴォーカル曲が多いせいもあるかもしれないし,Novecentoのバッキングのせいもあるかもしれないが,これは本当にたまらん。

アルバムのジャケにも掲載されているように,このアルバムにはCTI時代のDeodato人脈と言えるJohn TropeaやBilly Cobham,Airtoもゲスト出演していて,まったくやってくれるものだわいと思うような人選である。 こういうのを見ると,Novecentoってプロデューサー,ミュージシャンであると同時に,Deodatoのファンなのだろうと思いたくなってしまう。だからこそ,Deodatoファンとしての私は鋭く反応してしまうのだと思うが(笑)。

全編を通じて,心地よい音楽がてんこ盛りであるが,問題がないわけではない。例えば唯一オリジナルでない"Summertime"のアレンジは,テーマ部分の演奏はちょっとダサダサだなぁとか,最後に冒頭の"Double Face"がラジオ・ミックスが入っているというのは蛇足だとか,また,タイトル・トラックって"Skyscrapers"みたいではないか等,文句をつけようと思えばつけられる。それでも,私にとっては,この心地よさの方が,そうした瑕疵を上回っていると言わざるをえないのである。ということで星★★★★。

結局,私はエレピの音が好きなのだと思うが,Deodatoの弾くエレピが私へのフィット感ではナンバーワンかもしれない。

Personnel: Eumir Deodato(el-p), Rossana Nicolosi(b), Lino Nicolosi(g), Pino Nicolosi(key), Mimmo Campanale(ds), Marco Fadda(perc), Al Jarreau(vo), Dora Nicolosi(vo), Jimmy Helms(vo) , Jimmy Chambers(vo), William Upshaw(vo), John Tropea(g), Billy Cobham(ds), Airto Moreira(perc), Leonardo Govin(tb), Gianni Virone(ts, fl), Janier Isusi(tp), Chris Wakler(vo), J. Patrick Lundquist(vo), Joe Turano(vo),

2010年12月12日 (日)

新譜も山のようにたまっているのだが,今日はRadu Lupuである。

Lupu"Schubert: 9 Piano Sonatas" Radu Lupu(Decca)

主題の通りである。既にブロガーの皆さんが取り上げられているものから,そうでないものまで,新譜が結構な数たまってきているのだが,こういう時に限って出張が重なったりして,真っ当に音楽が聞けない。こういう時ってフラストレーションがたまるものだが,なぜか突然LupuのSchubertが聞きたくなって,オンライン・ショップに注文してしまった。こんなことをしているから,ますます新譜が聞けなくなるのだが,そういうこともあるわ。

Radu Lupuは今年久しぶりに来日を果たしたのだが,京都の公演を行っただけで,体調不良により,ほかの公演をキャンセルしたようである。実は私もLupuが来日するということは知っていたのだが,行くか行くまいか迷っているうちに,すっかり忘れてしまっていた(爆)。チケットを買っていてキャンセルになるよりはまぁよいだろうが,期待していた人たちは本当にがっかりしたことだろう。でもそれぐらい,人を期待させるピアニストだとも言えるということである。特にSchubertを弾かせれば,現代屈指のピアニストという評価は揺るがないように思える。

私は,昔もLupuの弾くSchubertを聞いていなかったわけではないのだが,若い頃はどうもSchubertの音楽そのものにピンと来ていなかったという部分があるかもしれない。だから,Lupuの弾くピアノ・ソナタも愛聴するというところまでは間違いなく行っていなかった。だが,冬も深まり,更には体力的にきつい日が続いて,なぜか無性に聞きたくなってしまったというのが今回のCD購入の理由である。

そして,今回本当に久しぶり(少なくとも20年は聞いていないだろう)に聞いてみて,この演奏集は私に心にしみた。Toots Thielemansを聞いても「しみた」と言っていた私だが,私が年を取ったせいもあるとしても,ある種の音楽がこれまで以上にしみてしまうということが増えた。しかし,そんなことを置いておいても,このSchubertは全てが素晴らしい。「何が」と具体的に言うことは難しいのだが,とにかく今の私へのフィット感はたまらなく高い。体が求めるという感じなのだ。Schubertのピアノ・ソナタとはこれほど優れた音楽だったのかと今更ながら気付かされた私だが,暫くはこの演奏に身を委ねるだけでも幸せかもしれないとさえ思う。

LupuのDecca時代の録音は10枚組のボックスも出ているが,私が聞きたかったのはあくまでもSchubertなので,この4枚組で十分。価格も安かったが,簡単に元を取っただけでなく,価格をはるかに凌駕する感動を得たと思える素晴らしい演奏であった。これはどう考えても星★★★★★。これから,何度も聞くことになるだろうと本当に実感している私である。未聴の方は騙されたと思ってでも聞いてみて頂きたい。まじで素晴らしい演奏群である。

2010年12月11日 (土)

時差ボケ…

さすがに本日は時差ボケがきつかった。加齢と共に,調整能力は低下しているから仕方ないが,通勤電車での体たらくはひどいもので,全く情ない。まぁ,自分の年齢を考えれば当たり前だが。ということで,本日は記事を書くことままならず。皆さん,ごめんなさい。

2010年12月10日 (金)

Dave Liebmanライブの続報

Liebman_live_3

前回,速報でお知らせしたパリ,SunsideにおけるDave Liebmanライブの模様の続報である。Webサイトの告知では"Plays Ornette Coleman"と謳っていたが,必ずしもColeman絡みの曲ばかりではなく,ベースのTony Marinoのオリジナルも含まれていた。だからと言って,私にはまったく文句がないような素晴らしい出来だったと思う。そうしたオリジナルでも,何となくColeman的に聞こえるのが不思議である。

当日,Liebmanはテナーは吹かず(というより現地にテナーがなかった),ソプラノを主楽器とし,1曲だけWooden Fluteを吹いていた。また,ベースのMarinoは意外にも全曲でエレクトリック・ベースを弾いていたのは若干意外であった。このあたりは楽器の運搬コストを節約したのかという皮肉な見方もできるが,楽器編成上の問題は私にはまったく感じられなかった。そして,LiebmanもJurisもMarinoもアタッチメントを利用することで,かなりコンテンポラリーなサウンドに傾斜していたのが私には驚きであった。ほとんど,Milesのエレクトリック・ファンクのような乗りになる瞬間もあったのである。時にJurisのギターはディスト―ションが掛けられ,へヴィー・ファンク度が強かったのは,アルバムでの演奏とは結構違うと感じさせられた。逆に言えば,そうしたところがファンには非常にうれしいところでもあるのだが,このバンドは相当多くの引き出しを持っていると確信させられた。

それにしても,聴衆はほとんどフランス人ばかりだったというのは前回も書いたが,また平均年齢が無茶苦茶高いって感じなのである。もちろん若い人もいたが,私より同年代あるいは年長の聴衆も数多く見られた。こういう年齢層の聴衆がLiebmanの音楽を聞いて興奮しているってのが,何ともいいよなぁと思ってしまった私である。

Lombards この時のライブが開催されたSunsideがあるRue des Lombardsは,ブログのお仲間crissさんが「パリのニューヨーク52番通りみたいなジャズ・ストリート」とお書きになっているが,確かにライブ・ハウスが多数あり,雰囲気のある通りだったので,その写真もアップしてしまおう。このブログでも取り上げたNicholas Folmerがライブ盤を吹き込んだDuc des Lombardsの告知を見たら,ははぁ,出るわ,出るわって感じで欧州系ミュージシャンの名前が並んでいるではないか。Eric Legniniだ,Aldo Romanoだ,Didier Lockwoodだと,場所柄からすれば当たり前なのかもしれんが,妙な感心の仕方をしてしまった。

Sunside しかし,前回も書いたが,パリにあと数日いればPaolo Fresu Quintetが見られたのになぁってのはちょっと残念。まぁLiebmanを見られただけでも満足しなければならないところで,何言ってんだかという声が飛んできそうである。ちなみに前回私がLiebmanを見たのは,これまた出張中のNYCはBirdlandにおけるライブ時だったはずなので,ある意味私ってラッキーなタイミングで出張しているのねぇなんて思ってしまった(爆)。

2010年12月 9日 (木)

出張中に見た映画(10/12編)その3

French_connection 「フレンチ・コネクション("The French Connection")」('71,米,FOX)

監督:William Friedkin

出演:Gene Hackman,Roy Sheider,Fernando Rey,Tony Lo Bianco,Marcell Bozzuffi

機内エンタテインメントのいいところは,新作と並んで,昔の映画が楽しめるところである。私はこの映画についてはDVDも保有しているが,続編だけ見て,本編はそのうちと思っていたような形だった(爆)ので,これをいい機会に久しぶりに見てみることにした。

この映画を見ていて感じることは,ロケーションを多用したスピーディな演出ってことに尽きると思う。ニューヨークやマルセイユの風景が映画では見られるが,私が前者に強く反応することは当然のことである。当時と現在では全く別の場所って感じもしないわけではないが,それでもNYCの雰囲気がぷんぷん感じられるところに,まずは強く反応してしまう私である。

この映画については,地下鉄で逃亡するMarcell Bozzuffiを車でHackmanが追い掛けるシーンが最も有名だろうが,今見ても,このシーンはよく出来ている。どうしてブルックリンでロケがされているのかもなのかもちゃんと理屈が通っているし,このスピード感を生み出した演出は大したもので,このシーンは何度見ても興奮させられる。Friedkinはその後,キャリア的には「エクソシスト」の人気をピークに停滞していくように思えるが,本作での演出(特にこのカー・チェイス)はオスカーにも相応しいと言ってもよいものである。

この映画は,Friedkinの演出やHackmanをはじめとする役者陣の適切なキャスティングもあって,非常にすぐれた映画になったと言えると思うが,中でもFernando Reyのおしゃれなながらもなんとも言えない憎々しさがこの映画の魅力を増していると言えるのではないかと思う。製作から約40年を経ても,そんなに古臭さを感じさせない(もちろん,街の風景は変わっているが...)のも立派。星★★★★☆。

尚,映画の中に出てくるコーラス・グループはThe Three Degreesである。彼女たちの人気は,日本でも結構高かったと思うが,ブレイク前のこの頃の映像を見ても,彼女たちは十分いけていたということがわかる。

あ~,面白かった。

2010年12月 8日 (水)

【速報】Dave Liebmanをパリで聞いた!

Liebman_groupかねてからこのブログでも予告していた通り,今回の出張中に,パリでDave Liebman Groupの演奏が見られる可能性があった。仕事の関係で本当に行けるかどうかは怪しいと思っていたのだが,初志貫徹。Lombards通りにあるSunsideクラブに出掛けて,ちゃんとLiebman Groupを見てきた。

今回は,同クラブ10周年記念のイベントの一環ということだったらしいのだが,キャパは100~120人ぐらいの小さな箱(しかも椅子が異常にきつきつ)なのにまずびっくり。思わず「アケタの店」かっ!とひとりごちた私であるが,そんなところでLiebmanを聞けること自体が幸せと言わずして何と言うべきかって感じである。演奏もコンテンポラリーな感覚とフリーな感覚,そしてコンベンションナルな感覚も持ち合わせた素晴らしい演奏であった。私の前にはでっかいおっさんが座っていたので,Liebmanの姿を眺めるにも苦労したのは事実だが,音楽だけ聴いていても十分に元は取ったと言える演奏であった。とにかくレベルが高いバンドである。

今回演奏を聞いたLombards通りの界隈の姿を含めて,詳細については帰国後に改めてご報告ということとしたいが,今回は「ちゃんと行きましたぜっ」という証拠写真として,日本から持参した"Turnaround"にリーダー含めた4人のサインをもらったジャケの写真をアップしておく。あと数日パリに滞在していれば,同クラブにPaolo Fresuのクインテットも来たのになぁってのは残念だが,それは言いっこなし。今回,Liebmanを見られただけでもよしとしなければなるまい。本当に最高の演奏であった。Liebmanは生に限るとつくづく思ってしまったが,あまりにいい演奏だったので,ドラマーのMarkoに「どうして日本に来ないんだ?」と聞いたら,"Good Question!"と言われてしまった。こういうバンドを呼ぼうという心あるプロモーターはおらんのか!!と毒づきたくなるわ。

しかし,客席が99%フランス人,日本人は多分私だけ(かつ英語をしゃべる客も私の後ろに二人いただけ)という完全アウェイ・モードってのもすごく珍しいことではないかと思う。客席の前列で頭を垂れていた日本人っぽいおっさんがいたことはいたが,パリでジャズを聞こうなんて日本人はやはり少数派ってことなんだろう。それに比べれば,Mont Saint-Michelなんて,完全ホーム・ゲームではないか(笑)。

それでもこんな狭い場所で,Liebmanが聞けて,かつ,あのEric Harlandのライブ盤が吹き込まれたってことに,ジェラシーさえ感じてしまった私はやっぱりオタクかなぁなんて思いつつ,パリのジャズ事情,あなどるべからずと思った私であった。まじで,この場所であのHarlandの演奏を聞いたら悶絶したに違いない。もちろん,Liebmanを聞いて私が悶絶したことは言うまでもないが(爆)。

大いに自慢したくなるような夜である。ありがとう,Liebman!!

2010年12月 7日 (火)

中年音楽狂の休日 in France

101205_1956301_2

今回,珍しく週末を出張先で過ごすことができたので,ちょいと遠出をして,Mont Saint- Michelに行ってきた。私がここを訪れるのは2回目のことである。わざわざ出掛けるのも大変は大変だが,まぁ浮世の義理ってのもあるので行ってきた。往復のバスでの移動距離は約720kmだったそうであるから,当然一日がかりの行程であった。今回は天候がよくなくて,前回のような抜けるような青空というわけにはいかなかったし,一般に同地の写真と言えば,こんな感じでしょうというところからは写真が撮れない(結構事故が多発するので駐停車禁止になったとガイドは言っていたが本当かなぁ...)ということもあって,上のような写真をアップさせて頂く。

Mont_saintmichel_france一般的なMont Saint- Michelイメージというのは右のようなものだろうが,上の写真はそのてっぺん部分を下から撮影したものである。今回,何に驚いたと言って,日本人観光客の多さである。同じようなツアーに参加している私もどうこう言える立場にはないことは承知しているが,それでも,私たちが乗ったツアーでも大型バス2台でびっくりしていたのに,そのほかにもいるわ,いるわ。ランチは名物のオムレツ発祥のLa Mere Poulardの系列店と思しき店の2階だったが,結構広い場所が日本人団体客で一杯なのだ。世界の観光地でも,ここまでってのはあまり見たことがない。Mont Saint-Michelは世界遺産として喧伝されているし,一度行ってみたいと思うのも人情とは思いつつ,ここまでいるとは...。

よって,トイレ休憩で立ち寄ったドライブインのトイレは大混雑。女性が男性用トイレにも押し寄せるという光景をフランスで見るとは想定外の事態であった。言っておくが,こうした事態,キャパシティを考えれば致し方がないとは言え,男性とて小用だけでない人もいるはずで,このような状態で,男性が個室にどうやって入ってよいのかわからなくなるということをあなた方は考えているのかということは,男性用トイレに押し寄せた女性たちには言っておきたい。私がそうだったというのではないが,私がどうしても個室で用を足したいと思っていたのであれば,あれは絶対困るだろう。同じことを男性が女性用トイレでやることは「決して」許されないのに,逆はOKというのは間違いなくおかしいのである。ああいうことができるのはおばちゃんだけだと思っていたが,うら若き女性たちも同じように並んでいたのには本当に驚いた。ああいう人にはセクシャル・ハラスメントという言葉は絶対に使って欲しくないし,使う資格はないと声を大にして言っておく。話が余計な方向へ行ってしまったが,こんなことが起こるのも,本当にこの日本人の多さがある意味で異常だということだと思う。でもやっぱりあれはおかしいし,同じ国民として相当に恥ずかしい。傍で見ていたフランス人もさぞかし驚いたことであろう。「旅の恥はかき捨て」は成り立たないのである。

閑話休題。現地においては,今回も名物のオムレツを食したが,別に大したことはないよなぁと思いつつ,カルバドスは相変わらずのうまさだと思った。日本ではまともなカルバドスを飲むことは至難の業だが,酒好きの私は本来はシードルしか供されないレストランでカルバドスを追加注文,更には帰りのバスの中で,小瓶をちびちびやっていたのであった(爆)。ついでに20年物を土産に買ってしまったが,結構財布には痛かった。あれは絶対料理に使わず,飲むのに徹すると固く心に誓った私である(それがどうした!という声が飛んできそうだが...)。

まぁ,前回に行ったときにも思ったのだが,Mont Sanit-Michelというのは,豪華絢爛な場所ではない。どちらかと言うと渋い場所である。それがこうした物理的な条件のところにあるから珍しいのであるが,それでもここの聖堂や礼拝所は私は結構好きである。むしろ敬虔な気持ちを高めるにはこれぐらいの方がいいのではないかと思うぐらいである。ただ,日本人の皆さんに言いたいが,ああいう場所でフラッシュを使用して撮影するのはいかがなものか。他人の宗教観を無視するような行為は厳に慎むべきではないだろうか。写真撮影は禁止ではないとしても,それは必要最低限のマナーのはずである(また堅苦しくなってしまった)。

私は今回,2度目の訪問ということもあって,どちらかと言うと前回と別の観点でものをながめるということに注力していたが,極端に新しい発見があったとは言い難い。それでも,建築様式を前回よりよく見られたのはよかった。しかし,3回目はないだろうなぁと思ったのも事実ではあるが,結構楽しむことはできたと思う。それでもやっぱり疲れたなぁ。

2010年12月 6日 (月)

出張中に見た映画(10/12編)その2

Hairspray 「ヘアスプレー("Hairspray")」('07,米,New Line Cinemas)

監督:Adam Shankman

出演:Nikki Blonski,John Travolta,Michell Pfeiffer,Christopher Walken,Queeen Latifah,Zac Efron,Amanda Bynes

出張中に見た映画シリーズ第2弾はこの映画である。映画を見た後,なんとも言えないプチ幸せ感をおぼえる映画はあるが,この映画等はその最たる事例ではないか。他愛がないと言えばその通りであり,ケチをつけようと思えば,なんぼでもケチはつけられる。それでも,この時代にミュージカル映画っことも珍しいこともあるし,笑えるキャスティングもあって,私は大いに気に入ってしまった。そして音楽も楽しめるしねぇ。オリジナルはJohn Watersの88年作品であるが,そちらのキャスティングを見るとそちらも見たくなってしまった私である。

ストーリーについては多言は無用であるが,60年代前半の米国の世相を映したという意味では,そんな感じだったのかなぁとも思えるし,人種のIntegrationってのはもう少し後だったんじゃないかと思ったりもしながら,結構ホロっとさせられる部分もあって,そういう意味でも楽しめる映画である。何かと,John Travoltaの特殊メイクが話題になっていたと思うが,あのサイズの役者がいないから特殊メイクにしただけだろうという皮肉な見方も可能である。よって,別にTravoltaでなくてもいいのだが,それでも笑える怪演という評価が適切であろう。私がもっと笑ったのはChristopher Walkenである。どちらかというと神経質で,粘着質的な役柄が多いという印象が強いWalkenが笑える父親役に徹していて,私には大受けであった。

そして,ロカビリーとソウルの世界をうまく折衷させた音楽が秀逸で,音楽が評価できるものであれば,ミュージカル映画としてはほぼ成功が約束されたようなものである。とにもかくにも,ノスタルジーをくすぐりつつ,大いに笑わせてくれたこの映画は,機内エンタテインメントには最適なものと思えた。だからと言って,また見ようという気にはなかなかならないが,楽しめる映画であったことは間違いのない事実である。星★★★★(本音ではあと半星おまけしたいぐらいである)。

ちなみにオリジナルで最も気になるのは,リメイクではQueen Latifahが演じた役をRuth Brownが演じているってことであろう。これは気になるよねぇ。

2010年12月 5日 (日)

想定外の素晴らしさ:Toots Thielemansのライブ盤

European_quartet_live_2"European Quartet Live" Toots Thielemans(Challenge)

久々の音楽ネタ。

本作はToots Thielemansが欧州のミュージシャンと吹き込んだライブ・アルバムである。だからリーダーのTootsも含めてEuropean Quartet。わかりやすいねぇ。録音は2006~2008年に渡っているが,メンツが同じこともあって,一貫性は保たれている。

それにしてもである。Toots Thielemansは1922年生まれだそうだから,直近の録音である2008年の時点でも既に86歳だったことを考えると,この演奏のレベルは凄いと言わざるをえない。実を言うと,私は大して期待して本作を買ったわけではない。購入の最大の理由は「安かった」からなのである。しかし,これが私の期待をはるかに上回る見事な出来であった。こういうのを嬉しい誤算と言う。

Hank Jones亡き今,ジャズ界の最長老の一人となったTootsがこうしたレベルを維持していること自体がそもそも驚異的である。冒頭の"I Love You  Porgy"から泣かせるリリシズムを聞かせたと思えば,"All Blues"を思わせるようなアレンジで演奏される"Summertime"ではそうしたリリシズムだけでなく,力強さを聞かせるところにまたまた驚かされるのである。

このアルバムのいいところは,そうした演奏のよさもさることながら,その選曲の素晴らしさである。特に私がしびれてしまったのが「真夜中のカーボーイ」のテーマである。このJohn Barryが書いた素晴らしいメロディ・ラインを紡ぐThielemansのハーモニカには心底しびれた私である。オリジナル演奏もTootsによるものだが,私はここでの演奏をより強く支持する。こういう曲/演奏を出張中の外地で聞くと,普通に日本で音楽を聞いているのとは別の感慨を生むから不思議だが,これはまじで心にしみた。

バックも好演である。ピアノのKarel Boehleeについては,彼のリーダー・アルバムを酷評したことがある(記事はこちら)が,プロデューサーが違えば,あるいはリーダーが優れているとこれほど違うのかと思わせるほどの大きな違いである。なんてたって酷評したアルバムと,ここでのバックのトリオのメンツは一緒なのだ。なぜこんなに違うのかと私が思ってもそれは仕方がないことなのである。逆に言えば,Tootsがいかにリーダーとして,彼らを統率しているかと考えることも可能ではあるが,彼ら(特にBohelee)に対して,やりゃできんじゃんと言わざるをえなかった私である。

いずれにしても,こんなアルバムが1,000円ちょっとで買えるって,ある意味凄いことである。というより,これは買って決して損はしないと言っておこう。これからもTootsが元気で活躍してくれることを祈る意味も含めて星★★★★☆。本当に心にしみるのである。

Recorded Live in 2006, 2007 & 2008

Personnel: Toots Thielemans(hca),Karel Boehlee(p, synth),Hein Van de Geyn (b),Hans van Oosterhout (ds)

2010年12月 4日 (土)

W杯開催地決定の日に...

101202_222759_22018/22年のW杯開催地が決定した。はっきり言って,今回の日本の招致に関しては,インターバルが短か過ぎるって誰もが考えていたはずだ。なぜ,このタイミングだったのかというのは,明らかに批判を浴びても仕方あるまい。

今回,22年の開催地がカタールになってしまったから,26年,30年のアジア開催はないだろうということになれば,2034年には間違いなく中国が立候補するはずであり,あと24年もあれば中国と言えども,インフラも整備されるだろうから,強力な候補地になるのは明らかである。ということで,日本の出番はそう簡単には来るまい。私が生きている間に,再び日本で開催されることは,かなり難しいのではないかと思えてくるが,今回もタイミングに加えて,FIFAに理事を送り込んでいるという理由だけで,他国に訴求できると思っていること自体が間違いなのである。

一方,私は開催地決定の日に,同じく招致をしていたイングランドにいたわけであるが,写真は,その発表時にイベントが開催されるロンドン市庁舎前である。これは会社のオフィスから撮ったものだが,この頃はまだメディアが集まり始めている頃で,まだ人影はまばらだが,この後人がどんどん集まってきて,寒風吹きすさぶ中,お祭り騒ぎをしていた。あいにく,発表の瞬間には私は移動していたのでその時は見逃したが,イングランドの失望ぶりは大きかったのではないかと思う。David Beckhamも送り込んで活動していたイングランドを,私は日頃からひいきにしているので,今回も頑張って欲しかったが,残念な結果となった。結局のところ,未開催地が選出される可能性がどんどん高まっていることを裏付けているだろうから,まぁ仕方あるまい。

それにしても,Tower Bridgeと全く調和の取れていないこの市庁舎,何とかならんものかねぇ。ちなみに白く見えているのは雪である。

2010年12月 3日 (金)

出張中に見た映画(10/12編)その1

Airbender 「エアベンダー("The Last Airbender")」('10,米,Paramount)

監督:M Night Shyalaman

出演:Noah Ringer,Dev Patel,Nicola Peltz,Jackson Rathbone,Shaun Toub

毎度おなじみ出張中に見た映画シリーズである。今回は,往路で4本見たが,頑張ればもう1本見られたって感じである。さすがに欧州便のフライトは長い。ちなみに,そのうちの1本は「インセプション」をもう少し納得するために見たものなので,新たに見たのは3本である。「インセプション」については,仕掛けを理解した2回目の方がまだある程度,意図は理解できるレベルにはなったと思うが,それでも謎はまだ残存している。特に冒頭,及び後半に出てくる歳を取った渡辺謙をどう解釈するのかが私の中では課題として残っている。まぁ,それはさておきである。

世の中には色々なファンタジー映画があって,これもそうしたタイプの映画の1本であるが,これは金は掛かっているのに,完全な失敗作に終わった作品と言えるだろう。製作者側では,続編の製作を前提として作品を作っているが,興行成績も製作費を回収できていない状況では,続編はないままに終わる可能性も大だろう。監督であるM Night Shyalamanが私財を投じて製作するというオプションはあろうが,現状では厳しかろう。

何がダメか。とにかくストーリーの展開が遅々としていて,私は何度も"Elapsed Time"を確認してしまったのであるが,更に,上映時間が比較的短いのはいいとしても,明らかにストーリーを詰め込もうとし過ぎていて,消化不良の部分が大いに残るのである。よって,CGやVFXを駆使して何とかしようとしても,こればかりはどうしようもないし,登場してくるいろいろな「国」の関係性も,理解できないことはないとしても,どうにも説明不足。オリジナルはTVアニメだそうだが,それを無理やり実写版の映画にしようとしたものとしか思えないのである。これはShyalamanが趣味で作ったものだろうが,それにしてもこれではだめだろう。真面目に作ろうとするところに,また無理が重なって,更に自分の首を絞めてしまったと言える。

私のようにShyalamanの映画を見たこともないし,思い入れもない人間にとっては尚更である。飛行機の中で子供に見せるにはそこそこいいだろうが,私のようなオッサンが見る映画ではない。はっきり言って駄作である。星★。

2010年12月 2日 (木)

中年音楽狂 in Spain

久しぶりにスペインにやってきた。しかし,今回の滞在時間は24時間未満で,今回の滞在先も空港そばのホテルである。仕事が終われば,すぐにロンドンに飛ばなければならないというのは相当もったいない気もするが,これも仕事だから仕方がない。せっかくここまで来ながら,マドリッド市内でイベリコ豚も,バルでの魚介のつまみも食す時間がないというのもなんだかなぁ。

しかも,今回はここまで来るのに,ロンドンで乗継便がディレイした上に,乗った後も機内で1時間近く動かないままだったのではないか。「ではないか」と言っているのは,睡魔に勝つことができず,機内で熟睡モードに入っていたため,そこで何が起こっているのか全く認識していなかったからである(爆)。あの止り方は,空港周辺に雷雲でもあったのではないかって感じであるが,真相は藪の中である。しかし,睡魔に勝てなかったのも,ドア・トゥ・ドアでマドリッドのホテルに着くまで24時間要しているのだから仕方があるまい。あとは成田~ロンドン間で飲み過ぎた効果が一気に出たような気もするから自業自得だが...。

いずれにしても,熱帯のジャカルタから,小春日和のような日本を経由して,今回到着した欧州は結構寒かった。ロンドンなんて小雪が舞っていたしなぁ。体調維持も心配される今回の出張である。それにしてもまじで体がもたないよなぁ。

2010年12月 1日 (水)

ロンドン・トランジット中

マドリッドへの道すがらロンドン・トランジット中。日本は夜中だからさすがに眠い。続きはマドリッドから。

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