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2010年11月15日 (月)

これは相当いい:Eric Harlandの初リーダー作

Voyager"Voyager: Live by Night" Eric Harland (Space Time)

おそらくはダウンロード音源としての流通を考えていたのではないかと思われるアルバムである。元々はiTunesでの流通がかなり早かった(8月ぐらいには出ていたようである)はずだが,現物まで発売されたのは,おそらくiTunes上での好評があったからではないかと勘繰っている私である。皆さんがご指摘のように,レコーディングとしてのクォリティは必ずしも高くないところもそう思わせる一因なのだが,そんなことはさておいてもこれは楽しめるアルバムだと断言できる。ぶっちゃけ言ってしまえば,リスナーを燃えさせることができる作品であり,これで燃えないで,何を聞いて燃えるかと言っても過言ではない。

既に本作については,ブログ界でも話題騒然という感じだが,私がひいきにするBrian Bladeを筆頭として,先日取り上げたAntonio Sanchezといい,このEric Harlandといい,最近は優秀なドラマーとしてだけでなく,リーダーあるいはトータルなミュージシャンとしての資質を感じさせるドラマーが増えてきたように思える。もちろん,Eric Harlandは様々なアルバムで,プッシュするところはプッシュし,抑制すべきところは抑制するという優れた演奏スタイルを示していたわけだが,リーダーとしてもここまでいけていたというのは私の想像をはるかに上回るものであった。

本作は,Harlandのバンドによるパリでのライブの実況だが,これが現代ジャズをもろに体現するような演奏の数々で全く嬉しくなってしまう。私はAntonio Sanchezのアルバムを評価しながらも,絶賛はできなかった(記事はこちら)のだが,本作はSanchez盤を上回る評価に値する作品だと聞いた。何がいいかと言えば,演奏のスリルは維持しながらも,決して一本調子にならず,演奏としてのメリハリがあることである。インタールードとして挟み込まれる"Intermezzo"3曲によって,そうしたメリハリがはっきりしたようにも思える。私は曲名をチェックしながら音楽を聞くタイプではないのだが,どうもそのように聞こえるのである。そういう意味では,ライブ盤ではありながら,よく考えられた構成ではないかと思えるのである。

いずれにしても,この演奏が単調に陥ることなく,緊張感を持続させつつ,素晴らしい演奏を聞かせているところは本当に大したものである。テナーのWalter Smith IIIにしても,ギターのJulian Lageにしても,更にはピアノのTaylor Eigstiにしてもレベルの高さを十分感じさせる演奏である。ベースは初めての人だと思うが,もう少しミキシング・レベルを上げてもらわないと,よくわからないかなぁと思いつつ,プレイには全く問題がない。やはりプレイヤーの層が広いと思わざるをえないような出来である。今年はストレート・アヘッドなジャズに,結構ハイブラウで優れた作品があったが,この作品もそれらに勝るとも劣らない作品。

とにもかくにも,これでEric Harlandからますます目が離せなくなったと言ってよいであろう。星★★★★☆。

Recorded Live at Sunside Club, Paris on October 19-22, 2009

Personnel: Eric Harland(ds), Walter Smith III(ts), Julian Lage(g), Taylor Eigsti(p), Harish Raghavan(b)

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コメント

これ、、リンクしてる皆さまに既にきてますよねぇ。。

私は、通販先を、、まじったわけね。。。(くっそォ。。)

いや~、このアルバムはいいですねえ。特に彼がプッシュしまくる場面は聴いていて気持ちがいいです。それでいて抑えにかかっていて内省的な場面もあって、おっしゃるとおり、構成がけっこう練られていたのかもしれません。

TBさせていただきます。

すずっくさん,こんばんは。たまには行いのよいすずっくさんでもそういうことがあるのねぇ(笑)。なぁ~に,すぐ来ますって。でもいいでっせ,これ。

910さん,TBありがとうございます。

これは聞けば聞くほどいいと思います。これだけの演奏をするバンドだったら,生で見てみたいですね。無理ですかね,日本では。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

Ds,Ts,Gの3人の掛け合いが強烈なのが印象的で、ライブの熱さをしっかり閉じこめた好盤ですね。
おっしゃる通り、聴きながら燃えてきます。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,TBありがとうございました。

この作品はヒットですね。音なんて気にならないぐらい燃えてしまいましたから。やはりHarlandという人,侮れません。リーダーとしてもいけているというのが,最近の優れたドラマー像なのかもしれませんね。

中年音楽狂さん、こんばんわ。

ジャカルタから戻った早々、今度は欧州とは、体力ありますね~。お体には十分お気を付けください。

僕もサンチェスよりハーランド派です。サンチェスもめちゃくちゃ上手いですけどね。


あき竹城( 笑 ) のバックで参加しているあれもハーランドのソロ凄かったですよね.

ということでTBさせていただきます。
中年音楽狂さんの記事のリンクをいつものように貼り付けさせていただきます。

では、また。

crissさん,続けてこんばんは。

私はSanchez盤も認めながらも,今回のアルバムの一本調子な感じがどうも気に入らなかったのですが,このHarland盤は大変よくできていたと思います。

いずれにしても大したものですよね。あき竹城盤(笑)も悪くはなかったですが,やはり暴れっぷりにはやや遠慮が感じられましたよね。このアルバムは,そういう意味では非常によかったと思います。

一昨日から昨日にかけて爆弾的な低気圧がきていたのですが、外はそんな中でこの作品を聴いてました。燃えさせてくれますねぇ。
Antonio Sanchezのスタンスと比べると、ともに最高峰ではあるものの面白いなぁと感じました。個人的にはこっちのが直接的で好きになりましたね。TBさせていただきます。

とっつぁんさん,こんにちは。TBありがとうございます。現在,ロンドンの空港のラウンジで飛行機を待っています。

このアルバム,ドラマーのアルバムってことで,ついついAntonio Sanchezと比較してしまいますが,私は間違いなくこっちの方が好きでした。

出張中なので,なかなか音楽関係の記事が書けませんが,パリでDave Liebmanが聞きに行けることだけを楽しみにしています。

ちなみに,今,iPodではArt Blakeyの「バードランドの夜」が流れています。精神を高揚させるにはHarland同様いいですねぇ(笑)。追ってこちらからもTBさせて頂きます。

中年音楽狂さん、これは確かに凄いアルバムです。
いつも思うのは、この手の最先端のアメリカのジャズを聴くと、今まで聴いていたものが飽き足らなくなってしまうというジレンマ。
そういう意味では取扱要注意の爆弾のようなアルバム。
そのうち体力無くなってまたイージーなアルバムに戻るというパターンを繰り返してます。。
でもライブは1度、見てみたい気もしますね。

madameさん,TBありがとうございます。

確かにこの激しさってのはかなりのもんでしょう。ただ,刺激を求める人間にとってはこれはいいですよねぇ。

ライブは,是非この人がリーダーのバンドでも聞いてみたいですし,バックで叩くってのも聞いてみたいものです。でも,今の気分は前者かもしれません。

TBありがとうございます。
コメントの多さにびっくり。
音質は悪いのですか!
apple musicがこのような盤へ聴者を誘導する、って凄いなあ、と改めて思いました。

kenさん,こんばんは。TBありがとうございます。

このアルバムはブログのお知り合いの皆さんには受ける音なんだと思います。コメントの多さはその表れです。録音はイマイチですが,演奏は折り紙つきですね。

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