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2010年11月 7日 (日)

分厚い音の中から聞こえてくるBryan Ferry

Bryan_ferry_olympia"Olympia" Bryan Ferry (Virgin)

これは久々のBryan Ferryによるオリジナル・アルバムである。前作はBob Dylanのカバー集(記事はこちら)だったから,オリジナルとしては2002年の"Frantic"以来ということになる。大体,前作からも3年半以上が経過しており,本当に久しぶりって感じである。

それでもって,この新作だが,ジャケットのKate Mossのポートレートを見ただけで,おぉっ,Roxy Musicかっ!と思ってしまう(余談だが,ブックレットの中のKate Mossの白黒のポートレートは無茶苦茶綺麗である)が,音を聞くと実は結構びっくりさせられる。バックの演奏が相当分厚くて,その中からFerryのヴォーカルが浮かび上がるような感覚なのである。例えはちょっと違うかもしれないが,Phil Spectorの"Wall of Sound"のように感じてしまった私である。もちろん,全編を通してこういう感じなので,これが意図的なものであることはわかるのだが,これには最初は戸惑ってしまった私である。しかし,何度か聞いていると,これも結構ありなのかなと思えてくるところが不思議なところである。

とにかく,参加しているミュージシャンの質量を見れば,Bryan Ferryという人の英国音楽界におけるポジションが見て取れるようなものになっているが,The Bandとクレジットされたコア・メンバーだけでもギタリストが3人もいるのだから,音が分厚いのは当たり前である。そこにゲストとして加わるのがGilmour,Manzanera,Greenwood等だし,EnoやらレッチリのFleaまで加わるという重量級メンツと言ってよい。

サウンドは良くも悪くもブリティッシュって感じであるが,例えばFerryでは"Boys & Girls"のような作品が好きだとすると,この作品はかなり雰囲気が違うので,受け入れられ方も随分変わってくるのではないだろうか。私も最初はピンとこなかったのだが,徐々によくなってくる感じなのである。しかし,このサウンド・プロダクションはやはり違和感があって,ここまでやらなくてもいいのではないかと感じるのも一方では事実である。私はもっとシンプルなバックでも十分魅力的な演奏になると思うのだ。ある意味装飾過剰なのである。そうしたところは個人的には減点対象となるのだが,最後に収められた"Tender is the Night"をしっとり聞かされてしまうと,Ferryはこういうのがいいねぇと思わざるをえない。ここにAttractionsのSteve Nieveを連れてくるところがFerryの趣味の良さっていうやつなのである。

ということで,非常に評価の難しいアルバムだとは思うのだが,少なくともBryan Ferryが新しい音に取り組む姿勢は衰えていないことは感じられるアルバムだと思う。そういう点はある程度評価しなければならないと思うので,星★★★☆。でもやっぱり微妙である。

Personnel: Bryan Ferry(vo, p, key), Oliver Thompson(g), Nile Rogers(g), David Williams(g), Marcus Miller(b), Tara Ferry(ds), Andy Newmark(ds), Frank Ricotti(perc), John Monkman(electronics), Seweuse Abwa(vo), Hannah Khemoh(vo), Aleysha Gordon(vo) with David Gilmour(g), Phil Manzanera(g), Neil Hubbard(g), Dave Stewart(g), Johnny Greenwood(g), Chris Spedding(g), Steve Nieve(p), Brian Eno(synth), Flea(b), Andy Mackay(oboe) and others

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コメント

こんばんは。
DYLANESQUEの時にコメントさせていただいたものです。前回のはかなりシンプルで気骨ある演奏をバックにしていましたが、今回のはかなり作りこんだ音になっていますね。やはりオリジナルだとこうなってしまうのではないでしょうか。確かにBOYS & GIRLSとは違った音作りになっていますが、これはこれで気に入ってます。MAMOUNAでのくぐもり音を取ったような感じでしょうか。

鯉三さん,こんばんは。大変ご無沙汰しております。

私も嫌いじゃないんです。聞けば聞くほどハマっているのは間違いないんですけど,記事にも書いたとおり「装飾過剰」のような気がします。シンプルでもいい歌を聞かせられることがわかっているだけに,今回はちょっと微妙でした。

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