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2010年11月 1日 (月)

これで納得したAvishai Cohen

Avishai_cohen_tp"The Trumpet Player" Avishai Cohen(Fresh Sound New Talent)

先日,Avishai Cohenの "Avishai Cohen Introducing Triveni"をこのブログで取り上げた時(記事はこちら)に,私がこの人の実力は認めながらも,いかんともし難いフラストレーションを感じていたことのは行間のみならず,記事そのものかも読み取れたかもしれない。だが,それはブログのお仲間の取り上げ方からの期待値の高さを示していたと思うのだが,それでも私には完全に納得できる出来だったとは思っていない。

その記事を書いた際にもいろいろな方からコメントを頂いたり,私からコメントをさせて頂いたりというのがあったわけだが,Cohenに関しては,どうも"Triveni"だけを聞いてわかったような気になっているだけでは駄目だというは私でもわかった。結局のところ,Avishai Cohenというトランペット・プレイヤーの本質は最新作ではなく,今日取り上げるアルバムでなければ捉えきれないということらしいのである。信頼する皆さんからそこまで言われてしまうと,いかに私がこのアルバムのジャケが気に入らない(何とも不思議な,キッチンで胸毛を出しながら,ラッパのバルブをタオルで拭く姿という構図を誰が喜んで見たいというのだろうか???)とは言え,音だけは聞かざるを得ないと感じてしまったのである。よって,ジャケのセンスのなさは別にして,取り敢えずこのアルバムをゲットしたのである。

それでもってCDをプレイバックしてみると,なるほど,確かにこちらの方が絶対いいだろうと思わせる出来である。逆に言うと,私は本作よりも"Triveni"を先に聞いておいてよかったと言えるのではないかと思えるのである。もし,私がこの作品を聞いて,Cohenを評価した上で"Triveni"を買っていたとすれば,その落差への失望感ははるかに大きかったのではないかと思えるからである。本作を聞かないでCohenを聞くのと,知った上で聞くのではあまりに違いが多き過ぎると言っても過言ではあるまい。

本作と"Triveni"の違いは何だったのかと言えば,私は実はミキシングのバランスではなかったのかと思える。"Triveni"はある意味ではCohenのワンマン・ショー的だが,本作はベース,ドラムスとのインタープレイに主眼が置かれているっていう感じがするのである。新作でのドラマー,Nasheet Waitsはいいドラマーではあるが,本作のドラマー,Jeff Ballardに比べると,フロントを煽る感覚にはちょっと欠けているように聞こえるのだ。多分,実力的なBallardもWaitsも変わらないところで,何が違ったかと言えば,リズムの音の質感だろう。煽られることによる切迫感はWaitsとの演奏からはそう強くは感じられないのだが,Ballardからはそれが感じられるのである。それはWaitsの責任ではなく,私にはミキシングの影響が大きいように思えるが...。

こうした違いが,私の中で本作をより高く評価させる要因になっていると思うが,いずれにしても私はこの作品ならもっとCohenを評価してもいいと断言できる。この全編に渡る緊張感の維持は容易でないことはほとんどのミュージシャンが理解できるはずだが,初リーダー作でここまでやってしまったというのは,ある意味では異常だ。そうした意味で,私はこのアルバムは高く評価することに異存はないのだが,本作がより多くの人から評価される理由となったのはJoel Frahmの存在ではなかっただろうか。Frahmのテナーが持ち込んだ異分子感が,この演奏の緊張感を高めたのは間違いないところである。Frahmってこんなにいいテナーだったかなぁなんて思わせる部分もあり,そういった要素を含めて,私としてもこのアルバムは高く評価したいと思う。そして,絶対こっちの方が作品としてはよいと断言してよいはずである。星★★★★☆。

ということで,ブログのお仲間の皆さんからも,このアルバムを聞くように勧められたわけだが,持つべきものはこうした審美眼を持った方々のアドバイスって感じである。ありがとうございました。

Recorded on November 25, 2001

Personnel: Avishai Cohen(tp), John Sullivan(b), Jeff Ballard(ds), Joel Frahm(ts)

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ジャズ(2010年の記事)」カテゴリの記事

コメント

ジャケットはFSNTらしく、どうもセンスが今ひとつな感じですけれども(海外の人が見ると違うかもですが)、今回出た新作「Triveni」も、私はこのアルバムを期待して買った部分もありました。やっぱりこちらの方が基準になってしまいます。

新作もけっこう良かったとは思うのですが、どっちを取るかとなると、個人的には「The Trumpet Player」の方になると思います。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。皆さんがこのアルバムに言及される理由は今回よくわかったと思います。

こういうことがなければ,私とAvishai Cohenは一生接点がなかったかもしれません。そういう意味では皆さんに感謝しなければなりませんね。ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

逆に言うと、皆この盤の呪縛から逃れられずAvishai Cohen(Tp)を聴き続けて(いなくても、期待感を持って)いると言うことなんじゃないかと思ってます。

最初に大ヒット作を作ってその後が続かないと、かなり苦労するような話は歌謡界でも聞きますが、そんな状況に陥っているような感じも..

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,おはようございます。TBありがとうございます。

確かに歌謡界における「一発屋」になりかねない部分ってあるのかもしれませんね。まぁ新作は皆さんの間ではまずまずの評価みたいですから,「一発屋」の称号は受けずに済んだのかもしれませんが。

まぁ,でもこれを聞けば,皆さんがはまるのはよくわかりました。

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アヴィシャイ・コーエンというと、チック・コリアのバンドにいたベーシストを思い出す [続きを読む]

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アビシャイコーエンさん。同姓同名で2人いまして 2005/08にベーシストコーエンさんについては、ちょろっと紹介してますが 今日は、トランペッターのコーエンさんです。 The Trumpet Player (http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1950605)というアルバムなのですが これが、凄い凄い。 「まだまだ、凄い人いるのね」とこれからのジャズに期待を持ったのは、この人聴いてからと言っても 過言ではない というくらいに凄..... [続きを読む]

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