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2010年10月 4日 (月)

「中年音楽狂が一肌脱ぐ」シリーズ:今度はWes Montgomeryだ!

Wes_montgomery "Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery" Wes Montgomery(Riverside)

「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするシリーズ,第3弾。今回はギターである。私もギタリストのはしくれだが,Wesのギターを聞いていると,もともとへぼな私の腕とはそもそも出来が違うと思わされてしまい,ギターを弾くのをやめたくなってしまう。Wesは読譜ができなかったらしいが,そんなことはジャズを演奏するということには全く関係がない。まさにタイトルに偽りなし。「驚くべき」で「信じ難い」ギター・サウンドである。個人的にはWesの最高傑作は怒涛の盛り上がりを含めて"Full House"だとは思うが,それに十分比肩しうるアルバムとして,今回は本作を取り上げることにした。

知っている人にとっては常識であるが,記事の趣旨からしてWesの奏法についてちょっと触れておいた方がよいだろう。Wesの奏法の特徴として,ピックを使わない点と,オクターブ奏法が挙げられるが,ピックを使わず,親指の腹の部分で弦をはじくことによって,非常にソフトな音色が得られる。ただでさえ,Gibsonのフルアコの質感溢れる音が,ピックを用いないことで,すぐにWesとわかる音になっていることがまず素晴らしい。次に,オクターブ奏法は1オクターブ離れた2音を同時に鳴らすこと(ユニゾン)によって,特殊なサウンドを得るものである。例えば3弦5フレットのCの音と1弦8フレットのCの音を同時に鳴らすのだが,その時2弦は3弦を押さえる指でミュートして,余計な音を消してしまうという技である。それだけならまぁ私でもできるが,その奏法を維持しながらフレージングを作り出していくとなると,多少はできても,Wesのようなフレーズはとても私には無理である。更にそれを発展させたようなコード奏法まで飛び出すと,まさしく目が点になる。いずれにしてもWesが出てきたときの業界の驚きは想像するに難くない。とにかく凄いのである。こういう特殊な奏法ゆえに普通のギターの構え方では弾けないのも当然で,Wesのビデオ(短い演奏だが,下のYouTube画像参照)を見るとなるほど,こうやって弾いているのかというのがわかる。座ったまま,ギターを若干傾け,右手は親指以外の4本の指でポジションをキープする役割を果たしているように見える。私の場合,カッコだけ真似しても,絶対あの音やフレーズは弾けない(当たり前だ!)。いずれにしてもめくるめくような左手の動きを注視願いたい。

本作はギター+ピアノ・トリオの形態であるが,意図されているのはWesのギターをワン・ホーンに見立てた演奏ということではないかと思う。とにかくWesの技をきっちり捉えるようにプロデュースされているように感じられるのだ。冒頭のSonny Rollins作"Airegin"を聞いただけで,松田優作ではないが,「何じゃこりゃ~!」と叫びたくなる。とにかく冒頭からスリリングな展開である。私の場合は,Wesではこういうスリリングな演奏が好きだが,それに限らず,ブルーズでもバラッドでもOKである。こうした器用さが後のA&Mでのイージーリスニング路線に活きてきたのではないかとも思える。いずれにしても,全編,Wesの技のショーケースと言ってよい。ギターを弾かない人にとっては,よくわからないかもしれないが,少しでもギターを弾いたことがあれば,それがいかに凄いことかが一瞬でわかってもらえるだろう。

だが,Wesが本当に凄いのは,それが決してテクニック至上ではなく,音楽性がそもそも優れていて,技がその音楽性を更に光らせるという点にある。それは,ごく当り前のように弾いているWesの映像を見ればよくわかることだ。ジャズ・ギタリスト数々いれど,後世のミュージシャンへの影響力という点で,Wesを上回る人はいないと言っても過言ではないだろう。Wesのアルバムが全て素晴らしいとは思わないが,当然のことながら本作と"Full House"に関しては星★★★★★以外にありえない。本当に"Incredible"なのである。

Recorded on January 26 & 28, 1960

Personnel: Wes Montgomery(g), Tommy Flanagan(p), Percy Heath(b), Albert Heath(ds)

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コメント

今晩は!彼のアルバムは2枚持っておりますが、これは聞いたことがありません!またまた検討ですhappy01
ところでスタンゲッツは落札しました!聞くのが楽しみです!

takeotさん,こんばんは。落札おめでとうございます。

Wesはどのアルバムをお聞きになったのかわかりませんが,本作も十分ご検討に値すると思いますよ(と言って煽る私)。YouTubeの映像で聞かれる演奏も結構いいですけれども,それよりずっと楽しめます。

こんばんは

音楽狂さん
たくさん 脱皮してくださって嬉しいです(笑)

昔 ラジオJ-WAVEで “拝啓 ウエス・モンゴメリ-さま…”っていうCMがあって
どんな人なのかなぁと気になって
ちょこっと聴いたことがあります。

そして 最近『SO MUCH GUITAR!』を購入して かっこいいなぁと思っていました。
独特のギターの音色が素敵ですよね♪

ご紹介のアルバムも いつか 聴いてみようと思います。

読むと買いたくなる音楽狂さん、危ない危ない、持ってました(笑)。まさしく歌心のお手本的な盤という印象です。歌うための技術ですがこれでもまだ余力を残している感じを受けてしまいます。これ以上は必要ないぜ、という余裕。本当にインクレディブルな人が出来る芸当なんでしょうね。タイトルぴったり!

マーリンさん,こんばんは。「脱皮」っていうのは微妙です...。

Wesの別のアルバムを既にお持ちだったとすれば,次が難しいなぁなんて思います。それでも続くか続かないかは私だけが知っているんですけど(笑)。

ki-maさん,ダブり買いはショックが大きいですから気をつけて下さい。とか何とか言いながら,私は先日,Getzの"The Sound"を2枚持っているのを発見してショックを受けた私ですから,何のこっちゃですが(爆)。

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