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2010年10月22日 (金)

Ketil Bjørnstad:相変わらずの穏やかさと美しさ

Ketil_bjornstad_2 "Remembrance" Ketil Bjørnstad(ECM)

このアルバムがリリースされたのは今年の梅雨入り前のことだったと思うのだが,記事にするのに随分と時間が掛かってしまった。しかし,このアルバムを聞いていると,梅雨時や今年のような猛暑の中で聞く音楽ではないように思えてきて,「積んどく」状態にしておいて,逆に正解だったのではないかと思いたくなる。この静謐で穏やかな音楽は,まさに深まりゆく秋や,これからの冬にこそ相応しいように思えるからである。

ここに収められている音楽を聞いていると,どこまでが記譜で,どこからがアドリブなのか分からなくなるような感じである。少なくともBjørnstadのピアノからは,ほとんどアドリブ的なものは感じられない。Brunborgのテナーも熱くなる瞬間は皆無と言ってもよいので,全部記譜されたものだと言われてもそうかもなぁと思ってしまっても仕方がないような演奏である。その中で,異彩を放つと言うか,一人でジャズ的なセンスを放出しているように思わせるのがChristensenのドラムスである。明らかにほかの二人とは違うアプローチである。

だが,ChristensenとBjørnstadは長い付き合いであるし,ここでのChristensenの演奏は意図的なものと言えるのではないかと思える。つまりは静謐な演奏の中に,若干のテンションを持ち込む役割を果たしているのではないだろうか。ピアノとテナーだけを聞いていれば,ヒーリング・ミュージックだと言われても仕方がないような響きの中にスパイスとしてのChristensenがうまく効いていて,かろうじてジャズの領域に踏みとどまったと言えるとともに,静謐でもちゃんと聞ける出来になったと思えるのである。これぞ長年の付き合いによる「あうんの呼吸」ってやつだろうか。そうは言っても,一般的な感覚ではちっともジャズ的に響かないところがECMレーベルらしいと言えばその通りだが...。

いずれにしても,Bjørnstadの美しいピアノはここでも健在であり,本当に安心して聞くことができる。こういう演奏を耳にして,Bjørnstadの旧作も引っ張り出して聞きたくなってしまった私であった。Bjørnstadの音楽は大体どれを取っても美しいものではあるが,これからの季節,しんと静けさを放つ雪国などでこういう音楽を聞くと尚更よさそうである。このあたりが北欧のミュージシャンって感じなんだよなぁと今更ながら思ってしまった。星★★★★。

Recorded in September 2009

Personnel: Ketil Bjørnstad(p), Tore Brunborg(ts), Jon Christensen(ds)

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ジャズ(2010年の記事)」カテゴリの記事

コメント

やっぱりこれを聴くのは、今時分の秋のあたりが、北欧の気候と照らし合わせて、いいのだな、と思います。聴く季節によっても感じるサウンドの色合いが違うのが、自分の聴いた6月の文章を読んでみて、思いました。

でも、一般的なジャズではないので、やはり北欧ファンかECMファンには、という限定つきなのかなあ、なんてことを思っています。

TBさせていただきます。

910さん,こんにちは。洋服にも秋冬物や夏物があるのと同じ感覚と言っては変ですが,じめじめとした梅雨や,酷暑には似つかわしくない北欧らしいサウンドってところでしょうね。

このアルバムは結構好きでした。ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

とらばしっぱなしで、すみません。

夜中にコメント入れよーと思ってたのですが、ねちゃいました。m(__)m
お疲れなもんで。呑みすぎではありません。


これ、わたしも夏前に聴いたときは、悪くないけど、くらいでしたん。
秋風ふきはじめたら、すごく自然に心にとどきました。で、わたしも改めてヨンクリさまのセンスのよさをかんじました。

すずっくさん,こんばんは。問題ないですよん。

これを梅雨時や猛暑時に聞いていたら,全く違った感慨があったんだろうと思います。そういう意味では,本当に聞かずに放置しておいたのが,結果的にはよかったってことになるでしょうねぇ。

Christensenがセンスがいいのか,実はBjørnstadが確信犯的にやっているのか分からない部分もありますが,これはやっぱりナイスなあるばむですよね。

知り合いがこの世で一番Ketilが好きなので、検索しているうちにここに来ました。読ませて頂いて、また聞きたくなりました。
Remembrance1と3は、とても思い入れのあるライブで演奏しました。クラリネットとベースとピアノのトリオでした。

広江彩子さん,はじめまして。コメントありがとうございます。

「この世で一番Ketilが好き」なお知り合いというのはなかなかに珍しいという気もしますが,独特の美しさには魅かれる人がいても当然ですよね。

彼らのライブをお聞きになってということだと拝察致しますが,それもまた稀有な体験という気がします。私は彼らの音楽はCDを通じてしか聞いていませんが,ライブならではの違いもきっとあるのではないのかなぁなんて思っています。

ともあれ,今後ともよろしくお願い致します。

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