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2010年9月20日 (月)

ちょっと微妙なKurt Rosenwinkelの新作

Rosenwinkel"Our Secret World" Kurt Rosenwinkel(Song X Jazz)

ショップでは本年度最高の話題作だとか,ネットでは『ジャコ・パストリアスのビッグバンド「ワード・オブ・マウス」以来の衝撃』と喧しいKurt Rosenwinkelの新作である。このアルバムはKurtと,珍しやポルトガルのビッグバンド,Orchestra de Jazz de Matosinhosとの共演盤であり,かつ演奏しているのが全てRosenwinkelのオリジナルとなれば,この企画が,Jesse Van Rullerが
Jazz Orchestra of the Concertgebouwとリリースした傑作"Silk Rush"(Jesse盤の記事はこちら)と同じようなものだということはすぐわかる。よって,リスナーとしては当然,比較したくなってしまうのが筋であろう。

しかし,一聴して思ったのは,私にとってはJesse Van Rullerの勝ちってことである。それはなぜかと考えたのだが,レギュラーで活動しているJesseと,本作のためのスペシャル・プロジェクトであろうKurtでは,ビッグバンドとの緊密さに違いがあって当然なのである。しかもJesse盤はライブであれだけの演奏をしていたということもあり,それに比べると,今回のKurt盤は明らかに分が悪い。

もちろん,Kurtの曲が悪いというのではないのだが,とにかくKurtが弾きまくりで,ビッグバンドがほとんど添え物化しているようにさえ感じられるのである。もちろん,現地サイドでは周到にアレンジなどの準備はしていたのであろうが,ポルトガルのビッグバンドの実力は
Jazz Orchestra of the Concertgebouwには及んでいないというか,ソロもほとんど聞かれないので,その実力が掴みきれないのである。また,アレンジメントも,ギターとのユニゾンが多過ぎやしないかという気もして,どうも今ひとつ高揚感に欠ける。

もちろん,ここでのスターはKurtなので,こういうやり方もありだろうが,もう少しやり方があったようにも思える。Kurtのソロやフレージングが魅力的なだけに,この演奏のやり方はちょっと惜しいように思えた。星
★☆。

いずれにしても,このアルバムに対して
「ワード・オブ・マウス」以来の衝撃なんていうのは明らかな過大評価である。私はここでの演奏が嫌いなわけではないが,どうもこういう姿勢で売ろうとするのはいかがなものかって感じがする。やはりこれではもったいないというのが正直な思いである。

アルバムにおけるスターであるRosenwinkelのこのアルバムに対する満足度は高いのかもしれないが,はっきり彼にはこれではJesse Van Rullerに完敗だと言っておきたい。そもそもJesseはあくまでも
Jazz Orchestra of the Concertgebouwの中での"Featuring"扱いだったのである。その辺りにも,ミュージシャンとしての謙虚さを感じて,私には好感度が高いのである。音楽とは関係ないが,そういう姿勢も大事だろう。

Recorded on September 7-9, 2009

Personnel: Kurt Rosenwinkel(g), Jose Luis Rego, Joao Pedro Brandao, Joao Mortagua, Muno Pinto, Mario Santos, Jose Pedro Coelho, Rui Teixeira(woodwinds), Michael Joussein, Alvaro Pino, Daniel Dias, Goncalo Dias(tb), Nick Marchione, Erick Poirrier, Rogerio Ribero, Joss Silva, Susana Santos Silva(tp), Abe Rabade, Carlos Azevedo(p), Demian Cabaud(b), Marcos Cavaleiro(ds)

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コメント

やっぱりカートのひねくれたメロディに合うビッグ・バンドのアレンジもひねくれていた方が、と私も思います。また、せっかくビッグ・バンドとのコラボ企画なので、両者の融合というか、他のソロイストの活躍も聴きたかったですね。

ただ、ギターだけを聴くと、中年音楽狂さんと同じく、その部分の満足度は高かったです。

TBさせていただきます。

910さん,こんにちは。TBありがとうございます。

コラボ企画のようでコラボ企画になっていないと言っては言い過ぎかもしれませんが,相乗効果ってのは見出せないというのが正直なところです。

ギターはいいだけにやっぱりもったいないですよね。

この盤は、きっぱりKurt Rosenwinkelを聴くアルバムであると思っています。
でもって、当初からそこだけを意識して聴いちゃったので、周囲(BigBnad)がどうであろうと、あまり意に介さない状態になっていたと言うことかも知れません。

冷静に全体を聴けば、Jesse van Ruller盤に劣っているのも納得できます。

でも、それ以上にKurt Rosenwinkelだけ聴いて充分満足しているのでありました。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんにちは。TBありがとうございました。

確かにおっしゃる通りで,Kurtだけを聞いている分には何の問題もありません。しかし,プロダクションという観点で考えると,なぜビッグバンドとの共演だったのかという部分が希薄に感じられて,やや辛口の評価となりました。もちろん,ギタリストとしてのKurtはここでも素晴らしいですが...。

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Kurt Rosenwinkelの新譜が出ました。今回はビッグバンドとの共演ということで、ギタリストとビッグバンドの共演って、近年いくつかでていたと記憶していますが、Jesse van Rullerの Silk Rushが白眉だったと記憶しています。 メンツは、ビッグバンドの中身は割愛させていただきます。 ポルトガルのビッグバンドということですが、なんでポルトガルなのか?とかちょっと謎は多いですね。 Kurt Rosenwinkel(G)、Orchestra..... [続きを読む]

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