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2010年9月30日 (木)

John LegendがThe Rootsと挑むカバー・アルバム

Wake_up"Wake Up!" John Legend & the Roots(Columbia)

私はJohn Legendが結構好きだが,前作"Evolver"はLegendのよさを活かしていないと思えて,あまり評価できなかった私である。前作がどちらかというとダンス・フロア向きという感じだったのだが,今回はガラッと趣向を変えて,60~70年代のソウル・ミュージックのカバーが中心となっている。巷ではカバー・アルバムが大流行(特に日本は異常だ)だし,しかも伴奏はヒップホップ・グループThe Rootsであるから,若干の不安がなかったわけではないのだが,それは杞憂に終わった。これは曲の力にもよるところも大きいが,なかなかにいけているソウル・アルバムとなった。

私はThe Rootsというバンドの演奏を聞くのは初めてのはずだが,伴奏に関してはちゃんと生の演奏を行っていて,所謂「ヒップホップ」的でないところがまずよい。確かに今までのLegendのアルバムのバッキングのパターンとは異なるが,それでも相性は結構悪くないと思う。そもそもLegendがこのアルバムを作る動機になったのが,前回の米国大統領選におけるObama支持のムーブメントに感じられた熱気を音楽的に再現しようということだったらしいのだが,その結果やっている曲は政治的な意識を高めるようなトーンの曲が多くなるのは当然のことであろう。

そうしたLegendの意思が良いか悪いかは別にして,私としては純粋に音楽的に評価すれば,このアルバムはかなり好きである。オリジナルの曲を全部聞いたことがあるわけではないから比較することはできないが,それでも黒人の権利を保全しようとした60~70年代当時の熱気を再現することにはほぼ成功しているのではないだろうか。スイートさはないが,非常に熱いパワーを感じさせてくれるものである。

おそらく,このアルバムにケチをつけるとするならば,オリジナルとの比較においてという議論になるのだろうと思うが,そういうこだわりを持たないリスナーには,素直に受け入れられる可能性は高い。もちろん,ベースのミキシング・レベルが高過ぎて何だかなぁと思わされる曲もあるが,そこは伴奏がヒップホップ・バンドならこういうのもありなのは仕方があるまい。

全編を通して聞いても相当楽しめるのだが,白眉はMarvin Gayeの"What's Going On"からの"Wholy Holy"だろうか。これは曲の勝利って気がしないでもないが,Legendの声で聞くMarvin Gayeナンバーがまた心に沁みる。最後に収められたカバー曲ではない"Shine"がこれまたいいねぇ。これこそ私がLegendに期待する歌唱と言っても過言ではない。最後にこれを持ってくるところがにくい。作品中にはやや冗長あるいは凡庸に響く曲もないわけではないが,ゲストも好演でこれなら私には全く問題なしである。John Legendの最高傑作とは思わないが,これはこれで楽しめる作品であった。星★★★★。

Personnel: John Legend(vo, p) & the Roots: ?uestlove(ds, perc), James Poyser(key, org, xylophone), Cap'n Kirk Douglas(g), Owen Biddle(b) with Black Thoughts(vo), Melanie Fiona(vo), Common(vo), CL Smooths(vo) and Many Others

2010年9月29日 (水)

Jazz Italiano Live 2009シリーズの到着:一発目はBossoだな。

Bosso_live "Jazz Italiano Live 2009" Fabrizio Bosso(Palaexpo)

イタリアの某サイトに発注していたJazz Italiano Live 2009のシリーズが無事到着である。ということで,今回は先日ライブを聞いて私の見方がすっかり変わってしまったFabrizio Bossoからである。

今回のアルバムは,来日したBossoのクァルテットに,これまた来日したギターのRoberto Cecchettoほかのゲストが加わるというものである。先日のブルーノートでも演奏していた"The Girl Is Mine"も入っていれば,Stevie Wonderの"Overjoyed"も入っているではないか。これは期待しちゃうねぇ。

だが,アルバムを聞いていると,Bossoの実力や幅広い音楽性はわかるんだが,後者が逆に作用しているように思えてならなかったというのが本音である。現代のポップを見事にアダプテーションしたと思えば,いかにもイタリア風カンツォーネのような曲もあり,更にはポエトリー・リーディングみたいなものまで入っている(だが,そのバックのBossoは最高によいのだ)のでは,Bossoの本音がどこにあるのかは掴みどころがないと言われても仕方があるまい。

これはいろいろなゲストを迎えたことにもよるかもしれないが,曲によって出来にバラツキが感じられるのはやはり惜しい。むしろ,ここはブルーノートでのライブ同様,クァルテット+1でやった方がよかったようにライブの目撃者の私は思ってしまう。例えば,まるでPedro AznarのようなNatalio Mangalaviteが参加した"Intro for Kampei"で期待させておきながら,それに続く"Rumba for Kampei"で何じゃこりゃって感じでずっこけさせるBossoはあまりにも罪作りではないか。

まぁそれでもBossoの歌心はよくわかるし,悪いアルバムというのではない。むしろ,"The Girl Is Mine"や"Overjoyed"のような路線で,更には現代的なアプローチをまぶして歌心を爆発させると私にとってはもっと心に響くアルバムになったのではないかと思う。それはBossoとMannutzaの共作"Sprito Libero"のような曲と言ってもよいのだが,さすがにこれは曲としては甘過ぎるかもしれない。しかし,この路線,決して間違ってはいないように私には思えるのである。確かにこれまでのBossoの活動を踏まえれば,彼にとっての王道ではないかもしれないが,私はこういうタイプの演奏を支持したいのである。

というようなかたちで書いてしまうと,また「相変わらずBossoに辛口の中年音楽狂」という声が飛んできそうだが,彼ならもっとできるはずだと認識したからこその評価だと思って頂ければと思う。なんだかもったいないのである。いずれにしても,このライブは欲張り過ぎたのが難点。ある意味,何でもできちゃうからこうなってしまうんだろうなぁ。星★★★☆。でも楽しいことには間違いなし。

Recorded Live at Casa del Jazz on October 22, 2009

Personnel: Fabrizio Bosso(tp, fl-h), Luca Mannutza(p, el-p), Luca Bulgarelli(b), Lorenzo Tucci(ds), Roberto Cecchetto(g), Giuseppe Milici(hca), Natalio Mangalavite(vo, p), Filippo Timi(vo)

2010年9月28日 (火)

Milt Jacksonに駄作なし(ほんまかいな?)

Soul_fusion"Soul Fusion" Milt Jackson & the Monty Alexander Trio (Pablo)

もちろん,私はMilt Jacksonのアルバムを全部聞いているわけではないので,主題のように書いていいのかというとちょっと自信がない(なら書くな!とお叱りを受けそうだ)。しかし,MJQでの演奏もそうだが,私の保有しているMiltのアルバムでがっくりきたことはない。そのうちの半分以上は父の遺品であるから,購入に際して私の意思は反映されていないのだが,大傑作とは言えずとも,ジャズ的な楽しさに溢れたアルバムばかりのように感じる。このアルバムもジャケも雰囲気があっていいよねぇ。シンバルのところから撮影したアングルもいいねぇと感じるのはきっと私だけではあるまい。こういうのが音が聞こえてきそうなジャケットという。

冒頭からMilt Jacksonらしい演奏が展開され,非常に嬉しくなってしまうが,とかくオーバー・プレイングと言われがちなMonty Alexanderも,ここでは適度な中にもちゃんと自己主張をしていて悪くない。今にして思えば,このバンドのリズムを支えるJohn ClaytonとJeff Hamiltonって,昨今の4ビート・アルバムを支えているような人たちと言ってもよいが,このアルバムが出た当時は新進の若手といったところだったはずである。インターネットもないその頃のことである。私にとってはこれって誰?って感じだったと記憶しているが,考えてみれば二人とも立派になったものである。

本作での注目はStevie Wonder作"Isn't She Lovely"かもしれないが,私にとっては,実はその曲が一番面白くない(爆)。当時,非常にはやった曲で,Rollinsもプレイしているぐらいであるから,こうした曲を選曲,演奏することには異議はないが,今ひとつMilt Jacksonには合っていないように思えるのである。同じようなトーンのタイトル・トラックが面白く聞けるのに,こちらはう~むって感じである。これはある意味,期待の裏返しになってしまったという例だが,やはりMilt Jacksonにはよりブルージーな曲がお似合いなのである。

しかし,それ以外の曲は実に楽しめる。ブルーズでもボッサでも何でも非常にいい。こういうアルバムは本当に気楽に楽しめて非常によい。朝っぱらから聞く音楽ではないが,大概のシチュエーションにはフィットしそうなナイスな演奏群である。やはりMilt Jacksonはいいのだ。星★★★★。

Recorded on July 1 & 2, 1977

Personnel: Milt Jackson(vib), Monty Alexander(p), John Clayton(b), Jeff Hamilton(ds)


2010年9月27日 (月)

比類なき美しさと言うべきBill Evans:"You Must Believe in Spring"

You_must_believe_in_spring "You Must Believe in Spring" Bill Evans (Warner Brothers)

私のブログの読者の皆さんがどういう層の方なのかはよくわからない。いろいろ解析は試みてはみるものの,正直言ってセグメンテーションは謎である。しかし,ジャズをこれから聞いてみようという方には,マニアック過ぎて敷居が高いんだろうなぁと思うことがあるのだが,確かに所謂名盤を取り上げることは少ないから,そう思われても仕方がない部分は当然あるだろう(と開き直る)。その一方で,ここ暫くは検索ワードは「山田べにこ」が1位を独走中だしなぁ。一体どんなブログやねん?

そんな中,ブログのお知り合い,すずっくさんのサイトへのレギュラー・ビジターでいらっしゃるマーリンさんから,「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストを頂いてしまったので,ここは中年音楽狂が一肌脱ぎましょう(何を大袈裟な!)ということで,取り上げるアルバムがこれである。そう言えば,先日金沢在住のこれまたブログのお知り合い,kenさんもこのアルバムを取り上げておられたので,かぶっているようではあるが,もちろん他意はない。本当にいいと思うから取り上げるだけである。

日本におけるBill Evansの人気は,没後30年の現在でも全く衰えることがないが,まぁ妥当な線で言えば,最初に聞くべきはRiverside4部作ってことになるのだろう。よって,今回の記事の趣旨からすれば本来ならその中でも最も聞きやすいであろう"Waltz for Debbie"あたりを取り上げるのが筋ってことになると思う。しかしである。私は天邪鬼なので,Bill Evansをある程度聞いているリスナーにとっても,初めてのリスナーにとっても納得できるものとして,このWarner盤を挙げたいのである。

このアルバムの素晴らしさは,アルバム全体を貫く「抑制された内省的美学」だと言ってよいものと思う。とにかく収められた「曲が良過ぎ」,「演奏が美し過ぎ」,まさにこれこそが晩年のBill Evansが到達し得た究極の美学と言っては大袈裟だろうか。では,ラスト・トリオはどうなのよという話にもなるのだが,まぁそれはそれである。もちろん,ラスト・トリオがいいのはわかっているのだが,このアルバムはそれとは別の特別な感慨をもたらすものと思っている。本作の再発CDのライナーには"The music is moody, deep and haunting"という記述があるが,まさしく言い得て妙である。このアルバムを愛するリスナーは相当数いるはずだが,そうした「ムーディで,深遠で,容易には忘れ難い」音楽的な美学に多くの人が共感し,共鳴している結果なのだと思う。

基本的にミディアム以下のテンポで演奏される曲群を聞いて,私がよく使う表現である「膝を抱えたくなる」心境になるのはきっと私だけではないはずだ。これからの秋の夜長に,部屋の照明を暗くして,膝を抱えながらこの音楽を聞いていたら,家人には「ネクラ」(あるいは「怖い」か...)と言われること間違いなしだが,思わずそうしたくなるような演奏なのである。「ネクラ」で何が悪いっ!とここでも開き直る私である。そんな演奏であるから,日頃は私の好まないEddie Gomezのベースの音色も気にならないのだから勝手なものだが,それぐらい素晴らしい演奏である。とにかく,アルバムの冒頭から展開される静謐な名演奏を聞いたら,浮世の憂さなどどうでもよくなる(というのは嘘だが...)。だが,本当にため息がもれるような演奏なのだ。そもそも私はJimmy Rowles作"The Peacocks"が好きで,この曲が入っているだけで嬉しくなってしまうクチである。ここでもこの曲の演奏はいいのだが,私個人の感覚では,全体的に見れば,演奏や曲はLP時代のA面の方がしびれる出来だと思う。多分,LPだったならば私自身,ほとんどの場合はA面をかけていたはずだと思わざるをえないのである。

ここでの音楽はあまりに内省的で,「暗い」と思う人がいても不思議ではない。しかし,人間の感情がこうした音楽を求める瞬間は必ずあるはずなのである。それがぴったり合致すると,これほど強烈に訴求してくる音楽はなかなかないと言っては言い過ぎだろうか。

尚,本作の現在の再発盤には3曲のボーナス・トラックが収められているが,これは明らかにオリジナルの曲群とはイメージが合わないから,オリジナル・バージョンへの収録が見送られたものと考えるべきであって,私には蛇足以外の何物でもない。よって,iPodにも私はこれらのボーナス・トラックは突っ込んでいない。本作はオリジナルの通り,全7曲で聞くべきものだと思っている。だって,ボーナスの2曲目は"Freddie Freeloader"だもんなぁ。なぜMilesが"Kind of Blue"において,この曲だけEvansを外して,敢えてWynton Kellyに弾かせたのかが,ここでの演奏を聞いてもよくわかるはずである。しかもEvansがここではアコースティックとRhodesの二刀流で弾いている事実も,このアルバムには絶対合わないことを示しているのである。

だが,ボートラなしのオリジナル・フォーマットで聞いている限りは,ベテランにも初心者にも愛されるべき傑作である。星★★★★★。ちなみにかなり前に,このメンバーによるライブ音源を紹介しているが,そちらもなかなか悪くない出来であった(記事はこちら)。

このように書いてはみたものの,この記事でもマーリンさんには十分敷居が高いかもなぁ。マーリンさん,ご期待にそえなかったらごめんなさ~い。でもこのアルバムなら買っても失敗はありません(きっぱり)。

Recorded on August 23-25, 1977

Personnel: Bill Evans(p), Eddie Gomez(b), Eliot Zigmund(ds)

2010年9月26日 (日)

喜ぶべきか,悲しむべきか...

Aretha_2 Rhino Handmadeから発売されたAretha FranklinのFillmoreライブ完全版,"Don't Fight The Feeling"は全世界5,000セット限定ということもあり,あっという間に売り切れ,マーケットではとんでもない価格で取引されていた。

その4枚組が,通販限定ながら日本盤として発売されるというのは,私がこのアルバムを保有していなければ,これはめでたいともろ手を挙げて喜ぶところであろう。しかし,本作を結構大枚はたいて入手した立場としては,素直に喜べない部分も残ってしまうのはやむをえまい。

それでもである。今回の日本盤,SHM-CD仕様で7,800円というのははっきり言ってお買い得感ありだと思う。心あるソウル・ファンはこのアルバムを入手すべきだし,入手して決して後悔することはない。さっさと注文しましょう(私は既にRhino盤を持っているので当然買わないが...)。

ということで,本作に関する古~い記事は
こちら

2010年9月25日 (土)

Antonio Sanchez待望の新作

Antonio_sanchez "Live in New York at Jazz Standard" Antonio Sanchez(Cam Jazz)

Antonio Sanchezの初リーダー作が発売されたのは2007年のことであったが,私はその年のベスト盤の一つに選出したぐらい,素晴らしいアルバムであった(記事はこちら)。同作は初リーダー作を祝って,Chick CoreaやPat Methenyも客演したものだったが,久々のSanchezのリーダー作は,ピアノレス・2ホーンのライブというこれまた刺激的だと思わせるようなかたちで登場した。前作に続いて,David Sanchezがテナー,もう1本は前作のChris PotterからMiguel Zenonに交代している。クリポタ不参加は残念だが,ZenonだってDown Beatの表紙も飾る世の中の注目株である。さて,どんな演奏になっているのか。

冒頭から変拍子の不思議な感覚でスタートするが,自由に浮遊するリズムというか,かなり自由度の高い演奏ではあるが,演奏はかなり熱い。コンテンポラリーなジャズ好きはまずこれで膝を乗り出すっていう感じだろう。その後も,全編に渡って相当なレベルの演奏が展開されるており,Sanchezのドラムスのシャープさはもちろんなのだが,ここで瞠目させられるのがMiguel Zenonのアルトのフレージングであろう。この人の実力は相当なものであると聞いた。これまでもどこかで聞いたことがあるようにも思うのだが,これほどの人だとは思わなかった。こんな実力者たちの演奏であれば,悪いはずはないのである。

しかしである。全8曲,約2時間に渡って,この編成を聞かされてはさすがに胸焼けがしそうになるというのも事実である。特にテナーとアルトがパラレルにソロを展開するという同じようなパターンが多過ぎて,ちょっと飽きるという感覚もあった。どうせならもっとストレートなソロのリレーでもよいだろうし,小節交換だってよかったはずであり,この辺がこのアルバムの評価を微妙にしてしまうのである。

この編成で思い出すのは,Jack DeJohnetteのSpecial Editionであるが,あのアルバムに比べれば,本作は正直言ってレベルに相当の違いがあると言わざるをえない。シャープでスリリングではあっても,そもそものテンションが違うため,Special Editionの持つしびれるような感覚はない。本作は注目に値する作品であることは認め,佳作という評価はできても,後世に残りうる傑作だとは思わない。もうひと押しが必要ということで星★★★★。

それにしても,このアルバムが収録されたJazz Standardというクラブ,歴史としてはそれほど長くないし,場所も27丁目のPark & Lexという今までのジャズ・クラブらしくない場所にあるが,Steve Grossmanを出演させたり,Dave DouglasもKeystoneで出演したりと,なかなか面白いプログラムの注目すべきクラブである。Antonio Sanchezは本CD発売記念ライブを先日,こちらでやったみたいだが,その時のフロントはDonny McCaslinとDavid Binneyという,それはそれで面白いメンツだったようである。それでチャージ$20って夢みたいだよなぁ。こういうのを見るとNYCにまた住みたくなってしまう私である。

Recorded Live at Jazz Standard, NYC on June 4 & 5, 2008

Personnel: Antonio Sanchez(ds), Scott Colley(b), Miguel Zenon(as), David Sanchez(ts)

2010年9月24日 (金)

Bossoを見直した夜:Fabrizio Bosso@ブルーノート東京

Bosso 私のまだ浅い欧州ジャズ歴の中で,イタリアのラッパと言えば,Paolo FresuかFabrizio Bossoということになる(Boltoroはどうした!?という声が飛んできそうだ...)のだが,どちらかと言えばというよりも,私はこの二人なら圧倒的なFresu派である。もちろん,High Fiveやらその他のアルバムでBossoは聞いていても,私の嗜好にマッチしていたのは間違いなくFresuなのである。それはFresuのいろいろなタイプの音楽に取り組む多様性とも関係があるように思える。私にとっては,Bossoは嫌いじゃないんだが,ネオ・ハードバップ一辺倒のように感じられてならない部分もあって,絶対的に評価していなかったのは事実である。

しかし,今般,そのBossoがワンホーン・クァルテットにギターをゲストで加えた編成で来日すると知り,そもそもラッパのワンホーン好きを明言している私としては,Bossoと言えども気になっていたのである。私の勤務先は4月,10月が異動期のため,当日も一本壮行会があったのだが,その後,慌てて9/22の2ndセットに出掛けた私である。私は壮行会でかなり酒を飲んでいた(自主的に飲み,かつ飲まされた)ので,相当に酔っ払っていたのは残念だったが,それでも大いに音楽は楽しんだ。

今回のバンドはそもそもメンツがいいのはわかっているのだが,今回演奏を聞いて感じたのが,Roberto Cecchettoが絶妙なスパイスとして効いていたということである。この人,ギターはうまいのはもちろんだが,コンテンポラリーな感覚のフレージングがBossoバンドに明らかな好影響を与えていたように思う。それに応えて,BossoのバンドもLuca MannutzaがRhodesも兼用していたことからもわかるが,私が思っている以上により「現代」を感じさせる演奏となっていたことは嬉しい驚きであった。もちろん,Bossoのテクニックは素晴らしく,音色も素晴らしい。それはいつもと変わらないとも言えるのだが,私はこういう形のバンド・サウンドが実はBossoに合っているのではないかと思うのである。

いずれにしても,私はこの路線なら大歓迎である。ライブ中思わず「いいじゃん」とつぶやいてしまった私であった。選曲は満遍なくいろいろなタイプの曲を選んでいて,まぁ無難と言ってしまえばその通りだが,私の中ではBossoはライブだなと思った一夜であった。バップもいいが,私は実はMichael Jackson~Paul McCartneyの "Girl Is Mine"で聞かせたBossoの歌心にまいってしまったのであった。"Do You Know What It Means to Miss New Orleans"のような古い曲で聞かせた朗々としたソロもよかった。

現在,海の向こうから飛んできているはずのJazz Italiano Live2009のBosso盤は,今回と同じメンツでの演奏となっているはずだから,アルバムへの期待が一気に高まっている私である。いや~,本当にBossoを見直した一夜であった。rhodiaさん,ご案内ありがとうございました。

それにしても,ちゃんとBosso,Mannutza,Tucciのアルバムを持ち込んで,サインをもらっている私も相当なミーハーである。こういう時,イタリア人は気さくでいいですな。さすがラテン系である(爆)。

Venue:ブルーノート東京 9/22 セカンド・セット

Personnel: Fabrizio Bosso(tp), Roberto Cecchetto(g), Luca Mannutza(p), Luca Bulgarelli(b), Lorenzo Tucci(ds)

2010年9月23日 (木)

ダウンロード・オンリー!:Fred Herschとアルト/クラの渋いデュオ

Moore_hersch "This We Know" Michael Moore & Fred Hersch (Palmetto)

Fred Herschの音源をリッピングするついでに,久しぶりにFred Hersch関連のWebサーフィンをしていたら,Palmettoレーベルから,ダウンロード・オンリーのHerschの音源が出ていることを発見した。共演のMichael MooreはNew England Conservatory時代の同級生らしいが,ここではMooreのクラリネット,アルト・サックスとHerschのデュオが渋いかたちで淡々と展開される。非常に地味な音源なので,CDでの発売が見送られたってところだろうが,確かにこれは発売しても,売れる数は限定的だろう。だが,だからと言ってこの音源が無視できるかというとそうではない。

特にHerschのファンは,デュオという形式である以上,Herschのソロ・スペースもそれだけ大きいということからして,これは聞いておいて損はない。しかも値段は$9.90である。円高の恩恵もあり,850円なら演奏がたとえつまらないものであったとしても,別にそれほど大きな実害はない。だが,この演奏はその値段なら間違いなくお買い得感があり,少なくとも私にとっては正解であった。

そもそも冒頭の"Aquellos Ojos Verdes"からして,Herschのイントロは美しく,更には彼の伴奏を聞いているだけでもうっとりするような演奏である。この曲はスペインの古い曲らしいのだが,全く古臭さは感じさせないし,二人の演奏は非常にインティマシーに富むものであり,Mooreのクラリネットに寄り添うようなHerschがいいねぇ。そしてソロになっても歌ごころに満ちていて,やはりこれはいいと思わせる。正直なところ,全編,こういう調子なので,ジャズ的なスリルとかを本作に求めてはならないが,落ち着いた雰囲気の中で,純粋に音楽を楽しもうと思えば,それは十分可能である。

3曲を除いて,ご両人のオリジナルであるが,どの曲もそれぞれに美しさを有している中で,Monk作の"Four in One"がやや異色に響くのは仕方ないだろう。前にも書いたことがあるが,HerschはよくMonkの曲を取り上げるが,本当にこれが必要だったのかというところにも入れてしまうところがあって,ここでも同じような感覚に襲われる私である。

いずれにしても,私はHerschの音源はほぼソロかトリオしか買っていないのだが,これは親切にも全曲試聴できるPalmettoのサイトで確認の上での購入(と言っても2曲聞いただけで購入を決意していたが)だったので,間違いないと思っていた。ちゃんと聞いてみて,やっぱり間違いはなかった。濃厚なミュージシャンの対話を聞くことができる音源である。星★★★★。

しかし,ここでの演奏を聞いて,Michael MooreがICPのメンバーだなんて信じられる人間はそうはいないだろうなぁ。10曲目"Langrage"の冒頭にちょっとそれらしいところはあるが,でもやっぱり簡単には信じ難い事実である。でもICPのメンバー・リストにはちゃんと載っている。ひょえ~って感じである。

Recorded in October 2003

Personnel: Michael Moore(cl, as), Fred Hersch(p)

2010年9月22日 (水)

801 Live:ブリティッシュ・ロックの実力を痛感させられたアルバム

801_live"801 Live" 801(EG)

このジャケットを見てしびれた人も多くいるかもしれない(こういうのは壁に飾りたくなる)が,音を聞いたら更にしびれる傑作ライブ・アルバムである。

これまでもいろいろなブリティッシュ・バンドを聞いていないわけではないが,私のロックにおける音楽的な嗜好はどちらかと言えばアメリカ寄りである。それでもここに収められているような演奏を聞かされては,アメリカン一辺倒ではいかんと思わされる。これがほとんどセッション・バンドというのが信じがたいが,この演奏能力,スリリングな感覚は録音から30年以上経過した今でも,私を刺激し続けている。このアルバムの凄いところは,どこから聞いてもテンションが下がる瞬間がないということである。

メンツの中で,当時からメジャーなのはRoxy Music組の二人だが,初めて私がこのアルバムを聞いて驚いたのはSimon Phillipsのドラミングであった。その後のPhillipsの活躍は皆さんご承知のとおりだろうが,ここでのタイトなドラミングを聞いて,凄いドラマーがいるんだなぁと思ったのも懐かしい。Phillipsに限らず,このバンドのメンバーの演奏能力は非常に高いが,こんな演奏をレギュラーでないバンドができてしまうところが凄いことだと思うのである。ブリティッシュ・ロック界にはこんな才能がゴロゴロしているんだろうなぁと当時思ったものである。

とにかく,このアルバムで聞けるテンションは素晴らしい。個人的には,Enoのヴォーカリストとしての資質には問題があるとも感じているのだが,その声さえもがこのバンドにはフィットしているように思えてしまうところが不思議である。いずれにしても,高校生(あるいは浪人中だったか...)の私に強いインパクトを与えたアルバムとして,少なくとも私にとってはいつまでも記憶に残る名ライブである。星★★★★★。いやいや,今聞いても最高である。

ちなみに,現在発売されている海外版CDではジャケのデザイン(というかロゴ)がダサい感じになってしまって残念だが,iPodで聞いている限りは何の問題もない。とは言いつつ,時折本作のLPを眺めながらニヤニヤしている私は変態だなぁ(爆)。

Recorded Live at the Queen Elizabeth Hall on September 3, 1976

Personnel: Phil Manzanera(g), Eno(vo, key, g, tapes), Bill MacCormick(b, vo), Francis Monkman(key), Simon Phillips(ds, rhythm box), Llloyd Watson(g, vo)

2010年9月21日 (火)

ジャケは???だが,共演者に恵まれ,演奏はなかなかよいHelen Sung

Helen_sung"Going Express" Helen Sung(Sunnyside)

はっきり言ってしまえば,購入意欲をそそらないジャケットである。失礼ながら,Helen SungのWebサイトに掲載されている過去のアルバムも,う~むとなってしまうようなジャケが多いが,それにしてもである。「あき竹城」かっ!と思うのは私だけ?(爆)。これなら,まだWebサイトの本人のポートレートの方が魅力的に映る。しかし,そんなことはさておき,本作のメンツを見ればこれはっ!と思う人が結構多いのではないだろうか。リーダーには失礼だが,フロントがSeamus Blake,リズムがLonnie Plaxico,Eric Harlandでは相当熱い演奏が展開されると期待してしまうのである。しかもライブであるから尚更である。

リーダーのHelen Sungは先日の東京ジャズでのTerri Lyne CarringtonのMosaicプロジェクトでも来日したらしいのだが,私にとっては初めての人である。ヒューストン生まれのエイジアン・アメリカンである彼女は,1999年のThelonius Monk Competitionのセミ・ファイナリスト(この時の優勝者のEric Lewisって誰よ?)で,現在Mingus Big Band等でもプレイしているようである。これまでFresh Sound New Talent等にもレコーディングを残しており,本作はSunnysideでの2作目。これまでも共演者には恵まれていると言っていいこの人にとっても,今回のバンドは最も豪華なメンバーであることは間違いあるまい。

本作では冒頭のタイトル・トラックから,期待通りの熱い演奏が展開され,思わず嬉しくなってしまうが,Helen Sungのピアノは強烈なエネルギーを放出するというよりも,非常にバランスの取れた感覚が強い。その分,ここではSeamusのソプラノが激しいブロウを聞かせる。私としては,この曲や"Love for Sale",更には"Bittersweet"で聞かれるようなSeamusのブリブリ・サックスをもっと聞きたいところだが,このアルバムはHelen Sungのアルバムなので,そうもいかない。中盤のMonkの2曲はピアノ・トリオとベースとのデュオによる演奏で,ここでは非常に落ち着いたタッチを聞かせている。このあたりはテキサス大学入学当時はクラシック・ピアノを弾いていたということとも関係するかもしれない。

しかし,私としては,落ち着いた演奏よりも,このメンツならではの煽りが入った演奏の方が好みであることは言うまでもない。"Bitterweet"のHarlandのプッシュを聞いて,燃えない人間はいるまい。聴衆も熱く反応しているしなぁ。いずれにしても,このアルバム,何度も聞きたくなるのはSeamusをHarlandが煽る曲なのである。その辺りが惜しい気もするが,購入動機がほとんどそれなのだから,所期の目的は達成ってところか。トータルで言えば星★★★(サックス抜き)~★★★★(サックス入り)で間を取って星★☆ってところ。

Recorded at the Jazz Standard on February 17, 2009

Personnel: Helen Sung(p), Seamus Blake(ts, ss), Lonnie Plaxico(b), Eric Harland(ds)

2010年9月20日 (月)

ちょっと微妙なKurt Rosenwinkelの新作

Rosenwinkel"Our Secret World" Kurt Rosenwinkel(Song X Jazz)

ショップでは本年度最高の話題作だとか,ネットでは『ジャコ・パストリアスのビッグバンド「ワード・オブ・マウス」以来の衝撃』と喧しいKurt Rosenwinkelの新作である。このアルバムはKurtと,珍しやポルトガルのビッグバンド,Orchestra de Jazz de Matosinhosとの共演盤であり,かつ演奏しているのが全てRosenwinkelのオリジナルとなれば,この企画が,Jesse Van Rullerが
Jazz Orchestra of the Concertgebouwとリリースした傑作"Silk Rush"(Jesse盤の記事はこちら)と同じようなものだということはすぐわかる。よって,リスナーとしては当然,比較したくなってしまうのが筋であろう。

しかし,一聴して思ったのは,私にとってはJesse Van Rullerの勝ちってことである。それはなぜかと考えたのだが,レギュラーで活動しているJesseと,本作のためのスペシャル・プロジェクトであろうKurtでは,ビッグバンドとの緊密さに違いがあって当然なのである。しかもJesse盤はライブであれだけの演奏をしていたということもあり,それに比べると,今回のKurt盤は明らかに分が悪い。

もちろん,Kurtの曲が悪いというのではないのだが,とにかくKurtが弾きまくりで,ビッグバンドがほとんど添え物化しているようにさえ感じられるのである。もちろん,現地サイドでは周到にアレンジなどの準備はしていたのであろうが,ポルトガルのビッグバンドの実力は
Jazz Orchestra of the Concertgebouwには及んでいないというか,ソロもほとんど聞かれないので,その実力が掴みきれないのである。また,アレンジメントも,ギターとのユニゾンが多過ぎやしないかという気もして,どうも今ひとつ高揚感に欠ける。

もちろん,ここでのスターはKurtなので,こういうやり方もありだろうが,もう少しやり方があったようにも思える。Kurtのソロやフレージングが魅力的なだけに,この演奏のやり方はちょっと惜しいように思えた。星
★☆。

いずれにしても,このアルバムに対して
「ワード・オブ・マウス」以来の衝撃なんていうのは明らかな過大評価である。私はここでの演奏が嫌いなわけではないが,どうもこういう姿勢で売ろうとするのはいかがなものかって感じがする。やはりこれではもったいないというのが正直な思いである。

アルバムにおけるスターであるRosenwinkelのこのアルバムに対する満足度は高いのかもしれないが,はっきり彼にはこれではJesse Van Rullerに完敗だと言っておきたい。そもそもJesseはあくまでも
Jazz Orchestra of the Concertgebouwの中での"Featuring"扱いだったのである。その辺りにも,ミュージシャンとしての謙虚さを感じて,私には好感度が高いのである。音楽とは関係ないが,そういう姿勢も大事だろう。

Recorded on September 7-9, 2009

Personnel: Kurt Rosenwinkel(g), Jose Luis Rego, Joao Pedro Brandao, Joao Mortagua, Muno Pinto, Mario Santos, Jose Pedro Coelho, Rui Teixeira(woodwinds), Michael Joussein, Alvaro Pino, Daniel Dias, Goncalo Dias(tb), Nick Marchione, Erick Poirrier, Rogerio Ribero, Joss Silva, Susana Santos Silva(tp), Abe Rabade, Carlos Azevedo(p), Demian Cabaud(b), Marcos Cavaleiro(ds)

2010年9月19日 (日)

初めて聞いたJosh Nelson

Josh_nelson "Let It Go" Josh Nelson(Native Language)

Josh Nelsonというピアニストについては何の知識もなかったのだが,ショップをうろついていて,Seamus Blakeのコーナーにこのアルバムがあったのを発見し,ほかのメンツもなかなかいいので買ってみた。

冒頭から非常に美しいピアノのラインが出てきて期待が高まるのだが,その後のアルバムの展開を聞いている限り,この人はコンポーザー・ピアニストだと判断するのがいいのではないかと感じた。非常にいい曲を書いているし,アレンジもしっかりしている。その一方ではややジャズ的なスリルには欠けるきらいがある。よって,Seamus Blakeがブリブリ吹きまくるのを期待すると肩透かしにあう。

アルバム全体を通して聞いていても,比較的静謐で落ち着いたトーンが続いていくのだが,メロディ・ラインは親しみやすいものが多く,メカニカルな感覚などは一切ない。最後に収められたタイトル・トラックでちょっと違った個性も感じさせるものの,この人はどちらかと言えば落ち着いた曲を書く人だと考えるべきだろう。それはここに参加しているSara Gazarekの音楽監督を務めているというバックグラウンドも影響しているのだろうが,いずれにしてもいい曲を書くということには違いはなかろう。

本作はJosh Nelsonの正式なデビュー作であるらしいが,今後の活動に期待を持たせるものであることは認めてよい。しかし,ピアニストとしての個性よりも,作曲の方が勝っているようにも思えるので,活躍の場というのはジャズの最前線とはいかないかもしれない。いずれにしても星★★★☆ぐらいはつけてもよかろう。

Sara_2本作の一つの波及効果であるが,ここにも参加しているSara Gazarekのアルバムを注文してしまった私である。ジャズ・ヴォーカルにほとんど関心のない私だが,結構さわやかなヴォイスで,色々なタイプの歌を歌っているので,ちょっと期待してしまった。また,見た目からして典型的なアメリカンっぽい女性で,結構可愛いし...。ついでだから写真もアップしてしまおう(爆)。でもこの人,カメラ・フェイスは完全にこちら側で,逆側からの写真だとだいぶイメージが違う。本人もそれはよくわかっているようで,アルバムのジャケもそうだが,プレス・キットはこちらのアングルがほとんどである。なんのこっちゃ。

Recorded: between January & March, 2007

Personnel: Josh Nelson(p, el-p, org), Seamus Blake(ts), Anthony Wilson(g), Darek 'Oles' Oleszkiewicz(b), Matt Wilson (ds), Sara Gazarek(vo) and the Supernova String Quartet: Robert Anderson(vln),  Reiko Nakano(vln), Miguel Atwood-Ferguson(viola), Jacob Szekely(cello)

2010年9月18日 (土)

出張中に見た映画(10/09編):その2

A 「特攻野郎Aチーム The Movie("The A Team")」('10,米,FOX)

監督:John Carnahan

出演:Liam Neeson,Bradley Cooper,Quinton 'Rampage' Jackson,Sharlto Copley,Jessica Biel

出張の帰路にて見たのがこの映画であるが,懐かしのTV番組のリメイクである。そう,またリメイクである。一体どうなっているのか。

実のところ,私はTV版を見たことがない。出てくるキャラは記憶に残っているが,番組としては全く見たことがないので,予備知識ゼロで見たものである。まぁ映画館に行ったときに,この映画の予告編をやっていて,まぁドンパチ激しくやっているわとは思っていたが,実に荒唐無稽で,ここまで行くと笑える。

あまり複雑なことを考えずに見られるということでは,出張疲れの体にはちょうどよい馬鹿馬鹿しさだったと言える。よく言えばノンストップ・アクション,悪く言えばマンガの世界である。詳しくレビューするほどのものでもないということで,星★★★。

それにしても「第9地区」のSharlto Copleyがこのような作品に駆り出されるとは,ある意味大出世なんだろうなぁ。

2010年9月17日 (金)

Brad Mehldau@ビルボード東京を聞く

Mehldau 私自身にとっては本当に久々の生Mehldauソロである。前回聞いたのは岩本町TUCでのことであったが,あれはもうかれこれ12年前である。その当時からするとMehldauはもはや若手ではないし,堂々たるビッグ・ネームになったと思うと何とも感慨深いものがある。私が彼の音楽のコレクターを目指そうと思ったのは,収集そのものはそんなに難しくないだろうという邪な部分もあったが,でも彼のピアニズムに惚れたのだというのが本音である。若いのに,何てピアノを弾くんだって感じであったのである。

それでもって,今回はTUCとは全然性格の異なるヴェニューと言えるビルボード東京である。その1stセットを聞いたのだが,私とほとんど縁のない東京ミッドタウンだもんなぁ。まわりの聴衆も行儀よきこと甚だし。Mehldauの衣装(Tシャツにジーンズ,それにジャケットを羽織り,途中でジャケットを脱ぐというもの)は別にしても,彼の所作や聴衆の反応なんてまるでクラシックのコンサートのようである。

それはさておき,演奏はどうだったか。今回はソロということもあり,非常に自由度の高い演奏だったと言うべきだろうか。更に私にとって非常に印象的だったのが,Mehldauの左手が更に進化し,極めて強力だったということだろう。左手のパワーが加わることで,演奏のダイナミズムが増していたのである。冒頭の2曲は"Highway Rider"からであったが,それ以外の曲はテーマそのものはモチーフに過ぎず("Get Happy"が典型的。),自由度高く展開されていくさまと相俟って,もうこれって巨匠の世界かなぁなんて思っていた私である。

その自由度の高さは,70年代Keith Jarrettのソロにも似た感覚を覚えさせる部分もあったと言いたくなるものであった。私は今後のMehldauの方向性にはいろいろな可能性があるとは思うが,ジャズ系ではKeithの線で行くのではないかと思わされたのも事実である。

その一方で,Mehdauのことを私が好きな理由である,「現代のロックの曲を見事なまでにアダプテーションする」というのは今回も健在で,Nirvana(!)の"Smells Like Teen Spirit"を美しく聞かせたのにも驚いたが,それよりも,もっと嬉しかったのはTom Waitsの"Martha"を甘美なバラッドとして聞かせたことである。やはりこの人,ピアニストとしても一流ではあるが,曲選びのセンスが素晴らしいではないか。"Closing Time"所収のこの曲を彼のピアノで聞けるとは思わなかったし,こんなものを聞かされては随喜の涙を流そうというものである。曲だけでも泣けるのに,それを弾いているのがMehldauなんだからねぇ。最高である。

だが,告白してしまえば,今回のライブで私が一番泣かされたのは大スタンダード,"I'm Old Fashioned"であった。あれだけの遅いテンポでこの曲を歌わせるのは至難の業だと思うのだが,そんなことをものともせず,余りの美しさで聞かせるMehldauに私は改めてまいってしまった。これは凄い。

いずれにしても,予測不可能な世界も作り出しながら,こうしたスタンダードやTom Waitsの曲でおっさんの心を揺さぶるなんて,本当に罪作りな男である。またまた好きになってしまったではないか。

但し,冷静に考えれば,前半は結構ミストーンが多かったし,集中力を発揮するには20分ぐらい掛ったようにも思える。それでも私は選曲で満足,演奏で満足,非常にレベルの高いライブであったと思う。もちろん,これを純粋ジャズ的だとは思わない。聞く人が聞けば辛気臭いと言うかもしれない音楽である。だがそれがどうした。繰り返すが,Mehldauの左手は更に進化しているのである。こんなピアノはなかなか聞けるものではない。Mehldauは一体どこまで行ってしまうのか。ますます今後の活動が楽しみである。

だが,私はビルボードよりはまたTUCで聞きたいなぁ...。ビルボードは私には敷居が高過ぎるわ。

2010年9月16日 (木)

ついに出た。Jazz Italiano Live 2009シリーズ!

Jil0906 ブログのお知り合いのrhodiaさんは,既に何枚か入手されているという話のJazz Italiano Liveの2009年版が,ようやく欧州のオンライン・ショップでも購入できるようになった。

今回のラインアップはEnrico Rava,Roberto Gatto,Rita Marcotulli,Fabrizio Bosso,Javier Girotto,Paolo Fresu,Stefano Di Battista,Danilo Rea,Pietro Tonolo,Flavio Boltoroとなっている。このシリーズ,出来には結構当たり外れがあるので,今回もどうしようか迷ったのだが,結局10枚のうち7枚発注してしまった!我ながら相変わらずのアホぶりである。ところで今回漏れた3枚はどれでしょう(笑)。

まぁ,このシリーズが日本に入ってくると,とんでもない価格がついてしまうので,ある程度の枚数を購入するなら,運送費を入れても現地から直に購入する方がはるかに割安であることは言うまでもない。しかも強烈な円高だしねぇ...。

ここにアップしたFresu盤のジャケを見れば,これまたブログのお知り合い,すずっくさんは即購入でしょうねぇ(笑)。ちなみにFresuは今回は2管のクインテットである。不勉強なのでメンツはよく知らないが,次のとおり。どんなサウンドなのかねぇ。

Paolo Fresu(tp, fl-h), Tino Tracanna(ts, ss), Roberto Cipelli(p), Attilio Zanchi(b), Ettore Fioravanti(ds)

2010年9月15日 (水)

帰国したばかりだが...。

何のことはない。初日も飲み会、二日目も飲み会である。こりゃ体に悪い。

薬は9/16夜のBrad Mehldau以外にはあるまい。今回は何をやるのか?

2010年9月14日 (火)

出張中に見た映画(10/09編)

Photo 「ベスト・キッド(The Karate Kid)」('10,米,Columbia)

監督:Harald Zwart

出演:Jaden Smith,Jackie Chen,Taraji P. Henson,Wenwen Han

ようやく帰国である。今回ばかりはさすがに疲れた。それでも人生は続く...。

毎度おなじみ,「出張中に見た映画」シリーズである。今回も中国出張の短いフライトなので,見られる映画は限定的である。その中でのチョイスがこれである。

リメイクとは言え,私はオリジナルも見たことがないので,思い入れも何にもなしにこの映画を見たのだが,出来としては悪くないと思った。監督は私が酷評したSteve Martin版「ピンク・パンサー2」のHarald Zwartなので,期待できないと言えばその通りだが,メディアの評価も結構悪くなかったし,どんなもんだろうと思っていたのである。その一方で主演は「幸せのちから」で泣かせてくれたWill Smithの息子,Jaden Smithと,比較的どの映画でも楽しませてくれるJacke Chenだし,まぁ百聞は一見にしかずである。

お話としては他愛ないと言えばそのとおり。だが,Jaden Smithは結構よく頑張ったねぇと言いたくなるようなハード・ワークぶりである。この根性には正直頭が下がる。そんな簡単にクンフーって強くなれるんだっけなんて思えるし,ストーリーに関してはどうこう言うべきものでもないが,エンタテインメントとしてはそこそこ楽しめるものであったと思う。

だが,私がこのブログでしょっちゅう最近の映画に苦言を呈していることに上映時間の話があるが,それはここでも同じである。なぜこのストーリーに140分という時間が必要なのか。映画は長けりゃいいってものではない。この程度の話であれば,100分,長くても120分以内に収めるのが筋ってものだろう。これほど文句を言うことが多いということは,編集者の腕が下がっているということではないだろうか。どうしても長い上映時間を必要とする映画があることも事実だが,本当に最近の映画は意味もなく長過ぎである。どうも納得がいかん。実は往路では,離陸前後から居眠りをしていたため,この映画も最後まで見ることができなかったのである。復路において,速攻で見逃したシーンを見たのは言うまでもないが,それもなんだかなぁ...。

それに,どうしても最近はリメイクが多いのか。オリジナル脚本でも脚色でもネタはいくらでもあろうというもの。安易にヒットを狙う姿勢がいやらしいという気がする。映画としてはそこそこおもしろくても,そういうことを考えるやや複雑な気分である。星★★★。

2010年9月13日 (月)

中年音楽狂在北京(その6):Mission Completed

北京での仕事が無事終了した。これがビジネスとして刈り取れるかどうかは今後の課題であるが,今回の仕事自体はいろいろな問題もありながらも,それなりの成果はあったのではないか。

しかし,出張の後半に来て,胃の調子が非常に悪くなってきたのにはちょっとまいった。毎日脂っこい中華料理を食べながら,白酒を飲みまくっていたら,そりゃおかしくなるのは当然だが,今回ばかりはちょっと様子が違う。胃のあたりが本当にキリキリと痛んで,真夜中に目が覚める始末である。日頃から私は胃腸は比較的丈夫な方だとは思うが,そんな私がこのような状態なのだから結構重症かもしれない。もちろん,疲労による部分もあるとは思うが,日本に帰ったら,しばらくはおとなしくしているべきかもしれない。

ということで,在北京シリーズも今回で打ち止めである。次は日本に帰ってからということになるが,記事を書く気力が残っているだろうか?

2010年9月12日 (日)

中年音楽狂在北京(その5):ちょっとここで音楽の話でも...

と言っても,出張中の現在では音楽をレビューするとかは無理だが,それでも音楽を聞かないとホテル生活もつまらない。そんな時頼りになるのがiPodだが,今回はプレゼン用で使うかも知れないと思って,ポータブル・スピーカー(本当に小型なので,音質はシャビーなものだが...)を持ってきたので,それにつないで音楽を聞いている。もっぱら聞いているのは寝る前だが,昨日選んだのはNik Bartschのライブであった。

Nik Bartschの音楽はビートは効きながらも,原則ミニマルなので,入眠の友には適していると思ったが,昨日は疲労していたせいもあるが,本当にあっという間に眠ってしまった。これぞ効能,効能。しかし,それでもホテルでの眠りは相当浅い。こんな状態なので,昼間はドヨ~んとしていても仕方ないのだが,結構立ちっぱなしで仕事しているので,眠くなることはない。だが,それによって,膝や腰には相当の負担が来ているのも事実である。

こんな感じで結構厳しい生活を送っている中で,フラストレーションの解消にはハードロックかなぁって気もするのだが,ついついおとなしめの音楽ばかりをセレクトしてしまう。やっぱり音楽についてもなんだかいつもと違うのである。まぁそんなものかもしれないが...。

それにしても,いくらうまいとは言え,こう毎日食していると,だんだん中華料理にも飽きてきた。だが,ほかには大したチョイスもないので,せいぜい料理の種類を変えて楽しむことにしているような状態である。

本来なら,こんな記事はおなじみ「出張はつらいよ」シリーズにするべきだったかなぁなんて思ってしまう。足はもはや棒のようである。やっぱり出張はつらいのである。結局音楽の話なんかほとんど書いてないじゃん。

2010年9月11日 (土)

追悼,谷啓

Photo 谷啓が亡くなったそうである。クレイジーキャッツの残党としては,その後も活躍していただけに,急逝が惜しまれる。

クレイジーキャッツと言えば,植木等ってことになってしまうのは仕方がなかろうが,それでも私はこの谷啓のとぼけたキャラが実は好きで,植木等以上にシンパシーを感じていたと言っても過言ではないかもしれない。それは私の亡くなった父が谷啓に何となく雰囲気が似ていたこともあるかもしれないが,それでもこの人のシンプルな一発ギャグが好きだったのである。

最近は「ガチョ~ン」も「ビロ~ン」もほとんどやっていなかったかもしれないが,それでもこの人を送るには「ガチョ~ン」しかあるまい。

はるか北京より「ガチョ~ン!!」

R.I.P.

中年音楽狂在北京(その4):厳しいタクシー事情

ここ北京ではタクシーを利用するのが当たり前みたいなところがあり,タクシーをつかまえるのが時間によっては結構大変である。NYCも壮絶なバトルを展開してタクシーをひろうこともあるが,北京は街が広すぎるのか,タクシーの絶対数が少ないのか,需要と供給がアンマッチのように感じる私である。

まぁこれも場所次第って感じもしないでもないが,それでもなんだかなぁ。しかし,日本円にして初乗り10元だから130円ぐらいなら乗っちゃうよねぇ。1時間走っても1,500円かからないぐらいなのだ。

でももうちょっと何とかして欲しいなぁ。ただでさえバテバテなのに,車が見つからないので,ますます疲れてしまった。週末も仕事だからさっさと寝ようっと。

2010年9月10日 (金)

中年音楽狂在北京(その3):こいつは驚いた?

今回はある業界イベントに参加するために北京に来ているのだが,実際に目にして驚いてしまったのが,納期直前になっての火事場のバカぢから(?)である。

日本のセンスからすれば,イベント前日の工事の進捗具合を見て,これは間に合わないのではないのかと思わせるような作業の進み具合だったのだが,結局は当日までには間に合っているではないか。さすが五輪や万博でもっと凄い修羅場をくぐりぬけた中国の工事関係者の力は凄いわ。

日本のようにきっちりオーガナイズされた作業の仕方というのも重要かもしれないが,これだけの馬力が今の日本人に残されているかと言えば,相当疑問に思ってしまった私である。これはやっぱり絶対に勝てないなぁと改めて思った次第。

しかし,この国民が,もう少しきっちりしたスケジュール感を持ったら一体どうなってしまうのかと思うと脅威と言わざるをえない。国民性が大きく変わるとは思えないとしても,私はこの国でビジネスをすることの難しさを更に強く感じてしまった出張である。でもまだまだ前半戦。最後まで体が持つのか???

2010年9月 9日 (木)

中年音楽狂在北京(その2):皆さんごめんなさい。コメントを頂いても返信が難しい状態が続いています。

現在,北京に出張中で,以前にも書いたことだが,北京からはブログへのアクセスが制限されていて,コメントを頂いても返す手段が携帯しかない状態である。よって,帰国までの間はコメントを頂いても,返信が必ずしも出来ない状態であることをご承知おき願いたい。

皆さまにはご迷惑をお掛けしますが,ご理解のほどお願いします。

中年音楽狂在北京:出足悪し

またまた中国出張中である。今回は一週間なので,結構長い。仕事の都合上,土日もない。こんな出張だから,せめてホテルではゆったりと過ごしたいと思うのが人情である。

しかし,今回宿泊したホテル,コーポレート・レートによる大幅ディスカウントというのはわかるが,あまりにひどい接遇である。出張初日(というか到着直後)から,極めて不愉快になってしまった。

そもそも,インターネットがつながらない。次にクレームを入れようとしたら,ベッドサイドの電話が通じない。バスルームの部屋から文句を言ったら,部屋が変わったのはいいが,ベルボーイは事情も理解せず,「私にはわかりません」の一点張りである。こんなホテルが日本の資本が入っているというのが信じられない。日本というのは,今,接遇という観点で差別化をしようとしているのではなかったのか。

私の怒りを助長したのは,このホテルに資本を投下しているのが,長年私が利用しているキャリアだということである。チェックインに際して,私がステータス・カードを提示したら,日本人スタッフは「今回はスペシャル・レートですのでマイルの積算はできません。」ときた。そんなもん,わかっとるわ。しかし,敢えてステータス・カードを提示するのは,私はほかの一般客とは違いますよと認識させる(ホテルから見れば「させて頂ける」はずである)ためであり,チェックインのプロセスを簡素化させるためのものである。だったら,それなりに接遇せよというのは当然の要求である。それができないのなら,件のキャリアを使い続ける意味はない。

全くこんなサービスしかできないから,今のような経営状態になるのだと思わずにはいられない。このキャリアがホテル・チェーンを売却する意思決定したのは当然だが,売却後も名前は残るそうだから,引き続きサービスには責任を取ってもらわんといかん。私はクレイマーだとは思わないが,フリークエント・ユーザーに対して,相応のサービスを提供できないのであれば,顧客維持プログラムなんて全く無意味だということを反省してもらわなければならないし,ステータス(それも相当上位のレベルだ)のホルダーに対しては無礼極まりない。今回の一件に関しては,相当頭にきてしまった私である。

こういうホテルには,二度とおたくのホテルは使わんし,誰にも推奨しないという反応しかできないが,ネガティブな口コミの影響を身にしみて感じて頂くしかないだろう。売却するから「そんなの関係ない」って言われるかもしれんが...。こんなレベルで5星とは片腹痛いわ。いずれにしても,本家のキャリアも使う気も失せる出来事であった。

当然,帰国するまでには責任者からは何らかの反応があるはずだが,それは追って報告したいと思う。とか何とか言って,何にもなかったりして...。その時はその時で対応を考えよう。それにしても腹が立つ。

2010年9月 8日 (水)

裏「ブルー・モントルー」?

Ben_sidran "Live at Montreux" Ben Sidran(Arista)

「ブルー・モントルー」と題された2枚のアルバムはフュージョンの経典のようなものだと思うぐらい,よくできたライブ・アルバムであるが,それと時を同じくするレコーディングがこれである。まさにメンツからすれば,Ben Sidranを除けば,「ブルー・モントルー」そのものみたいな感じである。

しかし,参加しているミュージシャンは同じでも音楽としては随分感じが違う。Ben Sidranっていう人は,昔,Steve Miller Bandに在籍した割には,その後,Go Jazzレーベルを立ち上げたりして,音楽的な方向性がどのあたりを向いているのか把握しにくい人だと思うが,このアルバムが「ブルー・モントルー」とは感覚的な違いがあるのも,ここでのリーダーであるBen Sidranによるものが大きいことは間違いないだろう。

このアルバムを聞いていて,Mike Mainieriの音のミキシング・レベルが相当低くて可哀想な気もするし,Steve Khanも地味に響いているが,伴奏としてはこれだけのメンツであるから,バックを聞いているだけでも結構楽しめる。特にMichael Breckerが聞かせるオブリガートやソロが聞きもので,"Come Together"のソロなんかレベルが高くて嬉しくなってしまう(これぐらいは当たり前か...)。また,Randy Breckerも"I Remember Clifford"では,なんとSidranとのデュオで非常にいい吹奏を聞かせる。うまいよ,Randyって感じである。更に驚いてしまうのがSidranの伴奏がジャズ・フレイバーに満ちたものであることである。あくまでもここでの主役はRandyとして,Randyを立てる伴奏をしていることに好感を抱いてしまった。その後に出てくるSidranのソロも,ピアニストとしての手腕を感じさせていい感じなのである。だが,その一方で,この"Someday My Prince Will Come"はないよなぁなんて思ったりもするが...。この辺りは微妙なのである。

歌手としてのBen Sidranには私はこれまで関心を持ったこともないし,これからも熱心に聞くこともなかろうが,それでもこのアルバムは78年のモントルーにおける記録として,記憶に留めておいても悪くはない。しかし,Ben Sidranには悪いが,このアルバムはバックを聞くための音源のようにしか思えないし,私ならこのアルバムよりも「ブルー・モントルー」を優先して聞いてしまうことは間違いない。星★★★。

Recorded Live at the Montreux Jazz Festival on July 23, 1978

Personnel: Ben Sidran(vo, p), Tony Levin(b), Steve Jordan(ds), Steve Khan(g), Mike Mainieri(vib), Randy Brecker(tp), Michael Brecker(ts)

2010年9月 7日 (火)

無茶苦茶な高値が付く"Mermaid Boulevard"

Photo "Mermaid Boulevard" 渡辺香津美(Alfa)

このアルバムは,Lee Ritenour & His Gentle Thoughtsが来日した際(断言はできないが,渡辺貞夫との共演で来日した時,即ち"Autumn Blow"を吹き込んだ頃ではないだろうか)に録音されたものと思われるが,Alfaレコードがつぶれてしまった今では,CDがとんでもない高値で取引されているアルバムである。LPは結構な安値で取引されるのに,CDが高いってのも何だかなぁという気もするが,それはさておきである。

断言してしまうが,このアルバムは決して渡辺香津美のフュージョンとしての最高傑作ではない。むしろ,この程度のアルバムが超高値で取引されねばならないことに私は疑問を感じるのである。もちろん,メンツがメンツである。そんなにひどい出来のアルバムになるはずはないのだが,何回聞いても,このアルバムには私は興奮させられないのである。私の場合,アルバムが手に入らないものだから,某所でゲットしたダウンロード音源で聞いているから,感慨が違うのだと言われてしまえばその通りかもしれない。そりゃ大枚はたいたのと,「ただ」で音源をゲットしたのでは感覚が違って当たり前なのだ。

冒頭のタイトル・トラックはなかなか感じのよいイントロから始まって,これってGentle Thoughts(あるいはその後のFriendshipでもいいが...)のアルバムみたいだと思うのは多分私だけではないだろう。その後も,なかなかの演奏は続いていくわけだが,渡辺香津美という人の実力(あるいは"TOCHIKA"や"MOBO"のレベル)からすれば,この程度はできて当たり前ではないのかという気がするのである。それに加えて,何じゃこりゃという2曲目の"Neptune"のイントロのようなわけのわからんものがあったりで,水準は保っていても,ちょっとこれはなぁ~と思わせるものがあるのである。もちろん,香津美とRitenourの2ギターで聞ける"Sugarloaf Express"のように感慨を覚えてしまうものもあるが...。

いずれにしても,一発セッション・アルバムなのだから目くじらを立てても仕方がないだろうという気がしないでもないのも事実で,評価についてはまぁ稀少度も込みで大甘で星★★★☆ってところか。いずれにしても,このアルバムが現在取引されている金額は,少なくとも私にはToo Muchである。

皆さん,インターネットをうまく利用しましょうね(余計なお世話!)。

Personnel: 渡辺 香津美(g),Lee Ritenour(g),Patrice Rushen(key),Ernie Watts(ts, ss, fl),Anthony Jackson(b),Harvey Mason(ds),Steve Forman(per),深町 純(key),吉田 美奈子(vo)

2010年9月 6日 (月)

Swing Out Sister:このアルバムの魅力は不滅だ

Sos"It's Better to Travel" Swing Out Sister (Mercury)

私がこのアルバムに出会ったのは在米中の90年代初頭のことである。その頃,スムーズ・ジャズ専門局として私がほとんど毎日聞いていた今は亡きWQCDで,結構な頻度で彼らの曲がエアプレイされていた。最も頻繁にかかっていたのは"Breakout"であったと思うが,ほかの曲もよくかかっていた。そうしているうちに私は,彼らの音楽が非常に心地よいものに思えてきてしまって,このアルバムを購入,それから20年近く経っても,このアルバムは本当に好きなままである。それは決してノスタルジーでなく,ここに収められた曲が魅力的なせいである。どこから聞いても親しみやすく,ポップなこんな音楽を聞かされたら,普通はまいってしまう。

後々になって知ったことなのだが,このバンドのオリジナル・メンバーであるAndy ConnellはA Certain Ratio出身,Martin JacksonはMagazine出身という,Swing Out Sisterの音楽性と全く関係ないじゃないかという出自が非常に興味深い。いずれにしても,こうしたハイブリッドな音楽性がこのポップ・センスを生んだとすれば,そのことの偶然性(あるいは必然だったのか)には私は感謝したくなる。

その後,このバンドが日本において異常な人気を誇ったことには別の要因があるとは思うが,そんなことは別にしても,このアルバムのよさは私にとっては永久に不滅だと言いたい。その後も私はある程度までは彼らのアルバムを買い続けていたのだが,徐々にマンネリ化していったのは残念である。演奏のセンスは変わらなくても,このアルバムに聞かれるような曲の魅力が私には失われたように思う。今にして思えば,スタジオ作なら2作目まででいいかなという気もする。あとはJazz Cafeでのライブ盤(これはかなりいい)があれば,今の私にとっては十分である。

だが繰り返す。本作に収められた楽曲群のクォリティは極めて高く,長く聞き続けられるに値するものだと私は思っている。おしゃれな音楽でもあるが,それがファディッシュ,あるいはファッションで終わらないところがいいのである。ブリティッシュ・ポップのよさがよく表れた傑作。星★★★★★。

Swing Out Sister:Corinne Drewery(vo),Andy Connell(key), Martin Jackson(perc)

2010年9月 5日 (日)

久しぶりにDavid Lindleyの初リーダー作を聞いた

El_rayo_x "El Rayo X" David Lindley(Asylum)

このアルバムの国内盤が出た時のタイトルは「化けもの」であったはずである。ご丁寧に日本語での「化けもの」ってロゴも入っていて,購買意欲を低下させたように記憶しているのだが,画像イメージが見つからない。当然,私は輸入盤を買ったが,それでもこのジャケのセンスはないよなぁと思ったものだが,まぁそれはさておきである。

David Lindleyと言えば,Jackson Browneのバックで素晴らしい演奏を聞かせたわけだが,そのLindleyの初リーダー作がこれである。プロデュースにはJackson Browneも関わり,バックでヴォーカルも聞かせているから,大したバックアップぶりである。

David Lindleyその風貌からしても「化けもの」ってのは頷ける話(笑)だが,この人の声は風貌とは異なって結構ハイトーンなので,そのギャップも面白い。このアルバムが出た頃は,色々なリズムを採用していて,Ry Cooder的という評価もあったと思うが,この人のキャラはRy Cooderよりははるかに明るそうだなぁと思うのは私だけではないだろう。このアルバムも,沖縄風あり,レゲエあり,ハードなブルース・ロックありと何でもありという感じなのだが,それでもこれが楽しめてしまうのである。

シンガーとしての資質というか,声が魅力的だとは決して思わないのだが,演奏の質が高くて,まぁいいかと思わせてしまうのが人徳と言えば人徳かもしれない。冒頭に収められた"She Took off My Romeos"は以前CMにも使われていたはずだが,David LindleyがCMに使われていたなんてのは,よくよく考えてみれば驚くべき事実である。

私がこのアルバムの中で一番しびれたのは実は"Mercury Blues"である。Steve Miller Bandならば,「ど」ブルーズにしてしまうこの曲を,ハードなロックスタイルで聞かせていて,私は今も昔もこれを聞くと燃えてしまうのである。ラップ・スティールでこんな演奏というのにも驚かされる。以前,自分でコンパイルしてテープを作った時もこの曲を入れていたぐらいなのだ。久しぶりに聞いても燃えてしまった私である。ついでだから映像もアップしてしまおう。

先ごろ,Jackson Browneとのライブ盤も出したDavid Lindleyだが,本当にこの頃は勢いがあったなぁと「遠い目」になってしまった私である。しかし,繰り返すが発売から30年近く経ってもこのアルバムの魅力は不変である。歴史的名盤だとは思わないが,十分に星★★★★。

Personnel: David Lindley(vo, g, vln, etc.), William D. "Smitty" Smith(org, key), Bill Payne(org, key), Garth Hudson(key, horn), Curt Bouterse(dulcimer), Bob Glaub(b), Reggie McBride(b), Ian Wallace(ds), Ras Baboo(perc, vo, accor), Jackson Browne(vo), Jorge Calderon(vo)

2010年9月 4日 (土)

これは渋い!John Mellencampの新譜

No_better_than_this_2 "No Better Than This" John Mellencamp (Rounder)

John Mellencampとは,私は今までほとんど縁がなかった。唯一の例外はDylanの30周年記念ライブぐらい。昔はJohn Cougarって名前だったよねぇなんてのも懐かしいが,いずれにしても今まで彼のアルバムを買ったことはなかった。ではなぜ今回かというと,T Bone Burnettがプロデュースしているからである。今やアメリカらしい音を聞きたいならJoe HenryかT Bone Burnettのプロデュース作品を聞けばいいというのは言い過ぎかもしれないが,非常にレベルの高い作品を連発してくれるT Bone Burnettにより,どんな作品に仕上がるかが興味深かったのである。しかもこのアルバム,何とモノラル録音である。しかも先人にゆかりの地で,機材にもこだわって録音したとのことであるから,枯れた音がして来るという予想はあったのだが,これが実に渋いアルバムである。また,現代の録音と思えぬほどローファイな音であるが,これも狙いのひとつとすれば当たっている。ある意味先祖がえりみたいな音なのである。

ではゆかりの地とはどこか。プロデューサー,T Bone Burnettによれば,次の3か所である。①First African Baptist Church(Savannah, GA):初のアフリカン・アメリカンによるバプテスト教会,②Sun Studio, 706 Union Avenue(Memphis, TN):Elvis Presleyもここで録音,③Gunter Hotel 414号室(San Antonio, TX):Robert Johnsonが録音した部屋。何とも凄いこだわりである。John Mellencampが求めたのは霊的な交感だったのかとも思いたくなるが,T Bone Burnettもライナーに書いているとおり"All those ghosts. All those spirits. This is a haunted record."ってことなんだろうなぁなんて思う。ちなみに,John Mellencampはレコーディング中に①で洗礼(パプテスト教会なら浸礼と言うべきか)を受けたそうである。

但し,13曲中9曲は②における録音というのはまぁ当然のことであろう。そこで,録音場所に注意して聞いてみたのだが,通勤電車の中のiPodではよくわからんというか,トーンが全然違うということは少なくともないので,録音場所の違いは問題はないように思えた。

曲は全体的にこれぞルーツ・ミュージックみたいな曲ばかりだが,これらが全部新曲というのもある意味では凄い。はっきり言って,今はいつ?って思いたくなるような音楽ではないか。また,⑫の"Easter Eve"なんて,完全にBob Dylanのクローンみたいになっているが,DylanのMellencampへの影響をうかがわせて,ある意味微笑ましい。

いずれにしても,この取り組みがどのようにリスナーに受け入れられるかはわからないが,この手の音楽が好きならば,間違いなく気に入るだろう。もちろん,私は好きである。星★★★★☆。

Personnel: John Mellencamp(vo, g), Andy York(g), Marc Ribot(g), T Bone Burnett(g), David Roe(b), Jay Bellerose(ds), Miriam Sturm(vln)

2010年9月 3日 (金)

Vernell Brown, Jr.:誰それ?ってのが普通の反応だろうなぁ

Vernell_brown_jr_a_total_eclipse"A Total Eclipse" Vernell Brown, Jr. (A&M)

これは私が在米中に購入したアルバムだが,当時の典型的なフュージョンという感じで,今でも結構好きなアルバムである。今やVernell Brown, Jr.なんて誰も知らないかもしれないが,当時,大メジャーのA&Mから元CrusadersのStix Hooperのプロデュースでデビュー・アルバムを発表したのだから,相当期待されていたはずである。

Vernell Brown, Jr.にとって不幸だったのは,その当時,米国ではフュージョンというよりもスムーズ・ジャズがもてはやされ始めていたことだと思うのだが,この人の音楽はスムーズ系ではないだけに,もう少し早ければ,あるいはもう少し遅ければもっと売れていたのではないのかと思うのだ。結構いい曲も書いているし,メンツもいいしなぁ。

私も長年何だかんだと言いながらこのアルバムを聞いているわけだが,当時からあった違和感は,最後に収められた4ビートによる"Vernellergize"によるものである。私はこれさえなければもっとこのアルバムを評価したいのだが,プロデューサーであるStix Hooperが叩きたいと言ったのかどうかは知らんが,こんなしょうもない演奏を最後に収めたのは,画竜点睛に欠けると言わざるをえまい。とにかく,それまでが相応のレベルのフュージョンを聞かせただけに,これは本当に惜しい。

だが,それを除けば,発売から20年近く経っても,結構魅力的な音楽が聞ける。冒頭の"New Shoes"なんて,Joe Sampleが弾いていると言っても通用するぐらいだし...。

今,Vernell Brown, Jr.が何をどこでしているのかは全く不明だが,このアルバムはもう少し知られてもいいように思うということで,突然ながら取り上げてみた。それでも結構安値で手に入るし,やっぱりその程度の評価しか受けていないということだろう。それでも私としては星★☆ぐらいに評価したい。但し,この人のセカンド・アルバムは期待して買ったが,全然面白くない出来だったという記憶しかない。この人はこれ一枚で十分だ。

Personnel: Vernell Brown, Jr.(p, key, b), Ernie Watts(ts, ss), Herb Alpert(tp), Paul Jackson, Jr.(g), Pat Kelley(g), Franz Pusch(key), Marcus Miller(b), Neil Stubenhaus(b), John Patitucci(b), Vinnie Colaiuta(ds), Stix Hooper(ds), Lenny Castro(perc)

2010年9月 2日 (木)

現時点での最強バンドの一つと言いたいDave Douglas & Keystone

Dave_douglas_spark "Spark of Being" Dave Douglas & Keystone (Greenleaf)

先日,このブログでNik Bartsh's Roninを取り上げたばかりだが,そのNik Bartsh's Roninと並んで現代最強のエレクトリック・バンド,少なくともジャズ界では最強だろうと私が勝手に思っているのがDave Douglas & Keystoneである。おっと、いけない。Chris Potter Undergroundも忘れてはならん。それはさておき、最近何をやっているのやらと思って,久しぶりにDave Douglasのサイトを訪れてみたら,何と新譜を発売しているではないか。チェックが甘いとはこのことである。

今回のアルバム,フランケンシュタイン映画の100周年を記念した映像/音楽コラボのようなのだが,最終的にはサウンドトラック→拡張版(Expand)→未発表を含んだBurst版と3回にわけて発売されるようである。私は結局Burst版までを全部含む3枚組を発注したのだだが,9月に最終的に発売されるまではMP3版を聞いておけという感じでサウンドトラック版がダウンロード可能だったので,早速最新音源を聞いてみた。

これまでのKeystoneのアルバムに比べると,かなり静謐な雰囲気が強いかなと思わせるのは,これも貼付したトレイラーを見れば,なるほどなぁって感じである。この映像の作者,Bill Morrisonは音楽をBill FrisellやらSteve Reichにも委嘱しているようで,その中にはVijay IyerやGavin Bryars等の名前も見られる。中々に渋いというか,アートって感じのミュージシャンの選択ではないか。さすがにTate ModernやMOMA等で上映されるだけのことはあるわ。

それはさておきである。今聞いているのはサウンドトラックなので,本格的に評価するには9月の3枚組のリリースを待つべきだとは思うが,これだけを聞く限りにおいては,若干テンションは抑え気味という気がする。しかし,この鉄壁というべきバンドのコンビネーションはより緊密化しているのではないかと感じさせるところもあり,やはりこのバンドは相当いけていると思わざるをえないが,これまでの作品,例えば"Moonshine"に比べるとやや刺激が足りないと思わせるのがやや残念である。だが,それがサウンドトラック版においてのみなのか,それともボックス・セット全体を通してもそうなのかが興味深いところではある。ボックスは9月の下旬にはデリバリーされるだろうが,その折にまた改めて聞いてみることにしよう。このサウンドトラック版に関して言えば星★★★★ぐらい(ちょっと甘いかな)。いずれにしても是非映像とリンクさせて見てみたいものである。

尚,このバンドのNYCはJazz Standardにおけるライブの模様のダウンロード音源(FLACまたはMP3)がDave Douglasのサイトで購入できるので,計4日分,8セットの音源(MP3版)もついでに買ってしまった。私も相当の好き者であるが,まあ,結構な時間のファイルが$40だからまぁいいや。それも聞くのも実は楽しみである。

Personnel: Dave Douglas(tp), Marcus Strickland(reeds), Adam Benjamin(el-p), Brad Jones(b), Gene Lake(ds), DJ Olive(turntable, laptop)

Spark Of Being - Dave Douglas & Keystone, and Bill Morrison from Greenleaf Music on Vimeo.

2010年9月 1日 (水)

四谷「いーぐる」店主によるジャズ名盤本:ほんまに初心者向けですか?

Photo 「一生モノのジャズ名盤500」 後藤雅洋(小学館101新書)

最近,世の中にはジャズに留まらず,この手の名盤本が結構あると思うが,またまた四谷いーぐる店主,後藤雅洋が新しい本を出した。

この本の惹句を見れば,「ジャズに興味はあるけれど、何から聴いていいか迷ってしまう......そんなあなたにお勧めしたい、究極のジャズ名盤ガイド」だそうである。「聴いた感じ」別に18のグループに分類というのはまぁいいとして,ここに掲載されている500枚が本当に初心者向けかねぇという疑問は残る。各グループの代表的な4枚ならまだわかるが,その他のチョイスには「ほんまかいな」というようなものも含まれているのである。そもそも初心者に500枚はToo Muchだろう。

私にとっては,中国出張の暇つぶしの書として結構重宝したわけだが,初心者向けと書きながら,紹介しているアルバムが必ずしもその通りでないとすれば,これが本当に親切な書物なのかどうかは微妙である。しかし,色々なタイプのジャズに接して,その中から好みのスタイルを把握していくということでは,昔,ジャズ喫茶で年がら年中ジャズを聞いていて,その結果,ようやく私にもParkerやMonkのよさがようやく見えてきたのと同じような効果ははあるのかもしれない。

これまでジャズを聞いてきた人にとっては,へぇ~,こんなものを選ぶかというところもあって,まぁそれなりには満足できるだろう。いずれにしても,ネット時代とかそういう要素は全く関係なしのコンベンショナルな音楽の聞き方,あるいはそのためのガイドって気がしないでもない。星★★★☆。

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