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2010年8月18日 (水)

どう考えても地味だが,もっと知られていいAlan Broadbentの好盤

Alan_broadbent"Personal Standards" Alan Broadbent (Concord)

私がこのアルバムを知ったのは,某金融機関に出向中の頃のはずである。それはそれはストレスがたまる生活であったので,夕方の休憩時間に会社を抜け出しては,その当時秋葉原にあったディスクマップに速攻で行って,輸入盤を漁るのが唯一の息抜きであった。そんな時,私の目に留まったのが,新譜としてディスプレイされていたこのアルバムのジャケであった。

それまでもAlan Broadbentという名前は聞いたことがあった。一番印象に残っていたのはIrene Kralの伴奏としての存在だったかもしれないが,真っ当に聞いたことがあるわけではなかったから,私がこのアルバムを買う気になったのは,本当に何となくなのである。Concordレーベルだし,ジャケのセンスも結構気に入った
(デザイン的なバランスがいいのだ)こと,更にはドラムスがJoe LaBarberaだったというのが主な購入理由だったと記憶している。だが,聞いてみてびっくり,これが大当たりであった。

このアルバムの特性を一言で言うならば「趣味がよい」ということであろう。このアルバムを聞いて,嫌いだという人はあまりいないだろうと思わせるような一般性を持ちながら,Broadbentの書く曲,あるいはピアノが大変美しいのである。これを昔から馴染みのジャズ喫茶に持参してかけてもらったことがあるのだが,マスターにも気に入ってもらえたのはちょっと嬉しかった。

私がこのアルバムが気に入っていたのは,当時ストレスが結構溜まっていて,こうしたミディアム・テンポ以下の曲を聞いていると心が多少は和むという側面もあったかもしれないが,とにかく本作に聞かれる「落ち着き」が心地よかったのである。この作品は,大音量で聞くような音楽ではなく,小音量でもいいので,落ち着いた空間を作り出したいときには最適なように思う。いつも皮肉っているように,世の中の外食産業ではモダン・ジャズをBGMとして使用するのが大流行であるが,これぐらい趣味のいい音楽を選んでくれたら,私はその店を絶対ひいきにするだろう。こういうことは前にも書いたかもしれないが,滅多やたらにBlue Noteレーベルをかけられても,店の種類によっては,極めてバランスの悪いアンビエンスが生まれることもあるのである。音楽が与える心理的効果は,もう少し考えてもらいたいものである。

そうした意味で,本作は耳をそばだてるもよし,会話のバックで流れるもよし,食事や酒のバックによしと非常に使い勝手のいい音楽だということが言えるだろう。しかも質が高いのがよい。確かにAlan Broadbentは地味なピアニストではあるが,こういうアルバムがあるということはより幅広いオーディエンスに知って頂きたいと思う。星★★★★☆。

Recorded on October 7 & 8

Personnel: Alan Broadbent(p), Putter Smith(b), Joe LaBarbera(ds)

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ジャズ(2010年の記事)」カテゴリの記事

コメント

音楽狂様。こんにちは。じぶん今この人を追いかけ始めていて3枚取り寄せているんですよ(一枚はCharlie Haden絡み)。きっかけは「Round Midnight」というアルバムです。いやービックリしますね。このタイミングで音楽狂さんがアップすることが(笑)。
「Round Midnight」は普通に質の高いピアノトリオという感じなのですが、とにかく耳あたりが良くて嫌みが無く力強くもあり、自然にヘビーローテーションなのです。地力がある証拠だと思いますが、久々いい人を見つけたという感じです。機会があればアップするかも、です。

Alan Broadbentは、同じような印象です。
スリリングではないけど、かといって、聴き所がないわけでもなく、テクニックも素晴らしいと思うのですが。。
が、確かに、派手な印象はなく、その気品と知性からかもし出される空間はジャズの好きな人はほっとすると思います。

>外食産業ではモダン・ジャズをBGMとして使用するのが大流行

これね、、わたしも感じてて、、せめて、もうちょっと店なりの選択は出来ないのか、、って、思ってたのですが。。
ジャズを聴かない我が家の「若い世代」に尋ねたことがあるのです。
適当にお洒落な感じ、、と、言うよりも、、ジャズのそのヘンは、まったく興味がわかなくて邪魔にならないんだそうです。
気になるのは、我ら少数派の昔からのジャズファン。。なのかも。

ki-maさん,こんにちは。お話のアルバムはBrian Brombergとやったものですよね。あれはキング・レコードがBrombergで売ろうとしたのは明らかですが,Broadbentってやっぱりそういう感じで扱われてしまうのではないかと思ってしまいます。

まぁ,でも本当に趣味のよいミュージシャンですから,Haden絡みはQuartet Westと思いますが,いかなるセッティングでもちゃんとした作品には仕上げてくるのがこの人のいいところですよね。でもやっぱり地味ですが(笑)。

すずっくさん,こんにちは。はい。私もこの人を聞いていると確実に和みます。そういう意味では貴重なミュージシャンですよね。

「気になるのは、我ら少数派の昔からのジャズファン。。なのかも。」ってそう言われてみればその通り。市井に暮らす普通の人々にとってはどうでもいいことなのかもしれませんね。それにしても「まったく興味がわかなくて邪魔にならない」と言われては見もふたもないなぁ。でもうちの家人もそう思ってるんだろうなぁ。

音楽狂様
昨日から3枚狂い聴きです(笑)。
個人的にこういう変化球に頼らず聴かせる人は評価高いです。自分的ピアニスト勢力図を塗り替える勢いですが、もう少し聴いてからなんか書きたいと思っていいます。こうなるともっと知らない人にも手を出さなきゃなぁと嬉しくなってしまいます。

ki-maさん,こんばんは。Alan Broadbentのマイ・ブーム(死語?)って凄いような...。まぁでも傾聴に値するピアニストではありますよね。

ところで,何をお聴きになっているんでしょうか?気になりますねぇ。

音楽狂様
えーとストリングス入りの「Every Time I Think Of You」、トリオの「You and the Night and the Music」あとご指摘の通り「Charlie Haden Quartet West/Haunted Heart」です。いきなり買ったのではなく図書館にあったもの全てです(i tunesに入れてwalkmanで聴く時間が長いので図書館は助かります。しかも廃盤とか結構あったりして)。
この聴きやすさと甘さで凄さが前面に出にくいかもしれないと思いますが、聴くほど凄いという感じになってきています。いや、マイブームですよ(笑)。ただまだ聴き込んでないので意外と手癖に飽き飽きとか、たまにあるので少し時間を掛けたいところですが。実力に対して知名度が低い(そうでもないのかな?)のを不思議に思いながら聴いています。

ki-maさん,図書館ですか。確かに図書館で借りれば,CDの在庫は増えないし,しかもただ。それはナイスです。私も久しく図書館ででCDを借りていませんが,今度借りようっと。買い過ぎなんで...。

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