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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2010年6月30日 (水)

言い訳

最近,いろいろと気になる新譜がリリースされていて,それ相応に仕入れてはいるのだが,いかんせん聞いている時間がない。出張がちということもあるが,それにも増して,W杯観戦で音楽をちゃんと聞いている時間が取れないのである。私は何度か書いたように,通勤時間が主たる音楽鑑賞の時間なのだが,その通勤時間も,W杯観戦疲れで,ほとんど爆睡状態であるから,音楽をプレイバックしていても,全然記憶に残らないのである。この記事がアップされる頃には,日本~パラグアイ戦の大勢は決しているのではないかと思うが,今日もどこかで間違いなく観戦モードに入っているはずである。そしてそれが終わればまた中国出張である。W杯は7/12まで続くので,まだまだこれからも寝不足は続く。ということで,早くCrowded Houseの久々の新作とかタワー・レコードとのコラボで再発された東京カルテットのバルトークの弦四やら早く聞きたいのだが,なかなかねぇ...。Tom Pettyも聞きたいなぁ。

結局のところ,今日は言い訳だけである。読者の皆さんごめんなさい。

2010年6月29日 (火)

かなりいけているAlex Sipiagin:現在進行形のNYCのジャズ?

Alex_sipiagin "Generations: Dedicated to Woody Shaw" Alex Sipiagin (Criss Cross)

ジャズ・ブロガー界ではCriss Crossレーベルのファンが結構多いように思うが,なぜか私はそれほどこのレーベルへの思い入れは少ないのが実態で,ミュージシャンによって,是々非々で購入を決めているって感じである。ただ,このレーベルが,欧州ジャズ心境著しい中にあって,欧州に対抗する米国勢の砦のような感じになっているのは事実であろうし,一貫したプロダクションには好感が持てる。そんなレーベルから気になるメンツによるアルバムが登場したので,これには私も食指を動かされ,購入と相成った。その要因としては,まずトランペットのワンホーン・クァルテットであること,第二にピアノでなく,ギター入りであること,そして第三に「Woody Shawに捧ぐ」とサブタイトルが付いていることである。

常々書いているとおり,私はトランペットのワンホーン・クァルテットが結構好きなのだが,この編成を見れば,欧州勢ではPaolo FresuのAngel及びDevil Quartetを思い出すリスナーも多いはず(それは内輪だけ?)である。私はFresuのクァルテットが相当好きなので,やはりこの作品を聞くときにも,Fresuが一つのひな形になったと言ってはSipiaginに失礼かもしれないが,どうしても比べてしまうのである。でもまぁやはり感じは全然違うなぁっていう気がして,これはこれとして聞かなければならないと思わされる。これが欧米間の違いというものだろうか。また,Woody Shawは結構好きなラッパなだけに,Sipiaginがどういう風にトリビュートするのかも大いに気になった。しかし,ここでの演奏は結構コンテンポラリーな感覚が強くて,どのあたりがWoody Shawへのトリビュートかってのは,Shawの曲をやっている以外は実はちょっと掴みにくい。それでも"Cassandranite"なんかを聞いていると,確かにそういう感じがないわけではない。いずれにしても,Sipiaginのラッパはよく鳴っている。なかなかにハードボイルドでスリリングなフレージングを連発しているのが素晴らしい。

先日,Seamus BlakeのSmallsのライブ盤を聞いた時も,SeamusとLage Lundのユニゾンが心地よいと書いた(記事はこちら)のだが,本作でもSipiaginとAdam Rogersのユニゾンが多く,最近はホーンとギターのユニゾンがNYCでは流行りなのかと思ってしまったが,その分,Rogersの露出も大きく,聞きようによってはRogersのリーダー作に聞こえないこともない。そこに鋭く切れ込むSanchezのドラムス,更には好バックアップを展開するKozlovと,バンド全体を通して聞きどころの多いアルバムである。私が今年聞いた中でも,ハードボイルド度では,クリポタ参加のDaniel Szabo Trioと双璧と言ってもよいかもしれない。そうした点を評価して星★★★★☆。ただ一点,減点対象としたいのが,最後に冒頭の"Greenwood"の別テイクを持ってきているところである。両テイクに大きな違いがあるわけでもないのに,いかにも時間稼ぎのような曲の収録を行うことには私は疑問を感じる。いくら演奏がよくても,これは明らかに蛇足である。どちらか一方で十分なはずではないか。

そうは言いながらも,私のブログのお仲間でもこのアルバムが好きな人はきっと多いのではないかと思わせる好アルバムである。無性に本家Woody Shawの演奏を聞きたくなってきたように思えるのは気のせいかなぁ。

Recorded on January 25, 2010

Personnel: Alex Sipiagin(tp, fl-h), Adam Rogers(g), Boris Kozlov(b), Antonio Sanchez(ds)

2010年6月28日 (月)

Jewelの新作について:ミーハー化する中年音楽狂

Jewel001_2 "Sweet & Wild(Deluxe Edition)" Jewel(Valory Music)

日本にどれぐらいJewelのファンがいるのかはわからないが,私は彼女がデビューして以来のファンである。彼女の歌声が好きなのはもちろんだが,私は彼女の美貌も含めて好きなのである。よって,かなりミーハーということになる。今回のニュー・アルバムもJewelのサイトからのEメールで,特典付きのスペシャル・ヴァージョンが発売されると知って,さすがにギター付き(!)は買わなかったが,限定500部(手書きのシリアル番号まで入っている!それがどうしたって気がするが,私は242/500であった。)サイン入り写真集("Making of Sweet &Wild")付きのヴァージョンを大枚はたいて(送料が高いのだ)仕入れた私である。ここに写っているのはそのサイン入りデラックス・エディションCDのものだが,はっきり言って,このジャケは私の好みではない。

Jewel_photo2_2 私の好みのJewelのイメージはこれ(→)である。ミーハーと言われようがなんだろうが,私は清楚なJewelが好きなのである。女性の年齢をばらすのは反則だが,今年36歳になるれっきとしたレディ(かつ人妻)に清楚もへったくれもないような気がしないでもないが,それでも私はこういうJewelが好きなのだ。いかにもカントリー・シンガーみたいな今回のデラックス・エディション盤のジャケはいかん。これなら通常盤のジャケの方がまだいけていると思うのは私だけではあるまい。しかし,彼女の美貌について語るのがこの記事の本題ではないので,これぐらいにしておく。

Jewelの前作"Lullaby"は企画アルバムであったが,癒し効果絶大で,私はかなり好きな作品であった(記事はこちら
)。それに比べると結構ポップな感覚が強く,コンテンポラリー・カントリーって感じと言えばいいだろうか。Jewelの声もそういう感じなのである。しかし,このアルバムを聞いていて思うのは,必ずしもこのバンド・サウンドって彼女にフィットしていないのではないかという点である。このデラックス・エディションの2枚目は,"Sweet & Mild"と題された,アルバム収録曲を原則弾き語りのアコースティックで演奏したヴァージョンなのだが,私としてはバンド・サウンドでコズメティクスを施したものより,アコースティックでの「清楚な」素に近い歌声の方に強く惹かれてしまうのである。ということで,評価は微妙ではあるが,2枚目の魅力を評価して星★。もちろん彼女の美貌は今でも星★だが(しつこい!)...。ということで,Jewelの前では私はミーハーと化すのである(ほんまにJewelだけか?というツッコミはやめといて~)。

Personnel: Jewel(vo, g), Nathan Chapman(g, key, perc, vo), Ken Halford(g, p), Ilya Toshinsky(g, banjo, mandolin, p, key, synth), Mike Johnson(g), Stuart Duncan(vln), Tim Lauer(org, p, el-p, accordion, synth, fl), Jason Freese(key), Jimmie Lee Sloas(b), Tim Marks(b), Nick Buda(ds), Eric Darken(perc), Jonathan Yudikin(strings)

2010年6月27日 (日)

祝復活,Jeff Lorber Fusion!

Jeff_lorber_fusion"Now Is the Time" Jeff Lorber Fusion(Heads Up)

Jeff LorberがJeff Lorber Fusion(JLF)名義で最後にアルバムをリリースしたのは1981年,その名もゲーセン・マニアにも懐かしい"Galaxian"である。それからほぼ30年を経た今,なぜJeff LorberがJLFを復活させる気になったのか?Jeff Lorberのサイトの映像には次のように書いてある。

"Now is the Time" Recaptures the Spirit of Jazz Fusion.

なるほど。Jeff Lorberが目指したのはスムーズ・ジャズではなく,あくまでもジャズ・フュージョンなのである。私はJeff Lorberというミュージシャンは凡百のスムーズ・ジャズとは違うと思っているが,それは彼の他のミュージシャンのプロデューサーとしての活動からも感じられることであった。その彼がジャズ・フュージョンの精神に再度立ち帰るというのはある意味でJeff Lorberその人の男気を感じさせる。

ここでは過去のレパートリーを散りばめながら,現代におけるジャズ・フュージョンを再構築するという感覚と言ってよいだろうが,それは適度なファンクを感じさせながらも心地よい音楽の連続である。その中に,Weather Reportの"Mysterious Traveler"のカバーが入っていることが,硬派な感覚を増すのに貢献しているが,全体を通じてこれぞジャズ・フュージョンだよねぇというサウンドが楽しめる。まぁそれもそのはずというメンツが揃っているが,ジャケの写真からすると,現在のJLFはJeff Lorber,Eric Marienthal,Jimmy Haslipというのが基本のメンツのようである。そう言えば,Kenny Gも昔はJLFのメンバーだったんだよねぇ("Wizard Island"と"Galaxian"で吹いている)なんて懐かしんでしまうが,この3人もなかなかに強力である。Jimmy Haslipは最近,Renegade CreationにJLFなんて活動が活発化(しかもプロデューサー兼業である)しているが,本業のYellowjacketsはどうなってんねんなんて余計な心配もしたくなる。

まぁそんな心配もどうでもよくなるような爽快なフュージョン・ミュージックてんこ盛りなので,ただこの心地よい響きに身を委ねればよいのである。"Mysterious Traveler"だけがややサウンドとしては異色としても,全体としてはなかなかにナイスな出来のアルバムである。フィーチャーされるIrene Bの声もなかなか魅力的。この人,スペイン出身らしいが,ヴォーカルを加えることで,アルバムとしてのバランスが崩れていないところもいいねぇ。歴史に残るアルバムとかではないが,こういうのは貴重なアルバムである。もう一つ,特筆していいのは昔のレパートリーが,全然古めかしさを感じさせないことである。これって大したことである。星★★★★。

それにしても,Blood Sweat & Tearsってまだ現役だったんだ,ってのがちょいとビックリ。"Spinning Wheel"が猛烈に聞きたくなってきたなぁ。でも手許にない(爆)。

Personnel: Jeff Lorber(key, synth-b, g), Eric Marienthal(as, ss), Randy Brecker(fl-h), Paul Jackson, Jr.(g), Tony Maiden(g), Michael Thompson(g), Larry Koonse(g), Jimmy Haslip(b, perc), Alex Al(b), Vinnie Colaiuta(ds), Li'l John Roberts(ds), Jimmy Branly(ds, perc), Dave Weckl(ds), Lenny Castro(perc), Irene B(vo), Frankie Biggz(vo) & the Blood, Sweat & Tears Horn Section<Tom Tiko(sax, fl), Steve Jankowski(tp, fl-h, bs), Jens Wendelboe(tb), Teddy Mulet(lead tp)>, Jerry Hey(horn arr), David Mann(horn arr)

2010年6月26日 (土)

日本代表のナイス・ゲーム

私はこのブログで,日本代表に対して何度か辛辣な言葉を並べてきたが,今回,W杯の決勝トーナメント進出を決めたデンマーク戦は,久しぶりに,本当に久しぶりに「ナイス・ゲーム」と言ってよい勝ち方をしたと思う。カメルーン戦での勝利,オランダ戦での善戦を経て,完全に復調モード,というか新しい戦い方を身に付けたようである。それはある意味「愚直」と言ってもよいが,守備的な布陣を敷きながら,前線の3人(本田,松井,大久保)は常に攻撃への意識を忘れないという感じだろうか。更には,デンマーク戦における,得点にはならなかったが,誰もが驚かされた遠藤のダイビング・ヘッドの試みにも,その「愚直さ」が表わされているようにも思えるのである。一方,ボールの特性によりフリー・キックの曲がりがいつもと違うという中で,FKから2点取ったというのも,ある意味セット・プレーを得点源とする日本代表らしい。

デンマーク戦を見ていて思ったのは,永遠のライバル,韓国代表は常に攻めの姿勢を忘れないが,そうしたライバルの美点が,今回は日本代表にも伝播したのではないかということであった。守りだけではこのスコアにはなっていなかったはずである。

いずれにしても,W杯前の日本代表の戦いぶりフラストレーションを感じていたサポーター(私も含む)も,おそらく今回の試合で過去は全て水に流したということになるだろうが,ここまできたらパラグアイは何とか粉砕して欲しいものである。それが決して容易なことだとは思わないが,数少ないチャンスを確実にものにする勝負強さを身に付けた時,日本代表のベスト4は本当に見えてくるかもしれないのだ。今や日本国民は日本代表の完全なサポーター・モードとなったということを忘れずに,果敢に闘え,日本代表!!敗れたとしても,今の日本代表に文句をいう人間はいるまい。だからこそ,恐れることなく,攻めの姿勢を忘れずに頑張れ,日本代表!!

と,思わず熱くなってしまったが,日本全国寝不足モードってのは久しぶりだったよなぁ。告白してしまえば,仕事中,何度も落ちそうになった私であった(爆)。まぁ,みんな一緒か。この調子では暫くは寝不足は続かざるをえない。楽しいことだが,からだには厳しいねぇ。次の日本戦の前のイングランド~ドイツも絶対見逃せないしなぁ。やっぱりこれは幸せなことだ。

2010年6月25日 (金)

救いがないが,映画としてはよく出来ている「告白」

Photo「告白」('10,東宝)

監督:中島哲也

出演:松たか子,岡田将生,木村佳乃

未読ながら,湊かなえの原作は本屋大賞を受賞しているから,そちらはそちらで面白いはずである。そんな原作を映像化したのは「パコと魔法の絵本」の中島哲也だが,前作に比べると随分とトーンが異なる映画を作ってきたなぁという気がする。前作(記事はこちら)が極彩色の映像の中に,ファンタジー色が強い作品だったが,この作品は,暗く,残酷で,救いがない。

ストーリーとしては決してリアリティがあるとは言えないが,それは置いておいても,この映画で最も強烈なのは松たか子の「表情」だと言ってもいいのではないかと思う。ラスト・シーンに近づいていくに従って,彼女が見せる狂気にも似た感覚を感じさせるその顔,目の演技が凄いのである。はっきり言って,下手な怪奇映画よりもはるかに怖い。これまでの松たか子のイメージを完全に覆す激演と言っていいように思う。

ただ,このストーリーには,本当に何の救いもないので,見ていて気分が悪くなる観客がいても不思議ではないし,今日日の中学生ってのはこんな感じなのかと思うと,子を持つ親としては気が滅入る。しかし,シナリオはうまくまとまっていると思うし,映像としても最後まで集中力を要求するようなかたちが続いていて,映画としてはよく出来ていることは認めなければならないだろう。ストーリーそのものは原作に結構忠実なようだから,原作そのものに救いがないってことになるが,映画単体として個人的に好きか嫌いか,あるいはもう一度見たいかどうかは別問題である。だが,全編を通じてテンションを維持しきった中島哲也の演出とうまくまとめた脚本の手腕は評価する必要がある。ということで,星★★★★とするが,こんなもん,TV放映できるのだろうかと余計な心配をしたくなってしまった。いずれにしても,色々な意味で恐ろしい映画である。

それにしても,このポスターはないよなぁ...。

2010年6月24日 (木)

Derek Trucksの新譜登場!今度は2枚組ライブだ!

Roadsongs"Roadsongs" The Derek Trucks Band (Sony)

Derek Trucksの新譜が思ったより早く届いた。しかも今回は2枚組のライブ盤,かつ今年の4月に収録されたばかりのほやほやの作品である。当然のことながら,最新スタジオ作"Already Free"からの曲が多いのだが,なぜか異様に値段が安い(いいことだが...)。

今や,スライド・ギターを弾かせたらこの人が一番カッコいいだろうというのは間違いないところだが,相変わらず渋くもいけている演奏を展開していて,私のようなファンはそもそもが嬉しくなってしまうではないか。ファンとしては,こういう演奏をしてくれれば,文句はない。やはりこのスライドの切れ味は素晴らしいのである。本作でも"Afro Blue"なんかを演奏していて,ほとんどジャム・バンド化しているが,これがかなりジャズ・フレイバーが強い。Derekはこういう選曲が多いが,ジャズには結構影響を受けているんだろうなぁ。前作のEPでは"My Favorite Things"だったし。

まぁ,そうは言っても2枚組だし,前作のEPと曲のダブりもあるから,ちょっと冗長かなぁと思わせる部分がないわけではない。特に私にとっていけていないと思えたのがホーン・セクションである。このバンドには,こんなホーンはいらんだろうし,ホーンを入れるとしても,もっとソリッドなホーン・セクションの方がいいのではないだろうか。

だが,そんな瑕疵には目をつぶると言いたくなるような,Derekのスライドの技の数々である。私はこのバンドのヴォーカル,Mike Mattisonにもしびれているのだが,それでも本作はDerekのスライドを聞くためのアルバムだと言い切ってしまおう。星★★★★。やっぱいいわ。

Recorded Live at the Park West, Chicago on April 8 & 9, 2010

Personnel: Derek Trucks(g), Todd Smalle(b, vo), Yonrico Scott(ds, vo), Kofi Burbridge(key, fl, vo), Mike Mattison(vo), Count M'Butu(perc, vo), Mace Hibbard(ts), Paul Garrett(tp), Kevin Hyde(tb)

2010年6月23日 (水)

コレクターはつらいよ(10):Vinicius CantuariaのアルバムにまたもBrad Mehldau登場

Samba_carioca "Samba Carioca" Vinicius Cantuaria (Naive)

Vinicius CantuariaのアルバムにはBrad Mehldauは既に2枚客演をしており,これが3枚目のアルバムとなった。2枚目のアルバム"Cymbals"についてはこのブログでも記事を書いた(記事はこちら)が,前2作ではいずれも2曲の客演だったが,今回も前例に従って2曲目の"Berlin"と8曲目の"Conversa Fiada"に参加している。しかし,今回はMehldauらしいソロ・スペースも確保されており(特に"Berlin"はそうだ),ファンも納得できると言ってよいように思う。それでも,これだけなら表題通り,「コレクターはつらいよ」ってことになるのかもしれない。

しかし,このアルバムの場合は,プロデュースがArto Lindsayということもあって,実はMehldauが参加する,しないは別にしても大いに期待が出来る作品であったことは間違いないのである。私はブラジル音楽が結構好きだが,Lindsayがプロデュースした作品はMarisa Monteはじめ傑作が多いので,おのずと期待が高まってしまう。そこにMarcos ValleやJoao Donatoのようなベテランに加え,Bill Frisellまでゲストで加わっているのだから尚更である。

そして,結果は大成功である。比較的静謐な中に,涼しげなブラジリアン・ミュージックが展開されていて,鬱陶しい梅雨には一服の清涼剤のような音楽となっているではないか。少なくとも,これまで聞いたViniciusのアルバムの中では,一番好きである。ちょっとタイプは違うかもしれないが,Celso FonsecaとRonaldo Bastosの"Paradiso"を初めて聞いた時の感覚と近いものを覚えてしまった。いずれにしても,これは気持ちよい音楽である。星★★★★☆。ジャケのポートレートも渋いなぁ。

Recorded in 2009

Personnel: Vinicius Cantuaria(vo, g, key, ds, perc), Brad Mehldau(p), Marcos Valle(p), Joao Donato(p), Bill Frisell(g), Paulo Braga(ds), Luiz Alves(b), Liminha(b), Dadi(g), Sidinho(perc), Jesse Sadoc(fl-h)

2010年6月22日 (火)

出張中に見た映画(10/06_2回目編):その2

Phone_booth_2 「フォーン・ブース("Phone Booth")」(2003,米,FOX)

監督:Joel Schumacher

出演:Colin Farrell,Kiefer Sutherland,Forest Whitaker,Radha Mitchell,Katie Holmes

中国からの帰路に見た映画である。フライト時間が短い中,この映画のような81分という尺は全編を確実に見られるということでありがたいものであった。かつ結構面白かった。

ケチのつけようはある。恐喝者側がなぜ主人公,Colin Farrellの私生活まで知りうるのかとか,黒人のネエちゃんはなぜ,この公衆電話にあれほどのこだわりを見せるのかとか,そのほかにもネタバレになるので書けないがいろいろである。まぁ,しかし,公衆電話に掛ってきた電話を取るとあぁだ,こうだと指示をされ,電話を切れば殺すと脅されるという,極めて特異なシチュエーション,かつ限定的な舞台の中でストーリーが展開されるから,極端なことを言えば,舞台劇にでもできてしまうというようなものである。

だが,Colin Farrellが情けない役柄(こういう男がいたら,嫌な奴だと思うだろうねぇ)をうまく演じているのはほめてよかろうし,この映画をそれなりのものに仕立てたのはForest Whitakerだと思う。Whitakerと言えば何と言っても「バード」だが,ここでは地味な役柄ではあるが,締りのある演技をしていて,リアルさを増すことに貢献していると言っていいだろう。

しかし,本当の主役は電話をかけてくる側の「声」の持ち主である。「声」だけで人間の嫌らしさを醸し出すのに成功しているのには頭が下がる。こういう短い上映時間の映画は減ってしまったが,尺は短くてもちゃんと決着をつけられるのだから,シナリオの整理というのは重要だよなぁということを強く思わされた一作であった。それも含めて,ちょっと甘いが星★★★★。

2010年6月21日 (月)

オランダに対して善戦したと言ってよい日本

W杯一次リーグにおいて,日本が入っているE組ではオランダが最強であることは誰が見ても明らかであるが,それにしてはオランダ戦における日本代表はオフェンス,ディフェンスともに頑張ったと言ってもよいだろう。だが,GK川島がファイン・セーブをしているから目立たないが,相手にフリーになられる瞬間があって,もっと点差が開いていてもおかしくなかったという事実は忘れてはならない。

しかし,結果的に見れば,1-0というスコアによって,デンマーク戦に引き分ければ決勝トーナメント出場ということになったのであるから,これは大きい。次戦で日本に勝たなければならないデンマークは,前がかりに攻めてくることは間違いないので,そこにカウンターを仕掛けるチャンスは増えるはずである。よって,日本は引き分けを狙うのではなく,ちゃんとオフェンスとディフェンスのバランスを取り,攻めるときは攻めるという対応をすれば,チャンスはあるはずである。しかも,強いと言われるデンマークのディフェンスにも穴があることはカメルーン戦でもはっきりしている。日本がオフェンス時に波状攻撃を掛ければ,そのほころびは大きくなると思いたい。一方の日本のディフェンスは隙を見せずに90分間戦うことが求められるが,是非ここまで来たら頑張って欲しいものである。

次戦のキックオフは午前3時ということで非常に厳しいが,これはやはり見逃すことは出来ない試合となった。だが,やはり午前3時は辛いなぁ。まぁ,それは私だけではなく,金曜日はみんな寝不足なんだろうが...。

2010年6月20日 (日)

山田べにこ,やはり恐るべし

Beniko 何がって,このブログの検索フレーズ・ランキングの話である。昨日だったか,一昨日だったか,検索フレーズのトップ10が「山田べにこ」関係で占められてしまったのである。本日の時点でもトップ10中,7件は山田べにこである。これでブログへのアクセスが増えるのであれば,別に問題はないのだが,一方でちょっと微妙な私である。やはり山田べにこは多くの人にアピールするらしいというのは事実のようである。

出張中に見た映画(10/06_2回目編)

Book_of_eli_ver2 「ザ・ウォーカー("Book of Eli")」('10,米,Warner)

監督:The Hughes Brothers

出演:Denzel Washington,Gary Oldman,Mila Kunis,Jenniffer Beals,Tom Waits

今回も中国出張だったので,片道1本しか映画は見られない。しかも,上映時間はできるだけ短いものを選ばなければならないということで,一本目はこれである。明示的には出てこない(はず)のだが,核戦争により廃墟と化した米国を舞台に,ひたすら西に向かって歩き続ける男(Washington)と,彼の持つ本を奪おうとする男(Oldman)の戦いが軸になる。

私はDenzel Washingtonって,いい役者だと思うのだが,作品選びに節操がないというところがあると思っていて,出演作は玉石混交である。この映画はどうかというと,アクション・エンタテインメントでありながら,話が暗い。だが,「なんでやねん」というオチもいいし,全体的に悪くはないと思うが,脚本としては,おいおい,ほんまかいなと思わされるのである。オチを知った上で振り返ると「???」な部分はいくらでもあるはずである。ただ,うまく宗教観とそれによる再生へのきざしを感じさせる部分を押し込むところが,キリスト教文化の国の映画だと思わせるものである。

この映画,セピア・カラーのような映像には不思議な感覚があるが,そこに展開されるDenzel Washingtonのアクション(殺陣)が結構強烈である。Washingtonも結構な歳のはずだが,よく頑張るわ。それよりもこの映画で印象深いのはGary Oldmanの悪役ぶりである。本当にこの人は憎らしい役をやらせると天下一品である。今回も憎々しいこと甚だしい。また,Tom Waitsが出ていたり,懐かしや「フラッシュダンス」のJennifer Bealsが出ていたりと,キャスティングが面白かった。ついでにクレジットはされていないようだが,Malcom McDowellが最後に出てくるのは,完全なキャメオ出演か。

いずれにしても,大した映画ではないものの,まぁそこそこ楽しめたのではあるが,この役がWashingtonである必要があったのかと言えば,決してそんなことはないだろう。脚本上の「???」な部分を考えると星★★★がいいところだろう。

2010年6月19日 (土)

番狂わせ

W杯が始まって一週間である。予選リーグの初戦は慎重なゲーム運びが目立ってはっきり言って面白くない試合が多かった。ポルトガルとコートジボアールなんて詰まらんこと甚だしかったしなぁ。その中で,韓国の初戦のようなアグレッシブな戦い方は清涼剤のような効果があったのではないだろうか。

しかし,予選リーグも2試合目を迎えて,勝ち点を取らなければならない状態になってきて,試合はかなり面白くなってきたように思える。だが,その中で結構番狂わせのような試合が出てきているのも事実である。スペインが負けたのには驚いたし,ドイツはセルビアに負けた。番狂わせと言えば,日本がカメルーンに勝ったのも番狂わせと言えば番狂わせだしなぁ。

サッカーというのは点の取り合いになるようなゲームではないので,こうした意外な結果が出ることも往々にしてあることは事実だが,スペインとドイツは優勝候補の一角だけにこういう取りこぼしをしてはならないだろう。特にスペインは初戦で負けてしまったので,第二戦以降に余計なプレッシャーがかからなければいいが。

いずれにしても,今回のW杯,昼間の試合が日本時間ではいい時間にキックオフなので,なんだかんだ言って,11時キックオフの試合は毎日見ている私である。よって,毎日,毎日寝不足である。W杯というのはそういうものだとわかっているが,やはり4年に1度の祝祭だけに,今後しばらくはつらい生活が続くであろう。

私は昔からのイングランド・サッカーのファンなので,今回はイングランドに真剣に優勝して欲しいと思っている。日本も決勝トーナメントに出てくれればいいが,それでも今回もイングランドを全面的に応援している私である。

2010年6月18日 (金)

中年音楽狂 in 中国(何度めや!)

Photo_2 またも中国にやってきた私である。来るたびにいろいろな観点で驚かせてくれるこの国であるが,今回は北京で見た食材に驚いてしまった。元々,なんでも食っちゃう人たちだと思ってはいたが,今回の写真をご覧頂けばわかるが,やれイモリだ,サソリだと凄いものが並んでいる。いちばん右は蝉の幼虫かなんだかよくわからないが,それよりも何よりも驚いたのは真ん中あたりに見えるタツノオトシゴである。

また,ここには写っていないが,ヒトデにも串が刺さっていたということは,ヒトデも食っちゃうのか~と妙な感心の仕方をしてしまった私である。私は食に関しては,結構なチャレンジャーだとは思うが,今回ばかりはさすがにパスしてしまった。凄い国である。

また,今回,北京では四川料理をいただいたのだが,強烈な「麻」と「辣」の刺激に参ってしまった。山椒をあれだけ使えば,くちびるも痺れて当然である。また,今回いただいた中にはカエルがあったのだが,これまで何度かカエルを食したことのある私にとっても,今回のカエルは特筆もののうまさであったことを報告しておこう。あんなプリプリで,くせがないカエルは初めてである。カエルと言わずに供されれば,皆さん「おいしい~」ということ間違いなしである。さすが,中国四千年の歴史である。調理法はもとより,素材そのものも奥が深い。やはり中国恐るべしである。

2010年6月17日 (木)

Leela James,今度はStaxに移籍してニュー・アルバムをリリース

Leela_leelajames_mysoul_albumcover "My Soul" Leela James(Stax)

私が昨年のソウル/R&B部門で次点に選んだのが,Leela Jamesのカバー・アルバム”Let's Do It Again"であった(作品紹介の記事はこちら)が,約1年で新作の登場である。前作はマイナー・レーベルからのリリースであったが,今回はソウルの名門Staxレーベル(今やConcordグループの一員らしい。昨今のConcordの拡張ぶりにはほとほと驚かされる。創設者,故Carl Jeffersonはどう思うだろうか。)へ移籍してのものである。こんなに実力のある歌手が,どうして一作ごとにレーベルを変えるのか私には不思議でならないのだが,いずれにしても,新作の発表はめでたい。それにしても,前作とのジャケットの変わりように驚いてしまう。こんなに変わってはショップでも危うく見逃すところであったわ。女性は怖いねぇ。

今回は,前作と異なって,自作の曲を中心としたレパートリーとなっており,タイトルも"My Soul"とは大きく出たものである。それに加えて,ミュージシャンのクレジットも非常に少ないことからしても,打ち込み中心でプロデュースされているようである。かつ現代的なソウル・ミュージックにありがちな,ややブーストされたサウンドとなっているのが,生音にこだわった前作との大きな違いであろう。ただ,私のような打ち込み嫌いにとっては,はるかに前作の方が好ましく思えてしまう。これが一般的なソウルの現在形に近い姿というのはよくわかるのだが,私がこのブログで取り上げるようなソウル/R&Bのアルバムは生音で演奏されているものがほとんどであり,それが私の嗜好を明確に表しているのである。

私は,ここに収められた曲や,Leela Jamesの歌唱が悪いとは思わない。彼女は十分に魅力的な声の持ち主であることには何の変わりもない。だが,このプロダクションは,前作を評価したオーディエンスにとってはどうだろうか。もちろん,アーチストとしての表現意欲の表れだという解釈も必要だとしても,私はどちらかというと,コンベンショナルなスタイルをもう少し維持してもよかったのではないかと思える。そうした中でRaheem DeVaughnとの共作,共演である"Mr.Incredible Ms. Unforgettable"なんて,しびれるような曲もあるから,また評価が微妙なのである。

Leela Jamesの歌手としての実力は評価しつつ,私はこのアルバムについては,そうしたプロダクションゆえ,もろ手を挙げて推薦する気にはなれないというのが正直なところなので星★★★☆。しかし,彼女は今月末に来日して,Billboard東京/大阪でライブをやるようであるから,本当ならライブでその実力を確認してみたいところである。スケジュールが合えば行ってみようかなぁ...。無理か。

2010年6月16日 (水)

"Arc of a Diver":時代は変わっても曲の魅力は不変である

Arc_of_a_diver"Arc of a Diver" Steve Winwood(Island)

このアルバムがリリースされて間もなく30年である。月日の経つのは本当に早いものである。このアルバムを聞いていても,伴奏のプロダクションそのものには時代を感じさせるものがあることは事実である。だが,このアルバムに収められた曲の魅力は何年経過しても全く色あせることがないということが本当に素晴らしい。曲のタイプは様々なれど,どの曲を聞いてもよく出来ている。

"About Time"以降のSteve Winwoodの復調著しいのは私も承知していて,最近のアルバムも好きなのだが,私にとってのWinwoodはこれってことになってしまう。何せ初めて聞いたWinwoodがこれで,その出来がこれでは,完全に頭に擦り込まれてしまったというのが正直なところである。一般的に評価が高い"Back in the High Life Again"よりもはるかにここでの曲の方が優れていると感じるのは私だけではないはずである。

しかも全ての楽器を自分で演奏してしまうところに,このアルバムに賭けたWinwoodの意欲が表れているが,それにしてものクォリティである。冒頭に書いたとおり,シンセサイザーの多様ゆえに,やや時代を感じさせるサウンドなのだが,それでもこのアルバムの放つ魅力は今でも不変である。冒頭の"While You See a Chance"からラストの"Dust"まで捨て曲なし。個人的には適度なファンクネスが心地よい"Night Train"が好きな私である。

久しぶりに聞いてみたのだが,途中でやめられなくなってしまって,結局記事にしてしまった(爆)。最後になるが,このアルバムの魅力を増しているのはTony Wrightによるカバー・アートである。こういうのはLPを部屋に飾りたくなるよなぁ。それも併せて星
★。

Personnel: Steve Winwood(vo, all instruments)

またまたおことわり

先週中国に出張していた私だが,またまた中国に行かなければならない。よって,前回同様の理由で,ネット環境の影響を受け,コメントを頂いても,迅速に返信できないことが予想されますが,ご了承下さい。しかし,どんだけ中国に行けばいいのだろうか...。

2010年6月15日 (火)

CDショップはどうなっていくのか:HMV渋谷/銀座インズ店閉店に思う

既に多くのブロガーの皆さんもHMV渋谷店の閉店については記事にされているが,それに先立って,有楽町にあるHMV銀座インズ店も6/20でクローズすることが決まっている。HMVに関しては,輸入盤を買っている限りはネットでのまとめ買いの方が圧倒的にコスト効率が高いから,店で買うこと自体,頻度はどんどん低くなっていたのは事実だが,時間潰しや,現物を手に取って,新たな発見をするなんて楽しみがなくなるのは何とも残念である。特に私はインズ店はクラシックのアルバムのチェックに使っていただけに,今後の代替手段について考えなければならないなぁと思っている。

HMVは既に新宿高島屋にあった店もクローズしているから,コストのかかる大型店をどんどんクローズする方向のようだ。ネット社会の進展,音楽ダウンロードの一般化など,いろいろな要因はあると思うのだが,いまだにダウンロードよりも現物派の私のような人間には,ちょっと残念なことではある。だからと言って,私がHMVのいい顧客であったかというと必ずしもそうではないが,やはりこれも時代の流れということか。

しかし,こうした状況が拡大していくと,ネットに人間が支配されてしまうということが,現実味を帯びてくるように感じると書いては大袈裟だろうか。それでも,こういう流れが一般化すると,地方や郊外を中心に小規模店舗を残して,後はネットでということになるだろうが,小規模店舗は在庫が少ないから,見に行く気も起こらないというような悪循環が発生する可能性もあるのではないだろうか。

そうした意味でネット専業のアマゾンとの差別化を図るための施策がHMVには求められてくると思うが,HMVの商品の仕入れのポリシーには結構特徴が感じられるから,店舗は減らしても,そうした方針は継続して欲しいと思う次第である。

2010年6月14日 (月)

Stanley Clarke:久しぶりの音楽ネタである

Stanley_clarke_band"The Stanley Clarke Band" Stanley Clarke(Heads Up)

最近出張ばかりで,真っ当に音楽を聞いていない生活が続いているため,久々の音楽ネタである。ブログ名称も考え直さないといけないなぁ,とは冗談だが。

私は上原ひろみが客演したStanley Clarke Trioのアルバムにおいて,「アコースティックにこだわる必要はなかった」と書いた(記事はこちら)が,私の声がStanleyに届いたということでもなかろう(爆)が,今回はほぼオール・エレクトリックである。しかも"Featuring Hiromi"と謳っているので,上原ひろみ全面参加かと思わせるが,上原の出番は後半のほぼ半分だけであり,「看板に偽りあり」と言われても仕方がないところがまず気になる。そもそも,ライナーには上原は"Very Special Guest"とあるから,あくまでもゲストなのである。このあたりに商売っ気を感じてしまって,ちょっと違和感がある。

ここでいうStanley Clarke BandとはStanley,キーボードのRuslan,ドラムスのBrunerというのが基本編成であり,そこにゲストが加わるという構成であるが,その中で別格扱いになっているのが上原ひろみということなのである。Ruslanだって結構実力のあるプレイヤーだと思えるのに,こんなことをされてはくさらないかねぇなんて余計な心配をしてしまうが,上原の出番を半分にしたのは,StanleyのRuslanへの親心か?

しかし,演奏としては,そうそう,こういう方がStanleyらしいねぇと思うような,「俺が,俺が」状態である。Stanleyのアルバムでは当たり前だが,ミキシングもベースが一番でかい。かつ,タイトなバンド演奏が収められていて,私はトリオ作よりはるかに好きである。"No Mystery"なんか私はRTFのオリジナルよりいいのではないかと思ってしまったぐらいだ。その中でも特に面白いのが"Larry Has Traveled 11 Miles And Waited a Lifetime for the Return of the Vishnu's Report"とフュージョンを語る上で,欠かすことのできないメンツの名前(Larry Coryellの11th Houseをほかのメンツと同格に扱うかどうかは別にしてである)を織り込んで,非常に強力なハード・フュージョンを展開しているところである。きっちりJoe Zawinulに捧げながらも,私はこういうシャレ心に嬉しくなってしまった。その一方でRollinsに捧げたまんま"Sonny Rollins"なんてStanleyのオリジナル曲もあるが,Rollinsのカリプソ・タッチを取り入れているのはわかるが,はっきり言ってアルバムの中では浮いている気がする。このあたりの選曲を考えてくれたら,もっと好きだったなぁと思うと惜しい。それはハード・フュージョンの方が好みの私にとってはという話だが。

まぁ,そうは言っても,Stanleyらしいイケイケ・アルバムということで星★★★☆ぐらいにしておこう。それにしても,StanleyのAlembic,年季が入っているなぁ...。

Personnel: Stanley Clarke(el-b, b, vo), Ruslan(p, key, synth), Ronald Bruner, Jr.(ds), 上原ひろみ(p), Charles Altura(g), Cheryl Bentyne(vo), Armand Sabal-Lecco(el-b), Bob Sheppard(ts, ss), Lorenzo Dunn(b-synth), Chris Clarke(prog), Jon Hakakian(prog), Doug Webb(sax), Andrew Lippman(tb), John Papenbrook(tp)

2010年6月13日 (日)

中年音楽狂 in China(続・敦煌編)

001_2 敦煌に出張するとは全く想像していなかった私であるが,やはり相当遠い。日本には上海経由で帰ったのだが,敦煌~上海も直行便はなく,蘭州で乗換えでトータルで5時間弱掛かってしまった。遠いのである。

しかし,遠いなら遠いなりのエキゾチズムもあるわけで,フライトの都合で,多少は現地観光を楽しむことができたことは,役得と言えば役得である。と言っても,2大観光スポットは鳴沙山と莫高窟ということで,この2か所に行けば,ほぼ敦煌を訪れた意味はあるというものである。 

幸いにして,私は両方訪れることができたのだが,鳴沙山は多くの人がラクダに乗って,山の上へ向かうのに,物好きな私は自力で中腹まで登ったのはいいものの,バテバテになってしまった。息が上がったというのはこのことである。ここにアップした写真は中腹まで登って,下に降りてから撮影したものなので,面白くも何ともない(しかもピンボケ気味)が,ここに写っている月牙泉にある楼閣を上から見た人間(日本人と言うべきか)はそれほど多くないはずなので,苦労の甲斐もあろうというものである。しかし,まじでバテた。年齢を感じた私である。

002 そして莫高窟であるが,これぞ仏教美術の宝庫である。しかもスケールが違うのである。これはまじで凄い。世界文化遺産指定は当然だろう。こんなところに,よくもまぁこれだけの仏像を仕立てたものである。しかし,仏像はもちろん,現地は完全撮影禁止。私もデジタル一眼を一時預かり所に預けざるをえなかったので,かろうじて撮れたのは外から撮影可能なこの写真+アルファ程度である。それでも,1,000年以上前の未曾有のスケールの仏教芸術が見られたのは本当にラッキーであった。たぶん二度と行くことはないだろうしねぇ...。

それにしても,この敦煌の姉妹都市があのふぐの名産地,大分の臼杵市ってのはどういう理由なんだろうかと思うのは私だけだろうか。少なくとも土地や気候は全然違うこの二つの町の間に全然つながりなんか感じられないと思って調べてみたら,臼杵に磨崖仏なんてのがあるらしいから,それが理由に違いない。仏が結んだ縁ってやつである。ちょっと勉強になってしまった。

ついでに余談をもう一つ。今回の敦煌~上海の乗換地,蘭州の空港には参った。何が参ったって,場内アナウンスのボリュームが異様にでかいのである。ハウリングするまでどうしてボリュームを上げなければならないのか。待っている私にとっては不快な騒音でしかなかったのだ。私の想像では,アナウンスメントを聞き逃した客から苦情でも言われたのではないかと思われるが,それにしてもあれは異常である。例えば,ディレイでイライラしている人間の神経を逆なでするような,顧客の心理を全く顧みないあのスタイルは何とか改めて欲しいなぁ。

いずれにしても,今回の出張は結構きつかったが,また来週も中国に行かねばならない。仕事だから仕方がないが,やっぱりきついねぇ...。

2010年6月12日 (土)

出張中に見た映画(10/06編)

From_paris 「パリより愛をこめて(From Paris with Love)」('10,仏,Lionsgate)

監督:Pierre Morel

出演:John Travolta,Jonathan Rhys Meyers,Kasia Smutniak,Richard Durden

毎度おなじみ「出張中に見た映画」シリーズ。本作は今回の出張の往路にて見た映画である。短いフライトには90分あまりというのは丁度いいわと思って見たもの。本作はLuc Besson原案によるアクション映画であるが,これがまた無茶苦茶というかなんというかって感じの映画である。Travoltaは全編に渡って撃って撃って撃ちまくっているが,これでは昔酷評した"Shoot'em Up"みたいなマンガ度である。一方であれだけ撃たれまくっていて,弾が一発も当たらないなんて,確率論的にもありえないよなぁなんて思ってしまったが,そんな冷静な見方をしてはいけない映画である。

脚本としてもなんじゃそりゃって程度の作品であるが,Travoltaが異国であんだけ無茶苦茶やっていいのかとか,大使館の職員ってあんなことやっていいわけ?(特殊部隊って本当にあるのかよ?)と言いたくなる一方,なんで登場人物の一人(ネタばれになるので,誰とは書かないが)がテロに加担することになったのかってのも全然よくわからんのである。詳しく説明をすればいいってものではないが,そういう理屈で考え始めたら,この映画は見てられないってことにはなる。まぁそれでも,機内エンタテインメントとしての暇つぶしには丁度ええわという程度の映画である。

そんな感じだから,この映画がDVD化された時に買うかと言えば,絶対そんなことはない。それなりにコンパクトにまとめて,面白くはできているので星★★★とするが,脚本だけ見ればもっと点数は低くてもいいかもしれない。端的に言ってしまえばTravoltaのキャラで持っているような映画であるが,Jonathan Rhys Meyersの情けなさとは対照的なのが面白い。これは意図的なものだろうなぁ。

ついでに言っておけば,「ロシアより愛をこめて」をパクッたと思しきこのタイトルであるが,本作にはアクション映画でも「ロシア」のような品格は乏しいと言っておこう。尚,ヒロインのKasia Smutniakはポーランド出身の人だそうである。なんだか最近,ポーランドづいているなぁ。見ようによって,素敵にも,そうでもなさそうにも見える不思議な人であるが,すまし顔より,笑顔の方が確実に可愛いな(爆)。

2010年6月11日 (金)

中年音楽狂 in China(敦煌編)

まさか仕事でこんなところに来るとは思わなかった。シルクロードの要衝、敦煌は砂漠のオアシスである。

ここまで来るには砂漠の上を延々飛んできたのだが、ここもやはり砂漠気候である。雰囲気的にはアリゾナみたいでもある。

まぁこんなところには二度と来るチャンスはないだろうから空き時間を有効に使って、中国のことを学ばねば。

ちなみに西安からの移動では、日本人のご老体グループと飛行機が一緒だったが、皆さんアクティブだなぁなんて移動疲れの私は思ってしまった。

詳細は改めてご報告することとしたい。

2010年6月10日 (木)

中年音楽狂 in China(本日は西安である)

003_2 またまた中国に出張だと書いたばかりであるが,今夜は古都,西安に滞在している。私は中国史にうといので,この街がどんなところかも全く知らないまま来て,同僚にバカにされてしまったが,いやいやスケールの大きい街である。ダウンタウン全域が城みたいではないか。

こんな街に来て,歴史に触れずに去るのは大馬鹿者のすることだという話もあるが,あくまでも移動に向けた立ち寄りに過ぎないので,何にもできない。そんなことではあまりにも情けないということで,夜遅く到着した後,ホテルにチェックインする前に,先に現地入りしていた同僚と落ち合って西安名物,餃子のコースを食した私である。

002 なぜ,この街が餃子が名物なのかはよくわからないが,いろいろな種類の餃子をいただいた私である。ここには写ってはいないが,しめは濃厚な白湯あるいは豚骨スープを使用した水餃子であった。当然のことながら,餃子のともと言えばビールである。ということで,今回も餃子をつまみながら,ビールをがんがんと飲んでしまった。痛風再発のおそれは今のところあまりないが,それでもこんな食生活を続けていると,日本に帰ると体重が増えてしまっているのよねぇ。

次は最終目的地,敦煌である。一体どんなところで,どんなものを食せるのか。ちょっと期待してしまう私である。

でもその前に仕事だって(爆)。

2010年6月 9日 (水)

出張はつらいよ:おことわり

またも中国に来ている。中国のネット事情はよくわからないところがあって、当ブログを含むココログのブログにはアクセスができない場合がほとんどである。

よって、コメントを頂いても返事が遅くなることが想定されるので、ご承知おき頂きたい。今回は上海から敦煌を目指すという中国横断のような出張だが、今回もまた珍道中間違いなしだろう。

いつものことながら出張は辛いのである。

2010年6月 8日 (火)

DVDで「ジャガーノート」を見た

Juggernaut 「ジャガーノート(Juggernaut)」('74,英,United Artists)

監督:Richard Lester

出演:Richard Harris,Omar Sharif,David Hemmings,Anthony Hopkins,Ian Holm,Shirley Knight

AmazonでFOX系の映画が50%オフということで,何枚か注文したうちの1枚である。ほかに買ったのは「カイロの紫のバラ」だ,「110番街交差点」だ,「暴走機関車」だ,「ホットロック」だと全く脈絡なし(私がいかに分裂症的な趣味かがバレバレである)であるが,そのうちの最初にチョイスしたのがこの映画である。私が映画を最も見ていたのは中学生の頃であるが,この映画の予告編は当時劇場で見た記憶がある(あれは今は亡き大阪梅田の阪急プラザ劇場だったような...)。しかし,それはあくまで予告編であって,本編を見るのは私にとっては初めてのことなのである。

当時から「オールスター・キャストで贈る、パニック・サスペンス・ムービー」なんて言われていたような気もするが,ご覧頂けばお分かりになる通り,オールスターと呼ぶには地味なキャストである。今や名優の誉れ高いAnthony Hopkinsも若くて,思わず笑ってしまうぐらいであるが,35年以上前のことなんだから当たり前である。あと,何とも女優が地味(笑)。

しかし,この映画は客船という空間を舞台にしながらも,ど派手なアクションがあるわけでなく,爆弾処理に当たって,ネジ1本ゆるめることでサスペンスを感じさせるような,密室型サスペンスと言った方がよいもののである。そもそも配給会社ではヒットした「ポセイドン・アドベンチャー」的な宣伝方針で集客を図ろうとしたのはわかるが,これはあくまでも地味にサスペンスを高める映画だし,この渋い役者陣では日本ではヒットするわけがないだろう。よって,このDVDもカルト映画のような扱いを受けているが,これは正統派のサスペンス映画だと評価すべきものであり,単なるカルト扱いではもったいない気がする。

もちろん,映画としての瑕疵は言いだしたらきりがないぐらい多々あろう。しかし,この映画で客船が波に揺れる映像を見るだけで船酔いしてしまう人がいても不思議ではないぐらい,船の映像はリアルだし,最後のケーブルの切断のシーン(「青か赤か」)のサスペンスフルな展開にはしびれる人が多いはずである。ある意味ではこうしたタイプの映画になると,ギミックに頼りがちな米国映画にはないよさを,この英国映画は醸し出しているとも言えると思う。そうした点も評価してやや甘いが星★★★★。いやいや,地味ではあるが結構面白かったなぁ。

2010年6月 7日 (月)

Seamus Blake参加のワンホーン・クァルテット作だが...

Chris_higginbottom"One" Chris Higginbottom (Basho)

中古盤で拾ったSeamus Blake参加のワンホーン・クァルテット盤である。なかなかメンツもよい。ベースのOrlando le FlemingはAri Hoenigの"Bert's Playground"に参加していたし,Aaron Goldbergは多数のミュージシャンとの共演に加え,Kurt Rosenwinkelの"The Remedy"への参加も記憶に残っている。ということで,知らないのはリーダーのHigginbottomだけってことになるが,この人,英国出身でジャズに留まらない範囲で演奏しているようである。

それはさておき,このアルバムの注目点は,Higginbottomのオリジナルに混じって,Shorter,Gillespie,Hancock,Bud Powell等の曲が演奏されていて,リーダーには申し訳ないが,それをSeamusがどのように吹くかってところにあるのではないかと思う。だが,このアルバム,出来は悪くはないと思うのだが,あまり高揚感が感じられないのはなぜなんだろうか。例えば"The Sorcerer"のSeamusのソロなんて結構いけていると思う。しかしこれが燃えないのである。私の耳にはここでの演奏におけるHigginbottomのプッシュが足りないのではないかと思う。これは録音のバランスのせいもあるかもしれないが,どうもこれはいかん。また,Powellの"Un Poco Loco"もこのアレンジはないだろうという感じなのだ。モーダルな雰囲気を持たせたいのはわかるが,これでは原曲の持つエネルギーが発揮できていないから,「おいおい」ということになってしまうのである。

こんな調子なので,本来なら熱くなるような曲で,そういう雰囲気を味わえないところに,フラストレーションを感じてしまう。むしろ,スローな"She Walks in Beauty"のような曲の方が出来がいいように聞こえるところがこのアルバムの決定的な難点だろう。

全体を通して聞いてみれば,演奏としては決して破綻のない音楽ではあるが,このメンバーならではのレベルを期待すると確実に肩透かしを食うことは間違いない。まぁジャケのセンスが悪いことからしても仕方がないか。リーダーにはもっと修行してもらわないとって感じで星★★☆。Seamusに限った話ではないが,ホーン奏者はドラマー次第って気がするなぁ。

Recorded on August  11, 2004

Personnel: Chris Higginbottom(ds), Seamus Blake(ts, ss), Aaron Goldberg(p, el-p), Orlando le Fleming(b)

2010年6月 6日 (日)

非常に魅力的な声の持ち主:Aga Zaryan

Aga"Live at Palladium" Aga Zaryan(Cosmopolis)

先日,ポーランドの方から頂いたこのアルバムについては,ちらっと記事を書いたが,ようやく音源を聞くことができた。Aga Zaryanという人はワルシャワ生まれのシンガーであるが,子どもの頃は英国で過ごしたらしい。どうりで英語が綺麗である。それはさておきであるが,この人がジャズ・ヴォーカリストとしては非常に魅力的な声の持ち主である。私はジャズ・ヴォーカルはあまり聞いていないが,それでもこの人の魅力ぐらいは理解できる。ポーランドのジャズ専門誌"Jazz Forum"では2007年以来3年連続でヴォーカル部門でNo.1だそうである。それもむべなるかなって感じなのである。

それを支えるのはギター,ベース,パーカッションという編成であるが,これも彼女の自信の表れと言えるような気がする。こういう小編成であれば,ヴォーカリストとしての実力が出てしまうと思うのだが,それをものともしない歌唱を聞かせているのである。これにははっきり言って驚いた。

ヴォーカリストとしては正統派と言ってもいいと思うが,彼女の声と選曲の妙,更には伴奏陣の好演と相俟って,これは結構気に入ってしまった。冒頭の"Seventh Heaven"こそ,伴奏陣のインストで始まるが,2曲目で登場するAga Zaryanは一発で聴衆を惹きつけてしまうのである。その"It Might as Well Be Spring"という選曲もヴァースからしっとり入って,コーラスでスインギーに仕立てるという演出もいいしねぇ。Abbey Linclon作の"Throw It Away"なんかもしびれるしなぁ。

とにかく,この人の魅力は声である。全編を通してだれることのないライブ能力も評価したい。いただきものだからというわけではないが,これは本当によかった。また,この人の声,歌なら,ポピュラー系あるいはシンガー・ソングライター系が好きなリスナーでも気に入るのではないかと思える。Leonard Cohenの"Suzanne"なんかも歌っているしねぇ。まだ映像の方は見ていないが,映像でもその魅力を確認してみたいと思わせる人である。とにかく驚きも含めて星★★★★☆。国際親善の成果として大いに推薦したい人である。いやいや,ポーランド恐るべしである。いずれにしても,このAga Zaryan,もっと知られてよい人である。

Recorded Live at the Palladium Club in Warsaw, Poland on May 27, 2008

Personnel: Aga Zaryan(vo),
Larry Koonse(g), Darek Oleskiewicz(b), Munyungo Jackson(perc)

2010年6月 5日 (土)

Brad MehldauとEli Degibriの共演って...

Digibri一部で既に話題になっている(なってない?)が,Eli Degibriの新作"Israeli Song"はDegibriの親分,Al Fosterの参加はわかるとして,何とBrad MehldauにRon Carterという何とも不思議なクァルテットで吹き込まれているのである。私は思わず「まじっすか?」と自分に似合わぬ表現をつぶやきそうなってしまったが,ジャケも既にイメージがアップされていて,メンツの名前も載っているわ。本当なんだ~。ひえ~って感じである。

本作でのDegibriとMehldauの相性も気になるが,Brad Mehldauが私の嫌いなRon Carterとやるとどうなっていしまうのかはもっと気になるところである。Carterに恨みはないが,あのアンプで増幅した音を聞くと,気持ち悪くなるのだ。それがMehldauのタッチと合うわけないだろうなんて思ってしまうのだが,一体どうなんだろう。

発売は7/7とまだちょっと先であるが,これは相当気になる新譜だと言っておこう。でもやっぱり不安である。期待半分,不安半分という心境である。

2010年6月 4日 (金)

黒石にて「つゆやきそば」をいただく

Photo_2 青森に出張してきた。今回の目的地は五所川原だったのだが,青森市内から移動する道すがらのランチとして,黒石に寄り道し,「つゆやきそば」をいただいた。お邪魔したのは元祖を謳う「妙光」さんである。こちらのお店は,別にこれの専門というわけではなく,色々なメニューがあったが,ほとんどの人はつゆやきそばを注文していたようである。

つゆやきそばとは,読んで字のごとく,焼きそばにだし汁というか,スープをかけたものである。一般的な感覚では何じゃそりゃということになるのだろうが,さすがご当地グルメと言われるだけのことはあるものである。焼きそばからスープに移るウスター・ソースが,ちょうどいい具合のスープの塩味を作り上げるという感じである。そもそも黒石市は焼きそばの消費量が非常に多いらしく,そうした中の偶然の産物として出来上がったらしい。

上に乗っているのが天かすにねぎというのも渋いが,このそばの特徴は結構分厚いバラ肉を使っていることのように思えた。麺とバラ肉,キャベツ,スープのバランスがいいんだろうなぁなんて漠然と考えていた私である。いずれにしても,私が食したのはその大盛りであったが,結構な満腹感を堪能してしまった。初めて食したが,これはこれでうまいのである。尚,前日には青森市内で味噌カレー牛乳ラーメンも食し,B級グルメを堪能した今回の出張であった。

それにしても世の中,いろんな食べ物があるねぇ...。

2010年6月 3日 (木)

やはりデジャブを見ているような鳩山退陣劇

先日鳩山政権を批判したばかりだが,本当に「小鳩」が辞めるに至って,ますます既視感が強まった私である。辞める鳩山側の対応もそうならば,それを「選挙目当てだ」,「解散して民意を問え」なんて言っている野党側の反応もそうである。去年までは民主党が言っていたことを今は自民党が言っているのだから笑ってしまう。

ただ,現状では旗色は明らかに民主党にとっては悪いものであるから,解散総選挙なんてやるわけないわ。トップの首をすげ替えただけで,国民の離反した心を引き戻すことは無理だろうということは民主党もよくわかっているだろう。その場合,衆議院で安定多数を維持しながら,おそらくは参議院では過半数を維持できないというのも,デジャブな感覚を強くおぼえさせるものである。

しかし,野党が例えば辺野古の問題に代替案を示すことなんてできるとも思えず,何だかなぁ...。どっちもどっちなんで,国民としては政治不信が高まるだけではないのかと思えてしまう。やっぱり情けない。

いずれにしても民主党代表選は無投票だけはやめて欲しいものである。こういう時こそ小鳩辞任前に「内閣と党の一新が必要だ」と自分のWebサイトでぶち上げた副幹事長の生方くんが立候補したらどうなのよって気がするが。

Seamus Blakeならば,私もSmalls Liveを...

Seamus_blake_smalls_live"Live at Smalls" Seamus Blake Quintet(Smalls Live)

多くのブロガーの皆さんが取り上げているSmalls Liveのシリーズではあるが,私にはなぜか縁がなく,今まで購入もしていなかったのだが,今回の第2弾にはSeamus Blakeが入っていたので,遅ればせながら私も参戦である。

最近はめっきりNYCに行く機会が減ってしまって,NYCを訪問したとしても,ダウンタウンのジャズ・クラブよりもミッドタウンで何とかしてしまうとか,ダウンタウンに行ってもはしごすることなんてなくなってしまった。そんな私であるから,たまにしか行かないと,出ているメンツ優先ということになってしまい,比較的地味なメンツが多いSmallsには行くチャンスに恵まれていない。よって,このクラブのアンビエンスがどういうものなのかもわかっていないのだが,ネット時代の現代,Smallsのライブがストリーミングされたりしているから,なんだかわかったような気になっていると言えるかもしれない。

それはさておき,今回はSeamus Blakeのレギュラー・クインテットであるから,私も重い腰を上げたのだが,実を言うと,私は彼らのCriss Crossのアルバムも買っていないので,このバンドを聞くのは今回が初めてなのである。 そんな私ではあるが、これまでの判断を悔いたくなるような演奏である。私は勝手にSeamusはワンホーン・クァルテットに限るなんて思い込んでいたのだが、明らかにそれが間違っていたことに気づかされてしまったからである。ここでのSeamusとLage Lundのユニゾンがジャズ好きの琴線を刺激するのは間違いなしである。

もちろんそれだけなく,当然のことながらSeamusのフレージングは楽しめる。更にLundの実力も,他のメンツの力量もよくわかるということで,これはかなりよくできたドキュメンタリーだと言えるのではないかと思う。まぁもう少しアップテンポの曲が1曲ぐらいあってもいいのではないかという気がしないでもないが,それでもこうしたテンポの中で,実力を感じさせるソロを展開すること自体がSeamusのすぐれた点である。実のところを言えば,私は唯一演奏されるスタンダードである"Stranger in Paradise"におけるSeamusの表現力に参ってしまったのだが,それでもオリジナル(結構不思議な曲もあり)での彼らの演奏が悪いというわけではもちろんない。むしろ,ミディアム・テンポでこんなソロを聞かせてもらえれば,全く問題なしである。星★★★★☆。

私はこのアルバムでSeamus Blakeのバンドの実力を再認識させてもらうとともに,より幅広く彼のアルバムを聞かねばならないと思った次第である。そんなことはお知り合いのブロガーの皆さんからすれば当り前か(爆)。まだまだ修行が足りない私である。

Recorded Live at Smalls on August 31 & September 1, 2009

Personnel: Seamus Blake(ts), Lage Lund(g), Dave Kikoski(p), Matt Clohesy(b), Bill Stewart(ds)

2010年6月 2日 (水)

Michael Landau対Robben Ford:いい勝負をしている

Renegade_creation"Renegade Creation" Michael Landau / Robben Ford / Jimmy Haslip / Gary Novak (Shrapnel)

メンツからすれば,ジャズの文脈でも語れる人たちであるが,これは完全なブルーズ・ロック・アルバムである。しかもなかなかよい。

私は昔からMichael Landauというギタリストを結構ひいきにしてきたつもりであるが,彼のリーダー作っていうのはあまり面白いと思ったことがない。むしろ人のバックにいるときに素晴らしいプレイを聞かせる人だと思っている。今も昔も,Landauと言えば,私にとってはJoni Mitchellの映像ソフト"Refuge of the Road"(記事はこちら)なのだが,そこで見せつけられたLandauのギターの技には,いつも感心させられている私である。もともとはLukatherクローンではないかと思っていたのだが,これはかなり凄いと思わされたソフトであった。しかし,そんなLandauも,上述のとおり,リーダーになるとどうも半端な感じが強かったのである。

そんなLandauではあるが,ここではRobben Fordという好敵手を得たからか,はたまたギタリストの血か,非常に優れた演奏を聞かせているではないか。まさにいい勝負であり,とにかくカッコいいのである。今回の作品はヴォーカル入りがほとんどなので,完全にロックな乗りであるが,ギタリスト2人のフレージングを楽しむもよし,彼らのヴォーカルを楽しむもよしって感じである。しかもそれを支えるのはHaslip~Novakという強力リズムだし。彼らが煽られるのも当然である。

今回,このアルバムを聞いていて,Landauの声が私にはMark Knopflerのように聞こえて仕方がなかったのであるが,Robben Fordとの声の違い,ギター・フレーズの違いもはっきりしていて非常に面白かった。いずれにしても,私はロック魂溢れるアルバムとして,かなり楽しんだことは間違いなく,このアルバムを聞いて,彼らの8月のライブハウス公演への参戦を決意したのである。多分,私は生で聞いたら相当燃えてしまうだろう。そう思わせるぐらい,ロック的な感覚では今年一番よかったと言ってもよい作品である。ということで,ちょっと甘いが星★★★★☆。

本アルバムをリリースしたShrapnelレーベルというのは,ヴェテランのギタリストたちのアルバムも多数リリースしているが,中年以上のギター好きならおぉっ!となるようなメンツが結構揃っていて笑ってしまった。やはりこれはギター好きが作ったアルバムということで,その罠にずっぽりとはまってしまった私の単純さは,我ながら笑える。

Personnel: Michael Landau(g, vo), Robben Ford(g, vo), Jimmy Haslip(b), Gary Novak(ds, b), Dustin Boyer(vo)

2010年6月 1日 (火)

Tracey Thorn:またも癒されてしまった

Tracey_thorn"Love and its Opposite" Tracey Thorn (Merge)

Tracey Thornの前作ソロ・アルバムは25年振りだったが,今回は3年というインターバルでの新作の登場である。相変わらずBen WattはDJ業に精を出しているため,Everything But the Girlとしての新作がほとんど期待できない以上,このアルバムの情報を得た時,大いに期待してしまったことは当然である。それぐらい私はEBTGが好きなのだが,このアルバムが出るだけでもよしとせねばなるまい。それにしても意味深長なタイトルである。

一聴して,しっとり感に満ちた出だしである。また,Tracey Thornの声がやや太くなったかのようにも思わせるが,やはりそれでもTraceyの声である。これはやはりファンとしては嬉しい。中にはリズミックでポップな曲もあるにはあるのだが,どちらかというと地味な作りとも言える。しかし,全編を占めるこのウェットな感覚が本当にたまらないし,私にとっては相変わらずのヒーリング効果である。それでもって,今回の特徴は生楽器が主で,声も結構リアルに捉えられていることではないかと思う。彼女の声が太く感じられるのはそういう要素もあるかもしれないが,それでもまだまだ魅力的な声である。収録時間は40分弱ということで,私は通勤途上で2回聞いて,3回目の途中で会社に到着したが,なんだか気持よく通勤時間を過ごしてしまったように思う。と言いつつ,この音楽を聞きながらも,先日の中国出張時の大転倒以来,血行が悪くなると痛みだす膝にはかなりひ~ひ~言っていたのだが...(爆)。

それにしても,Tracey Thornはほぼ私と同年代と言ってよい人だが,それでもまだ清楚という表現が当てはまってしまうところがある意味ではこわいが,それでもよいものはよいのである。傑作とかそういうものではないかもしれないとしても,私にとって必要で,かつ潤いをもたらす音楽だと言っておこう。星★★★★。やっぱり好きなのである。

尚,参加ミュージシャンのクレジットはあるのだが,フォントが見づらくて転記不能である。これも偏に老眼の進行ゆえか。歳はとりたくないねぇ。

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