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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2010年5月31日 (月)

まるでデジャブを見ているような鳩山政権

リベラル指向の強い私(よって,米国ならば民主党を支持する)は,昔から自民党が嫌いで嫌いで仕方がなかった。よって,従来は(日本の)民主党を支持していたのだが,民主党も結局自民党と同じようなことになっているのを見て,政治そのものに対して本当に失望させられる今日この頃である。

結局,来る参議院選挙に勝てそうにないという空気が広がると,現在の民主党ではほとんど鳩山降ろしが行われそうな勢いである。これでは麻生降ろしをやっていた自民党の行為の繰り返しで,まるでデジャブを見るかのごとくである。そんな彼らが4年間は同一政権維持するなんて言っていただなんて,今にして見ればちゃんちゃらおかしい。もともと言っていることが軽い人々たちに有言実行を求めることが無意味と思わされるが,それにしてもこのところの体たらくは目も当てられない。

民意は変化を求めて民主党に政権を取らせたはずである。しかし,その民主党が,自民党とやっていたことと大して変わらないのを見れば,内閣支持率や政党支持率が下がるのも当たり前だということに,なぜ気がつかないのか。

今回の支持率低下は普天間基地問題が決定的な要因だとしても,普天間の問題そのものは誰が政権を取ったとしても,結論は大きくは変わるまい。口の軽い宰相の責任はあれども,それに端を発するさまざまな要因が結びついていて,今回のような事態に陥っていることをわきまえて民主党は行動すべきであろう。

いずれにしても,民主党に対しては「何か変えてくれるんではないか」という国民の期待が大きかっただけに,その反動としての失望も大きいということを彼らはよくわきまえて,もっとちゃんと行動して欲しいものである。と言っても,もはや手遅れって気がしないでもないが。

次の参議院選挙も各党,訳のわからん芸能人やスポーツ関係者ばかりを候補に立てている現状では,私ははっきり言って投票する気にもならん。少なくとも比例区は白紙投票したいぐらいである。彼らのような候補者が本当に国民の声の代弁者たりえるのかという点については甚だ疑問を感じる私だが,各政党はそのことについては,ちゃんと落とし前をつけてくれるんだろうか。まぁ選挙公報や政見放送でよくよく彼らの言い分を聞いてみることにしよう。

それにしても情けない状況である。たまにこうして怒りを発露するのが私のストレス解消なのかもしれないなぁ(爆,爆,爆)。

Bettye LaVette:これはたまらん!ブリティッシュ・ロックとソウルの見事な融合

Bettye_lavette "Interpretations: British Rock Songbook" Bettye LaVette (Anti)

これは最高だ。そもそもブリティッシュ・ロックはソウル・ミュージックの影響を受けているところがあるが,これはソウルの側からブリティッシュ・ロックに対するインタープリテイションを行ったものだ。"Interpretations"というタイトルに偽りはなく,これは単なるカバー・アルバムではない。これだけ知られた曲を,相当Bettye LaVette色に染めているのである。これは自信がないとできない技である。

だいたい収録されているのが,Beatles,Stones,Pink Floyd,Moody Blues,Animals,更にはElton John等と"British Rock Songbook"の看板に全く偽りはない。それがロックというよりも,極めてソウルフルで,よりディープなかたちで歌われるのだから,オリジナル曲のファンは面喰うかもしれない。だが,それがいいのだ。例えば,Elton Johnの"Don't Let the Sun Go Down on Me"なんて,私ですらカラオケで歌ってしまうことがある(爆)のだが,ここでの彼女のようには絶対歌えない。「崩しの美学」すら感じさせるオリジナリティ溢れる歌。やはりこれは凄い歌唱である。

そもそもこのアルバムを発売しているAntiレーベルは,Joe Henryのアルバムをはじめとする数々の傑作をリリースしており,極めて信頼のおけるレーベルという意味では,私には音楽のタイプこそ違え,ECMレーベルと同じように期待を持たせるレーベルではある。しかもそうした期待に応えるレベルを常に確保してくれるので,このアルバムも購入に当たって,私がLaVetteのアルバムをこれまで聞いたことがなくても,全然不安を感じなかったのだが,これは確実に期待以上である。

あまりにまいってしまったので,私はBettye LaVetteの前のアルバム2作を即刻注文してしまった。それぐらい気に入ってしまった。必ずしも,彼女の声は私の好みにジャスト・フィットというわけではないのだが,それでもここでの歌唱,演奏はそんなことはどうでもいいと思わせてくれる出来だった。とにかく驚かされたということもあり,喜んで星★★★★★を謹呈してしまおう。繰り返す。これは最高である。

Recorded in August, 2009 and Live at John F. Kennedy Center on December 6, 2008 (#13 only)

Personnel: Bettye LaVette(vo), Rob Mathes(key, g, vo), Shaen Fontayne(g), Zev Katz(b), Charley Drayton(ds, perc), Jeff Kievit(tp), Arron Heick(as), Andy Snitzer(ts), Mike Davis(tb), Vancese Thomas(vo), Tabitha Fair(vo), James "D-Train" Williams(vo),  Michael Bearden(key, org), Kenny Aronov(ds)

2010年5月30日 (日)

強烈な美メロにまいる"Nightfall"

Nightfall"Nightfall" Charlie Haden & John Taylor (Naim)

ブログ界で話題沸騰のKeith JarrettとCharlie Hadenのデュオ作(記事はこちら)は非常に穏やかな二人の対話が楽しめる好アルバムであった。その後,ブログのお知り合い,すずっくさんがHadenのデュオ作を続けて取り上げられていて,そこにコメントを入れさせて頂いた私に対して「きっと好きだと思ってたけど、エントリーしてなかったので、ちょっとびっくりした」なんて書かれてしまったものだから,記事を書かないわけにはいかない。すずっくさんの読み通り,ちゃんと保有しているし,結構好きなのだ。ただ,記事にするタイミングを失しただけである(言い訳)。

そもそもがデュオ名人のHadenのことであるし,ピアノも私が好きなJohn Taylorであるから悪いはずはないのだが,Keithとのアルバムとは録音のせいもあろうが,かなり質感が異なっているのが面白い。

このアルバムを聞いていて思うのは,どうしてこのような美メロの曲を見つけてこれるのかという点である。"My Love And I"は古い西部劇「アパッチ」からの曲であるが,とても西部劇用に作られたとは思えない美しい曲である。HadenはQuartet Westでもこの曲を演奏しているから,まぁそれはそれでわかるとしても,"Touch Her Soft Lips"は「ヘンリー5世」からの曲だそうで,英国のWilliam Walton作である。その筋では有名な曲かもしれないが,私はほとんど聞いたことがないか,初めて聞いた曲だと思う。だが,この美しさはなんだ。素晴らしい選曲眼である。たまらん。Don Sebeskyの"Bittersweet"も強烈だが,"Don Sebesky"と"Bittersweet"でググっても,ほとんどこのアルバムしかヒットしないのだから,埋もれた名曲ってことになるのではないか。だとすれば凄いことである。しかも最後は"Silence"で締めるって出来過ぎである。

しかし,このアルバムの唯一の瑕疵は"Song for the Whales"だろう。この曲だけがアルバムの流れを分断してしまって,どうにもいただけない。特にHadenのアルコのパートはいかん。Taylorのピアノが出てきてましにはなるものの,これさえなければ私はもっとこのアルバムを高く評価していただろうし,より愛聴してはずである。ほかの曲がいいだけにこれはちょっと惜しい。これのせいで半星減点で星★★★★。

いずれにしても,このアルバムはタイトル通り"Nightfall",即ち夕暮れ時及びそれ以降にフィットした音楽である。決して朝の通勤電車には合わない。だが,久しぶりにこのアルバムを聞く気にさせてもらえたということで,すずっくさんに感謝。ついでにリッピングもしてしまったので,"Whales"はスキップして聞くことにしよう(爆)。

Recorded on October 8 & 9, 2003

Personnel: Charlie Haden(b), John Taylor(p)

2010年5月29日 (土)

国際親善の成果?

Aga"Live at Palladium" Aga Zaryan(Cosmopolis)

今週は仕事で3日ほどポーランドからの客人の対応をしていたのだが,その際,彼らにポーランド・ジャズって侮れないですよねぇとか,そう言えばAnna Maria Jopekもポーランドでしたねぇなんて話をしていたら,その翌日に頂きものをしてしまった。それがこのアルバムであるが,こういうのを国際親善の成果と言っては大袈裟か。しかも2CD+DVDという大作。でも主役のヴォーカリスト,Aga Zaryanは初めて聞く名前である。

残念ながら,多忙につきまだ音源を聞いてはいないものの,なかなかのメンツがバックを固めているではないか。Larry Koonse,Darek Oleskiewicz(aka Darek Oles),Munyungo Jacksonってのはなかなか渋いが,実力者揃いである。曲もオリジナル,スタンダードからStevie WonderやHerbie Hancockまでいろいろやっている。う~む。早く聞いた上で,感想を送って,国際親善モード第2レベルに突入せねば。一体どんな声をしているのだろうか。追ってご報告することとしたい。

まぁ仕事とは言え,こういうこともあるということで...。ありがとうございました。役得,役得。

2010年5月28日 (金)

「ダブルレインボー」と「ススト」は何だか似ているなぁ

Double_rainbowこれって前々から言われていたことかもしれないが,日野

2010年5月27日 (木)

すみません。本日も休業です。

皆さん,大変申し訳ありません。音楽を聞いている暇もなければ,記事を書く余裕もほとんどありません。つきましては本日は開店休業とさせて下さい。

これも偏に,ストレスがたまると酒量が増えるという極めて単純な法則が影響していることは明らかですが,これに懲りず,アクセスをお願い致します。それにしてもねぇ...。

こういうときに聞くとすればやっぱりハードロックだよなぁと思うのはきっと私だけはないはずである。いずれにしても明日はもうちょっとまともな記事が書きたいねぇ。

2010年5月26日 (水)

何をか況や...

私は中途半端なのが嫌いな性格なので,日韓戦の完敗を受けて,サッカー日本代表岡田監督が進退伺いを日本サッカー協会,犬飼会長に諮ったというのは理解できないわけではないと思った。

しかし,後の新聞記事等で今回の一件が,『岡田監督から「僕がやりますという意思表示のつもりだった」と釈明があったといい、犬飼会長も「人に誤解を与えるような表現はしないほうがいい」と話した』なんて記事を見ると,もうこの人たちは終わっていると思わざるをえないと感じさせられた。

この情けなさというか,言い訳のレベルは現在の一国の宰相と同じレベルである。どちらも結果が全ての世界で生きているという自覚が足りない。私はナショナリズムの人ではないが,そんな私でも,この国の人間でよかったと言えないような状況なのはいかんともしがたい。もういい加減にしてくれと言いたくなるのは,私だけではないはずだ。

潔さをなくした人間ほど,みっともないものはないということを彼らはわかっているのだろうか。サムライ・ブルーの「サムライ」の名が何ともみすぼらしく響いている。本番のW杯で彼らを応援する気もまじで失せてきたと言わざるをえない。これは個人の責任もあるが,日本のサッカー界の連帯責任である。選手,監督,協会の全てに対して"Shame on You!!!"と言っておく。

2010年5月25日 (火)

サッカー日本代表のレベルの低さを嘆く

Photo ワールドカップまで3週間を切ったというのに,ひどい試合を見せられてしまった。もちろん,日韓戦の話である。

一体このチームのレベルの低さの原因は何なのか。確かにベスト・メンバーではなかっただろう。しかし,それにしても,あまりにもパスの精度が低いため,インターセプトばかりくらい,細かいパスがほとんどつながらないのでは,ワールド・クラスの相手に勝てるわけがない。私はテレビ観戦だからまだしも,わざわざ悪天候の中,さいたまスタジアムまで足を運んだ6万余りの観衆に対して失礼も甚だしい試合だと言わざるをえない。中村俊輔も遠藤も全くやる気がないのではないのかというグータラなプレイぶりを見せられたら,私でなくても怒るだろう。

日本のプレイに連動性が感じられないのは,韓国のディフェンスがいいからだと言い逃れもきくかもしれないが,何が腹が立つと言って,とにかくプレイに覇気が感じられないことである。日本人は自己責任を回避するためにリスクを取らない傾向があるのは,会社経営も同じかもしれないが,それにしてもである。ワールド・カップという4年に1度の一大イベントに参加するということだけで満足しているのではないかと思わされるような壮行試合ではないか。「壮行」ってのは「旅・遠征などに出発する人を元気づけ、励ますこと」だと辞書にはあるが,こんな試合,体たらくを見せられて,彼らを励ます気になれという方が無理である。

この期に及んで,こんなひどい試合を見せられているようでは,予選突破は夢のまた夢,3連敗で終わりでも不思議はあるまい。この試合で,せめて長友のような献身的なプレイを見せる選手がもう少しいれば多少は違ったのかもしれないが,こんなふぬけた試合になったのは,若干空回りながら,気合の塊のような闘莉王の欠場によるところも大きかったように思える。闘莉王もスタンドで観戦しながら臍を噛む思いだったのではないだろうか。

いずれにしても,イマジネーションに欠け,リスクを取ることを恐れるような今の日本チームに期待はできないと言わざるをえない。彼らには夢を見させてもらえると到底思えないもんなぁ。監督を責めるのは簡単だが,選手にも問題があることがよくわかった一戦である。

だが,岡田監督も「結果を出せず責任を感じている。我々は前へ進むしかないので、我々のやり方を信じて続けていくしかない」ってコメントはないだろう。試合中も前に進めない人たちのやり方って一体何?って聞きたくなるのは私だけではないはずだ。そもそも「我々のやり方」が通用しないのはもうはっきりしているではないか。

それにしても情けない。それでも本番の試合は間違いなく見ちゃうし,ちゃんと応援もするんだろうけど...。本当にこれでは期待できない。惨敗を喫したドイツW杯の時の方がはるかにましだった。今のチームをオシムが見たら何というだろうか。

2010年5月24日 (月)

Doug Hall:彼の3つの願いとは何だったのだろう...

Doug_hall "Three Wishes" Doug Hall Trio (IGMOD)

このアルバムを購入した時のことは今でも覚えている。シチュエーションとしては以前紹介したJay Epsteinの"Long Ago"と同じようなものである(記事はこちら)。当時,私はある銀行に出向をしていたのだが,それはそれはかなりストレスフルな生活を強いられていた。よって,夕食休憩の時間を狙って,秋葉原にあったディスクマップに通っては,CDのチェックをしたり,購入したりしてストレスの発散を図っていたのである。このアルバムも,ディスクマップに新譜として置かれていたものを購入したもののはずである。これもIGMODレーベルということで,Jay Epstein盤と同じだが,当時はこういう結構趣味のよいアルバムを出していたレーベルである。

このアルバムは,ベースにMarc Johnsonが参加していることからしても,演奏の雰囲気からしても,ショップのポップではエバンス派という文字が踊りそうなものと言える。しかし,このDoug Hallのオリジナルを中心とした演奏は,エバンス派でひとくくりにするにはちょっともったいないのではないかと思わせるほど,優れた演奏集になっている。確かにエバンス的に響く瞬間もあるが,それが全編ではないのである。

このトリオによる緊密な絡みもいいし,ピアノのタッチもかなり美しい。私はどちらかと言うと,Enrico Pieranunziを想起したという方が正直なところである。Bill EvansもPieranunziも両方好きな私には,フィットするに決まっているという感じの演奏であり,これを埋もれさせるのは惜しいような気がする。しかしやはりマイナーのIGMODレーベルである。最近では別のレーベルからCD-R版の購入,あるいはダウンロードがCD Baby等で行えるようになっているので,入手は難しくはない。いずれにしても,私としてはストレスがたまっていた銀行出向時代に,結構このアルバムで癒されることもあったのかもしれないなぁなんて回想してしまった。

ところで,WebでDoug Hallを検索していたら,どうも昨年脳腫瘍でこの世を去ったようである(それがDoug Hall本人なのかどうかはよくわからないが...。しかし,記事の内容からすれば多分そうだろう)。しかし,こんなに素敵なアルバムを残していけたのだから,まだ幸せだったのではないだろうか(ちなみに,その後,Doug Hallは「慈悲」なんてタイトルのアルバムも発表している)。ということで,いろいろな思いが交錯するが,ちょっと甘めの星★★★★☆。ところで,ライナーに写る写真からすれば,ドラマーのBruce Hallとは兄弟だろうなぁ。そっくりだし。

Personnel: Doug Hall(p), Marc Johnson(b), Bruce Hall(ds)

2010年5月23日 (日)

ことのほか読了に時間が掛ってしまった1Q84 Book3

1q84_3「1Q84 Book3」 村上春樹(新潮社)

私は村上春樹の新作が出ると,いの一番に買い,できるだけ早く読んでしまおうと思っているクチだが,この本については,ことのほか時間が掛ってしまった。こんなことはあまり記憶にない。この第3巻の最初の方は,第1~2巻の内容を反芻するのに時間が掛ったというか,物語を思い出すのに手間取ったというのも事実である。しかも,この本を読んでいる途中で,海外出張もあったもので,ほかの本にも手を出している。あんまり気楽に読めないという気持ちが自分の中にもあったのかもしれない。

まぁそれはさておきである。時間はかかったが,ようやくの読了となった。一応,この第3巻で,主人公,天吾と青豆の話の決着はついたと考えることもできるが,謎も提示されたままになっているため,第4巻が出るだろうと考えることも当然可能である。牛河の空気さなぎや新たなるマザとドウタ,あるいはふかえりはどうなるんだ等,考え出したらキリがない。このあたりが村上春樹らしいと言えばそのとおりだが,やっぱり書くのではないかなぁなんて思っている私である。今度は主人公を変えて,何らかのサイド・ストーリーが生まれる可能性すら否定できない。まぁそれは今後の情報を待つしかあるまいが,1Q84と1984年をパラレルに捉えると,新しい「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」になっちゃうかもなぁとも感じる私である。

それにしても,村上春樹にしてはアクティブな展開が多い小説であったが,相変わらずのシュールな世界である。このわけのわからなさをどうとらえるかによって,人それぞれの受け取り方は違うだろうが,まぁ私はファンの弱みというか,やはり嫌いではない。第1~2巻でも感じたような人物造形のうまさも大したものである。

世の中では本書に関してもアンチ村上春樹と,村上春樹シンパが喧々諤々の論争を繰り広げているが,読書なんて個人的な体験なんだから,感想は違って当たり前である。しかし,私はこの小説を読んで,前の記事にも書いた「
私の凡庸な想像力を刺激する」という表現を改めて,ここでも使いたいと思う。解釈するのではなく,ストーリーに身を任せる。おそらくはこれが私と村上春樹の接し方なのだろうと今回も思わざるをえなかった。後半に向けての一気の展開は,前半の反芻によるページのめくりの遅さを忘れさせるものだったと言っておこう。これもやはり星★☆だろうなぁ。

よって,個人的には面白い小説だったと思うというのが結論である。

2010年5月22日 (土)

追悼,Hank Jones

Hank_jones去る5/16にHank Jonesが亡くなった。91歳での大往生である。しかし,2月に来日したばかりだったHankが突然亡くなったのには驚いた人も多いのではないだろうか。病名は非公表であるが,3月からホスピスに入っていたということであるから,相当の病状であったと想像するに難くない。

Hank Jonesと言えば,いろいろな名盤を残しているが,一言で言えば,端正なピアノと言うべきであろう。そのHankがブレイクしたというか,脇役から主役に転じたのはThe Great Jazz Trio以降のことだろう。もちろん,"Somethin' Else"にも参加しているし,Thad,ElvinとのJones3兄弟でも有名な人であったが,それでも一枚看板として活動が活発化したのはやはりGJT以降と言ってよい。

まぁ私はRon Carter~Tony Williams以外のリズムでのGJTはほとんど聞いていないが,この強烈なメンツには結構激しくやらせておきながら,Hank Jonesのピアノはあくまでも彼のピアノのスタイルだったように思う。私がリアルタイムで買ったのは渡辺貞夫とやった"Bird of Paradise"だったと思うが,あれはあれで,バップ・フレイバーが横溢するアルバムだったなぁなんて今にして思う私である。いまや実家にLPを置いたままなので聞けないのが残念ではあるが,その代わりにGJTのヴァンガードのライブ・テイクの残り集を聞いて追悼した私である。

また,ジャズ界の偉人がこの世を去ったのは誠に残念であるが,幸せな人生を歩んだであろうHank Jonesであろうから,敬意を以ってここに追悼をしたいと思う。

R.I.P.

2010年5月21日 (金)

出張中に見た映画(10/05編):その2

Tokikake2010 「時をかける少女」('10)

監督:谷口正晃

出演:仲里依紗,中尾明慶,安田成美,勝村政信,石丸幹二,石橋杏奈

私は原田知世が好きである(このことは既に告白済み。記事はこちら)。よって,「時をかける少女」はNHKのドラマと知世ちゃんの映画と紐づいている。そうした中で,この映画は何度目かのリメイクということになるかもしれないが,これが筒井康隆の原作のリメイクということであれば,私だけでなくハードルは低くはないはずである。

だが,本作はリメイクというよりも,敢えてこういう展開もあるかもという後日談である。それはまぁよい。

この映画を見ていて,私自身はどうこうという感想はなかったし,今でもあまりないが,基本的に言ってしまえば,役者の配役からして,いかにも金は掛かってないなぁというのが正直なところである。VFXもしょぼいこと甚だしい。しかもシナリオには決定的な穴,即ち,なぜ安田成美が仲里依紗を代理に立てなければならないかが全然わからないのである。しかしだ。金は掛かってなくてもある程度真っ当な映画は撮れるという気がしてきてしまうのが,この映画の不思議なところではないかと思う。

ケチをつければきりはない。最悪なのは仲里依紗がタイム・ワープするシーンだろう。あれこそ金と時間の無駄である。あんなバカげたシーンを挿入することで,この映画は評価を下げることになったと思うが,それ以外はまぁ許すって感じである。タイム・パラドックスを許さないというのも潔い。

だが,私の個人的な感覚でのこの映画の最大の瑕疵は,芳山和子その人の役を安田成美にしたことである。安田成美が悪いというのではないが,私がまともなプロデューサーならあの役は原田知世にふる。その方が,中年の男は萌え~となるはずなのだが...。そういう意味を含め,今回のキャスティングはわかってないということになるのである。それが残念。知世ちゃんが断ったということにしておこう。

Photo しかし,仲里依紗は可愛い(この普通さは捨てがたい)し,映画もそれなりに楽しんだ私であったが,それよりも何よりもこの映画での最大の収穫は芳山和子の若い時を演じた石橋杏奈である。彼女のために「清楚」という表現があるのだと言いたいぐらいだ。ここでの写真はなんだか普通だが,昔なら南野陽子にキャスティングしたいような感じの役柄だったなぁなんて思うのは私だけだろうか。いや~,それにしても石橋杏奈は可愛い。これぞ美少女である。彼女のせいで半星は得をした映画ということで,星★★★。

それにしてもこの映画のポスターはいけてないなぁ。

2010年5月20日 (木)

本日休業

まるで商店主みたいな主題だ。誠に勝手ながら,本日のブログの記事のアップが難しい状態なので,明日以降の復活を目指します。読者の皆さま悪しからず。

2010年5月19日 (水)

SJ休刊に思う

Twitterを震源にブログ界でも噂になっていたSJ休刊が、新聞紙上にも掲載され、事実と確認されたので、私も記事にしてみたい。

私が初めてSJを買ったのは1978年だったと思うが、このブログで2008年8月に三行半をたたきつけるまで(そのときの記事はこちら)約30年間購読していたことになる。昔は確かに世話になった。しかし,近年の同誌のどうしようもなさに辟易とした結果の三行半だったのである。

SJは今回の休刊に関して、CD売上低迷の影響による広告収入の低下が原因と言っているようだが、ジャズ・ジャーナリズムとしての矜持を失い、批評として成立しなくなったことにより、私を含む読者の離反を招いたこそが最大の原因だろう。まさに自己瓦解である。

更にはネットの影響も見逃せない。私も最後の方は情報収集がメインで、レビューなんて全然読んでなかったようにも思うが、ネットの発達でSJに依存しなくても、ディープな情報が取れるようになっていたのも事実だろう。しかも、ディスク・レビューなんて素人ブロガーの方が早くて正確なんだから、どうしようもない。

SJ休刊とは直接関係ないが、そうした素人に喧嘩を売って顰蹙を買った自称プロのM.G.は今回の件をどう思うのか極めて興味深い。

いずれにしても、SJが復刊を目指すのならば、あんなごっつい紙面ではなく、Down Beatのような作りにした上で、優れた評論家のみを登用し、レコード会社のプロモーションのような提灯記事はやめることしかあるまい。

これを時代の流れと言うのは簡単だが、所詮は自業自得なのである。最終号で編集部がどのような弁明をするのかが見物だが、だからと言って私は買わないだろうなぁ。まさかこれまでの歴史を振り返ってお涙頂戴なんてことはないだろうが…。いずれにしても立ち読みで十分である。

復刊するならヴィーナスジャーナルって誌名を変えればとでも言っておこう。

2010年5月18日 (火)

中年音楽狂 in 中国

Image040 最近,中国への出張が多いが,今回は北京~天津の短期出張である。北京~天津間は現地の新幹線とも言うべき高速鉄道で移動するのだが,わずか30分という短い時間である。なぜならば,その鉄道,日本で言えば東京~小田原あるいは熱海間ぐらいに相当するのかなぁという距離で,最高速度は330km超で突っ走るのである。

証拠写真というわけではないが,携帯で撮った速度表示の写真を添付してしまおう。携帯でかなり遠くから撮影してぶれている上に,画像の編集を加えているものだから,ピンボケでほとんどわからないかもしれないが,よくよく見ると速度331km/hと表示されている。これもカーブもない,トンネルもない,アップダウンもないという広大な中国の国土の成せる業という気がしないでもない。障害物がないから,高速走行をしてもほとんど揺れないしなぁ。中国四千年の歴史に加え,海外の技術も導入しながら,現地での車両生産も行ってしまう近代技術だってかなり恐るべし,中国。

少なくとも車窓から見える風景の広大さを見れば,スケールの違いを実感せざるをえず,本当にこの国は将来凄いことになってしまうのではないかと痛感させられてしまった。

2010年5月17日 (月)

出張中に観た映画:「ゴールデンスランバー」

Golden_slumber 「ゴールデンスランバー」('10,東宝)

監督:中村義洋

出演:堺雅人,竹内結子,吉岡秀隆,劇団ひとり,香川照之

今回は中国への出張なので,往復で1本ずつってのが原則で,しかもフライト時間が短いから,長い「アバター」なんかは見られないということで,おのずとチョイスも限定的になるのは仕方ない。しかし,この映画は本当は劇場に見に行こうと思っていながら見逃していたので,まぁちょうどよかったって感じである。

私はこの映画の原作を読んだときに,本作が映画化される場合には脚本の成否が大きく影響するはずだと書いた。この原作のありえないプロットを映画化するのはかなり困難なのではないかと思ったからである。しかし,映画としてはそこそこよくできていたとは思えたのは,脚本としては大きな破たんはなかったからだと思う。だが,139分という結構長い尺でも,犠牲にした部分はかなり多く,本来はもっと多様な原作での登場人物たちが,映画ではほとんど描けていないというネガティブな影響もないとは言えないのである。相武紗季なんてほとんど出たうちに入らんではないかとか,ソニンももったいないとか,いろいろケチのつけようはある。即ち,原作に忠実に描くより,若干の脚色を加えた方が,もっと話が整理できたのではないかと思えるのである。そのあたりは惜しいような気がする。

まぁ,しかしこの映画は脇役が魅力的なので,かなり得をした映画って感じがするのである。柄本 明しかり,濱田 岳しかり,ベンガルしかりである。だが,その中でも一番泣かせてくれたのは伊東四朗と木内みどり扮する主人公の両親だろうなぁ。ラストシーン近くの習字(わかる人だけわかって下さい)のシーンには泣かされてしまった。 

それでもやはりこれはありえない話だろうなぁと思えるのは,映像的には非常にインパクトのある花火のシーンが,それはありえないだろうというかたちでしかシナリオ化されていないためである。これはどう見ても"How"の部分をかっ飛ばして,映像化してしまったって感じなので,そんなのありえないだろうとしか言えないのである。映画なのだから,なんでもリアリティがあればいいってもんでもないが,やはりこれはきついと思った私である。世の中つじつまの合わない映画なんていくらでもあるから,これなんて目をつぶってもいいぐらいかなぁとは思うが。

と,ケチをつければいくらでも,というのがこの映画であるが,まぁそれでもエンタテインメントとしてはまずます面白い。だけどやはりちょっと話の展開には無理があるねぇ(というのは原作がそうだから当然か)。ということで星★★★。原作を読んだときは,竹内結子はミスキャストではないかと思ったが,意外とはまっていたのは収穫。役者陣は総じてよかったと思う。

2010年5月16日 (日)

久しぶりに綾辻行人である

Photo「迷路館の殺人」 綾辻行人(講談社文庫)

出張が結構多い私にとって,旅の道連れは軽く読める本,あるいはかさばらない本である。よって,綾辻行人の「館」シリーズなんて,旅のともには最適である。それなりに楽しめるし,深刻な部分はないからである。何だかんだ言って,そうしているうちに「館」シリーズもほとんど読んでしまった私であるが,比較的この作品の評価はシリーズの中でも高いようであるが,一体どうか。

作中作という形式を取るのはそう目新しいことではないと思うが,いずれにしても,これは最後まで読むと,それって反則だろうと思わされることも事実である。しかし,一方ではこういうジャンルの小説っていうのは,いかに反則的なものを読み物として論理的に成立させるかというところが重要だと思うので,これはこれで「やられた~」という読後感が極めて強かったものだと思う。

最近は綾辻の作品もあまり発表されないが,本作も新装改訂版というように,新作を書くというよりも過去の作品を見直しているのかもしれないと思いつつ,ぶつぶつ文句を言いながら,きっちり読まされてしまった私である。最新作「Another」は未読だが,そのうち読んでみようかなぁ。でも単行本で買うほどでもないかなぁなんて思ったりして(爆)。星★★★☆。

2010年5月15日 (土)

昨日に続いてJohn Mayerである。

John_mayer1 しつこいようだが,昨日に続いてJohn Mayerのライブについて書いてみたい。今日は,昨日もちらっと触れたドラムスのKeith Carlockについて,まずは書いておきたい。今回のライブの会場で,Keith Carlockというドラマーを,どれだけの人間が知っていたかははっきり言って疑問である。もちろん,会場にいるオーディエンスもCarlockのドラムスを聞いて,強力なドラマーだということは認知したとしても,最初からCarlockが参加していることを重要視している人間など,まずは皆無に近かったであろう。

だが,彼が展開したドラムスのソロは,去る2月のCotton ClubでWayne Krantzとやった時同様,歌心溢れるものであったということは認めなければならない。やはり大したドラマーなのである。しかもあのパワーである。叩くときの圧力が強烈なのも2月に聞いた時とそんなに大きな違いはない。

しかしである。私はJohn Mayerの音楽が好きだということを前提に言ってしまえば,彼のバンドのドラマーがCarlockである必然性はないのである。Carlockの猛爆ドラミングが炸裂することはほとんどないし,バンドをプッシュするのはよくわかったとしても,敢えてなぜCarlockなのかという疑問が残ってしまった。

確かにうまいドラマーとして今回,John MayerはCarlockを雇ったのかもしれないが,うまいドラマーはCarlock以外にもいるわけで,彼のパワーを100%活かしているとは思えなかったのは事実である。逆に言うと,Carlockが活きるのはJohn Mayerのバンドではないだろうというのが実感である。Carlockだけを捉えれば,確実にWayne Krantzのバンドにいた時の方が魅力的であったのは間違いない。

Learning_to_crawl だが,この記事はCarlockのことだけを書くためのものではない。4年前に恵比寿ガーデンホールで見た時も,基本的には似たようなメンツだったと思うが,John MayerのようなプレイヤーがRobbie McIntoshのようなオッサン・ギタリストを雇っているのは,ビジュアル的には凄いことだと思うが,よくよく見れば,McIntosh,彼のサイトによれば(http://www.robbiemcintosh.com/),私の大好きなPretendersの"Learning to Crawl"でギターを弾いているではないか。多分,Chrissie Hyndeの左前にいるのがMcIntoshだろうが,いやいやこれに比べれば,相当の爺さんモードに入っていた(人のことは言えんが...)。なるほど,なるほど。やはり,John Mayerの目指す音楽は私の嗜好と合っているのだと再確認した次第である。

ここではMayerのギターの技については全然書いていないが,弦をはじいた後に,トレモロ・アームを軽く三連打するというのは,少なくとも初めて見た技であった。ドローン的というか,サステイナー的というかよくわからんが,ビジュアル的には面白くて,思わず会場で曲の間中,真似をしてしまった私である(爆)。

最後に,今回のライブが開催されたJCBホールという会場は初めて行ったが,ステージと観客席の距離感が非常に近く感じられ,魅力的な空間だったと思う。3,000人のキャパとは思えないのである。メジャーになる前のプレイヤーはあそこでやるといいのではないだろうか。

いずれにしても,気持ちのいいライブであったということは間違いない事実である。ただ,昨日も書いたが,John Mayerの怪しい日本語(短期交換留学か何かで日本に少しの間いたらしい)には,結構冷めるなぁと思ったのは私だけではあるまい。

2010年5月14日 (金)

John Mayerのライブを聞いた

詳しくはまた改めてご報告としたいが,本日,John MayerのライブをJCBホールで聞いてきた。相変わらずの歌って弾ける男ぶりには参ってしまったわけだが,何がびっくりってライブ終了後,ステージからサインに応じているのには私も驚いた。普通ならばパニックを呼んでしまうので,ミュージシャンとしてはやってはならないことだと思うが,JCBホールの聴衆は大人というか,そういうこともなかったってのはこれまた驚きであった。前列に並んでいた諸君は本当にラッキーだなぁ。

本日,私はJohn Mayerの音楽はアダルト・オリエンティッド・ロックだなぁと思ってしまったのだが,それはロックとしての刺激はそこそこあるのだが,決して耳をつんざくようなサウンドではなく,大人,あるいは年寄りが聞いてもOKということが大きい。しかし,ギターの技はEric Claptonに近いものがあるというこの何とも言えぬバランスに,私は嬉しくなってしまった。やはり只者ではない。

しかし,聴衆の中にはバカの一つ覚えのように"I Love You"を連発する間抜けな男もいたのも事実である。男に"I Love You"と言われて受ける男性ミュージシャンはそうはいるまい。その一方で聴衆の層は無茶苦茶幅が広く,私よりも年長の方がアリーナにいたようにも見受けられた。この訴求力こそがJohn Mayerの凄さなのではないかと思った一夜であった。Keith Carlockについては改めて書きたいが,彼はやはりKrantzとやってた方が彼らしいと思ったとだけ今日は記しておこう。歌心溢れるドラム・ソロは健在だったが...。

いずれにしても,今日の感想。John Mayerは凄いギタリストだ。絶句。ただし,日本語喋ろうとし過ぎなのは,ロッカーとしてはいかがなものかって感じだが。

2010年5月13日 (木)

"Winelight"のひな形?:"Mr. Magic"

Mr_magic"Mr. Magic" Grover Washington, Jr. (Kudu→MoJazz)

先日,Chris Bottiの記事を書いたときに"Winelight"についてちらっと言及したばかりだが,多くの人にとってGrover Washington, Jr.の代表作は"Winelight"ってことになるのだろう。私にとってもそれは同じ,というかこれまで私が買ったことがあるGroverのアルバムはUrban Knightsを除けば"Winelight"だけ(爆)だったから,それも当然である。まぁはっきり言ってしまえば,私にとってはGroverはそれほど縁の深いミュージシャンではなかったし,別にほかのアルバムは聞かなくてもいいかって感じだったのである。

そんな私が中古ショップでこれを見つけて,何で買う気になったかと言えば,タイトル・トラック"Mr. Magic"って聞いたことはないが,結構Groverの代表曲の一つって言われてたなぁ,なんて程度のものだからすこぶるいい加減である。しかもこのジャケでよく買う気になるわと自分でも呆れてしまう。

それでもってこのアルバムを聞いてみたわけだが,(主題とは異なって)アルバム全体の雰囲気は"Winelight"とはだいぶ違っていて,ストリングスがかぶってくるとまるでちょっとB級アクション映画の音楽のように聞こえる瞬間もある。しかし,タイトル・トラックに限っては,これって"Winelight"のプロトタイプなのではないかと思わせるぐらい,雰囲気が似ているのである。もちろん,バックの演奏は"Winelight"ほど洗練されておらず,よりアーシーさ,あるいはファンクネスを感じさせるのだが,Groverのサックスや旋律は驚くほど雰囲気の相似性を感じさせるのだ。ほかの曲が違うだけに,やけにこれが目立ってしまうのだが,それでもこれはなかなかいいわ。

だからと言って今からGroverの追っかけをするつもりなど毛頭ないが,それでも今まで無視していたことはちょっと反省してしまった私であった。もちろん,本作は名盤でも何でもないが,70年代という時代臭をプンプンさせた音楽だと言っておこう。これはこれで懐かしいものであり,実はiPodでもう何回も聞いてしまった私だということは告白しておこう。まぁそれでも出来としては星★★★ぐらいだが。でも嫌いじゃないんだなぁ,これが。

Recorded in November, 1974

Personnel: Grover Washington jr(ts, as, ss), Bob James(p, el-p),  Gary King(b), Phil Upchurch(b), Harvey Mason(ds) Ralph MacDonald(perc), Eric Gale(g), Jon Faddis(tp, fl-h), Marvin Stamm(tp,fl-h), Phil Bodner(bs), Jerry Dodgion(ts), Wayne Andre(tb), Tony Studd(tb), Max Ellen, Paul Gershman, Garry Glickman, Harold Kohon, Harry Lookofsky, Joe Malin, David Nadin & Matthew Raimondi(vln), Al Brown & Manny Vardi(viola), Charles McCracken & Alan Shulman(cello)

2010年5月12日 (水)

懐かしい~:Carole KingとJames Taylorリユニオン

Carol_king_james_taylor"Live at the Troubadour" Carole King & James Taylor(Hear Music)

去る4月に来日公演を果たしたこの2人のライブ盤が発売になったが,聞いて思ったのが来日公演に行かなかったのは失敗だったということである。とにかく懐かしい。さすがにご両人もお年を召して,声は往時の瑞々しさには欠けるのは当たり前であるが,曲の力はいつまで経っても不変なのである。

この2人が当時のバンド・メイツとTrobadourという500人しか入らないという極めてインティメイトな場所でライブをやるということ自体が驚きであるが,その場にいられた聴衆が羨ましいと思わせる音楽の数々である。私が購入したのはDVD付きのものなので,さっさと映像も見てみたいが,なかなか映像って見る暇がないんだよなぁ。でもこれは早く見てみたいと思わせる演唱ぶりなのだ。おそらく日本公演も同じような雰囲気だったに違いないから,行かなかったのは失敗だったと思ってしまうのである。

収められた曲は,彼らの名曲の数々であり,多くを語る必要はあるまい。相変らず,Taylorのギター・サウンドは心地よい響きで,これだけでも嬉しくなってしまうが,とにかくここに並んでいる曲ならば,ほとんどの人は無条件にOKとなってしまうと言っても過言ではなかろう。

こうした演奏が新たな創造性に満ちているとは決して言わないが,こうして安心して身を委ねることができる音楽に接していると,何とも幸せな気分になってしまった私である。おかげで通勤の帰り道が楽しかった。また聞こうっと。星★★★★(でも心情的には星
★)

Recorded Live at the Troubadour in November 2007

Personnel: Carole King(vo, p), James Taylor(vo, g), Danny Kortchmar(g), Leland Sklar(b), Russell Kunkel(ds)

2010年5月11日 (火)

何とも穏やかなKeith JarrettとCharlie Hadenデュオ

Jasmine "Jasmine" Kieth Jarrett / Charlie Haden (ECM)

この二人が共演するのは31年振りだそうである。また,Keithにとってもスタジオ録音は12年振りとのこと。アメリカン・クァルテットの崩壊とともに,二人の縁は切れたと思われたが,思わぬところで共演アルバムが発売になった。ECMから届いたニュースレターの主題は"If you buy only one album this year..."となっていたが,まさにそれぐらいの期待をかけてもよいと思われる作品と言えるだろう。

そして出てくるのが,非常に穏やかなバラードの数々である。一言で言うならば「穏やかさ」あるいは「落ち着き」に満ちた音楽である。ここにはベテラン・ミュージシャンが楽しげに美しい曲を奏でる姿が素のままに捉えられているという感じである。少なくともLiberation Music Orchestraにおけるような闘士としてのHadenの姿はないし,KeithはKeithで病気からの復帰作,"Melody at Night, with You"のような感じなのである。これはおそらくホーム・レコーディングという要素も多分にあるかとは思うが,雰囲気は"Melody..."にかなり近いように感じる。

この作品には陶然とするような美学あるいは耽美性というよりも,とにかく音楽を丁寧に,かつ端正に弾くという姿勢が強く感じられ,かつメロディ・ラインの扱い方が極めて美しいという感じであろうか。演奏される数々のスタンダードの中でJoe Sample作"One Day, I'll Fly Away"が極めて異色には響くが,この選曲も原曲の持つ美しいメロディを買ってのものだろうと思う。Keithとは全然個性は違うものの,Joe Sampleも美しいタッチのピアニストということで,相通ずる部分を感じたのかもしれないというのは考え過ぎかもしれないが,やはりこの選曲は異色ながら,結構よかった。

この名人二人の奏でる音楽であるから,極めてレベルは高い。だが,その一方で,こんなに穏やかでいいのかという疑問がないわけでもない。老成するにはまだ早いという話もある。しかし,ここではこの名人同士の対話を楽しむことを優先すればいいのではないかと思うのも事実である。少なくとも,何度かリピートして聞いたのだが,全然飽きるということがなかったのは,やはりこの作品が優れていることを実証しているものと思う。今年のベスト作とはならないかもしれないが,確実に記憶に残る作品だと思う。いずれにしても,私にとっては近年のKeithのトリオ作やソロ作よりもはるかにプレイバックの回数は多いものになるだろうと予感させる一作である。星★★★★☆。

Recorded in March, 2007

Personnel: Keith Jarrett(p), Charlie Haden(b)

追伸:ブログのお知り合い,ki-maさんからTBを頂いているが,うまくいかないようなので,URLを添付させて頂きます。ki-maさんの記事はこちら

2010年5月10日 (月)

やっぱり面白かった「荒野の用心棒」

Afistfulofdollars「荒野の用心棒(A Fistful of Dollars)」('64,伊/西独/西)

監督:Sergio Leone

出演:Clint Eastwood,Gian Maria Volonte,Marianne Koch,Jose Calvo

久しぶりにこの映画をDVDで見た。昨年だったか,海外出張中にTVで放映されているのを見て,やっぱり面白いなぁなんて思ったのだが,今回,DVDを購入しての再見となった。元が黒澤明の「用心棒」(この映画に関する記事はこちら)であるから,ストーリーの面白さは保証されているようなものだが,これがまたうれしくなるような出来であった。

何がいいって,Eastwoodである。私は子供の頃からEastwoodのファンだったわけだが,やはりこの役ははまっている。この苦み走ったEastwoodの表情こそ,男の中の男である。ストーリーはお馴染みの通り,まんま「用心棒」である。「用心棒」の日本側のキャストによって描かれた役柄がどのように演じられるかにも注目しながら見ていると面白いが,翻案ゆえのちょっとした違いがあるのは仕方ないだろう。しかし,加藤大介が演じた,ちょいとおつむの弱い「新田の亥之吉」のような役は,コミック・リリーフ的に登場させてもよかっただろうが,そこは演出の強烈なマカロニ(スパゲッティ)・ウェスタンであるから,ハードな路線を優先しているようである。

黒澤はこの映画を認めていなかったようではあるが,権利的に黒澤に移譲され,彼はこの映画のヒットによって,大いに懐が潤ったはずなので,それはそれでよかったのではないかと思う。いずれにしても,マカロニ・ウェスタンを代表する一本であることには間違いないし,Eastwoodの役者としてのその後のルートを敷いたことを考えれば,この映画の功績は認めなければならない。役者としての活動がなければ,現在のような映画監督の巨匠,Clint Eastwoodは生まれていなかったはずなのだから。そうした意味も含めて星★★★★★。

2010年5月 9日 (日)

夜のBGMに最適なChris Botti

Slowingdowntheworld"Slowing Down the World" Chris Botti(Verve Forecast)

スムーズ・ジャズにもいろいろあるが,基本的には軽快なリズムに乗せて,ドライブに最適といった感じの音楽が多い中で,このChris Bottiのアルバムはちょっと毛色が違う。ドライブと言っても,これはナイト・クルーズ用の音楽である。まさに夜の音楽,夜のBGMなのである。大体,タイトルからして"Slowing Down the World"と来たし,ちょっとリズムが軽快になったと思ったら,その曲名は"Drive Time"だもんなぁ...。また,Stingがゲストで出てきたと思えば,それは"In the Wee Small Hours"って出来過ぎではないか。

この穏やかなリズムに乗って演奏されるBottiの音楽を聞いているとつくづく思うのだが,毒にも薬にもならないスムーズ・ジャズとは比較にならない歌心を感じてしまうのである。だからと言って,このアルバムをベタ褒めしようとは思わないが,かなりこれはいい感じの音楽だと言ってよい。大人の夜のための落ち着きをもたらすと言っては褒め過ぎか。でもまぁなんというか「クロスオーバー・イレブン」って感じなのである。

こういう演奏をどういうメンツでやるのかとよくよく見れば,なるほどねぇといういいメンツが揃っている。参加ミュージシャンが多いので,全部は書ききれないが,やはりこういう音楽を作るにはそれなりのミュージシャンが参加しているということがよくわかるアルバムであった。

しかし,振り返ってみれば,以前ダラスに出張中にふらっと入った店でライブ・バンドがスムーズ・ジャズを演奏しており,その場では彼らとてなかなか侮れないと思ったが,それでもこれだけの完成度はもちろんなかったと思う。なんだかとにかく落ち着いてしまうのである。これはこれで夜にプレイバックすると,相応の効能が期待できる音楽として星★★★★。

私は昨今の飲み屋でモダン・ジャズがBGMとして掛っているのに辟易としているのだが,もしこういう音楽を代わりにプレイバックしてくれたら,その店は評価しちゃうなぁというタイプの音楽だと言っておこう。でも,若者には刺激がなさ過ぎて何がいいのかわからんだろうが,このくつろぎ感,Grover Washington, Jr.の"Winelight"と双璧と言ってはやっぱり褒め過ぎかもしれないなぁ。だが結構好きだ。私の軟弱趣味がバレバレになる瞬間である。そんな私でも,Chris Bottiのヴォーカルはいけていないと思ってしまうが...(苦笑)。

Personnel: Chris Botti(tp, key, vo), Sting(vo), Jeff Lorber(p, key), Greg Leisz(pedal steel), Dean Parks(g), Larry Klein(b), Tony Levin(b), Peter Erskine(ds), John Robinson(ds) & Others

2010年5月 8日 (土)

熱い!暑い!厚い!Blakeyの"A Night in Tunisia"

A_night_in_tunisia"A Night in Tunisia" Art Blakey & the Jazz Messengers (Blue Note)

Art Blakeyにとって"A Night in Tunisia"はオハコのようなものであろうから,何度も録音しているし,それぞれの演奏がそれなりに感慨深いものがある。だが,このアルバムを本当に久しぶりに聞いてみて,このタイトル・トラックの爆裂ぶりに,こんなにも強烈だったのかと通勤中の眠気も飛んだ私である。

とにかくいい意味でうるさい。かつ主題に書いたとおり,熱い演奏であり,暑苦しく,かつサウンドが分厚いのである。こんな曲を冒頭に持ってきてしまうから,はっきり言ってほかの曲がかすんでしまうのである。とにかくヘッドフォンで聞いていて,Blakeyが煽る前でLee Morganがシェイカーを振っているのが目に浮かぶようである。これは本当に暑苦しい限りであるが,燃える。ある意味,連休明けで淀んだ頭には強烈な昂精神剤のような効果があったと言える。

この曲はほかのトラックの収録時間の2倍近くあり,強烈な演奏を11分以上続けられると,さすがに目も覚めるわ。その後も,いい演奏が続くのだが,この曲の後では普通のファンキー・ジャズにしか聞こえなくなるから,このタイトル・トラックの効果は恐ろしい。ここまでエネルギーを放出しなくてもいいんじゃないのと思わされるが,アフロ・アメリカンのパワーを見事なまでに見せつけられたのであった。このメンツであるから,演奏がいいのは当たり前。Wayne Shorterには私にはクールなイメージがある(なんてったって黒魔術だしなぁ)が,まだまだこの頃はやけどをしそうなソロを取っているのがよ~くわかった。

私は,Art Blakeyのファンっていうわけではないが,彼らが60年代初頭に初来日した際に,なぜ日本人に熱狂的に受け入れられたかを,このアルバムを聞くと理解できるような気がする。当時の高度経済成長の波と,Blakeyの音楽が持つエネルギーがシンクロして,日本人の心を更に高揚させたのだろうと思う。ある意味ではバブル期のイケイケ的な部分ともかぶるが,こんな音楽を聞いていたら,たとえ不況期であろうが,ストレスの解消になるわ。ということで,半ば呆れながら聞いていた通勤時間であった。星★★★★☆。

Recorded on August 14, 1960

Personnel: Art Blakey(ds), Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymmie Merritt(b)

2010年5月 7日 (金)

John McLaughlinのレギュラー・バンドによる初スタジオ作

To_the_one_2 "To the One" John McLaughlin & the 4th Dimension (Abstract Logix)

本作のバンドである4th Dimensionは近年のJohn McLaughlinのレギュラー・バンドと言ってよいものだが,これまでDVD,オフィシャル・ブート及び本当のブート(これも変な言い方だ)によるライブ盤が発売されているだけで,その全貌はなかなか見えてこなかったバンドである。それでも,それらを一通りゲットしている私も病気だが,やっぱり好きなのだ,McLaughlin。私はMcLaughlinの前作,"Floating Point"をドラムスがうるさいだけの凡作だと酷評した記事はこちら)のだが,その頃から,このバンドを聞いてみたいという欲求だけが強まっていたのは事実であり,手に入る音源を聞いていても非常にカッコよかったから期待も高まっていた。その彼らの初のスタジオ録音作がめでたく発表になったが,このバンドはこれまで,Hadrien FeraudやDominique Di Piazzaも参加したことがあるため,ギタリストのみならず,ベーシストにとっても要注目のバンドである。今回は,新たにEtienne M'Bappeなるカメルーン出身のベーシストが新たに参加しているが,この人もZawinul Syndicate,Steps Ahead,更にはONJ等にも参加してきたようであるから,テクニシャンであることは間違いないであろう。そもそもMcLaughlinの眼鏡にかなうわけであるから,この人のプレイぶりにも注目してこのアルバムを聞いてみた。

結論から言うと,本作もどこから聞いてもMcLaughlinミュージックってことになるのだが,ベーシストを除いては,メンバーが固定されて結構な時間が経過しており,そのサウンドはかなりタイトなものと言ってよいだろう。少なくとも御年68歳のミュージシャンの音楽にしては,相当ヘビーなもので,凄い爺さんだと思わされる。そう。McLaughlinは結構若づくりだとは言え,もう70歳近いのであって,日本なら年金受給者ってことになるのだが,音だけ聞いていれば,そんなことは誰も想像できまい。

相変わらずのギター弾き倒しぶりには思わず笑ってしまうぐらいであるが,こうした音楽ばかりやられても,さすがに飽きると言われても仕方がない部分はあろう。まぁ,昔からMcLaughlinの音楽はそういうものだと思って聞いているファンとしては全然問題ないし,本作だけで完結するのであれば,それもよかろう。しかし,最近は強烈なフレージングとタイトなリズムという組合せが目立っているのは事実である。もちろん,ハード・フュージョンとしてはよくできており,テクニシャン同士の丁々発止のやり取りには爽快感さえ伴うと言ってもいいのであるが,それでもやはり胸焼けしそうなのである。この要因としてはドラムスの録音/ミキシングあるいはサウンドそのものによるところもあるかもしれないが,タイトさを打ち出すことに意識が強過ぎるようにも感じられてしまうのである。

そうした中で,新参加のM'Bappeであるが,やはり彼もテクニシャンである。プレイ・スタイルはおそらくFeraudやDi Piazzaと同じで,スラッピングはあまり使用しないタイプで,McLaughlinとユニゾンなんかやられてしまっては,まいりましたと言うしかあるまい。一方で,Gary Husbandがキーボードとドラムスの二足のわらじを履いているのが面白い。私がロンドンで,Wayne Krantz見たさに行ったJanek Gwizdala's Researchのライブでもドラムス一本で勝負していたHusbandであるから,ここでもMondesirと同様のタイトなドラミングを聞かせているのにはびっくりである。

ということで,私としては全面的にはいいとは言い切れない部分はあるものの,McLaughlinらしさ,あるいは彼のバンドらしさは十分に出ていると思えるので星★☆ぐらいとしておこう。

Personnel: John McLaughlin(g), Gary Husband(key, ds), Etienne M'Bappe(b), Mark Mondesir(ds, perc)

2010年5月 6日 (木)

ダウンロード・オンリーのSeamus Blake参加のファンク作

Bloomdaddies "Racer X" Bloomdaddies(Dowonload)

Seamus BlakeはこれまでBloomdaddiesとして,2枚アルバムを発表しているようである。1枚がCriss Cross,もう1枚がFresh Sound New Talentであるが,それ以外にもう1枚未発表の作品があって,これがSeamus Blakeのサイトで有償ダウンロードできるので購入してみたが,これがかなりの変態ファンクである。そもそもバンドの編成からして変わっているが,これが変拍子エレクトリック・ファンクを展開するのだから,まぁこれは普通の人なら驚いてしまうだろう。

結局,公式発表が見送られた音源なので,瑕疵は多々あるのも事実である。突然,ブツっと切れるようなエンディングの曲もあるし...。そうは言いながらも,私は前掲の2作は聞いていないので何とも言えないが,別に未発表にしておくこともなかったのではないかと思う。現在はこのバンドは活動していないようだが,残骸として残る彼らのWebサイトでは,通販でこのアルバムを販売していたらしいことが読み取れる。結局,このアルバムが録音された当時,この音楽をリリースしようなんていうジャズ・レーベルはなかったのかなぁとも思えるが,それもまぁ当然かと言わせるほどの変態ぶりなのだ。

もともとはBlake~Murphy~Rossyというメンツで,オーソドックスなサックス・トリオとして演奏していたバンドにChris Cheekが加わって,更に彼らがエフェクターの持つパワーを認知することでこういう演奏になったということだが,そこにドラムスにRieserが加わって2ドラムスになることで,ラウド感が増し,このバンドの形態が完成したということであろう。このアルバムでもさまざまなエフェクターで遊んでいることがよくわかるものになっているが,このバンドが持っていた感覚は,現在はこれはCheekが参加するRudderというバンドに引き継がれたと言ってよいだろう(Rudderもやたらにやかましいバンドである)。

上述のとおり,瑕疵は多々あるが,こういう道をたどった上で,Seamus Blakeは現在のようなスタイルになったのだということを理解する上ではそれなりに意味はあるとは思う。まぁそうは言いながら,まぁ好き者限定にしておいた方がいいだろう($9.90だから許すって感じである)。星★★★。とにかく,これは変態である。しかし,Pit Innでのライブの時もPCを使いながら演奏していたことからしても,Seamusにはこういう顔もあるということである。

しかし,このバンドがCriss Crossからアルバムを出したというのはどう考えても信じがたい事実であるとともに,Jorge RossyがBrad Mehldauのトリオの裏でこんなバンドに参加していたことも驚きである。

Personnel: Chris Cheek(sax), Seamus Blake(sax), Jorge Rossy(ds), Dan Rieser(ds), Jesse Murphy(b)

2010年5月 5日 (水)

KKSFのネットでの復活

以前,米国のスムーズ・ジャズ局が相次いでクローズしてしまったという記事をこのブログにも書いたが,iTunesラジオでもそうしたプログラムは聞くことができてしまうから,それも時代の流れかなぁと思っていたら,サンフランシスコにあったKKSF(103.7)がWebでKKSF.com(http://www.kksf.com/)として復活,ストリーミングで昔ながらのスムーズ・ジャズを流していて,嬉しくなってしまった。

こういう動きを見ていると,アメリカのFM局はどんどんネット重視になっていくのではないかと思うが,そもそもKKSFはHDラジオ局として復活しているようではある。しかし,ストリーミングで同じようなプログラムは聞けるのだから,こちらとしてはありがたい限り。たまにPCでブログを書くときのBGMにしている私である。やはり,何だかんだ言って今でもこういうステーションが好きなのである。別に軟弱でもいいのだ。究極の「ながら」音楽。

2010年5月 4日 (火)

Tim Burtonの映画と考えずに見れば十分楽しめる「アリス・イン・ワンダーランド」

 Alice_in_wonderland 「アリス・イン・ワンダーランド(Alice in Wonderland)」('10,米,Walt Disney)

監督:Tim Burton

出演:Mia Wasikowska,Johnny Depp,Anne Hathaway,Helena Bonham Carter

日本では空前の大ヒットだそうである。

家人に連れられて,この映画を見てきたのだが,私が3Dの映画を見るのはこれが初めてであり,一体どんな感じなのかと思ったが,タイトル・ロールからおぉっ,なるほど~と思ってしまった。初めて見れば,これは結構驚きもあるかもしれないが,使える演出は限定的なものになるのではないかと思ったのも事実である。まぁそれでも十分に楽しめたが。

私が見たのは家人の要請もあり,吹き替え版だったのだが,とにかく観客に子供が多いことからしても,ディズニー映画だということからしても,Tim Burtonの持つ独特の世界を期待してはいかんだろうというのは端から明らかである。これは子供連れで楽しむべき映画というのが基本原則であるからして,これは仕方がないことではないかと思う。そういうもんだと思って見れば,結構楽しめるのではないかと思う。

映画は典型的ファンタジー映画であるものの,キャラクターがお馴染みであるだけに難しい部分もあるのではないかと思うが,それぞれの役者は適材適所って気がする。Helena Bonham Carterは「ターミネーター4」でもこわいと書いた(記事はこちら)が,ここでも「赤の女王」に扮してまたまた怪演を繰り広げている。

そうした中で,主役のMia Wasikowskaは非常に地味な感じを前半では持たせているが,ワンダーランドに行って以降,その表情がどんどん変わる演出はありきたりとは言え,この人は結構かわいいのではないかとまで思わせるほどだから,それなりには当たっている。しかしである。これならば敢えてTim Burtonが撮らなくてもいいのではないかと思えるところが,この映画の難しいところである。

即ち,ファミリー向けエンタテインメントとしてはよくできた作品だが,監督Tim Burtonに期待を掛ける聴衆には,失望感を以て迎えられるだろうということである。私のようにTim Burtonに思い入れがない人間にとっては,まぁこれはこれでいいんじゃないと思わされるが,こうした見る側の思いによって,大きく評価が変わりそうな気がする映画である。まぁ私はそれなりに楽しめたので星★★★★。

しかし,吹き替え版ゆえ,Christopher Leeのセリフ(何とJabberwockyだそうだ。適役だよなぁ...。)が聞けなかったのは返す返すも残念。あと,深田恭子の吹き替えはいかにもって感じだが,何だかなぁ...。

2010年5月 3日 (月)

山田べにこ,たまりませんなぁ。

Photo 先日,深夜にTVをザッピングしていたら,目に留まったのがV6が出ている「新知識階級クマグス」という番組に出演していた『山田べにこ』である。この人,普段はOLらしいが,温泉研究家として番組に登場していた。これが私には結構ショッキングだったのである。喋りなんて全く普通の人(というか全くプロっぽさゼロ)なのだが,彼女のWebサイトによれば,入湯数:2,488というのが凄い。更には装備として熊よけのすず,熊よけスプレーというのはわかるが,ガスマスク(温泉地と言えば,硫黄ガスその他の有毒ガスが強烈だったりするからだそうだ)まで持って行って,秘湯をたどるというのがこれまた凄い。これぞオタク,これぞマニアって感じなのである。

ちなみに,入湯数というのは同一温泉地内では、何度再訪したとしても "1カウント" として計上し,複数の源泉を持つ温泉地では、それぞれの源泉で入浴したとしても 『 同温泉地内 』 であるため、1カウントとしてしか計上しないのだそうだ。それでこれだけの数を回ることがOL生活を送りながら,本当に可能なのかと思いつつ,この人ならやりかねないって感じなのである。これは凄いわ。

それでもって,好みは人それぞれであろうが,肉感的な体型のなかなか可愛らしいお方で,私はますます参ってしまったのであった。まぁ彼女の方は,温泉が恋人らしいが...。それでもちょっとこの山田べにこにはまってしまったオッサンである。ということで,「何を書いてんだか」ネタでした。

2010年5月 2日 (日)

まさに言い得て妙なる"Blue Hour"

Blue_hour"Blue Hour" Stanley Turrentine with the 3Sounds (Blue Note)

冒頭の"I Want a Little Girl"からして,雰囲気たっぷりのスロー・ブルーズである。これぞジャズっていうアンビエンスを生み出すに最高の出だしではないか。2曲目の"Gee Baby, Ain't I Good To You"でもスロー・ブルーズが続き,ようやく3曲目の"Blue Riff"でミディアム・テンポになるという構成であるが,何とも渋い。LPで言えばB面も同じような感じでスロー・ブルーズ三昧である。こんなアルバムを若者が聞いて,「いや~,"Blue Hour"って最高っすネ」とか言われたら,「ほんまかいな」という反応しかできないだろうが,私のような中年にはこれはしみる。

思えば,私はStanley Turrentineとも3 Soundsともあまり縁のない生活を送ってきたような気がする。もちろん,何枚かは保有しているが,決して彼らの熱心なリスナーだったわけではない。TurrentineについてはJimmy SmithとのFourmostで今は亡き"Fat Tuesday's"のライブ・レコーディングの場にいたのが懐かしいが,あのときもブルージーな雰囲気たっぷりの演奏をTurrentineはしていたのであった。思わず相の手を入れてくなる演奏だったと言えばお分かり頂けるだろうか。

Fourmostのような,結構なメンツのバンドの演奏に比べれば,こんなにスロー・ブルーズばかりやらなくてもいいんではないのかとも思わせる本盤が地味に聞こえるのは仕方がないが,それが今の私にとっては「滋味」なのである。

私が保有しているのは,このセッションのコンプリート盤の2枚組CDであるが,このセット,1枚目をオリジナルのフォーマットのままにしてあるという編集が大変よい。なぜならば,2枚目に収められている曲は,演奏そのものはよいとしても,本家の持つ濃厚なブルーズ感覚はそれほど感じられないからである。つまり,この2枚目を聞くと,Alfred Lionによるオリジナル"Blue Hour"のプロデュース/選曲がいかに素晴らしかったかを感じさせるものになっているのである。ということで,温故知新もかねて,星★★★★★。本当にしみる。かつ渋く,深い。

Recorded on December 16(Disk 1 & Disc 2 #1-3) and June 29(Others), 1960

Personnel: Stanley Turrentine(ts), Gene Harris(p), Andy Simpkins(b), Bill Dowdy(ds)

2010年5月 1日 (土)

Greg Mathieson Project:これぞ燃えるセッション・アルバムである

Baked_potato"The Baked Potato Super Live!" Greg Mathieson Project (CBS Sony→Cool Sound)

このアルバムはSteve LukatherとJeff PorcaroのTOTO御一行様が参加しているということによって,注目度がぐ~んと上がったアルバムと言えるだろうが,全くこの二人のおかげで,これが相当にいけているアルバムとなっている。ジャンルとしてはフュージョンということになるだろうが,TOTO軍の参加により,当然のことながらロック色が極めて濃い。

いきなり冒頭の"Bomp Me"からLukatherがぶちかましてくれるが,このアルバム全編に渡ってこの調子なのだから燃えてしまうではないか。急造のセッション・グループにしてはカッコ良過ぎるのである。これはたまらん。

Baked_potato_originalこのアルバムに関しては多言は野暮である。取り敢えず聞いて,燃えればよいのである。再発盤のジャケは???(オリジナルは→。こっちも意味不明だが...)ではあるが,音楽に関しては星★★★★★をつけてしまおう。

ということで,ここからは蛇足のような情報。Greg Mathiesonはその後,Michael Landauを迎えて,Baked Potatoでのライブを2作発表している。LandauはLukather的なギターも弾ける人(Boz Scaggsのバックで来たときは,まじでLukatherかと思ったのも懐かしい)であるが,アルバムとしては本作には及ばないのが残念である。私はLandauも好きなのだが,若干演奏に緊張感が足りないように思えるのである(それでも楽しめることは楽しめる)。そういうことを考えると,本作でLukatherとPorcaroがもたらした効果こそ,シナジーと呼ぶべきものである。特殊なケミストリーが働いた結果,この演奏は非常に優れたものとなったと思うのである。リーダーがミュージシャンとしては一番マイナーではあるが,よくまとめたものだと思う。

また,本作はエンジニアリングとプロデュースにJay Graydonが名を連ねているが,本人もギタリストであるGraydonが,演奏するよりも,Lukatherのプレイを聞く方を選んだようで,非常に面白い。しかし,ここでのLukatherはそれもうなずけるほどキレている。やはり燃えてしまう音源である。

Recorded Live at the Baked Potato on December 13, 14 & 15, 1981

Personnel: Greg Mathieson(key), Steve Lukather(g), Robert 'Pops' Popwell(b), Jeff Porcaro(ds)

追伸:ブログのお知り合い,9356さんからTBを頂いているのだが,相変わらずFC2との相性最悪で届かないので,URLを貼り付けます。9356さんの記事はこちら

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