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2010年4月 9日 (金)

Peter Asplund:オーケストラとの共演でBernsteinに挑んだ大作

Asplund_meets_bernstein"Asplund Meets Bernstein" Peter Asplund (Prophone)

私がPeter Asplundを強く意識したのは彼の前作"As Knights Concur"であった(記事はこちら)わけだが,それから2年を経て,ついに彼の新作がリリースされた。メンツは前作と同じクァルテットだが,オーケストラがバックについている。しかも演奏するのは全曲Leonard Bernsteinの曲という,チャレンジングな大作である。

なぜチャレンジングかと言えば,Bernsteinの書く曲は,必ずしもジャズ化に適したものばかりとは言えないからである。"Some Other Time"は例外的に演奏されることは多いが,一般には曲が妙にスイート("Somewhere"や"Tonight"なんて典型的)だったりして,アダプテーションが難しいように感じるのである。それに挑むのだから,並大抵のことではないはずである。よって,全編ジャズによるBernsteinの曲の演奏に取り組んだ例ってのはBill Charlap以外はあまり記憶にない(私が知らないだけかもしれないが)。

そんな思いを抱えながら,このアルバムを聞いてみたわけだが,冒頭のオケのやや仰々しい音を聞いて思わずのけぞった私である。しかし,全編を通じて聞いていくとAsplundは健闘,Jocob Karlzonも適切かつ優れたバッキングやソロを聞かせている。オケのアレンジもまぁ適切だろうと思う。ということで,全体のレベルは高い。

だが,Peter Asplundの音楽として,Bernsteinというチョイスが適切だったのかどうなのかについては,若干疑問を感じている私である。もちろん,Asplundは朗々とラッパを鳴らしており,この演奏は少なくとも失敗はしていない。だが,やはりBernsteinの曲が,ジャズの素材としてはかなり難しいのは事実であり,やや甘い方向に流れることは致し方のないところである。もちろん,鋭いアドリブ・フレーズにジャズ的なスリルを感じることはできるのであるが,それでも私としてはAsplundにはもう少しビター・スイートな感覚でやってもらえるとよかったようにも思える。何分,前回Asplundを聞いたのは
Jesper Bodilsenの新作(記事はこちら)だったので,よりジャズ的なアプローチをAsplundに求めてしまって,こういう感想になるということは差し引いて考えなければならないとしてもである。

それでも,スウェーデンという国のジャズのレベルの高さは十分に感じられる佳作ではある。そこはちゃんと評価する必要があると思うので星
★。でも私は"As Knights Concur"の方が好きなことは間違いない。

Recorded on January 13-15 and February 4, 2010

Personnel: Peter Asplund(tp, fl-h), Jacob Karlzon(p), Hans Andersson(b), Johan Lofcrantz Ramsay(ds) & Dalasinfoniettan Conducted by Mats Halling

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コメント

中年音楽狂さん、こんばんわ。

このエントリーの内容も自分にとりましては考えさせられるものでした。
オケ入りの作品を好んで聴いたことがない自分にとりましては、初めは微妙でしたが(冒頭曲のオケの部分など)、聴き込むほどに良く感じてきました。
やはりこれにはPeter AsplundとJacob Karlzonの存在が大きいと思うのですが。
Peter Asplundの艶やかなペット、Jacob Karlzonの切り口の鋭いソロ、センスの良いバッキング、とどちらも存在感十分。そこかしこで引き込まれます。

中年音楽狂さんが疑問視されている事、自分にとりましては高度過ぎて、、、何と無くは分かるのですが。。。
また、Leonard Bernsteinの書く曲が必ずしもジャズ化に適したものばかりではない、という事。これもう〜ん、、、何で?といまひとつ理解できなくて。。。確かに Bernsteinの曲を取り上げているミュージシャンはあまり居ませんね。
これは Bernsteinの曲作りの在り方に関係しているのかな、とも思ったりしました。
ジャズでよく取り上げられるGershwinとも比べたりもするのですが、この辺りどうなのでしょうか?
確かに「Somewhere」や「Tonight」なんかを聴いてますと、ジャズとしては?という感じを受けますが。
ただ北欧の雰囲気と重なる部分も感じられたりもします。

SINTETICさん,こんばんは。私の記事をご覧になってどうお感じになられたかはわかりませんが,「Peter AsplundとJacob Karlzonの存在が大きい」のは当然ですし,それについて異論はありません。

なぜ,Bernsteinの書く曲がジャズ化に向かないのかは,私も楽理に詳しいわけではありませんからはっきりしないのですが,おそらく普通のコード進行では捉えられない曲が多いのではないかと思います。即ち,アドリブは当然乗せにくいということになるのではないかと思います。この辺は私の感覚で書いていますから,違うかもしれませんが,ほかのスタンダード曲とは違っているんだと思います。

このアルバムは,私も星★★★★としていますから,それなりに評価しているつもりです。力作だし,出来もいいと思います。ただ,私はプロの評論家ではありませんから,最後は好みが影響してくると思います。そういう意味で,私は前作の方が好きなのです。その辺りは是非ご了承頂きたいと思います。

再度失礼します。

有難うございます。大変よく理解できました。

この記事を拝見した時は、もう正におっしゃる通りだ、良い記事だなぁと思いました。
自分の文章が少し誤解されてしまう表現になってしまったかもしれません。
《Peter AsplundとJacob Karlzonの存在が大きいと思うのですが》これは、《大きいですよね》という意味合いで書いたつもりでした。
改めて文章の難しさを痛感致しました。

SINTETICさん,私も駄文を垂れ流しているので恥ずかしい限りですが,文章というのは本当に難しいと思います。アップしてから文章を見直すと無茶苦茶だっていうこともあって,冷や汗を流すことも多々あります。そういうときだけ推敲は大事だよねぇなんて思いつつ,喉元過ぎれば何とやらってやつです。

まぁ,素人の戯言ということで,大目に見て頂ければ幸甚です。

中年音楽狂さん、こんばんわ。
あれ、コメントもTBと届いていませんか?
もう一度、TB試みてみますね。

crissさん,こんばんは。来ていないみたいですねぇ。お手数ですが,リトライお願いします。

crissさん,TBは届きましたよ。

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