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2010年3月10日 (水)

Leonard Cohen:恐るべき爺さんである

Leonard_cohen "Live in London" Leonard Cohen(Sony)

ずっと聞きたいと思いながら,なかなか縁がなくて時間が経ってしまうことというのは結構あることだとは思うが,このアルバムもそうした作品である。今回,ようやくというか遅ればせながらというかで入手したが,これを聞かずにきた私は強く後悔した。これは素晴らしいアルバムである。一言で言えば,深い!

Leonard Cohenは多くのミュージシャンからも尊敬を集める詩人,小説家そしてシンガーソングライターである。しかし,この人の声はかなり渋いし,音楽だけ聞いているとその魅力を完全に理解することは難しいのではないかと思う。Cohenの場合は,彼の書く詞と向き合う必要があると思えるのである。そうした意味では,ネイティブな英語の使い手でない人間にとっては,私はこの人の音楽は敷居が高いのではないかと思っているし,かく言う私も同様である。しかし,k.d. langがバンクーバー五輪の開会式で歌って深い感動を呼んだ"Hallelujah"はCohenがオリジナルだし,よくよく聞いていると,取っつきやすい曲もあることはあるのである。それでも,やはりほかのSSWやフォーク系あるいはアメリカン・ロックの歌手に比べれば地味に聞こえる部分は否めないし,言葉の問題もあるため,日本ではCohenのファンというのはそんなに多くはないのではないかと思っている。一方,このアルバムが録音されたロンドンのような英語圏では,巨大アリーナを満杯にするほどの集客力があるっていうのがそもそも驚きである。日本だったら中野サンプラザでしょうって感じの音楽であるにもかかわらずである。そもそも評価が違うのである。

私自身も,このアルバムを買うまでは"Best of Leonard Cohen"しか保有していなかったし,昔,"Death of a Ladies' Man"(ある女たらしの死)は買ったことがあるが,どうもピンとこなくて売り払ってしまった。ということで,私の中に占めるLeonard Cohenはその程度だったのだ。

しかし,このアルバムが録音された当時73歳ということもあるが,まさに悠久なる大河のような感覚を持たせるゆったりしたペースで,演奏は展開される。その中で,Leonard Cohenの有名曲が演奏されていくわけだが,後半,特にアンコールと思しきパートでポップな感覚を示して終わるというのが何とも粋である。アルバム前半ではやはり取っつきにくいかなと思わせた本作が,Cohenがライブで調子に乗ってくるように,どんどんよくなっていくのである。そして,最後には「もっとやって」と思わせるこの爺さんははっきり言って凄い。どうなっているのだと思うのはきっと私だけではないはずである。この歳にして,たっぷり2時間半近くあるライブをこなすこの人はまさに化け物と言ってもよいかもしれない。

この作品は,やはりCohenの詞を噛みしめながら聞くべきとは思うが,音楽的にも非常に高いレベルに達していて,私は電車の中でiPodで聞きながら,何度ものけぞってしまった。集中して聞いていなくても,どちらかと言えば訥弁に近いから,その気になればちゃんと聞き取れるから,おぉっ,これって魅力的な歌詞であると思わされる瞬間もあったのである。私は完全にLeonard Cohenに対する認識を改めた。これは文句なしに星★★★★★である。今から追っかけるのは大変だから,3枚組ベスト盤でちゃんと勉強しようっと。

ちなみにキーボードはNeil Larsenが弾いているのは意外と言えば意外。意外ついでにLarsenは曲も書いている(と言っても朗読のバックだが...)。

Recorded Live at O2 Arena, London on July 17, 2008

Personnel: Leonard Cohen(vo, g, p), Roscoe Beck(b, vo), Rafael Bernardo Gaol(ds, perc), Neil Larsen(key), Javier Mas(banduria, g, etc.), Bob Metzger(g), Sharon Robinson(vo), Dino Soldo(wind, hca, key, vo), Charley Web(vo), Hattie Web(vo)

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コメント

バンクーバー五輪でコーエン「Hallelujah」歌ったのですか?後からドンドン情報知って見なかった事後悔の涙!以前急にこの曲聴きたくなってYoutube探したました。いろんな人が歌っていますね。でもベスト盤今すぐ聴きたいです。情報ありがとうございました。(私がブログに載せたのは結局彼のものよりアクセス数が多かった4人で歌っているもの、薄情者と言うか、多い方に行くお気楽者)

おはようございます。EVAです。コーエンとは渋いですね。
私もLP、CDで書く1枚ずつ持っていますが、調べたらLPの方にHallelujahが入っていました。
彼の歌は朗読調で物凄く深い感動を覚えずにはいられなかったことを覚えています。詩の意味は分からなくてもあの哀調込めた調べと共にあの低音は忘れられません。
このライヴも食指が動きますね。うぅー、どうしよう...。(爆)

メルセデスさん,歌ったのはk.d.langですが,結構あれで彼女に注目した人は増えたかもしれません。Cohenにもそれが伝播すればいいですねぇ。

EVAさん,毎度毎度煽るようですみません。

案ずるより産むが易し,なんて言ってはいけませんが,本当に感動しました。

申し訳ございません・・・またマヌケ度上げてしまいました。でも、そのk.d.langさん(読みからさえも分かりません)が歌われたと言うだけでも嬉しいです。
閣下がおっしゃる様に、注目されるに値する曲だとおもいます。ライブ盤ですね(これも間違い)まだライフが出来るのが素晴らしいと思います。いろいろ情報ありがとうございます。

メルセデスさん、こんにちは。返事が遅くなりました。

k.d.langは日本語チックに書けば、まんまケイディーラングといいます。

いずれにしても、今回の選曲はCohenもカナダ出身というのもあったかもしれませんね。

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