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2010年2月11日 (木)

雰囲気を変えた吉田修一:でもこれがよい。

Photo 「横道世之介」 吉田修一 (毎日新聞社)

この本は発売早々に買っていながら読めていなかった本である。

私は吉田修一のかなり熱心な読者で,ほとんどすべての彼の文章を読んでいると言っても過言ではないぐらいなのだが,新聞連載に基づくこの小説には結構とまどったというのが正直なところである。なぜならば,重苦しい雰囲気を持った「悪人」や「さよなら渓谷」と違いが大きすぎたからである。しかし,読後には非常に爽やかな余韻を残してくれたので全く問題はない。

そもそも,吉田修一としては「悪人」や「さよなら渓谷」も従来の作品とは違うトーンの小説であったが,これはがらっと雰囲気を変えた典型的な青春小説である。描かれる年代が80年代というのもノスタルジーをくすぐる部分はあるのだが,ここはだらだらした大学生としての主人公の生活が,淡々と描かれるだけなのである。そこに差し挟まれるさまざまな登場人物の現在がいい感じのスパイスのように効いている。

そして最終的にはこの小説の主人公である横道世之介という人物が,頭に残って離れなくなっているというのは凄いことである。そして,爽やかな余韻と書いたものの,実は飛行機の中で読んだ最後のページで思わずじ~んとしてしまってかなりやばかった。

これは今までの吉田修一の作風とはかなり違うのだが,この本が本屋大賞の候補に入っているのって実はよくわかるような気がする。この読後感は,プロの本屋だけでなく多くの人にもアピールするものだと思えるのである。

他愛ないと言えばその通りだが,この本,私は結構好きだなぁ。星★★★★☆。読んだ後,プチ幸福感をおぼえる作品ってあまりない。この本をほったらかしにした自分を恥じた私である。

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