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2009年12月26日 (土)

まだあるWayne Krantz参加作:でもゆるいFive Elementsみたいだ。

Balance"Balance" David Binney(Act)

このアルバムにはWayne Krantzが参加しているばかりでなく,その他のメンツも結構豪華なため,購入と相成った。リーダーのBinneyについては彼のアルバム"Third Occasion"をこのブログでも取り上げたことがある(記事はこちら)し,彼がプロデュースしたKrantz参加作であるJonathan Haffner(本作にもちらっと参加)の"Life on Wednesday"も取り上げている(記事はこちら)。それらの作品がいかにもNYC的サウンドだと感じさせた人であるから,このアルバムの音もある程度は想像がつくものである。

出てきた音楽もある意味で予想通りであり,結構とんがった印象を与えるものであることは間違いない。しかし,この音楽を聞いていて,私はどこかで聞いたようなサウンドだなぁと感じたのである。それはビートが強力な曲ほど明らかで,それはSteve Coleman & Five Elementsのサウンドに近いと言えるのではないかと思う。だが,Colemanの音楽はキメ重視というか,かなりタイトなサウンドを聞かせるのに対し,Binneyの音楽は,それよりはルースな感覚が強い。Five Elementsは音楽がパターン化して,飽きられるのも早かったが,それはリズムもタイトさばかりが目立って,肝腎の音楽の全体像がどれを聞いても同じに聞こえるようになったからではないかと思う。その点,Binney一派の音楽は,まだそこまでは行っていないで,適度にユルさを保っているので,アルバム全体を通して楽しむことは可能である。また,編成も曲ごとにいじっており,リーダーの目指す多様性は表出されていると評価できる。

ただ,Krantz目当てでこのアルバムを聞いた場合,ソロ・スペースが十分与えられているわけではないところはやはり痛い。これはKrantzの個性が強過ぎて,ホーンのバックではそれほど活躍する余地がないことのあらわれではないかとも思えてしまう。結局のところ,Krantzの個性が最大限に発揮されるのは,人のバックではなく,自らがメイン・ソロイストとなるギター・トリオという編成だということにほかならないのである。そのあたりに,Chris Potter Undergroundを抜けた理由もあるのではないだろうか。

だが,Krantzがこうした音楽に対して何らかのシンパシーを感じていることは間違いなく,これはこれで,一つのKrantzの実像の一つであるから,彼の音楽を知る上では,やはり避けては通れない作品だと思える。星★★★。いずれにしても,このアルバムもまたまたNYC的な感覚が濃厚であった。こんなアルバムがActレーベルから出てるってのが不思議だなぁ。

Recorded in July and August, 2001

Personnel: David Binney(as, ts, synth), Wayne Krantz(g), Uri Caine(p, synth), Tim Lefebvre(b), Jim Black(ds), Adam Rogers(g), Fima Ephron(b), Donny McCaslin(ts), Tanya Henri(vo), Peck Almond(brass), Kenny Wollesen(broom), Jon Haffner(as)

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コメント

今日で最終日でした。なぜか涙がとまらなかったbearing素敵な音楽でいい年末をお過ごしください。

あおいさん,おはようございます。お疲れ様でした。

私も涙もろいので,気持ちはよくわかります。あおいさんもよい年末年始をお過ごし下さい。

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