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2009年11月30日 (月)

確かに私はRhodes好きだが...

Fender_rhodes_prayer"Jazz Supreme: Fender Rhodes Prayer" Various Artists (P-Vine)

私はFender Rhodesの響きがかなり好きな方である。Rhodesの生み出す何とも言えないグルーブやメロウなサウンドには無条件に反応してしまうと言っても過言ではない。そんな私だから,中古盤屋でこのアルバムを見つけて,ちょっと気になってしまってもこれは仕方ないことである(と言い訳をする)。

その一方で,私はクラブ・ジャズなるものについて,全く魅力を理解していないし,このアルバムをコンパイルした橋本徹という人についても何ら思い入れはないので,その辺が不安材料だったわけだが,まぁいいかということでの購入と相成った。

ここに収められているのはソウル,ジャズの分野からの様々な音源であるが,Rhodesの響きはそれなりに魅力的だし,グルーブは心地よい。しかし,心地よさだけで満足できるかと言えば,当然そうはならないのである。そもそも収められている曲のグレードにバラツキがあり過ぎである。Rhodesを使っているだけではないかと文句の一つも言いたくなるような演奏もあるし,明らかに場違いな演奏もある。特にがっくりくるのが,最後の"Feel Like Makin' Love"である。こんなしょうもない演奏を収録するぐらいなら,Roberta FlackのオリジナルやLee Ritenour & His Gentle Thoughtsのヴァージョンこそ採用すべきである。それらのヴァージョンだってRhodesは使っていたはずであるが,なぜ,この演奏なのか。どうもこのコンピ,こんな曲知ってる?って感覚が強くてそもそも厭味ったらしい。

まぁ,こういうのはFMやカフェでBGMとして流れていればそれはそれでよかろうし,ある程度の心地よさを提供できるタイプの音楽であることは否定しない。しかし,これに定価¥2,415を払う気にはなれんというのが正直なところである。

そんなことを思うぐらいなら,自分で好きなRhodesの音源を集めて,コンパイルした方がずっと楽しそうである。ということで,大した評価に値しないものをつかんでしまったということで,反省,反省。人任せより,自分の耳を信じる方がいいわということを痛感した私である。今後はこういうのを買うのはやめにしようと思った次第。ということで,星をつける気にもなれず。

2009年11月29日 (日)

何とも瑞々しいJoni Mitchell未発表ライブ

Amchitka"Amchitka: the 1970 Concert That Launched Greenpeace" Joni Mitchell / James Taylor / Phil Ochs

このブログでも既に告知をしていたアルバムが11/10にリリースされ,私の手許にもカナダから到着した。このメンツである。期待しない方がおかしいと言いたくなるのは私だけではあるまい。

と言いつつ,私はまだこのアルバムのDisc 2,即ちJoni Mitchellの演奏しか聞いていないのだが,これだけで星★★★★★である。録音が古いから,当然ヒスノイズも大きいし,決して最高の録音というわけではない。しかし,ここで聞かれるJoniの歌声の何と瑞々しいことか。当時,彼女は26歳だったということだが,何とも素晴らしい歌唱,そして演奏ぶりである。

このアルバムの珍しいところは,Joniの曲から,即興的に別の曲に展開されるということである。"Big Yellow Taxi~Bony Maroney"もそうだが,ファンとしてはやはり"Carey~Mr. Tambourine Man"の方が気になるのは当然であろう。私には即興的に聞こえるものの,後者についてはJames Taylorが飛び入るところを聞くと,事前に打ち合わせたものかもしれない。しかし,そんなことはどうでもいいと思うのがファンの弱みだが,若干冗長かなぁと思いつつもやっぱりこれには注目してしまうのである。

この時の演奏が足がかりになって,今のGreenpeaceの屋台骨となったということだが,前にも書いたとおり,彼らの活動には100%賛同できないところはあるとしても,JoniにしてもJamesにしてもPhil Ochsにしても,少なくとも当時は環境保護活動をサポートしようとしていたということがわかるのも興味深い。

いずれにしても,Joni Mitchellのファンたるものは,必ずこのアルバムを入手しなければならんと強く言っておこう。送料込みでたったの30カナダ・ドルである。発注の手間を惜しんで,この音源を聞かないならば,Joni Mitchellのファンを名乗る資格はない(と熱くなる私)。この頃のJoniの声は本当に瑞々しくも美しい。とにもかくにも聞いて頂きたい演奏である。Disc 1については追ってレビューすることとしたいが,今年最高の発掘録音と言っても過言ではない。

Recorded Live at Pacific Coliseum, Vancouver, Canada on October 16, 1970

Personnel: Joni Mitchell(vo, g, p, dulcimer), James Taylor(vo, g), Phil Ochs(vo, g)

2009年11月28日 (土)

Wayne Krantz参加のRobby Ameenのラテン・ファンク・フレイバー漂う作品

Robby_ameen "Days in the Life" Robby Ameen(Two and Four Records)

ブログのお知り合い,oza。さんにWayne Krantz参加ということを教えて頂いて早速注文したアルバムである。国内のサイトでは入荷に時間が掛かるので,CDBabyに注文したが,ここはハンドリングが早くて,コミュニケーションもいいので好感が持てるサイトである。

それはさておき,Robby Ameenという人は初めてである。彼のサイトによれば,Dave ValentineやRuben Bladesとの付き合いが長いということであるから,もとはサルサ系ということになろうが,このアルバムに聞かれるラテン的なものはそうしたバックグラウンドが影響しているのかもしれない。もちろん,ラテンにも強いBrian LynchやConrad Herwigの参加もあるからまぁそれもむべなるかなである。

こうしたセッティングでWayne Krantzがどういうギターを弾くかというのが気になるが,全9曲中,5曲だけの参加とは言え,ちゃんと存在はアピールしているなぁ。バックがラテンでもフレーズがKrantzなのが笑える。これはやっぱり変わっているっていう感覚が強いが,それでもKrantzファンはOKである。ちなみに最もKrantzが目立っているのは"Stagger"である。これにはKrantzファンは燃えるだろう。

Krantzはさておき,このアルバムはドラマーがリーダーのアルバムで,アレンジもAmeenが担当しているとは言え,演奏でのRhodesやオルガンでのJohn Beasleyの活躍が結構目立つ。何らかのかたちで,このアルバムの制作にかかわっていたのではないかと思わせる演奏ぶりである。

そうした中で6曲目の"Skateboard Intifada"なんて,かなりヘビーなファンクで強烈である。私はラテン色が薄いこういう路線で通してもらってもよかったようにも思えるが,まぁそれでも全編に渡って結構楽しめる演奏集ではある。星★★★☆。

Recorded on February 14 & 15, 2009

Personnel: Robby Ameen(ds, perc), John Beasley(p, key, org), Lincoln Goines(b), Wayne Krantz(g), Richie Flores(perc), Brian Lynch(tp), Conrad Herwig(tb)

2009年11月27日 (金)

飲み過ぎた…

昨日は激しく飲んでしまい、ヘロヘロになって帰宅したため、記事もアップできず。

アメリカやカナダから続々とブツが届いているのに、聞けていないとは情けない。週末にまとめて聞かねば…。

ということで本日は開店休業である。皆さん、すみません。

2009年11月26日 (木)

Seamus BlakeをPit Innで見た

Seamus_blake ブログ界でrhodiaさんはじめ,Seamus Blake来日情報を嗅ぎつけて,ライブハウスに出陣する方々が続出(?)しているが,私もこやぎ@でかい方さんと11/24に新宿Pit Innに見に行った。なになに,バンド名はBoris Kozlov Malfunction Alibiときた。そうかぁ,Kozlovのバンドなのねぇ。現在の場所に移転したPit Innに行くのは私は初めてだったが,まずは当日券をゲットして,腹ごしらえにすぐそばの王将で焼酎と餃子ほかをかっ喰らった。

チケットを買いに行った段階でもリハ中だったのだが,開場の19:30近くになってもまだやってる。よくやるわと思いつつ,中に入っていくと,今度はJohnathan Blakeのドラム・セットに不調が発生し,機材の入れ替えでまた演奏開始が遅れるということで,一体どうなってしまうのかと思ったが,それほど待たされることなく開演となった。

rhodiaさんもお書きになっていたが,ステージにはMacBookが並んでいるし,SeamusはいきなりEWIで登場である。また,Kozlovはエレクトリックの6弦ベースである。始まった音楽はサンプリングはあるわ,ドラム・ループはあるわのハイパー・エレクトリック・ファンクである。これには"Live in Italy"のSeamusの世界を予測した私は完全に面喰わされたわけだが,それでも演奏は強烈であった。何が驚いたかと言えば,最小限のセットで,強烈なグルーブを生み出すJohnathan Blakeのドラミングである。私はつい先日のNYC出張で,Tom HarrellのバンドでもJohnathan Blakeを見ているが,今回の方が印象は鮮烈で,力士のような体型から繰り出される強烈なビートが素晴らしかった。いやいやこれは強烈である。

バンドとしては,いろいろな音楽のタイプを織り交ぜたものだったが,一番受けたのが2ndセットの冒頭で演奏した"Sunlight"であった。そう,Herbie Hancockの"Sunlight"である。ここでSeamusはEWIヴォコーダー(?)で,ずっと歌いながら(声を出しながら),音はEWIの方でコントロールしながら演奏していたのが面白かった。そもそもこの曲自体が懐かしいが,この演奏は3者のグルーブが混然一体となって,燃えてしまった私である。EWIもよかったが,やはりテナーもよかったので,次回はアコースティックな演奏を期待したいものである。このバンドはこのバンドで捨て難いが,やはりそういうのも聞きたい。

Boris_kozlov_02_lugo2009 アンコールには原朋直も登場して,"Dr.Jekyll"でにぎにぎしくお開きとなったが,会場にはJohnathanと12月に共演予定の渡辺貞夫も来場していて,Boris Kozlovはそのせいで緊張したなんてお茶目なことを言っていた。余談だが,Kozlovは結構小柄で,爆笑問題の田中裕二みたいだとライブの最中,ずっと思っていた不謹慎な私であった。

ところで,皆さん,Seamus Blakeの名前は「シーマス・ブレイク」だと思われていると思うが,発音としてはカタカナで書くと「シェイマス(SHAY-muhs)・ブレイク」が近いので念のため。Kozlovもそう発音していた。やっぱり人名は難しいねぇ。

それにしても,ドラムスなしのKozlovとSeamusのデュオってどんな演奏だったんだろうか...。それはそれで興味深いなぁ。

2009年11月25日 (水)

Wayne Krantz来日情報:みんなで行こう!!

Wayne_krantz先日,ロンドン出張中に,Wayne Krantzが参加したバンドのライブを見るチャンスがあって,Wayneとも話をしたのだが,そのときにも本人が言っていた2月の来日に関して情報が判明した(やぎ@でかい方さん,情報ありがとうございました~)。

来年2/18-20の3日間,東京はCotton ClubにWayne Krantz(g),Keith Carlock(ds),Tim Lefebvre(b)というメンツで登場である。これは何をおいても駆けつけるのが,決して多くはないであろう日本のKrantzファンの務めである。

それにしても,新譜は国内盤は出たものの,到底売れるとは思えないところに,3日もあんなハコでやって大丈夫なのかと余計な心配をしたくなる私である(ロンドンのギグも客は半分ぐらいだったからなぁ...)が,それを盛り上げるのが我々の役目である。世の中にはKeith Carlock目当ての人々もいようが,私はKrantzのハード・フュージョンが聞けるだけでOKである。ということで,同行者求む。もちろん,一人でも行くが...。

まぁそれにしてもこのメンツでの来日はめでたい。首を長くして待ってるぞ,Wayne!

2009年11月24日 (火)

ジャズ的要素が希薄なEnrico Rava with Strings

Rava_with_strings "Smiling in Hollywood" Rava / Rusca Trio with Strings(GMG)

このアルバムは中古で拾ったものである。Enrico Ravaがまさに手垢のついたようなスタンダード(但し,最後の2曲は例外:だって映画音楽と言っても,「女王陛下の007」と「シャイニング」だもんなぁ...。なんでやねん。)を,ストリングス付きで演奏するというのだから,ある程度は気になるのも当然だろう。

トランペットのストリングスものと言えば,私にとってはWynton Marsalisの"Hot House Flowers"と決まっている。あのビター・スイートな感覚こそが,ジャズ界におけるストリングスものの規範となるべきだと私は思っているので,あれがついつい基準となってしまう。

その基準と比べた場合,このアルバムはどうか。どうにもジャズ的なフレイバーが感じられないのである。それはおそらくはここで聞かれるRavaのラッパが,リズムに対してかなり前乗りなため,スイング感,あるいはジャズ的な感覚を全く生み出していないからだと思う。私はジャズはリズムに対して後乗りの音楽だと思っているが,意図的かどうかは別にしてもそれとは対極的な乗りをこのアルバムの演奏は示しているのである。これには私はどうにも違和感が強く,聞いていて,Ravaのラッパを聞いている気も全くしなければ,音楽を楽しむこともできなかったのである。

確かにこのアルバムは珍しいアルバムかもしれない(正直,買うまで一度もお目にかかったことはなかった)し,ジャズ的なものにこだわりを示さなければそれなりに楽しめるものなのかもしれない。しかし,これは私がRavaに期待するものとは違うし,ストリングスのアレンジは流麗なのに,フロントの演奏がちっとも盛り上がらない(というか乗りが悪い)のだから,本末転倒も甚だしいと言わざるをえないので,私はこのアルバムは根本的に評価できない。Wyntonのアルバムには遠く及ばないということで星★☆。

Recoreded in November 2001

Personnel: Enrico Rava(tp), Mario Rusca(p,arr), Riccardo Fioravanti(b), Stefano Bagnoli(ds), Marco Campioni, Luca Campioni, Emanuela Zani, Alessandra Sonia Romano, Elsa Barba, Vitaliano De Rossi(vln), Paola Vanoni,Daniele Pagella,Luisa Caldera(vla), Mariachiara Nino, Luca De Muro, Marco Paolini(cello)

2009年11月23日 (月)

天然酵母のパン工房,アチパンさんのご紹介

Photo_2 私の知人(というか,同僚というか...)の奥方がおやりになっているパン屋さん,アチパンさんは白神こだま酵母と国産小麦で作ったパンで,国分寺でも人気のお店である。その他の素材もオーガニック,地産地消などにこだわりを持たれており,遠方からのご注文も多いらしい。なかなか私はお邪魔する機会はないのだが,ご近所にお住まいの方は是非お試しください。ということで紹介でした。

詳しくは同店Webサイト,http://www.achipan.com/をご覧下さい。

尚,同店のブログ「アチパン日記」に私のブログのリンクを張って頂いているので,私もリンクしてしまおう。

懐かしさ爆発,「魔法使いサキー(相武紗季)」

Photo最近テレビを見ていると,相武紗季が魔法使いサリーのようなコスチュームで出てくるOCNのCMが気になって仕方がない。キャラ名は「魔法使いサキー」だそうである。相武紗季と言えば,同じOCNのCMで「アタックNo.1」をパロって笑わせてくれたが,私としては自分でも見ていた「魔法使いサリー」の方が懐かしさを強烈に感じてしまう。

出てくるキャラもサリーちゃんのパパ&ママ,よっちゃん,三つ子(トン吉、チン平、カン太だったかな)にカブと全部名前が言えてしまう私もなんだが,本放送の頃,毎週見ていたのだから仕方があるまい。よくよく調べてみれば,1966年~68年の放送だそうである(2年もやっていたんだねぇ...)。それだけ子供ごころにマジで見ていたってことか。当時で言えば,サリーちゃんはもとより,「ひみつのアッコちゃん」とかは今でも歌える(オープニングもクロージングも歌えるぞっ)ことからすると,その頃はアニメや円谷の特撮モノばかり見ていたってことだなぁ。

それにしても今回の相武紗季ちゃん,はまり過ぎである。アタックNo.1よりずっとよい。しかも,今回のBGMも「魔法使いサリー」の主題歌っぽい女性コーラスってのもいいなぁ。思わず私も「マハリ~ク,マハ~リタ,ヤンバラヤンヤンヤン」とやりたくなってしまったではないか(爆)。このシリーズ,次は何で来るのか期待したくなってしまうが,アッコちゃんで「テクマクマヤコン」に続いて,連続変身コスプレってのも悪くないな(^_^;)。

2009年11月22日 (日)

着いてビックリ,Kraftwerkのボックス・セット

Katalog "Der Katalog" Kreftwerk(EMI)

Kraftwerkのリマスター盤は,個別のバラ売りは既に開始されていたが,今回,ドイツ語盤も出るということで,悩んだ末にこのボックス・セットを発注してしまった。それがようやく到着したのだが,デリバリーされた箱のサイズがでかいので何事かと思っていたら,中に入っていたのは,何とLPサイズのボックスではないか。私はCDサイズのボックスが来るものとばかり思っていたので,これには驚いたが,これはアートワークをLPサイズで格納したことによるものである。

現在,バラ売りされているCDではアートワークがCDサイズで収まっているのに対し,こちらはCDそのものはペーパー・スリーブにして,CD側のアートワークは省略して,LPサイズの豪華(本当に豪華に見える)スリーブに片寄している。これは私にとって全く予想外であった。まぁそれはそれで目で愛でるためにはいいのだが,CDのペーパー・スリーブに関しては,紙ジャケの中に,またやや厚手のCD用内袋(内ジャケ?)が入っているので,取り出しにくいこと甚だしいのであるい。これが紙ジャケ天国の日本製であれば,決してこんなことにはならないだろうと思わず苦笑してしまった私だが,これはまじでイライラする。何とかして欲しいよなぁ。

肝腎の音楽はこれから聞くが,これまで英語版で聞いてきた音源を,ドイツ語で聞いたらどんな感じになるのか,ちょいと不安と言えば不安だが,まぁKraftwerkだから,別に問題ないだろう(と楽観視する私を装いながら,実は不安)。

しかし,ドイツ語盤が英語盤よりかなり高いのは,生産量が少ないからだろうが,日本盤の\20,000ってのはさすがにやり過ぎじゃないのかねぇ。Milesの70枚組が\30,000しない価格で買えることを考えれば,こりゃ高いよね。ドイツ語盤でも\14,000ぐらいしたから,それでも十分高いが,日本盤は高過ぎだろう。まぁ,こんなもんを買うのはよほどの好き者だから,それぐらい出しても惜しくはなかろうが,本当の好き者は私のようにドイツ語盤を買うと思うけど...。

2009年11月21日 (土)

ついに出た!Towner/Fresu デュオ

Chiaroscuro "Chiaroscuro" Ralph Towner / Paolo Fresu(ECM)

発売が告知されてから,このアルバムを一日千秋の思いで待ったと言っては大袈裟だが,私の中では異常なまでに期待値が膨らんでいたアルバムである。それが発売日が若干遅れたものの,到着してそれだけで嬉しくなってしまった私である。

では肝腎の中身はどうか。これがわかる人にはわかってもらえると思うのだが,「あの頃のECM」的な色彩が極めて濃厚で,私はますます嬉しくなってしまったのである。いまや大レーベルとなったECMではあるが,70年代にはManfred Eicherのプロデュースのもと,様々なミュージシャンの組み合わせが行われながらも,一貫したサウンドを生み出していたのがECMレーベルの特長と言えると私は思っている。例えば,Art LandeとJan Garbarekのデュオとか,Gismonti~Haden~Garbarek,あるいはCoDoNaもそうだろう。もちろん,同じような志や指向を持つミュージシャンだからこそ成り立ったとしても,それも含めて所謂ECMサウンドと呼ばれていたということは否定できない事実だろう。今回のこのデュオはそうした組み合わせの妙を久々に強烈に感じさせる作品だと私は言いたいのである。これもECM40周年の成せる業だろうが,それにしてもこれはよい。

演奏は淡々としていると言えば淡々としているし,リズミックな盛り上がりも,編成上想定できないから,コンベンショナルな4ビートを求めるリスナーには到底お薦めできない。しかし,TownerとFresuというリリカルな中にも,青白く燃え上がる炎のようなものを感じさせる両者の特性をこれほど端的に捉えたアルバムもないだろう。ある意味では,私が期待する通りのサウンドであり,そこに驚きはない。だが,私はこの演奏を聞いていて,「そうなんだ,うん,うん」という感じで,何度も大きくうなずいてしまったのである。周りで家人が見ていたら,バカじゃないのって反応しか返ってこないだろうが,私自らの反応は素直なものであった。予定調和だろうがなんだろうが,よいものはよい。

本作は基本はTownerあるいはTowner/Fresuのオリジナルで占められている中で,唯一のカバー曲が"Blue in Green"というのも出来過ぎって気がしないでもないが,その美しい演奏にもビビッドに反応した私であった。いずれにしても,私のようなファンの期待に応えるだけでなく,これから年末にかけて何度も聞きたくなるようなアルバム。待っててよかった。ノスタルジックな感覚を喚起してくれた効果も含めて星★★★★★。いや~,このコンビ,予想通りではあるが,ナイスな組み合わせであった。

Recorded in October, 2008

Personnel: Ralph Towner(g), Paolo Fresu(tp, fl-h)

2009年11月20日 (金)

強烈な金曜日のFillmoreでのMiles Davis

Friday_miles"Complete Friday Miles at Fillmore" Miles Davis (So What)

昨日は,記事のアップをさぼってしまった。1日でもさぼるとどうも気分が悪いというのも,私もいよいよ病気かって感じである。

さて,今日はブートである。いつも言っていることだが,私は声を大にしてブート盤を褒めたり,推薦したりすることはできるだけしたくないと思っている。しかし,やはり例外はあるわけで,これなんかその筋では結構有名なブートだが,これが凄い。

何が凄いかって言えば,Steve Grossmanの切れっぷりである。この時,Grossmanはまだ19歳であったのだが,19歳にしてこれってどうなのよって感じなのである。とにかく強烈。もちろん,正規盤"Miles at Fillmore"として成立している音源であるから,Milesはじめ,その他のメンツが凄いのは言うまでもないのだが,このGrossmanに一番まいるというのが正直なところである。私は,これ関係のブートでは水曜日の音源を聞いてきたのだが,新橋のテナーの聖地Bar D2でこれを聞くに及んで,やはりこれは買わざるをえなかった。これをゲットするために,久々に渋谷,宇田川町にあるマザーズに行ったが,相変わらず迷宮のような店だった。素人が足を踏み入れるのは躊躇するという雰囲気は相変わらずだが,ブート野郎には非常にありがたいお店ではある。

いずれにしても,ブートだから星をつけることは控えるが,Milesファンはもちろん,Grossmanのファンこそ必聴のブートだと言っておこう(ちょっと高いのが玉に瑕)。とにかくカッコいいというのはこういう音源のためにある言葉である。燃えまっせ。

Recorded Live at Fillmore East on June 19, 1970

Personnel: Miles Davis(tp), Steve Grossman(ts, ss), Chick Corea(el-p, perc), Keith Jarrett(org), Dave Holland(el-b), Jack DeJohnette(ds), Airto Moreira(perc)

2009年11月18日 (水)

出張中に見た映画

先般の出張では往路はほとんど見たいと思う映画がなく(というか,全部見てしまっていた),仕方なく見たのが「ターミネーター」,「ターミネーター2」,「釣りバカ日誌9」であった。

復路は月が変わったので,機内エンタテインメントも変わり,見たのは「G.I.ジョー」,「火天の城」だったが,なんだかなぁって感じである。前者はマンガを実写にするとこうなるって感じだし,後者は盛り上がりに欠けるしって感じなのだ。大体,見た二本の邦画の主演がどっちも西田敏行だったのもなんだかなぁ感を増した原因だろう。日本映画活況と言われる中,絶対邦画は役者不足なのである。

いずれにしても,結局のところ,今回は行きも帰りも得したなぁって感じの映画がなかったので,恒例の出張中に見た映画シリーズの記事も書く気になれなかったっていうのが本音である。次の海外出張時には,おぉっ,これが見たかったんだよって映画を選んで欲しいし,それがダメでも,もっと時間をつぶしていてOKだと思わせるクラシック映画があるだろうと思う私である。長い映画なら「ベン・ハー」とか「十戒」とか「アラビアのロレンス」もいいぞと言っておこう。

2009年11月17日 (火)

フランスが苦手な私も納得のMoutin Reunion Quartet

Red_moon "Red Moon" Moutin Reunion Quartet (Nocturne)

何を隠そう,私はフレンチ・ジャズが苦手である。あまりいいと思ったためしがない。これは単なる思い込みかもしれないし,私のフランスに対する苦手意識に起因するものかもしれない。なんで苦手かはさておきだが,そうした私の苦手意識を完全に払拭させるようなアルバムと言ってよいアルバムである。

このアルバム,今さらのように注文したのだが,到着するまで3カ月ぐらい掛って,忘れかけたころにようやく到着である。そして聞いてみて驚いたのである。おぉっ!アコースティックなのに,なんとコンテンポラリーな響きであろうか。これは一般的な4ビートというよりも,ロックを経験してきた(あるいは通り抜けてきた)世代による新たなジャズと言ってもよい。だが,決してジャズ・ロックとかそういうものではない。サウンドはオーセンティックなジャズのものなのだが,響きや雰囲気が現代的かつソリッドなのである。私がこのアルバムを聞いてみようと思ったのは,ほかのブロガーの皆さんのご意見もあったし,それにBaptiste Trotignonがピアノで参加しているという要素もあったのだが,そんなことはどうでもよくなるぐらい,リーダーのMoutin兄弟の打ち出すビートがいかしている。もちろんTrotignonも好演。それより驚いたのがRick Margitzaってこんないいサックス奏者だったのかということである。

最近,彼のアルバムもとんと聞いていないので,正確な感想とは言えないかもしれないが,今一つ個性がよくわからないサックスだというのが,私のMargitzaに対する感覚である。しかし,ここで聞かれるフレージングは十分に魅力的であり,4人全員の好演もあって,これは私の中でかなり興奮度の高いアルバムとなった。これなら3カ月待った甲斐もあるというもの。こういうアルバムがころがっているところが,ジャズの恐ろしいところであるとともに,私の不勉強を明らかにするものである。

このバンド,ほかにもアルバムを出しているようだから,そっちも聞いてみたくなるような満足度を与えてくれたアルバムと評価してよい。まぁ,でもこのメンツに"Stompin' at the Savoy"はないよなぁということで,星★★★★☆。いずれにしても,私はこのアルバムでフランス人ミュージシャンに対する認識を新たにしたと言える。何を今さらの紹介となったが,これはかなりよかった。こういうフレンチ・ジャズならいつでも歓迎である。

Recorded on May 22 & 23, 2003

Personnel: Francois Moutin(b), Louis Moutin(ds), Baptiste Trotignon(p, el-p), RIck Margitza(ts, ss)

2009年11月16日 (月)

コレクターはつらいよ(8):MehldauほかによるMachautのインタープリテーション

Art_of_love "Art of Love: Music of Machaut" Robert Sadin(Deutsche Grammophone)

Brad Mehldauのコレクターとしては,こういうアルバムは踏絵のようなものである。このアルバムは14世紀バロック期のフランスの作曲家,Guillaume de Machautの音楽を,さまざまな現代の音楽形態でインタープリテーションを施したものであるが,ここにMehldauがRhodesとピアノで参加しているのである。

ここにどうしてMehldauが参加することになったかは,プロデューサーを兼ねるRobert Sadinに聞いてみるしかないが,どのようなフォーマットでも,エレクトリックだろうが,アコースティックだろうが,Mehldauのカラーを感じさせるのは,贔屓目もあろうがさすがと言っておこう。しかし,そうは言っても,バロック,しかもMachautをどうしてブラジルやアフリカ風味を交えて翻案する必要があるのかは私のような凡人の理解は越えている。もちろん,ゆったりとした時の流れを感じることができるような音楽とも言えるし,十分鑑賞にも耐えるものだが,それでも,これを積極的に何回も聞くかと言えば,それはクエスチョン・マークだろう。

参加しているメンツも,結構知った名前も多いし,これは新手の異種混合音楽だということもできるが,う~む,それでもこれは微妙である。私はMehldauのコレクターだから買ったようなものだが,どういう人がこのアルバムを購入するのかは興味があるところではある。いずれにしても暫くしてから再聴して,改めて記事をアップできればいいかなぁと思っている。どうでもいいことだが,これがドイツ・グラモフォンから出るというのも不思議だよなぁ...。

Personnel: Robert Sadin(key, org), Milton Nascimento(vo), Natalie Merchant(vo), Madeline Peiroux(vo), Lionel Louike(vo), Hassan Hakmoun(vo), Jasmie Thomas(vo),  Celena Shafer(vo), Brad Mehldau(p, el-p), Charles Curtis(g, cello), Romero Lubambo(g), Graham Haynes(cor), Matt Shulman(tb), Seamus Blake(ts, ss), John Ellis(ts), Anthony Burr(b-cl), Mark Feldman(vln)

2009年11月15日 (日)

Jim Hall的と言ってもよいRosenwinkelのバラッド集

Rosenwinkel_standards_trio "Reflections" Kurt Rosenwinkel Standards Trio (Word of Mouth Music)

Kurt Rosenwinkelがスタンダードを弾くと言えば,Fresh Soundの"East Coast Love Affair"ってことになるが,今回はメンツを入れ替えつつも同趣向ということができるだろう。しかも"East Coast Love Affair"を再演するだけでなく,全編ミディアム・スロー以下というバラッド・アルバムと言ってよいものである。そうは言いつつも,Monkが2曲,Shorterが2曲というのが一筋縄ではいかないところを示す。いずれにしても前作の"Remedy"(記事はこちら)がRosenwinkelのオリジナルを「熱く」演奏していたのとはかなり趣が違う。

このあたりの違いをどうリスナーが受けとめるかが,このアルバムへの評価を大きく変えると思うのだが,私はJim Hall的な(あくまでもそんな感じであって,Jim Hallそっくりということではない)演奏というか,なんとも渋い演奏ぶりを楽しんでしまった。もちろん,これがRosenwinkelの本質かと言えば,それは違うだろうが,ここはレベルの高い演奏を楽しむことで良しとすればいいのではないかと思う。ただ,クレジットにもある通り,ヴィデオアーツに対して謝辞があるぐらいだから,日本からの打診に応じて,このアルバムがレコーディングされた可能性は否定できないが...。

それにしてもである。Monterey Quartetでも"Remedy"でもあれだけバンドを煽ったHarlandがこうしたサトルな表現もきっちりこなしているというのは大したもんだと思ってしまったが,それでもやっぱり彼は煽るドラミングの方が魅力的なように思える。ということで評価は微妙なのだが,"Remedy"が星★★★★だったのであれば,このアルバムは星★★★☆を付けるのが妥当な線だとは思う。ただ,繰り返すが,高いレベルの演奏は楽しめるので,念のため。

それにしても,このようなアルバムのライナー・ノートを轟音トリオ,Bad PlusのEthan Iversonが書いてるって,なんか不思議な感じだよなぁ。

Personnel: Kurt Rosenwinkel(g), Eric Revis(b), Eric Harland(ds)

P.S. ブログのお知り合い,crissさんからのTBが入らないようなので,記事のURLを貼り付けておきます。crissさんの記事はこちら。相変わらずTBの相性悪し...。

2009年11月14日 (土)

出張先での食事:中年音楽狂 in 青森

Photo毎度毎度,出張はつらいよなんてぼやいている私だが,今回も帰国してから時間も経たぬ間に,青森に出張してきた。体力的に十分回復していないところでの出張だったので,結構きつかったが,国内外の出張での共通の楽しみは何と言っても「食」である。

今回は青森でいただいた海の幸であるが,ご紹介するのは,シンプルにお刺身盛り合わせである。向かって右側に写っているオレンジ色は,単なるサーモンではない。幻の「鮭児」である。手前の赤いのは「大間のまぐろ」である。その他,天然ぶりだ,ほたてのひもだ,ひらめだと,更には牛刺しまでついてきた。う~む。これはうまかった。日本酒もうまかったし。ちなみにわさびは静岡産のものらしいのだが,これまた素晴らしい味と香りである。やっぱり日本の食は深いわ。

尚,このとき,同時に食した生のほっけ焼も最高にうまかった。今度は青森に移住したくなってきたなぁ。

2009年11月13日 (金)

Wayne Krantz度,低っ!!

Low_blow "Low Blow" Victor Bailey (ESC)

これはVictor Baileyのソロ・アルバム第2弾であるが,Atlanticから出た彼の初ソロ・アルバムは結構人気があるが,廃盤で手に入りにくいのが難点である。私は中古でゲットしたのでラッキーだったが,あまり中古盤屋でも見掛けない。

まぁそれはさておきのこのアルバムである。私がこのアルバムを購入したのはWayne Krantzが参加しているからなのだが,かなり特殊なKrantzのギターが,どちらかと言えば王道フュージョンとも言うべき,このメンツの中でどのように聞こえるかが注目のポイントだった。

しかし,このアルバムでのKrantzはまるで借りてきた猫のような感じと言ってもいいぐらい,Krantzの個性が出ていない。これではKrantzが参加する意味が感じられないと言っても過言ではないのである。これだったら,ほかのギタリストでいいじゃんという気がする。また,ギターもHoldsworth風があったり,カッティングに専念する曲があったりと,どうもKrantzらしくないのである。だからWayne Krantzファンは本作に過剰な期待をしてはならないと言っておこう。

だが,だからと言って,このアルバムを全否定できるかと言うと決してそんなことはない。特にファンク・グルーブが濃厚な曲は何とも心地よく,Bailey~Hakim,またはBailey~Chambersのリズムはタイトでカッコいいことこの上ない。そういう意味では,私はそうしたファンク路線で引っ張って欲しかったが,いかにもというようなフュージョン曲も入っているのはちょっと違和感がある。これはBaileyの多彩さを示すものではあるが,どれが本当の個性なのかわかりにくくしてはいないか。

よって,悪くはないんだけどねぇ...という感じなのだが,絶賛するほどのものではないということで星★★★ぐらいかなぁ。Krantz度の低さも減点対象になっていると思ってもらえればいいだろう。やはりKrantzは志を同じくするメンツとやっているときが一番いいわ。

Recorded in March, 1999

Personnel: Victor Bailey(b, vo), Omar Hakim(ds), Dennis Chambers(ds), Kenny Garrett(ss), Bill Evans(ts, ss), Wayne Krantz(g), Jim Beard(p, key), Michael Bearden(p, key), Henry Hey(key)

2009年11月12日 (木)

Wayne Krantz度,高っ!!

Nicholas_damato "Nullius in Verba" Nicholas D'Amato's Royal Society (Buckyball)

ブログのお知り合い,oza。さんに教えて頂いたアルバムである。これはWayne Krantz参加盤としてゲットしたものであるが,驚くほどWayne Krantz色が濃厚である。作曲は全てリーダーのD'Amatoによるものであるにもかかわらず,ここで聞かれる演奏はKrantzのリーダー作と言っても通用しそうなものである。D'AmatoはNYCをベースに活躍するベーシストなので,同じくNYCベースのKrantzと意気投合しても不思議はないが,Lizz Wrightのベースを務めているプレイヤーの演奏にしては強烈なハード・フュージョンとなっている。

いずれにしても,私の関心は完全にKrantzに向いていたわけだが,これは本当にKrantzのリーダー作だと言っても通用するものだ。敢えてD'Amatoのリーダー作と呼べるのは,ベース・ソロが聞かれるところぐらいだと言ってはリーダーに失礼だが,それでもKrantzファンの私にとっては大変うれしい作品であった。それこそ最新作よりKrantzらしいと言ってもいいぐらいである。いやぁ,こりゃええわ。ということで調子に乗って星★★★★★を謹呈してしまおう。

それにしても凄いバンド名称である。Royal Societyとはロンドン王立協会だそうである。現存する最古の科学協会だそうだが,本盤のタイトルとなっている"Nullius in Verba"とはその協会のモットーである「言葉によらず」という意味だそうであるから,念が入っている。このバンド名称がリーダーにとってどういう意味を持つかはわからないが,それはさておき,こりゃKrantzファン必聴のアルバムと言っておこう。

oza。さん,ご紹介ありがとうございました。

Personnel: Nicholas D'Amato(b), Wayne Krantz(g), John O'Reilly(ds)

2009年11月11日 (水)

懐かしのメロディ...

App_live"The Very Best of Live" Alan Parsons (RCA)

先日中古で拾った一作である。つい懐かしくて買ってしまった。

間違ってはならない。これはAlan Parsons Project(APP)のアルバムではなく,Alan Parsonsのライブ・アルバムである。なぜなら,APPの共同オーナーであるEric Woolfsonが参加していない以上,ParsonsとしてもAPPは名乗れない(あるいは名乗らない)のである。Woolfsonは弁護士資格も持っているらしいから裁判になれば,負けるのは見えてるからねぇ。

そうは言いながら,ここに収録されているのはスタジオ録音曲を除けば,APPのヒット曲ばかりという趣の典型的ソフト・ロックの世界である。私はAPPの結構なファンだから,こういう演奏を聞いていても全然問題ないし,実は彼らが来日した時も東京国際フォーラムに大学時代の友人ともども行ってしまった私であるから,とにかく懐かしいのである。もちろん,Woolfson不在による違和感はぬぐえないが,懐かしのメロディなのだからいいではないか。私たちが見たライブでも,それはそれはシンプルなステージ・セットだったと記憶しているが,それでもIan Bairnsonのギターを聞いて「カッチョいい~(死語)」等と叫んでいた友人と私であった。

ライブで収録されているAPP時代の曲に比べると,スタジオ録音3曲はWoolfsonが絡まないと,曲も全然違うものになるのねぇと感じさせる
(というか全然APPらしくない)代物なのが笑える。普通のブリティッシュ・ロックって感じなのである。やはりこのバンドはWoofsonのソングライティングにおける才能とParsonsのプロダクションにおける才能がシナジーを発揮してこそ,このバンドだったのだと痛切に感じさせる結果となっているのは皮肉である。

まぁそれでも,私にとっては懐メロに身を委ねて,過ぎ去りし日を思えばいいって感じである。テレビで懐メロ番組を延々と見ているのと同じ感じで楽しめばいいのであろう。星★★★☆。でもちゃんとベスト盤なり,オリジナル・アルバムを聞いてから手を出すべきものであることは言うまでもないので念のため。まぁこのアルバムをAPPの手始めに買う人はいないか...。

Recorded Live in Europe in May, 1994, and Studio Tracks Recorded in February, 1995

Personnel: Alan Parsons(g, key, vo), Ian Bairnson(g), Stuart Elliott(ds, vo), Andrew Powell(key), Chris Thompson(vo), Gary Howard(vo), Jeremy Meek(b, vo), Felix Krish(b)

2009年11月10日 (火)

Brad MehldauのMP3音源をようやく入手

Brad_mehldau_friday_night"Live: The Complete Friday Night Sets" Brad Mehldau Trio(Nonesuch)

この音源はNonesuchのサイトでのみ購入可能なMP3音源として,存在はずっと認識していたのだが,いかんせん,ダウンロードに米国内制限があって,これまで入手できていなかったものである。
本当にそんな制限があるのかどうかはわからないのだが,アラートの画面が出るので,20ドルとは言え,損したくない私は躊躇していたのである。ダウンロードなんだから,そんな制限付けない方がずっと商売にはつながると思うが,まぁそれはそれで仕方がないことだと諦めていた。だから,私としては米国内の友人に頼むか,自分の米国への出張機会を狙うしかなかったのだが,こういう時に限って,なかなか米国出張がないという時期が続いていたのである。こういうのを日頃の行いが悪いと言うが,ようやく今回の出張においてこの音源を入手することができた。

このときの演奏の模様は10/11-15の音源をもとに2枚組ライブ盤として発売されているが,今回ご紹介の音源は,その中日である金曜日の全3セットを丸ごと収めたものである。よって,CD化されたものが,テイクを選んでいるのに対し,こちらは特定の日の音源をぶち抜きで収録しているので,必ずしもベスト・テイクばかりということではないことになるが,それでも彼らの日々の演奏の模様を把握,体感できることは大変ありがたいことである。

それにしてもの分量である。全3セット15曲,3時間を超える音源である。ライブで全部ハシゴしたら,結構金も掛ってしまうが,これで20ドルなら許せる。CD版に入っていて,こちらに入っていないものもあれば,逆のパターンもあるから,レコーディングするからと言って,毎日同じレパートリーだったのではないことがわかる。そりゃ毎日同じだったら,ミュージシャンとしても飽きるだろうしねぇ。

演奏は相変わらずのレベルの高さである。ファンとしてはこういうのはもう少し入手を容易にして欲しいと思わざるをえないが,ようやくゲットできただけでよしとすべきであろう。こういうリリース形態も今後は増えていくのかもしれないから,どうフォローするか,どう入手するかが課題になっていくかもしれない。

いずれにしても今回の出張ではライブ3回にこの音源入手ということで,厳しいながらもリターンは大きかったと言っておこう。

Recorded Live at the Village Vanguard, NYC on October 13, 2006

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

2009年11月 9日 (月)

注目のライブ盤,間もなく発売

Amchitka 以前,このブログでも告知したJoni Mitchell,James Taylor,Phil Ochsの3人の演奏を収めたライブ盤(記事はこちら)が11/10に発売される予定である。下記のサイトでプレオーダー受付中。価格は普通の国際郵便なら送料込みで30カナダドルである。支払いはPayPalもしくはクレジット・カードで可能。

http://www.amchitka-concert.com/

別にもうすぐ発売なんだからプレオーダーする必要はないって話もあるが,一刻も早く聞きたいので即注文した私である。これはやっぱり楽しみだよなぁ。

2009年11月 8日 (日)

帰ってきてはみたものの...

ようやく出張から帰国した。しかし,体調は万全とは言えず,しかも完全な時差ボケである。ようやくユンケルにありつけたのはいい(これって完全に気持ちの問題)が,しばらくは開店休業状態が続くかもしれない。まいったなぁ。

と言いつつ,留守中に届いたCDがたまっているし,さっさと聞かねば。

2009年11月 7日 (土)

やっと出張も終わりである

Cherry_neck 今回の出張はまじできつかった~と本人は思いつつ、まわりには羨ましがっている人もいるということで、実は微妙である。しかし、今回ばかりはやっぱりきつかった。もう世界一周は願い下げにしたい。

その一方、最終目的地ボストンでは、ちゃんと食うものは食っている私である。こやぎ@でかい方さんが中国で上海蟹なら、私はこれだということで、Cherry Stoneである。ご覧頂けばわかるだろうが、はまぐりである。日本では絶対生では食わんだろう。でも、私はそれをボストニアンにならって生で食したが、全く問題がないことは言うまでもない。生ガキもうまいが、生はまぐりもやめれらまへ~ん。

ということで、次は日本から記事を久しぶりにアップできればいいなぁ。いずれにしてもこの記事がアップされる頃は機上の人となっているはずである。

2009年11月 6日 (金)

ここまでくるとアンビエントなTord Gustavsen

Tord_gustavson "Restored Returned" Tord Gustavsen Ensemble (ECM)

Tord Gustavsenと言えば、ピアノ・トリオで強烈にECMを感じさせる作品を連発して、今後のレーベルにおいて、非常に重要なピアニストとしての位置づけを確保していると思う。そのGustavsenの新譜はサックス、ヴォーカル入りの新機軸ということになろうが、これが何とも静謐で、これまたいかにもECMらしいと言えばらしいのだが、極端なまでに音数を絞った演奏は、おそらく好き嫌いが分かれるはずである。

ヴォーカルのKristin Asbjørnsenの声は、ジャズ・ヴォーカルというよりも、よりポップな感覚を持ちながら、演奏が極めておとなしいので、どういう人に受け入れられるかが心配になってしまうのである。とにかく音数は少ないし、ダイナミズムのかけらもなく、これは私にとってはもはや環境音楽の領域に入っていると言っても過言ではない。Tore BrungborgはJan Garbarekを感じさせるトーンで、それなりに魅力はあると思うが、このフォーマットでは日本では受けないだろうなぁと余計なお世話をしたくなる私である。

しかし、先述のとおり、これもECMのカラーだなと思わせる作品であり、無条件に受け入れるECMファンも確実に存在するだろうとも思ってしまう。まさに"Most Beautiful Sound Next to Silence"と言ってもいいような演奏だし、サウンドそのものは美しいからである。

だが、私にはGustavsenのピアノ・トリオのイメージが良好だっただけに、これはちょっとなぁと思ってしまった。星★★★。まぁ飛行機の中で心地よい眠りに誘ってはくれたが...。

Personnel: Tord Gustavsen(p), Kristin Asbjørnsen(vo), Tore Brunborg(ts, ss), Mats Eilertsen(b), Jarle Vespestad(ds)

2009年11月 5日 (木)

淡々としていながら非常に魅力的なJoe Martin作

Not_by_chance"Not By Chance" Joe Martin(Anzic)

このアルバムの発売情報をこのブログで告知したのが8月で、私の手許には9月には届いていたはずだが、出張が多くて、なかなかちゃんと聞く機会に恵まれなかった(言い訳)。ここに来て、ロンドンからNYCという長距離フライトの途中で、ようやくちゃんと聞くことができたので、ようやく記事としてアップである。

私にとっては、リーダーのMartinには悪いが、Brad MehldauとChris Potterが全面参加というのが購入の最大の理由であって、彼らがどういう演奏をするのかというところに関心は集中してしまうのは当然である。しかし、このアルバム、冒頭からChris Potterの変態度は抑えられ、Mehldauもでしゃっばったところがなく、結構ギミックなしで淡々としたイメージが強いのは意外であった。

ベーシストのリーダー・アルバムであるから、ベースのミックスがやや強めなのは当然であるが、Potter、Mehldauという強者を相手にしても、Martinは臆することなく、いい音のベースを聞かせているではないか。もちろん、このメンツであるから、演奏は悪いはずがなく、2曲目のモーダルな感じなんていいよなぁと思ってしまった。しかし、この3人ばかりでなく、ここで見逃してはならないと思うのはMarcus Gilmoreの健闘ぶりである。さすが、Roy Haynesの孫だけのことはあるわ。血は争えないってことであろうが、23歳にして、このドラミング、大したものだと思うのはきっと私だけではあるまい。彼のドラミングがちゃんとフロントをプッシュすることにより、この演奏のレベルが高まったように感じてしまった。

いずれにしても、アルバムを聞き進めていくと、決して淡々としているだけではなく、こういうのをライブで聞いたら、すごく得をした気になるような演奏と言うべきか。また、日本に帰ったらちゃんと聞くことにしたいと思うが、これはなかなかの作品であった。星★★★★。

Recorded in January 2009

Personnel: Joe Martin(b), Chris Potter(ts, ss, b-cl), Brad Mehldau(p), Marcus Gilmore(ds)

P.S. ブログのお知り合い,crissさんからTBして頂いたのだが,相変わらず相性が悪く,こちらに入ってこないので,crissさんの記事のURLを貼り付けておく。

http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-506.html

2009年11月 4日 (水)

出張はつらいよ(09/10-11編):その4

Lga 今回は世界一周出張だと前にも書いたが、今回ほど体調の管理が難しいと思ったことはない。そもそも、ロンドンからNYCへの道すがらでは突然の発熱に見舞われ、大いに焦ったのだが、飛行機の中でぐっすり寝ていたら、ほぼ回復したと思って、NYCではBirdlandへ向かった私である(何やってんだか...)。しかし、どうもその後も体調は完全とは言えない。

NYCで仕事をしていても、ランチ時には食欲はわいてこないし(日頃、食いしん坊の私に食欲がないというのは、これはかなり重症である)、仕事をしていても、集中力に欠ける。やはり世界一周が中年の私に与えるダメージはかなりのものらしく、疲労感をこれほどおぼえたというのは久しぶりのことである。体は正直なものである。ということで、思わずドラッグストアに駆け込んで、解熱鎮痛剤を買ってしまった私である。薬には頼りたくないが、仕方ない。今回、本当にユンケルを持ってこなかったことを強く後悔した私である。

ということで、現在は最終目的地であるボストンにやって来ているわけであるが、飛行機のディレイ(管制システムのトラブルらしい)で、到着が結構遅れてしまった。ディレイは90分程度だったので、大した影響はないし、こういうのはよくあることだが、それでも空港で手持無沙汰にしていると、疲労感が増してしまうのは事実である。現地での仕事も残すところあと3日であるが、何とか乗り切りたいものである。

そんな辛い出張でも悪いことばかりではない。遅れた飛行機のキャビン・アテンダントは非常に短いフライト(飛んでいる時間は35分程度)であるにも関わらず、非常にテキパキとした仕事ぶりで、ちゃんと飲み物はサービスするし、到着寸前まで、乗客のシートの状態をチェックしているのには大いに感心してしまった。ああいうのをプロというのである。どこかの国のつぶれかけの航空会社のCAにも見習ってほしいものである。

また、最近は離着陸時に電子機器の電源をすべてオフにするように指示されるが、あれは電子機器により、離着陸時に原因不明の誤動作が発生する可能性があるからのはずである。よって、一旦、離陸してしまえば、時間を経ずに電源を入れていいという航空会社もある。今回利用した飛行機では、本当に離陸して2分後には電源を入れていいというアナウンスがあり、そのおかげで、NYCの空港上空からの夜景を撮影することができた。ランドマーク等、大したものが写っているわけではないが、最近はこういう写真を撮れる機会も少ないので、まぁ珍しいということで...。

それにしても、やはりシャトル便で飛んでいるパイロットやCAは大したもんだと思ってしまった今回のNYC~ボストン間のフライトであった。

2009年11月 3日 (火)

NYCのジャズ・クラブにはやはりいいミュージシャンが目白押しである

Tom_harrell 今回、NYCを訪れるにあたって、どこのクラブに行こうかということで、情報収集をしていたのだが、あまり遠出をするのも大変だし、まぁ妥当な線に落ち着いたセレクションかなと思っている。

しかし、そうしたクラブやいろいろな告知を見ていると、当り前の話であるが、やはりNYCはジャズの中心地であることがよくわかると言わざるをえない。例えば11月半ばにはSteve GrossmanがJazz Standardに出るし、12月にはBirdlandにKonitz~Mehldau~Haden~Motianというクァルテットが出演するらしい。また、現地時間11/1にはThe StoneにはJohn Zorn、John Medeski、Ikue MoriほかがJohn Zorn Improv Nightと題してベネフィット・ライブをやるみたいである。 アンダーグラウンドからメジャーまでまさしく何でもありである。

別にそれはジャズに限った話ではなく、ポピュラー畑なら、Ray LaMontagneだ、John Mayerだ、Ani DeFrancoだと聞いてみたい人が目白押しだし、クラシックも然り。オペラだったらTurandotとかやってたんだなぁ。

しかし、私が仕事でNYCに来ると、なぜか音楽系のイベントは夏枯れのような状態のことが多く、食指が動かされないことも多々あったのだが、こういうのを見ると、本当にまたNYCに住みたくなってしまう。いいなぁ。と言っても、暫くはここに仕事でくることもないのだろうが。

それでもって本日はTom Harrellである。昨日のPat Martinoといい、日本でも見られる(というか来てからそんなに時間が経ってない)じゃんという話はありなのだが、Tom Harrellについては、狭い箱であるVanguardで見るからいいのである。しかもVanguardは酒しか出さないしねぇ。どこかで食事を済ませて、いい調子でVanguardに乗り込むというのが私にとってあるべき姿である。もちろん、ほかにもいろいろなクラブがあるが、55 BarもChris Potterはタッチの差だったし、まぁ今回は職場の同僚が初NYC出張ということもあり、歴史のあるVanguardを選択した次第である(ちなみに今週のBlue NoteはRon Carterだし、そもそも店自体が嫌いなので選択肢にも入らなかった)。

で、今回のライブだが、Tom Harrell(fl-h), Wayne Escoffery(ts), Danny Grissett(p), Ugogonna Okegwo(b), Johnathan Blake(ds)というメンツのはずである。しかし、Vanguardは写真撮影には大変厳しく、せっかくの狭い箱なのに撮影できなったのは大変残念であった。せっかくああした箱なのだから、そんな固いこと言わなくてもいいのになぁって感じである。まぁしかしである。それはそれとして言っておくと、Tom Harrell本人は何の変りもないが、その他のメンツがHarrellがあんな感じなので、すごく成長していることを感じさせるのである。特にEscofferyがモーダルに激しく吹きまくっていたのは非常に印象的であった。

いずれにしても、私がVanguardに行ったのは久しぶりだったが、雰囲気は全然変わらなかったし、相変わらず歴史を感じさせてくれるクラブだとは思う。しかし、写真はダメというのは仕方がないとして、ミュージシャンと聴衆がもう少し近しい感じでコミュニケーションできれば、もっといいのになぁと思うのは私だけだろうか。私は後半は夢と現の間を行き来していたような気もするが、私の連れが気に入ってくれていることを切に願うのみである。

それにしても、今回もセカンド・セットは$10で居残り可能とか言っていたから、私はNYCのクラブは時間と体力が許せばセカンド・セットが狙い目だと言っておこう。残念ながら今やセカンド・セットがフルになるほどの力はジャズ界にはないのだろうが、音楽に関心があるかどうかわからない旅行者ではなく、好きもの(本物のジャズ好き)が集まってくるのはやっぱりセカンド・セットなのだと思わざるをえない。確かにPat Martinoもそういう感じだったよあなぁ。皆さんもできるだけそうして下さいね。

2009年11月 2日 (月)

強烈なジャズのグルーブを感じさせたPat Martino@Birdland

Birdland_pat_martino_002_4 ロンドンからNYCへ移動した。仕事でNYCに来るのは久々のことだが、週末をまたいで滞在することで、NYCで夜遊びの時間を持てるのもこれまた久しぶりのことである。せっかくなので、ジャズ・クラブに行くことにしたが、当地は丁度ハロウィーンということもあり、タイムズ・スクェアあたりは、仮装した上、かなり出来上がっている姉ちゃん(兄ちゃんより、姉ちゃんの方が間違いなく激しい)たちでごったがえしていた。そんなことに関心を示せぬ中年たる私は44丁目と8Ave.と9Ave.の間にあるBirdlandへ直行である。本日のお題はPat Martino Quartet(10/31、セカンド・セット@23時)である。

Birdlandでもハロウィーンということもあって、ウエイトレスのお姉ちゃんたちも、やや派手なコスチュームだったが、店の中自体は落ち着いたものである。やっぱりこういう方が私にはいいねぇ。 

それで今回のメンツだが、Pat MartinoにEric Alexander(ts)、Tony Monaco(org)、 Jeff 'Tain' Watts(ds)というもの。これがブルージーな感覚を濃厚に感じさせ、ジャズ的なグルーブに満ちていたのには驚いてしまった。私の中ではMartinoと言えば、8分音符、16分音符の速射砲的なフレージングという印象が強いが、時折そうしたフレーズも聞かせるものの、むしろ鋭いコード奏法で演奏を煽る感じが素晴らしい。また、AlexanderのテナーとMartinoのギターのユニゾンが非常に気持ちよく、あっという間に75分のセットが終わってしまった。

もちろん、MartinoもAlexanderも素晴らしかったのだが、何よりもすごかったのはWattsのドラムスである。現在、本当のポリリズムを叩けるのは彼しかいないのではないかと思わせる迫力のドラミングである。しかも、どんなテンポでもどんなリズムでも見事なまでに叩ききるWattsがいて、このバンドは更にグルーブを増したと思うのである。いやいやこれは本当に素晴らしかった。さすがである。このバンドにはどうなのよと思えたIvan Lins作"The Island"もボサノバ・リズムから入るのだが、途中からWattsがシンバルを多用し始めてから、一気に演奏が熱くなったのである。やはりWattsの貢献度は大きいのである。日本ではこのバンドにWattsが入るなんて考えられないから、私はこれだけでも元を取ったという感じである。

一方、オルガンのTony Monacoは人のいいおっさんという感じであったが、クールな表情のMartinoとは対照的な演奏ぶりで、ある意味笑えてしまった。オルガンを弾いていなければ、スタンダップ・コメディアンのようなおっさんであるが、ちょいとオーバー・プレイングかなぁと思わせつつも、まぁエンタテインメントとしてはバランスがいいのではないかと思わされた私である。

それにしてもこんな演奏が30ドルである。即ち、3,000円しないのである。やっぱりNYCはいいわ。また住みたくなってしまった私である。

ところで、バーに乗り乗りの東洋人らしきお姉さまがいらっしゃったが、あれはきっとMartino夫人だろうなぁ。あそこまで乗れるのはある意味大したもんだと思ってしまった。ということで、ステージの写真は私が座ったテーブルからiPhoneで撮ったものなので、画像は荒いがまぁ雰囲気ということで。

2009年11月 1日 (日)

中年音楽狂 in ロンドン(楽しいロンドン、愉快なロンドン?)及び嬉しいニュース

Krantz_3 出張の2ヶ所目はロンドンだということは既に書いた。今回、たまたま(本当にたまたまである)私のロンドン滞在中に、Wayne Krantzがロンドンでライブをやるということがわかって、さっさと予約を入れていそいそとした感覚を覚えていた私である。

メンツはJanek Gwizdala's Research Featuring Wayne Krantz, Gwilym Simcock and Gary Husbandということだが、KrantzとHusband以外は知らない私にとってはKrantzが見られる(聞ける)だけで十分である。リーダーのGwizdalaはベーシスト(本人のMCからするとポーランド系らしい)であるが、55BarのサイトではCDも買えるみたい(ロンドンの現地でも売っていたが...)だから、KrantzのNYC人脈ってことになるのだろう。それでもロンドンまで来て、チャージが30ポンドってのは高いだろうと思いつつも、Krantzのためには仕方がないと諦めた私である。翌日ならば、ドラムスがPeter Erskineになって、更に魅力的ってことになるのかもしれないが、KrantzとErskineでは絶対合わんと思っている私は、金曜日のギグしか聞けなくてむしろラッキーだと思うことにした。今回の店はSOHOにある"Pizza Express"というおよそジャズ・クラブらしからぬ名前の店である。前回はVortexというちょっと郊外の店だったが、今回はど真ん中みたいなものだから、交通至便である。しかし、現地のハロウィーンとぶつかり、はっきり言って頭がおかしいんではないかという兄ちゃん、姉ちゃんたちがSOHOに腐るほどいて、不安になってしまった私である。

それでもって今回、更にびっくりしてしまったのは、Gwilym Simcockってのがピアニストで、Husbandはドラムスに専念していたってことである。このSimcockってのをてっきりドラムスだと思っていた私だが、ピアノはまるでHerbie Hancockのようで、なかなか鋭いフレージングを聞かせていた。一方のHusbandはやっぱり本職はキーボードだろうと思わせるようなドラムスではあったが、歳をとっている割にはまぁまぁ頑張っていたと言えるだろう。

まぁそうした中で、Krantzは相変わらずKrantzだったが、Don Grolnick(一部ではドン黒と言われているようだが...)がDavid Sanbornのために書いた"Lotus Blossom"を演奏したのにはまたびっくり。これはリーダーのベースをフィーチャーするための曲だったので、Krantzには全然合っていなかったのはご愛敬である。まぁバンドとしては、やはり急造感は否めないので、こうしたレパートリーもありだろうが、それでもねぇって感じである。

今回、私は久しぶりにKrantzを見たわけだが、見ていて何となく野村義男みたいだなぁと思ってしまった。もうちょい髪を伸ばせば、完全に「よっちゃん」って感じなのである。しかもKrantzが結構小柄で、私の方が背が高いとは思っていなかった。まぁそれはさておき、ハード・ドライビングな曲ではKrantz節が爆発していてマジで嬉しくなってしまった私であった。

Krantz_cd_2 現場では、 ブログのお友だちであるすずっくさんの指令に従って、ちゃんとKrantzと話をする(とともに、日本からCDを持って行って、きっちりサインももらっている私はかなりのミーハーである)機会があった。そこでは、これまたすずっくさんの弁に従い、少なくとも5人はKrantzの大ファンが日本にはいると言ったのだが、全然本人には受けなかった(完全にすべった)のにはまいった。まぁアホな日本人と思われただけかもしれないが、それはそれでいいとして、驚くべき情報を本人の口から聞いてしまった。なんと、Krantzは2月に日本に来るそうである。まだ彼のWebサイトには情報は出ていないが、本人が言っているのだから間違いないだろう。そのうち、サイトには情報が出るはず(だと本人が言っていた)なので、地道にフォローしたい。それにしてもめでたい。好きものは何があっても行かねばならないライブだと言っておこう。それにしても、Krantzってやってる音楽と違って、結構神経質な感じもしたなぁ。実はああ見えて学究肌なのかもしれないと思ってしまったが、やっぱりこの人、ギターは完全に変態ながら、最高である。2月の来日を心待ちにしたいと思う。

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