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2009年9月30日 (水)

またまた海外出張である。ということで出張中に見た映画Again(その1)

先日、欧州から日本に帰ったばかりなのだが、帰国して一週間後にまた欧州に来てしまった。それならずっと滞在すりゃいいじゃんという話もあるが、そうはいかない浮世の事情もあるのである。それにしても、オッサンにはかなり厳しい日程であることは間違いない。

ということで、しばらくはまた音楽ネタは書くのが難しくなるかもしれないが、相変わらずの映画シリーズである。前回の出張で私は往復8本映画を見てしまったので、今回はさすがに見たい映画があまり残っていないということで、今回はDVDを持参してしまった。それについては改めて書くが、今日のお題は韓国映画である。

Photo 「影の殺人(그림자 살인)」(’09、韓国)

監督:パク・デミン
俳優:ファン・ジョンミン、リュ・ドクァン、オム・ジウォン

この映画は日本でまだ公開されていないらしいが、本国では結構ヒットしたらしい。まだ日本支配が色濃い時代のソウルが舞台になっているので、セリフにも日本語が結構出てくるが、ちょっと嘘っぽく聞こえるのはご愛敬である。それでも時代考証を踏まえ、ちゃんと日本語を入れていることは評価してよいだろう。

筋書きはそんなことってありえるのかという出だしからして???の部分はある。だって、偶然発見した死体を人知れず持ち帰って、解剖の材料にするなんてのはそもそも無茶があるが、そのほかについては、まぁ許せる範囲と言ってもいいかもしれない。

ここで面白いなぁと思ったのは、ここに登場する役者が、日本だったら誰それと想像したくなってしまったということだろうか。主役のファン・ジョンミンはとぼけた味も出しながら、若いころの萩原健一のように思わせる表情もあり面白いし、医学生に扮したリュ・ドクァンは現林家三平のような童顔で笑わせる。

まぁ結構えげつない描写もあるし、役者も日本で人気が出るか疑問な連中であるから、そもそもこれが日本で公開されるかどうかも怪しい.。いずれにしても、韓国はこういうサスペンスものも多いのかなぁとふと思ってしまったが、それよりも何よりも往時のソウルを再現するためのセットが一番金がかかったのではないかと余計なおせっかいをしたくなってしまった。星★★★。

2009年9月29日 (火)

これもやっと来た"Monterey Quartet"

Monterey_quartet "Live at the 2007 Monterey Jazz Festival" The Monterey Quartet (MJF Records)

これもなかなかデリバリーされなくてイライラさせられた注目の新譜である。ネット通販は便利だが,このようにデリバリーのタイミングがずれてしまうことがあって,その点さえ解消してくれれば,本当にいいのだがと思ってしまうことがある。昨日取り上げたStefano Bollani然り,このアルバム然りである。聞きたくて聞きたくて仕方ないと思うほど,待つのが辛くなる。しかしようやく到着したので,早速聞いてみた。当然のことながら,好き者が見れば,このメンツだけで期待値が高まろうというものである。

はっきり言ってしまうと,このメンツであれば,いいのは当たり前である。そういう意味では期待通り。但し,私が聞いた環境のせいかもしれないが,Chris Potterのテナーがややメタリックな響きを帯びているように感じたのは気のせいか。それでもクリポタ特性変態フレーズ満載で,音の感じは違っても,確実にクリポタである。Rubalcabaは昔の調子とはちょっと変わって,随分と落ち着きを持つようになってきたようにも感じられる。昔は現在の上原ひろみのように,力まかせ,あるいは若さゆえ的な演奏も多かったと思うのだが,ここでのRubalcabaはいい感じで年齢を重ねたように思わせる。Holland閣下はそれに比べると余裕綽々と言うべきか。これぞ巨匠のあるべき姿である。泰然自若。何でも来いってところだろう。

しかし,私が何よりも驚かされ,このアルバムのキーになっていると感じさせられたのがEric Harlandのドラムスであった。もちろん,名前は聞いたことはあるし,参加アルバムも聞いていた彼だが,こんなにいいドラムスだったのか。シャープにしてタイト,これは極めて現代的な響きのドラムスとも言えるが,かと言って,Dave Wecklのように叩き過ぎにはならないのである。このHarlandのハード・ドライビングなドラムスなくして,このバンドの成功があったかどうか。とにもかくにも,私はこのアルバムでEric Harlandというドラマーに対して目を見開かされることとなったのである。

結局,よくて当たり前の世界を更によいものにした功労者は私はEric Harlandだと断言しておく。Harlandへの褒美も含めて星★★★★☆。これを聞いて燃えている人が結構いるだろうなぁと思いつつ。Potterのサイトによると,最近はこのバンドのピアノがJason Moranに代わってOvertone Quartetなんて笑えるバンド名称で活動しているようであるから,このメンツでの来日は難しいかなぁ?

Recorded Live at the Monterey Jazz Festival on September 22, 2007

Personnel: Dave Holland(p), Gonzalo Rubalcaba(p), Chris Potter(ts), Eric Harland(ds)

2009年9月28日 (月)

やっと来たStefano Bollaniの新作

Bollani "Stone in the Water" Stefano Bollani (ECM)

注文のタイミングが悪く,なかなかデリバリーされないでやきもきさせられたStefano BollaniのECMでの新譜がようやく届いた。ブログのお知り合い,すずっくさんによれば,私の嗜好にバッチリ合っているはずだとのお言葉を事前に頂いており,期待値が異様に高まっていた私である。しかもメンツはベースのBodilsenトリオ名義で出た"Mi Ritorni in Mente"と同じではないか。あれも甘い感覚を残しながらも結構好きな作品だったので,これはやはり期待できるだろう。更に,メンバーのオリジナルに加えて,Caetano Veloso,JobimになんとPoulencなんていうレパートリーを並べられては,こりゃ~聞く前からたまらん。

それでもって聞いてみたら,すずっくさんのおっしゃるとおりである。どうして私の趣味がそこまでわかるのか?さすが師匠,エスパーのようである。これはよい。ECMらしいと言えばECMらしい音である。基本的には美的で静謐な音に,若干のダイナミズムをまぶすという感じであろうか。私がECMでピアノ・トリオを聞いてまいったと思ったのがMarcin Wasilewskiであったが,本作はそれに勝るとも劣らないと評価してよい傑作。どちらかを取れと言われれば,正直なところ,私としてはWasilewskiを取るかもしれないが,それでもこのBollaniの世界観はECMにぴったりで驚かされる。とても生粋のラテン系とは思えぬ美的センスである。こうしたBollaniの資質を見事なまでに見抜くManfred Eicher,やはりあなたは大したものである。また,Wasilewskiの"January"と本作が同じNYCのAvatar StudioでJames Farberの手によって録音されたことも偶然ではあるまい。音が生みだすケミストリーは同じなのだということを物語っているではないか。いやはやさすがECM,40年も続くだけのことはある。OsloでもNYCでもサウンド・カラーが変わらないということこそ,Eicherの美学の裏返しである。

いずれにしてもこれから秋から冬にかけて,このアルバムを何度もプレイバックすることになるであろうことを確信させる一作。星★★★★☆。

Recorded in October, 2008

Personnel: Stefano Bollani(p), Jesper Bodilsen(b), Morten Lund(ds)

2009年9月27日 (日)

Max Ionata@ディスクユニオン新宿ジャズ館(9/25)

Max_ionata_live_2Max  Ionataが私的に来日したのを受けて,何度かプロモーションのインストア・ライブをやるということをブログのお知り合い,rhodiaさんからお聞きしていたのだが,スケジュール的にどうかなぁと思っていた。しかし,彼の帰国直前の9/25,新宿でのインストア・ライブで彼を聞くことができた。テナー一本での勝負である。音もフレーズも素晴らしく,日本でこれから更に人気が出るのではないかと確信させられる演奏であった。

一部ブログ界では異様に盛り上がっているMax Ionataだけに,このインストア・ライブも黒山の人だかりではないのかと思っていたのだが,聴衆が15~20人程度というのは意外であった。21時からという時間もあったのかもしれないが,結局我々の中ではメジャーなMaxも
まだまだ日本ではメジャーにはなりきれていないのねぇということの証左ではなかろうか。それなら,我々ブロガーの草の根運動でこういうミュージシャンを盛り上げたるわ!などと余計なお世話をしたくなってしまった(笑)。

Albore Jazzの豊田さんともちらっとお話をさせて頂いたのだが,これからもどんどん素晴らしいミュージシャンを紹介して頂きたいと思う。いずれにしても準備の時間のない中,こうしたイベントを企画,開催して頂くだけで感謝である。

さて,今回のライブはrhodiaさんから告知頂いたと冒頭に記したが,今回,rhodiaさんに直接お目にかかる機会を得ただけでなく,「雨の日にはジャズを聴きながら」のcrissさんとも現場でお会いすることができて,プチ・オフ会のようになってしまった。crissさんもお書きになっているが,crissさんと私はイベント後,新宿の焼きとん屋でちょいと一杯のつもりで飲んで,いつのまにやら焼酎飲みまくりという状態になってしまった(大酒飲みにお付き合い頂いたcrissさん,大変申し訳ございません)。ということで,佐藤の黒をロックで飲みまくっていた私であるが,やはり同好の志とお話をさせて頂くのは楽しいものだなぁとつくづく思ってしまった。rhodiaさん,crissさん,ありがとうございました。

写真はiPhoneで撮ったものなので,暗い店内では画像的にはやっぱり苦しかったなぁ。写真は今イチでもMaxのサインもゲットしたし,久々のミーハー気分に浸った(アルバム2枚を持参することにそれが表れている...)私であった。

2009年9月26日 (土)

Burton~Coreaのデュオ集成盤

Corea_burton"Crystal Silence: The ECM Recordings 1972 - 79" Gary Burton / Chick Corea(ECM)

久々の音楽ネタである。Gary BurtonとChick Coreaと言えば,ECMレーベルが生んだ至高のデュオである。彼らの作品のうち,"Crystal Silence","Duet"及びライブ盤"In Concert, Zurich Oct. 28, 1979"を集成したものである。このコンビのECM作としてはあと弦楽四重奏入りの"Lyric Suite for  Sextet"(ライブを見に行ったなぁ)もあるが,Eicherはあれを入れたくなかったのか,デュオ作と認めていないのか謎ではあるが,それでもこのボックスでの発売は嬉しい。

何が嬉しいか。それは今までライブ盤を1枚もののCDに収めるためにカットされていた演奏を含めて全てこのCDボックスに収録されているからである。よって,ライブは2枚組収録となり,ようやく正しい姿でのリリースとなったわけである。これで私は難儀しながらLPを聞くという必要がなくなったのはありがたい。なぜかと言うと,私のアナログ・プレイヤーの上にはCDがうず高く積まれていて,LPを聞こうと思うと,それを片づけないと聞けないからである。そんなもん,自分がもう少し整理整頓をしていればいいのだというお叱りの声も聞こえてきそうだが,なかなか世の中うまくはいかないのである。

最近はECMもこういうシリーズが結構出ていて,これまでにもKeithのStandards初期3作とか,Steve Kuhnボックスとか,更にはCoDoNaボックスなんて渋いのまで出ているが,おそらくはこのボックスと同じ体裁で作られているんだろうなぁと想像する(それらは買っていない)。これが何とも色気がないというか,日本人だったら,オリジナルLPジャケットのレプリカに収めそうなところを,何の工夫もないカバーに入っているのは,いかにもプラクティカルなドイツ的やり方と言っては言い過ぎだろうか。それでも,こんな奇跡的な演奏が特定のサイトでは4,000円もしない値段で買えるのであれば,文句は言うまい。

ということで,演奏は星★★★★★しかありえないが,もしこのデュオの演奏を今まで未聴の方がいるのであれば,このボックスを買って絶対損はない。どの作品が好みかはリスナーの嗜好によるが,私にとってはチューリッヒのライブであることは以前このブログにも書いたとおりである(記事はこちら)。とにかくこのボックスは家宝として扱いたい私である。素晴らしい。こういうのをため息がもれるほどの名演と言うのである。

さて,これでほとんど聞くことがなくなるはずのLPはどうしようかなぁ。でもこのCDの体裁がこれでは,ドイツ盤LPは絶対手放せないだろうなぁ。

Personnel: Gary Burton(vib), Chick Corea(p)

2009年9月25日 (金)

出張中に見た映画(09/09編:その7/8):最終回

Death_note 「Death Note / Death Note the Last Name」('06,WB)

監督:金子修介

出演:藤原竜也,松山ケンイチ,香椎由宇,戸田恵梨香,鹿賀丈史,藤村俊二,津川雅彦

今回の出張で見た最後の映画は「Death Note」シリーズの2作である。この映画が結構人気があることは知っていたのだが,ちゃんと見たのはこれが初めてである。2本目はテレビで放映されたときにちらちらと見ていたような気がするが,途中からだったのでさっぱり話がわからんという程度の見方であるから,ちゃんと見たうちには入らない。

Death_note_the_last_name今回,一作目から見て,ようやく筋書きを理解したわけだが,同じマンガが原作でも,私には「20世紀少年」よりずっと好ましい印象を残したと言えるだろう。これは登場人物もある程度整理されていて,ストーリーの骨格がつかみやすいということもあるだろうが,藤原竜也と松山ケンイチの好演によるところも大きいように思う。特にヒールとしての藤原竜也は結構いけている。もちろん,「ダークナイト」におけるHeath Ledgerと比べるべくもないとしても,いやな奴を演じさせれば結構いけると思わせる。是非日本のJohn Travolta(悪玉を演じるTravoltaはいいからねぇ。)を目指して欲しいものである。

まぁマンガが原作であるから,なんじゃそりゃと思わせる展開もあるが文句は言うまい。シナリオには決定的な破綻はないから,まぁ許す。原作がどのようなものかを知らないので,私としては純粋に映像だけで評価せざるをえないが,私にとってはまぁ拾い物と言ってよい作品だったと言えるだろう。だって,本来なら眠りに落ちているタイミングに,ずっと私に映画を見続けさせたのだから,ある程度私も楽しんでしまったということである。ということで,星★★★☆ぐらいとしておこう。

本作品で非常に興味深かったのはメジャーのワーナーがこの映画の配給を行ったということである。日本映画においてはこれまでになかったパターンだと思うが,日本映画のリメイクが相次いだハリウッドにおいて,ついに日本映画が配給されるのかと言えば,そういうことでもなかったようだが,それでも,グローバルなディストリビューションを狙ってのことであろうから,日本映画の国際化にはある意味貢献するのではないかと思える。

出演者の中では,私は片瀬那奈の長~い足に釘付けになってしまったが,このほかにもう少し魅力的な女優が出ていたなら,この作品に対する私の評価は更に甘いものになったのにと思ってしまう。戸田恵梨香は可愛いが,演技があれではちょっとねぇ。

2009年9月24日 (木)

出張中に見た映画(09/09編:その6)

Photo_2 「真夏のオリオン」('09,東宝)

監督:篠原哲雄

出演:玉木宏,北川景子,堂珍嘉邦,吉田栄作,平岡祐太,吹越満,益岡徹

潜水艦映画と言えば,私にとっては「眼下の敵」にとどめをさす。よって,それが基準となってしまう以上,大概の潜水艦映画にはハードルが高い。それでもってこの映画はどうだったか?

そもそも一部の役者が下手で見ていられないというのもあるし,玉木宏は悪くはないが,全然軍人に見えないところなどは私には明らかなミスキャストに思える。それに比べると,吉田栄作なんて,私の予想よりもはるかによかったというところもあるし,脇役はいいところを示すのに,このポスターに写っている人たちがねぇ...。

また,潜水艦映画だけに当然ではあるのだが,飛行機の機内で見るには画面が暗い。そのせいで,ちゃちなCGはごまかされたって話もあるが,それでもこれを劇場で見るとどうなのかというところは気になるところではある。

いずれにしても,この映画,見ようによってはそれなりには楽しめる映画ではあるのだが,シナリオに決定的な無理があるし,アメリカ側のキャスト,セットともにしょぼ過ぎである。金を掛けるなら掛けるでもうちょっとちゃんとやって欲しかった。星★★☆。

それにしても,往路での「MW」といい,本作といい,玉木宏ってそんなに人気があるってことなのだろうか。私にはあまりよくわからんが。

2009年9月23日 (水)

出張中に見た映画(09/09編:その5)

Photo「ナイトミュージアム2("Night at the Museum: Battle of the Smithsonian") 」('09,米,Fox)

監督:Shawn Levy

出演:Ben Stiller, Amy Adams, Owen Wilson, Robin Williams, Hank Azaria

ここからは出張の帰りの便で見た映画のシリーズである。通常,帰りは疲れてせいぜい2本,多くて3本だが,今回は結局4本,往復で8本というのは私にとっての記録(これまでは7本が最多)である。

それはさておき,この映画,2006年のヒット作,「ナイトミュージアム」の続編である。私は前作も飛行機の中でその映画を見たはずだが,今回も機内エンタテインメントとしてこの続編も見ることとなった。私は前作も「結構笑える」と書いた(記事はこちら)が,今回はセリフのギャグが効いていて,更に大笑いしたと言ってもいいだろう。

話は前作同様,博物館の展示物が石板の力で動き出すというものだが,今回はワシントンDCのリンカーン・メモリアル像まで動き出すし,Amy Adamsが演じるのがJoni Mitchellも歌ったAmeria Earhartであるから,スミソニアン博物館の飛行機の展示まで飛び交うということで,そういった点ではスケール・アップしている。まぁ,それはそれでたわいないものであるからどうこう言うほどのものでもないのだが,やはりほろっとさせる部分も残すというところがBen Stillerらしいと言うべきか。

監督のShawn Levyは前作からの続投であるが,このシリーズと言い,リメイク版の「ピンク・パンサー」(1作目の方である)といい,なかなかコメディ映画を撮らせると平均点の高い仕事をしていて,昔で言えばBlake Edwards的な線を狙えるのではないかと思ってしまった。

いずれにしても,飛行機の中で気楽に見るにはもってこいということで,星★★★☆ぐらい。それにしても,Amy Adamsがいかにもヤンキー娘って感じでいいねぇ。大した美女ってわけではないが,好感が持てる女優である。また,エンディング・ロール直前でかかるColdplayの"Life in Technicolor"があまりに「絶妙」の選曲(イントロしかかからないにもかかわらずである)で唸ったしまった私である。こういうところは日本映画は見習わないといかんと強く感じた瞬間であった。

2009年9月22日 (火)

20万アクセス(PV)ありがとうございます。

昨日(2009年9月21日),私は家を空けておりチェックできていなかったのだが,ブログへのアクセス(PVベースであって,ユニーク・アクセスではない。かつ,携帯からのアクセスはモニタリングされていない)が20万件を越えたようである。これまでのペースでいけば,まぁ今年中には到達かなぁと思っていたのだが,ここに来て,アクセス数が若干伸びていることもあり(原因はよくわかっていない),予想を上回るペースでの20万アクセス越えとなった。

いつも言っていることだが,日夜駄文を垂れ流していながら,このようにアクセスを頂けることが,私のブログ更新の心の支えである。それにしてもありがたい限りであり,感謝の念にたえない。

いつまで続くかはわからないが,できるだけブログの毎日更新は維持していきたいと思っている。しかし,最近海外出張が多くてブログ更新が結構辛いのも事実であるが,それでもなんとか頑張っていきたいと思っている。音楽系の記事が少ないのはそのせいもあるのだが,そこは映画ネタや,珍道中日記でカバーしていきたい。

いずれにしても,読者の皆さま,お仲間の皆さま,こんなしょうもないブログですが,これからもよろしくお願い致します。

出張中に見た映画(09/09編:その4)

Mw 「MW」('09,アミューズ)

監督:岩本仁志

出演:玉木宏、山田孝之、石橋凌、石田ゆり子、鶴見辰吾

手塚治虫のストーリーをベースに映画化されたものだそうである。その割に、この話の暗さは何なんだ?と文句をつけたくなるような作品である。手塚がこんな話を本当に描いたのかと思いたくなるような、残忍な描写も多数の映画で、かなり後味は悪い。

それにしても、山田孝之の役は本当に損な役回りで、もう少しキャラクターを立てるような脚本を書いてあげるのが筋ではないかと思ってしまった。山田もどうせなら出演する映画を選べよと言いたくなってしまった。手塚の原作ではもっとえげつない設定だったらしいから、まぁそれも仕方ないかという話はあるが、なんだかねぇ。

玉木宏としては、確実に従来のキャラを打ち破る感じを出しているからいいのだろうが、やっぱりこれはストーリーからして変である。だいたい、彼の演じる結城がなんで銀行員なのかも、どうしてあのように手際よく犯罪が展開できるのかも全く分からないし、ラスト・シーンに至っては呆れてものも言えないという感じなのである。シナリオ無視で、それなりに映像だけで見せるって悪しきハリウッド映画の物まねみたいで気持ち悪いこと甚だしい。

ということで、見ていても気持ち悪いし、後味も悪く、こういうのは飛行機のエンタテインメントに選んではダメでしょうと、キャリアを叱りたくなってしまった。星★☆。でも原作はもっと過激だったらしいから、なんじゃそりゃって思うのは私だけではあるまい。

2009年9月21日 (月)

出張中に見た映画(09/09編:その3)

Star_trek 「スター・トレック(Star Trek)」('09,米,Paramount)

監督:J.J. Abrams

出演:Chris Pine, Zachary Quinto, Leonard Nimoy, Eric Bana

実はこの映画も劇場に見に行きたいなぁと思いつつ見逃していたので、これはラッキーと思ってしまった映画である。もともと私はスター・トレック・シリーズのファンってことはないのだが、衛星放送で「宇宙大作戦」が放送されているとつい見てしまうクチではある。これも昨日取り上げたX-MENと一緒で、シリーズの前日談ということになるのだが、出ている役者陣がその後のキャストを想起させる造形であることが非常に面白いと思ってしまった。なるほど、なるほどって感じなのである。その点は私の中で、非常に印象が強く、それはプラスに評価していいポイントである。

その一方でありえないパラドックスが出てきて、これって反則じゃんと言いたくなったのも事実であり、これはどうしても、ネガティブな評価とならざるをえず、私としてはかなりアンビバレントな印象が強い。

しかし、映像的にはよくできているし、元祖「宇宙大作戦」へのリスペクトも十分感じられるので、この番組のファンには受けがいいのではないかと思わせる出来である。ということで、いろいろ見てみても、アメリカのオーディエンスからの受けは結構良いようである。それでも、私のようにそんなに思い入れのない人間にはなんだかなぁというところがどうしても気になってしまうのである。ということも含めて星★★★☆。

それよりも何よりも、なんでここにWinona Ryderがと思ったのはきっと私だけではないと思う...。存在感がないわけではないが、ちょっとこの役は微妙であった。

2009年9月20日 (日)

MOONKSを批判する

出張から日本へ戻ってきたと思ったら,いきなり敵対的な主題である。

MOONKSについてどれだけの人が知っているかはわからない。市井の音楽好きがそのイニシャルを合成してできた音楽鑑賞集団である。はじめに言っておくが私は彼らの音楽観を否定するものではないし,いろんな音楽をよくご存知で,かつそこまで収集する時間的,金銭的余裕があるのは大したもんだということは認めざるをえない。

しかしである。最近の彼ら(あるいはその一部)の活動を見ていると,彼らが推奨する音楽が必ずしも普遍的な魅力を持っていないということはわかるし,ほかに聞くべきアルバムがあったとしても,それが彼ら(MOONKS)の耳に適わなければ無視されるというようなことがあるのではないかと思わせるのである。

音楽鑑賞なんて所詮個人の趣味の問題である。最終的にはいい悪いは自分で判断すればいい問題である。私は信頼すべきお知り合いの言葉には耳を傾けるが,某輸入盤ショップや某ジャズ喫茶と結託したような最近の彼らMOONKS(その中でも特定のイニシャル'O'という人物)のスタイルやメンタリティは,本質的にVenusレーベルと何ら変わりないとしか思えない。更に極論すれば,珍奇なアルバムを見つけてきては日本で独占販売をして注目を浴びる澤野商会とも同じである。

私は元来,MOONKSと深いかかわりを持つであろう寺島靖国が嫌いだったし,結局寺島の店に集うMOONKSも所詮は寺島と同じメンタリティだと思ってきた。そうした前提が正しいとしても,音楽を聞く場合のスタンスとしては,音楽はジャズだけではないし,珍盤を保有していることは別に自慢になることではないというぐらいの考え方は可能である。私から見れば寺島は結局押し付けがましいだけのオッサンに過ぎないが,最近では寺島だけでなく,MOONKSや彼らに媚を売るDUというショップに対しても不快感をおぼえているのはきっと私だけではないはずだ。

よしんば,今後MOONKSが使命感を持ってジャズという音楽を啓蒙すべくガイドブックを作らんとしているならば,それはそれで認めないわけではない。しかし,そこでは,ちゃんとベーシックな部分を押さえて話をするべきではないのか。MOONKSを信じれば,本来通るべき道を通らずとも,ジャズ,あるいは付随する音楽がわかったような気分になっている輩がいても不思議はない。しかし,それが私からすれば極めて不健康なのである。

音楽を聞くに際しては,まずは自らの審美眼を信じよと自分には言い聞かせてきた。それで足りなければ,信頼するに足る仲間を見つければよいと感じる今日この頃である。私が大学入学当初,ジャズ鑑賞系サークルに偵察(理念が合えば入ろうと思っていた)に行ったときに,自分はJim Hallが好きだと言った時の,上級生の反応を見て失望した経験がある。ジャズはColtraneを聞かなければならないという話ではないし,ギタリストならWesでなくてもいいはずだ。今はだいぶ変化したとはいえ,少なくとも30年前の私にとってはそういう価値観だったのである。人それぞれの価値観をゆがめることはできないし,人から押し付けられるべきものでもない。それを認められない彼らに私は失望を覚えたのである。

そうした経験を踏まえて言いたい。おい,MOONKS,くやしかったらSJ誌上でVenusレーベルや澤野商会をこてんぱんに叩きのめしてみればいいのだ。その上で君たちがVenusレーベルを評価するのだったら,あんたらの耳は節穴だし,そうでなければ真っ当である可能性もある。あんたたちは,それこそ珍しいアルバムを扱うのこそ自分の仕事と思っているかもしれないが,どんなに耳が優れていたとしても,人間としての節度が不足しているのだ。換言すればやり過ぎなのだ。

こんな記事にまっとうに反論されるとは思わんが,言わずにおけぬこともあるということで,随分と熱くなってしまった。いずれにしても海外のオペレーションは難しいよねと思わざるをえないこの一週間であったことの反動かもしれないが,我ながら過激である。

2009年9月19日 (土)

出張中に見た映画(09/09編:その2)

Xmen 「ウルヴァリン:X-MEN Zero(X-Men Origins: Wolverine)」('09,米,FOX)

監督:Gavin Hood

出演:Hugh Jackman, Liev Schreiber, Danny Huston, Will i Am, Linn Collins

日本では公開真っ最中のこの映画も機内エンタテインメントで見てしまった。そもそも原作がマンガなので、堅苦しいことを言うのは野暮であるという前提で見た。これはX-MENの前日談ということになるが、へぇ~、そういうことなのということでそれなりに楽しんでしまったが、これもいろいろ文句の付けようはある作品である。

なんでHugh Jackmanの兄Victorを演じるLiev Schreiberが凶暴化するのかもさっぱりわからんまま話は進むし、ストーリーもなんでやねんなところが多くて、やっぱりマンガだと思わせる。終盤近くのバトル・シーンなんて、あそこでやらなくてもいいでしょ、って感じだしねぇ。まぁそれでもHugh Jackmanはカッコいいし、ファンの人にとってはいいんだろうなぁ。しかし、私は機内エンタテインメントでなければ、絶対見ることはないだろうと思わせる程度のお粗末な脚本である。これまでのX-MENでやめといてもよかったんじゃない?と思わず言いたくなってしまった私である。これまでのシリーズの方がまだましだったということで星★★。

2009年9月18日 (金)

出張中に見た映画(09/09編:その1)

Photo 「天使と悪魔(Angels And Demons)」('09,米,Columbia)

監督:Ron Howard

出演:Tom Hanks, Ewan McGregor, Ayelet Zurer, Stellan Skarsgard

まだ出張は続いているが、まずはご報告ということで記事にしてしまおう。相変わらずの映画シリーズである。

この映画は「ダビンチ・コード」の続編として、今年結構話題になった作品である。私も公開時、見に行こうと思っていたのだが、結局行きそこなっていたので、今回の機内エンタテインメント採用ははっきり言って嬉しかった。そもそも私は昔(「コクーン」の頃である)からRon Howardを結構高く評価していたので、まぁおかしな映画は作らないだろうと思っていたのだが、この作品もサスペンスフルな展開が結構楽しめる作品だったと思う。

しかしである。私はこの作品はあまり評価できないと思ってしまったのは、ドンデン返しが面白くないということもあるが、そもそものストーリーに無理があり過ぎである。これはRon HowardのせいというよりもDan Brownの原作に問題があると言わざるを得ない。ある意味、SFチックな内容とヴァチカンがそもそも結びつかないし、Conclaveそのものを題材の一つとすることにカトリック信者の顰蹙を買うこと必定だからである。それはカトリックの信者でない私でもそんなことはわかるわ。

よって、映像としては金も掛っているし、豪勢な造りなのでそれなりに面白く見られるのだが、結局のところストーリーに無理があり過ぎて最終的には冷めてしまうのである。しかも日本のように必ずしもキリスト教徒が主流でない場合、この映画を見てどういう反応を示すのか心配になってしまうのである。まぁある意味で宗教界の保守主義を強く批判しているとも思えるということでは評価してもいいと思うのだが、それでもやっぱりこのストーリーには無理があり過ぎである。ということで星★★★が精一杯である。それなりには面白いとしても、これは私には評価できない類の映画なのである。

2009年9月17日 (木)

出張はつらいよ(09/09編:その3)

今回もアムステルダムで機材故障により、マドリッドへの出発が5時間以上遅れてしまった。仕方ないこととは言え、やはり辛い。待ち時間は飲んだくれる以外ないし。

次のロンドンへの移動は順調に行ってほしいなぁ。ということで今回も無風では終わらぬ出張である。

出張に移動は付き物であるから、飛行機の遅延はよくある話である。以前、SFの空港で10時間足止めを喰らったり、同時多発テロ後で警戒が厳重だった頃は、飛行機に乗り遅れたことも何度もある。いつになっても,出張はつらいのである。

2009年9月16日 (水)

出張はつらいよ(09/09編:その2)

夢とうつつの間をさまようとはまさにこのことである。

加齢とともに時差の調整がきつくなっているが、今回は比較的ましにもかかわらず、眠りが何とも浅い。こういうときは本を読むのがいいのだろうが、そういう気力もない。仕事をしようにもネットにつながらないので横になっているしかない。

唯一の救いは音楽だけである。なぜかLars Janssonを聞くと眠りに誘われる私である。今夜も世話になるとしようか。

2009年9月15日 (火)

出張はつらいよ(09/09編:その1)

今年は仕事の関係で欧州出張が多い。今回で3回目である。今回ははじめてアムステルダムを訪問中だが、こちらへ来る飛行機が混み合っていて参ってしまった。

ということで眠れる環境にない私は毎度のごとく映画を見続けた私である。その報告はまた改めてということで。

果たして今回はアムステルダムの街を見ることはできるのか?

2009年9月14日 (月)

小説家としてもいけている西川美和

_book「ゆれる」 西川美和(ポプラ社)

西川美和が撮った映画「ゆれる」については,このブログでも取り上げて結構ほめている(記事はこちら)し,その後の「ディア・ドクター」についても私は絶賛した(こっちの映画の記事はこちら)。よって,基本的に西川美和という人については,映像作家としての評価は高い。そして短編集「きのうの神様」が直木賞候補となるぐらいだから,文壇でも相応の評価を得ていることはわかっていたのだが,「きのうの神様」の前に,「ゆれる」のノベライゼーションをまず読んでみることにした。

映画と小説の前後関係からすれば,映画が先で,小説が出たのは映画の後のことだと思うのだが,これが見事に映画を思い出させるものとなっているのである。私はこの小説を読んでいて,映画のさまざまなシーンが見事によみがえってきたと言っては大げさか?映像と異なり,ここでは登場人物のモノローグという形式を取るものの,「説明的」な感じはほとんどなく,映像の追体験のようになっているのが,やはり映像作家の映像作家たる所以ではないかと感じさせるものである。

映像がフラッシュバックのようによみがえるような印象が強いとは言え,これは小説だけで読んでもかなりいけているとは思う。だが,映画とセットで読むと,更にその面白さが増すように私には感じられた。西川は脚本も兼ねるので,セリフ回しに非常に力を入れているはずだが,そうした点が小説の執筆においても活かされているように思え,どう再構成するのかという楽しみを,映画を見た人間には与えるに違いない。

そもそも脚本がよく書けていたので,ノベライゼーションもそれなりのものにはなるとは思えたが,それでもここまで書ききる実力は,やはりこの人,只者ではない。買ったまま積んどく状態になっていた「きのうの神様」もさっさと読まねば。この小説については映画あってのものと思うので,映画と同様,星★★★★。

2009年9月13日 (日)

中古盤屋の安値王みたいになってしまったPhil Collins

Hits "Hits" Phil Collins(Atlantic)

今や中古盤屋に行って,安値で買えるメジャー・アーチストの代表はPhil CollinsかBabyfaceかという感じである。それだけ売れたという証拠だが手放される数も多いということの裏返しでもあり,このベスト盤も私は300円だか400円だかで買ったはずである。私としてはこんないい曲が揃っていてその値段なら文句はないが,それにしても安い。

Phil CollinsはGenesisというプログレ・バンドにいながら,溢れるばかりのポップ・センスを持っていた人ということで,Genesisも後期はポップ度が急速に増したわけだが,Peter GabrielこそがGenesisだと思っている人には目の敵にされること間違いなしであろう。しかも,出すアルバム,出す曲があんなに売れてはプログレにストイックな人々からは反感を買うのは必定である。

しかし,このベスト・アルバムを聞いていれば,私もちょっとはそうした反感を覚えないわけではないとしても,Collinsのポップ・センスは認めないわけにはいかないのである。どうしてあんなバカテクのドラマーで,著名プログレ・バンドのヴォーカルも兼ねた男が,こんなにもポップになれるのか?「多重人格か?」と疑いたくなっても仕方がない。まぁ,でもこのアルバムを聞けば,ベテランは懐かしく,若い人でも聞いたことがあるって感じの曲ばかりではないだろうか。"Against All Odds"とか"One More Night"なんていいもんねぇ。もちろん,ドラマーとしての腕も聞けるわけだが,Hugh Padghamがプロデュースすると途端にデジタル臭~い音になって私のようにCollinsをドラマーとして評価する人間は冷めてしまうのも事実である。

ただ,私はCollinsの声をあまり魅力的だと思っていない人間なので,ドラマーに専念したBrand Xの初期作とこうしたポップ作のどちらが好きかと聞かれれば,躊躇なく前者だと言ってしまう。声に関しては,Genesisで歌っている時はあまり気にならなかったのだが,ソロでは大して魅力を感じなくなってしまうから不思議である。まぁ,これははっきり言って好みの問題ではあるが,そうは言いながらも,稀代のヒット・メーカーの一人だったということは認めなければなるまい。今でもたまに聞いて懐かしく思っているのだから,これはこれで存在意義はあると思っている。星★★★☆。

ちなみにCollinsは演奏活動からの引退を宣言したそうである。確かに再結成Genesisのときに声が出ていないとこのブログにも書いたから(記事はこちら),それはヴォーカリストとしては賢明な判断だったかもしれない。でもドラマーとしてならまだまだいけそうなのだが...。

尚,参加メンバーは多岐に渡るのでここは割愛するが,見事なPhil Collins人脈勢揃いである。

2009年9月12日 (土)

私はKraftwerkが「嫌い」だった...

Kraftwerk"The Mix" Kraftwerk(Elektra)

主題のとおりである。私はある時期までKraftwerkの何がいいのかさっぱりわからなくて,はっきり言って毛嫌いしていたと言っても過言ではない。とは言え,全く聞いていなかったわけではなく,"Autobahn"はLPでも買っている。でも,本当に何がいいのか以前はわからなかったのである。

しかし,そんな私が明確にKraftwerk好きになってしまったのは,このアルバムを在米中に買ってからだろう。このアルバムは91年という私の在米ど真ん中のような時期に発売されたKraftwerkのベスト盤と言ってもよい作品であるが,NYCで聞いたこのアルバムが私には突然のように心地よいものに感じられてしまったのである。それは聞く音楽の幅が広がったこともあるかもしれないが,彼らによって提示されるビートが,緊張感あふれるNYC(当時はまだまだ危険な街だったのである)では私にとって非常に心地よいものに感じられたのではないかと思う。私はそれこそ,かなりの頻度でこのアルバムをNYCのアパートメントで聞いていたが,それから20年近くを経過した今でもその感覚は不変である。それって実は凄いことではないのか。

私が思うにKraftwerkがやっている音楽は全然古びないのである。よって,時間が経ってもどんどん新しいファンが生まれているとは言わずとも,今でもちゃんとアルバムが出れば買いまっせ,ライブやるなら行きまっせというファンが多いのではないかと思う。今回,このアルバムを久しぶりに聞いても,私が感じたのはノスタルジーではなく,鋭い同時代性であった。テクノのような音楽ジャンルにおいてはやっぱりそれは凄いことである。

私がJan Lundgrenの"European Standards"について記事を書いたとき(記事はこちら),ブログのお知り合い,crissさんがその記事におけるKraftwerkの記述に鋭く反応して下さったし,これまたブログのお知り合いであるEVAさんが"The Man Machine"を取り上げられているのを見て,特定世代以上には確実にKraftwerkは機能し続けていると確信した。しかし,そうした私の反応もこのアルバムを聞いていなかったらなかったかもしれないと思うと,改めて感謝したくなるようなアルバムである。とにかく今聞いても無茶苦茶楽しい。私はこのアルバム以降に出たKraftwerkのアルバムやDVDは全部買っている。人間,変われば変わるのである。Kraftwerkへの感謝も込めて星★★★★★。さぁ,皆で"DENTAKU"を歌おう!

と,ここまで書いてきたら,Kraftwerkの作品群がデジタル・リマスターされて再発されるそうである。全作を格納したボックスも出るらしい。う~む,気になる。しかし,財布が買うのを許すまい。ここは我慢,我慢。

Kraftwerk Are: Ralf Hütter, Florian Schneider, Fritz Hilpert

2009年9月11日 (金)

Al Foster:中古で拾ったナイスなアルバム

Brandyn"Brandyn" Al Foster (Laika)

これもまとめ買いディスカウント付き大量仕入れでゲットした1枚であるが,こういうのを拾えると思わず嬉しくなる。これはAl Fosterが96年にオランダで吹き込んだアルバムであるが,私の本盤購入の狙いがChris Potterであったことは言うまでもない。

Al Fosterと言えば,Milesバンドということになってしまうのだろうが,私は彼のドラミングがMilesのファンクに合致していたか実は疑問を感じていて,あまりいいと思ったことはないとまず告白してしまおう。Al Fosterの本質はMilesのバックでファンク/ロック・ビートをたたいている時より,Dave Liebmanとやった"Pendulum"やQUESTの第1作なんかでのストレートなジャズ演奏の方がずっと真っ当だと思っていた。そういう意味では私はAl Fosterの追っかけでもなんでもないし,Milesのところでの記憶が強過ぎて,どちらかと言うとあまり興味を持てなかったというのが実態なのである。

しかし,このアルバムは,異様に素晴らしい録音(この記事はPCでアルバムを聞きながら書いているが,それでもわかる音の良さ!)とも相俟って,非常に優れたモダン・ジャズ演奏となっているではないか。先日もChris Potterの"Lift"に関して「知らぬこととはいえ...」なんて書いた(記事はこちら)ばかりであるが,私の知らないところに優れた演奏は更にころがっていることを強く感じさせられてしまったアルバムである。

このアルバムのよいところは,リーダーを除けば録音当時は決してメジャーとは言えなかったメンツで,これだけの演奏が出来てしまうということである。Potterはソプラノも結構吹いているが,モーダルなアプローチでも何でもOKなところを示しているし,Dave Kikoskiのフレージングも立派。この実力は大したものである。Potterのオリジナル"Amsterdam Blues"はまさしくPotter的おかしなメロディ・ラインで思わず嬉しくなってしまうしなぁ。中古で拾ったお買い得感を含めて星★★★★★を謹呈してしまおう。結局,これは私の好みにばっちり合致してしまったということである。やはりアメリカ・ジャズは侮ってはならないと痛感させられる一作。これはよい。

それにしても,私が今回購入したCDには"Distributed by Rough Trade"なんて書いてある。あのRaugh Tradeレーベル(Ulmerの"Are You Glad to Be in America?"やThe Pop Groupをリリースした会社でっせ)がこんなストレートなジャズ・アルバムを配給していたとは意外である。しかし,どれだけ売れたのやら...。かく言う私もジャケだけだったら買わないという判断をしていただろうな。買ってよかった~。だから中古盤漁りはやめられないのである。

Recorded on October 14, 1996

Personnel: Al Foster(ds), Chris Potter(ts, ss), Dave Kikoski(p), Doug Weiss(b)

2009年9月10日 (木)

Lars Jansson(あるいは欧州ジャズ)の多様性が楽しめるライブ盤

At_ease"At Ease: Live in Tokyo at Body & Soul" Lars Jansson / Yasuhito Mori / Anders Kjellberg (Spice of Life)

最近,あまり新譜ネタについて書いていないのは,期待のHolland閣下~Chris Potter入りのライブ盤がデリバリーされないことや,ECMのニュー・アルバム群も,某ショップでは入荷済みなのに,某サイトでネット注文したものは届く気配がないためである。しかし,それも悪いことばかりではなく,その間に先日まとめ買いディスカウント付きで大量仕入れしたアルバム群をせっせと聞くことができるのはいいことである。今回のお題はLars Janssonである。

私が真っ当にLars Janssonを聞き始めてからそんなに時間は経っていないが,出来にばらつきはあれども,平均点は非常に高いピアニストであり,そういう意味では私にとってはEnrico Pieranunziの次に期待値が高い欧州系ピアニストと言ってもよい。このアルバムは2001年のスカンジナビアン・コネクションの折のライブ盤だが,これもきっちり期待に応えているではないか。冒頭のタイトル・トラックからして繊細なLars節が聞ける。

だが,私の短いLars Janssonリスナーとしてのキャリアだけでもわかることだが,この人,繊細なだけの人ではない。そのことは本作でも2曲目の"Live Be Where You Are"を聞いても明らかである。こうした激しい曲調でもこなせてしまうのがこの人の特性である。もちろん,日本の多くのリスナーとしては美的で繊細なLarsのピアノの方が好まれるであろうが,こうした点も含みおきながら彼のアルバムを聞くと,よりLarsのピアノが楽しめるのではないかと思えるのである。この曲においてはAnders Kjellbergもバックで激しく煽っておりびっくりしてしまうが,この間口の広さが前提としてあって,欧州ジャズは生まれているのだということを再認識させられるのである。5曲目"Just Being"のドラミングも欧州ジャズの印象を覆すに十分。いやいや大したものである。

本作は,「酒バラ」と森泰人のオリジナル"Momo"を除いて,Janssonのオリジナルだが,彼のファンには結構お馴染みの曲が揃っていると思われる(私が全部知っているというわけではないが...)。そういう点からしても,Lars Janssonファンにはきっと受けもいいだろうなぁと思ってしまった。もちろん,十分な知識を持たない私にとってもこれは結構好きなアルバムである。でもやっぱり"Witnessing"や"Hope"でずっぽしJanssonの世界にはまりたいというのが実は本音である。星★★★★。だからと言って,ジャケを見るだけで引いてしまう"Witnessing"には永久に手を出さないのではないかと思う私である。

Recorded Live at Body & Soul, Tokyo on June 1 & 2, 2001

Personnel: Lars Jansson(p), 森泰人(b), Anders Kjellberg(ds)

2009年9月 9日 (水)

緊急告知:例のサイトが復活!

巷では(と言ってもごく一部だが)有名なブート音源の宝庫のとあるWebサイト(敢えて名を秘す)は,原因不明ながらずっとアクセスできない状態が続いていたのだが,今晩ためしにアクセスしてみたら,おぉっ,復活しているではないか。またじっくりダウンロードしなきゃ。好き者の皆さんもどうぞ。でもアクセスし過ぎて,再度アクセス不能になっても知りません。

Ralph TownerとPaolo Fresuのデュオ・ツアーが気になる

Towner_fresu2ECMのWebサイトを見ていたら,何とRalph TownerとPaolo Fresuのデュオ・ツアーの告知が出ている。10/22~25の期間,ドイツのマンハイムにおいてECM40周年記念フェスティバルが開催されるのだが,その中で10/24深夜にこの二人のデュオ・コンサートが開催されると書いてある。く~っ,これは気になる。私は近々ドイツに出張することになっているが,この時期に重ねて行きたい!等と不謹慎なことを考えてしまった。既に画像もアップされているぐらいだから,この二人,既に共演をしているようだが,日本じゃ考えられないだけにこれは見てみたい。どうせならレコーディングも熱望しておきたい(もうしているかも)。

ほかにもこのフェスティバルではTerje Rypdal/Miroslav Vitous/Gerald Cleaverのトリオとか,Enrico Rava "New York Days" Project with Mark Turner, Stefano Bollani, Larry Grenadier and Jeff Ballardなんてのもあるしなぁ。John Abercrombie QuartetやGismontiも出るってんだから,マンハイムの人々が羨ましい。しかもTowner/Fresuのデュオは16ユーロって...。

やっぱりドイツはECMの本国なのだなぁと強く思ってしまった。

2009年9月 8日 (火)

ゴールデン・スランバーの映画化について思う

Photo伊坂幸太郎の「ゴールデン・スランバー」はありえないプロットはともかく,ストーリーとしては手に汗握る感覚があって,読んでいる最中はこれは一級のエンタテインメントだと思った。これが映画化されて来年早々に公開されることが決まっている。

しかし,この物語を映画化するとなると,結構ハードルが高いのではないかと思えてしまう。脚本は監督の中村義洋が兼ねるようだが,この映画は脚本の出来次第で面白くもなれば,つまらなくもなる代表的な作品ではないかと思う。

ただ,どうなのかねぇ。主人公,青柳の昔の彼女である樋口晴子を演じるのが竹内結子ってのはどうなんだろうか。どうもこのキャスティングには疑問を感じる私である。私は竹内結子のことが嫌いなのではない。イメージが違うのである。まぁそれが私の思い込みであればいいと思うが...。原作は大変面白い小説だったので,多分映画も見に行くことになろうが,最近の日本映画は出てくる役者が同じようなものが多くて,日本の役者不足は深刻なんではないかと思いたくなってしまう。

いずれにしても,この映画の成否を握るのは脚本であることは間違いないだろう。

2009年9月 7日 (月)

After Hoursシリーズの第1弾:Bob Rockwell

Bob_rockwell"After Hours" Bob Rockwell(Go Jazz)

何だかんだと言ってこのAfter Hoursシリーズをこのブログで取り上げるのもこれで4枚目である。これもまとめ買い大量仕入れ盤の一枚だが,実はこのシリーズの第1弾がこのBob Rockwellだったのである。意外のような,そうでもないような...。Thad Jones / Mel Lewis Orchestra出身ながら,現在コペンハーゲン在住の彼がなぜこうしたシリーズにフィーチャーされたのかについては明確な理由がある。このシリーズがレコーディングされているのはミネアポリスおよびセント・ポール界隈であるが,ミネアポリスはこのRockwellが育った場所であり,これはまぁ里帰りセッションみたいなものなのである。

このシリーズの常としてバックはBilly PetersonとKenny Horstであるが,このアルバムについてはピアノが参加している。ここでピアノを弾いているのがDavid Hazeltineである。Hazeltineもこのシリーズでレコーディングしているはずだが,私はまだそのアルバムを見たことがない。まぁそれはさておき,Hazeltineの参加がこのアルバムの魅力を増す要素となったことは間違いない。

毎度おなじみ午前2時~5時の間に録音されているこのアルバム,リラクゼーションたっぷりであるから,これまた酒の友にはよさそうなアルバムである。それでもRockwellやHazeltineのオリジナルも入っていて,お気楽なAfter Hoursになっていないのは評価してよいと思う。ラストの"So in Love"なんてしっかりやっているし。しかし,このアルバムには欠点もある。5曲目の"Relaxin' at Camarillo"だけ録音時期が違うとともに,ピアニストも違っていて,Rockwellのテナーは風呂場のようなエコーが掛っているわで,雰囲気をぶち壊すこと甚だしい。こんなもん1曲を入れること自体を蛇足というのである。これがなければもう少し評価したものを。ということで半星は確実に損をして,星★★★☆。収録時間に余裕があるから入れたのかもしれないが,それはサービス精神が旺盛だったとも言える一方で,まったく美学を感じさせなくなってしまったのは誠に残念。

Recorded in 1987 & 1985("Relaxin at Camarillo" only)

Personnel: Bob Rockwell(ts, ss), David Hazeltine(p), Billy Peterson(b), Kenny Horst(ds), Bobby Peterson(p on "Relaxin at Carillo" only)

2009年9月 6日 (日)

いかにもConcordレーベルらしいアルバムだが,出来は大したことなし。

Pete_minger_2 "Look to the Sky" Pete Minger Quartet (Concord)

これもまとめ買いディスカウント付き大量仕入れ盤の一枚である。ラッパのワンホーンで,スタンダードを吹いているし,Concordだから大はずれはないだろうということで購入したものである。

Pete Mingerという人は全く知らなかったが,Count Basieのところにいた人らしい。また,ラッパの腕は陸軍バンドで日本に滞在していた頃に上げたとのことである。このアルバムを聞いたときはそういう予備知識なしで聞いたのだが,いかにもConcordらしいというか,気楽に聞けるスインガーである。一方ではそれだけだって話にもなってしまうわけで,結構このアルバムは評価が難しい。私にとっては冒頭の"The Masquarade Is Over"のような中間派的な演奏よりも,2曲目の"The Night Has a Thousand Eyes"のようなよりリズムが明確な演奏の方がこの人に合っているのではないかと思ったのだが,その一方でParkerの"Moose the Mooche"のような曲が合うとも思えず,やはり微妙である。

この人はラッパが結構リリカルな部分も感じさせるので,モダン・スイングとバップの中間的なところがあるのかなぁと思ったが,それにしてもちょいとこの演奏は印象が薄い。まぁこういうのは肩ひじ張らず,酒でも飲みながら聞いてりゃいいかって感じの演奏と言えるだろう。それがConcordというレーベルの良さかもしれないが。星★★★。

ところでPete Mingerは2000年に亡くなっているのだが,そのキャリアは結構興味深い。Basieのバンドを退団してからマイアミ大学で音楽の学位を取って,その後はそこで教鞭をとったとのことである。何がそういう行動に彼を駆り立てたのかはわからないが,人生勉強だよなぁというのは,最近年をとってつくづく感じる。というか,若いときにもっとちゃんと勉強しておきゃよかったと思う今日この頃である。娘にこういう話をするとうざったいと思われてるんだろうなぁ。全くの余談になってしまった。

Recorded on August 24 & 25, 1992

Personnel: Pete Minger(fl-h, tp), John Campbell(p), Kiyoshi Kitagawa(b), Ben Riley(ds)


2009年9月 5日 (土)

追悼,Chris Conner

This_is_chrisChris Connerが亡くなったそうである。亡くなったのは8/29のことだそうだが,がんとの闘病の末,81歳での逝去である。

私はジャズ・ヴォーカルの熱心な聞き手ではないが,それでもChrisのアルバムは数少ないながらも持っている。"This Is Chris"とMaynard Fargusonとやった"Double Exposure"がそれだが,この人の魅力はそのこれぞジャズ・ヴォーカルとも言うべきスモーキーな声と,J.J.Johnson/Kai WindingやMaynardのようなバリバリのソロイストを向こうに回しても,決して負けることがないジャズ的なパワーとセンスだったと思う。

こんな雰囲気のあるジャケットはなかなかないとも言える"This Is Chris"のイメージをアップして,Chrisの業績を称えるとともに,ご冥福を祈りたい。R.I.P.

20世紀少年:冗長にしてとっ散らかった印象の最終作

20「20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗」('09,東宝)

監督:堤幸彦

出演:唐沢寿明,豊川悦司,常盤貴子,香川照之,平愛梨,藤木直人,石塚英彦,宮迫博之,佐々木蔵之介,山寺宏一,高橋幸宏,石橋蓮司,中村嘉葎雄,黒木瞳

私はこの映画の第1作と第2作を海外出張の飛行機の中で見て,まぁ3本目は劇場に行くか等と以前書いた(記事はこちら)ことがある。その宣言通り,今回劇場に足を運んだわけだが,これが全く何というかとにかく冗長であり,シナリオは未整理,かつ無理やり話を決着させましたという感覚が強い。脚本の長崎尚志は「自分で脚本を書いておきながら、ラストシーンで泣きました。第1章、第2章とものすごくたくさんの伏線を敷いてきましたが、最後の10分間で『こうだったのか!』とわかって頂けます」 なんて語っているようだが,私にとってはちゃんちゃらおかしい。こういうのをナルシズムと言うのである。

以前の記事でも書いたとおり,原作は長大なコミックスらしいから,それを3本とは言え,8時間程度に集約することには無理があるのではないかと思う。特に,このストーリーは極めて荒唐無稽であるが,どこにシナリオの力点を置くかによって,大きく感覚が異なってくるはずである。この第3作などはストーリーの骨格をどこに置きたいのやらさっぱりわからない。とにかく登場人物が多いので,シナリオの出来が映画の出来を決めてしまう部分があるにもかかわらず,それが全くなっていないのだからどうしようもない。

この映画,珍しいのはシアターの入口に「エンド・ロールの後にもストーリーがあるので,明りがつくまでお席でご覧下さい」とかなんとかいう案内板が立っていたことである。私は映画製作に携わった人への敬意を表する意味も込めて,決してエンド・ロールの最中に席を立つことはないが,席を立つ人は勝手に立っているのだから,そんな案内を立てること自体,私は野暮に感じる。あくまでも自己責任ではないのか。観客からのクレームに対応するための措置とは言え,どうもこういうのも気に入らない。そしてそこで描かれるのがタイム・パラドックスの世界なのだから何じゃそりゃという気にもなってしまう。

第2作で凛とした姿で可愛かった平愛梨も本作では印象が薄くなってしまったしなぁ。唐沢寿明を持ち上げるためには仕方ないかもしれないが,それでもねぇ。ライブのシーンなんて,本当にあれだけの時間を割く必要があったのかも大いに疑問。ということで星★。原作読んでりゃ違う感慨もあるかもしれないが,あいにく私は一切マンガ,劇画の類は読まないので。前2作はまだまともだと思ったが,本作はとにかくとっ散らかった印象しかない駄作。期待した私がバカでした。

2009年9月 4日 (金)

中古で発見:Bergonzi対Hal Galper(その2)

Galper"Let' Call This That" Hal Galper Quintet (Double Time)

先日,このブログでHal GalperとJerry Bergonziの共演作についてがっくりきたと書いた(記事はこちら)ばかりだが,それに懲りずまたまた中古でお二方の共演作を見つけてきた(これも大量購入の中の一枚である)。もちろん,前回が???な出来と言ってよいものだったし,メンツもほぼ一緒なので,今回かなり躊躇したのは事実である。しかし,BergonziとTim Hagansのフロントっていうのも興味深かったし,まとめ買いのディスカウント込みで1,000円しないような値段だったので購入と相成った。

結果は,演奏としてはこっちの方がずっと楽しいものであった。なんてたって,Bergonziの吹きっぷりがよく,私は圧倒的にこちらを支持したい。収録されているのはどちらかというとマイナーなジャズ・オリジナル。2曲提供しているRon Millerというのはマイアミ大学の教授で作曲家だそうである。そのほかが,Sam Riversだ,Jacki Byardだ,David Friesenだと何とも変わったセレクションではある。最後のBud PowellとParkerがなければ,まさに何のこっちゃって感じではある。

それでも曲の素材がどうこうは別にして,私にとってはプレイヤーのアドリブを楽しめばいいのだというのが,このアルバムではないかと思う。特にBergonziのテナーを聞きたいと言う人にとっても,これなら結構満足がいくのではないかと思う。Tim Hagansは自身のアルバムではドラムンベースでの演奏も聞かせるとんがりミュージシャンだと思っていたが,ここでのソロは真っ当なハード・バッパーのそれなので,安心してよい。クインテットとしての演奏としても大きな破綻は感じられず(Galperのソロが危なっかしく聞こえる部分はあるが...),やはりここはBergonziが聞きものになってしまうのが,ファンの弱みか。星★★★☆。

それにしてもどこにでもいそうなおっさんのポートレートと言ってよいこのジャケットでは購買意欲が普通なら全く湧かないなぁ。

Recored on February 24, 1999

Personnel: Hal Galper(p), Jerry Bergonzi(ts), Tim Hagans(tp), Jeff Johnson(b), Steve Ellington(ds)

2009年9月 3日 (木)

Lee KonitzのAfter Hoursはやっぱり渋い

Konitz_after_hours"After Hours" Lee Konitz (Go Jazz)

このブログでも以前,同じシリーズのBill Carrothers,Bob Malachのアルバムを取り上げたことがある。Ben Sidran主宰のGo Jazzから出たシリーズ第7弾は何とLee Konitzだった。これも先日のセールまとめ買い大量購入の折に見つけたものだが,あまり見かけないアルバム(と言っても,そんな高値でなくネットでは手に入るが...)という点と,曲につられて買ってみた。基本的にはスタンダードをピアノレスでやっているのだが,Konitzだけに吹きっぷりが気になったからである。

聞いてもらえばわかるとおり,どこから聞いてもKonitzらしい演奏である。私はKonitzのファンというわけではないので,彼の音源は大して聞いているわけではない。しかし,Brad Mehldau~Charlie Hadenと組んだ2枚:"Alone Together"と"Another Shade of Blue"が渋くて好きなので,あの路線でやってくれないかと思っていたのだが,ほぼ「あの」路線の音が聞こえてくるではないか。う~む。これはよい。

このアルバムはミネソタ州セント・ポール(ミネアポリスとのツイン・シティとして知られる綺麗な町である)にあるクラブのレギュラー・ギグが終わった後に,ごく限られた聴衆を前に演奏が行われた時のドキュメントである。Konitzはこの時の演奏を気に入って,「レコーディングしてればなぁ...」等と言っていたらしく,プロデューサーを兼ねるベースのBilly Petersonから録音されていたことを聞いたKonitzは大喜びしたとの記述がSidranのライナーにあるから,本人としても楽しめたライブだったということになるのだろう。レギュラーの時間がはねた後のミュージシャンは適度にリラックスして,いい演奏を聞かせるというのを,私はNYC時代に体感していたのは事実だが,Lee Konitzも同様ということだろう。このライブは朝5時まで続いたらしいが,録音時はKonitzは73歳だったはずである。このかくしゃくとした演奏は大したものではないか。

Lee Konitzというのは不思議なフレージングを展開する人なので,万人に受ける人ではないと思うし,このアルバムも録音も素晴らしいというわけではないが,それでもKonitzが持つ魅力を十分に認識できることができる隠れた好盤ということができるのではないかと思う。星★★★★。見つけたら買っても損はしないが,癖はあるので,念のため。例えば変だが,私にとってはここでのKonitzは酒が進む珍味って感じかなぁ。これで中古でも1,000円なら文句はない。

Recorded Live at the Artists' Quarter in St. Paul on January 12, 2001

Personnel: Lee Konitz(as), Billy Peterson(b), Kenny Horst(ds)

2009年9月 2日 (水)

豪華メンツによるJam & Blues!!

James_carter"Heaven on Earth Live at the Blue Note" James Carter / John Medeski / Chritian McBride / Adam Rogers / Joey Baron (Half Note)

プチ・オールスターズと言ってもよい,ちょいと地味目ながら豪華な(表現が変だが...)メンツである。注目はCarterとMedeskiが共演するとどういうことになってしまうのかということであるが,これはジャム・バンド系サウンドとブルーズがミックスしたアルバムであり,そういう意味ではこの両者ならではって感じの音になっている。

冒頭の"Diminishing"を聞いてDjango Reinhardt作だとわかるリスナーがどれぐらいいるかと思わせるほど,ジャム・バンドになっているのは笑わせてくれるが,いかにもという素材である。演奏もこのリズムにほんまに合っているんかいなと思わせるぐらいジャム・バンド的であるが,さすが実力者,器用にこなしているではないか。これはなかなか強烈ながら楽しいと思わせるオープナーである。

しかし,オルガン入りのCarterと言えば,"Out of Nowhere"というまっ黒けなアルバムがあり,そこでは相当ブルージーな演奏を聞かせていたので,ジャム系だけでは済むまいと思ったら案の定である。3曲目の"Street of Dreams"は"On Broadway"を思わせるCarterのソロで始まるが,その後のブルーズ・フィーリング溢れる演奏を聞けば,Carterの本質は泥臭いブルーズにあるのではないかと思わせる。そうした感覚は5曲の"Blue Leo"も同じだが,バリトンの方が泥臭さが増していて,私はこっちの方が好みかもしれない。途中からの盛り上げ方もいいしねぇ。そういうCarterだから,この2曲に挟まれた"Infiniment"でボサノバ・リズムで演奏すると,どうも違和感があるのは否めないが,ここでも暑苦しいCarterが聞ける。

しかし,そんな感覚も最後のLarry Young作のタイトル・トラックで盛り上がれば,雲散霧消である。これぞジャム・バンドとでも言うべき盛り上がり大会である。まぁ曲が曲だから当たり前だって話もあるが,それでもこれは燃えるねぇ。

このアルバム,文句をつけようと思えば,いくらでもつけられるが,ここはこのメンツによる演奏を難しいことを考えずに楽しめばいいのではないかと思わせる一作。加えて言うならば,Adam Rogersのソロがかなりいけていて,私は彼に対する評価を間違えていたのではないかと思いたくなってしまった。反省。星★★★★。

Recorded Live at the Blue Note on May 8 & 9, 2009

Personnel: James Carter(ts, bs, ss), John Medeski(org), Christian McBride(b),  Adam Rogers(g), Joey Baron(ds)

P.S. ブログのお知り合い,crissさんからTBを頂いているのだが,crissさんのFC2 Blogとココログの相性が悪く,お互いにTBが届かない状態が続いているので,crissさんの記事のURLを貼り付けておく。しかし,なんでやねん。

http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-465.html

2009年9月 1日 (火)

穐吉敏子との出会い

Photo 「塩銀杏(Salted Gingko Nuts)」 穐吉敏子~Lew Tabackin Big Band(Insights)

これもまとめ買いセールで買ったものだが,実は私にとっては懐かしいアルバムである。このアルバムは発売当時,私はリアルタイムでLPを買っているのだが,タイトル・トラックのハード・ドライビングな演奏に驚かされた記憶がある。よって,私はその当時,LPのB面ばかり聞いていたはずである。

当時は彼らのビッグバンドは国内外での評価も非常に高く,バンド・メンバーも素晴らしいものである。ある意味この時期がこのビッグバンドのピークにあったと言っても過言ではないのではないか。実のところ,穐吉敏子がその後ニューヨークに居を移してから,バンドとしての勢いが低下したのではないかと私は思っているぐらいなのである。しかし,このアルバムを初めて聞いたときのインパクトは強かった。それなかりせば,おそらくこのアルバムを聞いていなかったら,私はその後Gary FosterやBobby Shewを今ほど評価していなかった可能性が高い。

オープニングがフルート・アンサンブルで入るミディアム・スローの"Elusive Dream"というのがそもそも渋いが,ここで聞かれるFosterのソロ,そして高揚感を増していくバンドのサウンドが素晴らしい。というより,正直に言ってしまえば,まだまだジャズを聞き始めたそれほど時間が経っていない頃の私がこのアルバムの全体としての魅力を理解していたかはちょっと疑問の部分もあるが,それでも発売から約30年が経過した今,このアルバムを久々に聞いて,更にはいろんなジャズに触れてきて,これはやはり優れたアルバムだったと思わせる演奏だ。それに続く"Lazy Day"も渋くも優れた演奏なのだが,やはり私にとってこのアルバムは3曲目のハード・ドライビングなバンド・アンサンブルが聞ける"Chasing after Love"や4曲目のタイトル・トラックにこそ魅力が凝縮されていると言い切ってしまいたくなる演奏である。"Chasing"のLew Tabackinのテナーなんて燃えてしまうし(テナー+リズムになる瞬間なんて特にそうだ),「塩銀杏」でのトロンボーンのチェイスを聞いて,ますます燃えてしまうのである。

こうした演奏を聞いていると,穐吉敏子がリスナー/オーディエンスの期待に応えるツボを熟知していて,それにずっぽりはまっているだけのような気もしてくるのだが,それでもこの2曲には異常に燃える私である。ただ,この2曲,LPだとA/B面をひっくり返すことで,一応休息が取れるが,CDだと連続となってしまって,おなか一杯感が強くなる部分はある。曲順を変えたらもっと良く感じるのかもしれないなぁとも思いつつ,それでもまぁこれは凄いわ。その後,またまた渋い"Time Stream"を挟んで,シャッフル・リズムが楽しい"Son of Road Time"まで,全6曲,40数分があっという間に去っていった。

穐吉敏子の優れた作編曲能力に,優れたプレイヤーが加われば,これぐらいのアルバムはできてしまうのかもしれないが,それにしてもやっぱりこれはいいわ。温故知新もたまにはよいものである。星★★★★☆。

Recorded on November 15 & 16, 1978

Personnel: 穐吉敏子(p), Lew Tabackin(ts, fl), Steven Huffsteter(tp), BObby Shew(tp), Mike Price(tp), Larry Ford(tp), Bill Reichenbach(tb), Randy Aldcroft(tb), Rick Culver(tb), Phil Teele(b-tb), Gary Foster(as), Dick Spencer(as), Tom Peterson(ts), Bill Byrne(bs), Mike Richmond(b), Peter Donald(ds)

笑ってしまった衆議院選

結果は予想通りであるから,別に感慨はない。しかし,4年前の郵政選挙とほぼ逆の結果となった自民党は惨めである。ポピュリズムの小泉により勝った反動は大きかったということだろうが,今回,比例復活で生き残ったのがロートル中心では解党的出直しなんて無理なんじゃないのと皮肉の一つも言いたくなる。そもそもこれだけ大敗しておいて,100人そこそこでは派閥も意味がないなんて発言している輩もいるようだから,何をかいわんやである。頭の構造が硬直化していると言わざるをえまい。まぁ下野している間にせいぜい悔い改めることである(というか,私はかなりのリベラルなので,ずっと自民党にはずっと野党でいればいいのだと思っているが...)。

そんな中で,今回何よりも笑ってしまったのが「おおつかたくくん」の落選である。そもそも前回,比例東京ブロックで自民党大勝に救われて当選したようなこのボンボンが,落下傘候補で小選挙区から出馬するということ自体馬鹿げている(よって,4万票以上の大差で敗北である)が,そもそもこの男,前回の参議院選挙で私が泡沫候補と揶揄(記事はこちら)しながらも,奇跡的に当選してしまった「まるかわたまよくん」と結婚した御仁である。職場恋愛を否定するわけではないが,この二人,特に嫁のまるかわくんはどうにも節操がなく見えるのは私だけではあるまい。今回もまるかわくんは選挙期間中,夫を助けるべく土下座三昧だったとの噂も漏れ聞こえてくる(自分の選挙でも土下座しまくっていたらしいから,むべなるかなという感じである)が,夫を助けようとする美徳は認めるものの,そもそも「おまえは男を見つけるために国会議員をやっとんのかっ!」と思われても仕方ないような行動パターンの御方である。そうしたメンタリティを見てしまえば,どんなに土下座しようが,選挙民は清き一票を投じる気にもならんわ。恋愛は自由だが,自分のことを考える前に国家のため,国政における働きを示そうとするのが,まともな政治家,人間の考えることであり,そうした意味でそもそもまともではないのである。ということで,この妻にしてこの夫あり,あるいはVice Versaであるから落選は当然だ。

まぁ今後,当面の間,民主党がろくでもないエラーをしない限りは,次回まるかわくんが出馬するであろう2013年の参議院通常選挙では彼女も落選間違いなしだろうと言っておこう。東京都民は二度まるかわくんに騙されるほど馬鹿ではないと信じたい。

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