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2009年8月18日 (火)

不安は杞憂に過ぎなかった:Hersch Plays Jobim

Hersch_plays_jobim"Fred Hersch Plays Jobim" Fred Hersch(Sunnyside)

このアルバム発売の告知を見たとき,Fred HerschとAntonio Carlos Jobimの曲の相性について,実はどうなんだろうと疑問を感じていたのが正直なところである。よって,このアルバムがデリバリーされて,初めて聴くときに一体どのような演奏なのかと若干不安だった私である。しかし,一聴して,何ともHerschらしい演奏が展開されていて,私は嬉しくなってしまった。

この演奏を聞いて,どこがJobim集なのだと言う方もいることは否めないだろうし,こうした演奏に違和感をおぼえる人がいても,それも不思議ではない。ここではほとんどの曲が,あくまでもHerschの演奏の素材として機能しており,一般的なボサノバ,あるいはブラジル音楽集としての趣はほとんどないからである。Herschもライナーで自ら次のように語っている。

"As a pianist - - and not a Brazilian - - I have attempted to retain the essence of the Jobim's music while filtering it through my own perspective."

まさしくその通りである。これはあくまでもHerschによる解釈,インタープリテーションの世界なのだ。私のようなHerschのファンはこれで大いに結構。よりリアルなブラジル音楽を聞きたければ,本家やほかのアルバムを聞けばいいだけの話であり,Herschがどのように演奏するかこそが,注目のポイントだったわけだから。"Desafinado"のように,ある程度リズミックに,ボサノバっぽく演奏される曲もあるものの,大方はHerschの美学によって,変容を遂げたJobimの曲が聞けるアルバムである。

これはある意味,予想を大きく覆されたと言ってもよいが,演奏に驚かされるとともに,やっぱり私はHerschのハーモニーの感覚や奏法が相当に好きなのだということを再認識させられてしまった。多少贔屓目もあるが,星★★★★☆。でもこんな演奏を好きだと言ってしまったら,「だからあんたはネクラと言われるのだ」という声が飛んできそうである。だからと言って,一向に気にするつもりはないが。やはりFred Herschはいいのである。Herschファンなら,怖がらずに入手すべき好盤。尚,パーカッションは6曲目のみの参加。

Personnel: Fred Hersch(p), Jamey Haddad(perc)

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コメント

いやいや、、これはわたくし的には、奇数ナンバーだけでも良いです。
つうか、、そうに編集しちゃおうかなぁ。。
ハーシュに怒られるかなぁ。。
奇数ナンバーだけなら、きっと、一生これだけ聴いていたでしょう。。(大嘘)
好きなんだなぁ。。こういう世界。。

って、トラバしました。

すずっくさん,こんにちは。TBありがとうございます。

なるほどねぇ。奇数曲かぁ。そう言えばそうかもしれない。

すずっくさんは「深海魚」なんておっしゃっていますが,その感覚よくわかります~。深海魚≒ネクラ≒私って感じですねぇ。また言っちゃった。

こちらからもTBさせて頂きます。

>なるほどねぇ。奇数曲かぁ。そう言えばそうかもしれない。

うんうん。
もう、こうなると抜けられない世界だよねぇ。。
あぁ。。社会復帰のために、、偶数曲があるのかもねぇ。。

すずっくさん,こんばんは。

「もう、こうなると抜けられない世界だよねぇ。。」

はい。その通りです。ずっぽしはまって決して逃れることはできません。Herschの音楽に出会えたのは幸せなことだったと思っていますので,それも決して悪いことではありません。

なるほど。ネクラですか。。(笑)
私は通常のブラジル、ボサも大好きなのですが、このハーシュの演奏も見事だと思います。
何をやっても自分のカラーを出す、それはアーティストだから。聞き手に合わせる演奏じゃなく、自分の解釈、独自のその人じゃないとできないもの。
何を求めるかで評価が変わりますね。ネクラ、深海魚、というのはそれだけその世界に深く潜っていける、ということだと思いますよ。私自身は時々、それがしんどくなってミーハーなところに行きます(苦笑)
TBさせてください。

madameさん,おはようございます。TBありがとうございます。

私もブラジル音楽は結構好きなのですが,このHerschの個性の出しっぷりは見事でした。

もちろん,私もミーハー路線を突っ走ることもありますが,時としてこうした「沈み込む」ような音楽が聞きたくなるのも事実ですよね。

こんばんは。
私はトロイので、ようやく今頃これを聴きました。というか、夏頃聴いてピンとこなかったのですが、初アラレの今日はビンビン痺れました。
TBさせて頂きます。

kenさん,こんばんは。このアルバムは確かに夏に聞くにはちょっとグルーミーな感じがします。

今ぐらいの季節が合うJobim集ってなかなかないですが,それがスタイリストとしてのHerschらしいでしょうね。

ところで,TBが入っていないようです。リトライをお願いします。

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