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2009年8月16日 (日)

Astor Piazzolla:哀愁あふれるメロディ・ラインにやられる

La_camorra"La Camorra" Astor Piazzolla (American Clave/Nonesuch)

このブログで,Piazzolaの"Tango: Zero Hour"を取り上げたのが今年の6月のことであった(記事はこちら)が,同アルバムが物凄い緊張感に溢れたアルバムであった。

このアルバムは"Tango: Zero Hour"の2年後に吹き込まれたものだが,メンバーは全く同じ,プロデューサーもKip Hanrahanのままなのだが,雰囲気がだいぶ違っており,
こちらのアルバムは哀愁に満ちたメロディ・ラインを聞かせるものになっていると言えばいいだろうか。冒頭の"Soledad"から静謐な出だしで,映画音楽のようにさえ感じさせる。どちらが好きとは言えないのだが,"Tango: Zero Hour"は緊張感が強過ぎてしょっちゅう聞く気にはなれないのに比べれば,このアルバムの方がまだ気楽に聞けそうに思えるようなものである。

だが,Piazzollaの透徹な音楽はここでも健在であり,決してのんべんだらりとした音楽だと言っているのではない。あくまでも"Tango: Zero Hour"と比べれば気楽に聞けるというだけであって,音楽のレベルはここでも極めて高く,タンゴという音楽が奥行きが深く,芸術性に満ちた音楽であるということを再認識させられる一枚である。組曲で演奏されるタイトル・トラック"La Camorra"なんて哀愁だけではなく,ちゃんと激しさも持ち合わせている。

いずれにしてもこのNew Tango Quintetというバンドは,タンゴという音楽を確実に新しい次元にまで引き上げたものと思うが,それにしてもである。Piazzolla恐るべし。美しくも,切なく,心を刺激する音楽である。星★★★★☆。私は"Tango: Zero Hour"には5つ星をつけたのだが,両作の比較としてトータルで見ればこちらを半星落とさざるをえないとは言え,あくまでPiazzollaの音楽としての比較であり,通常なら5つ星でも全然かまわないと思えそうな素晴らしい作品なので,念のため。

ただ,正直言って,この2作のどっちから聞くのがいいのかはよくわからない。こっちから聞いた方が次も聞きたいと思う人は多いのではないかと思う。それぐらい"Tango: Zero Hour"はテンションが高過ぎるとも感じられると言っては言い過ぎか。

Recorded in May 1988

Personnel: Astor Piazzolla(bandneon), Pablo Ziegler(p), Fernando Suarez Paz(vln), Horacio Malvicino Sr.(g), Hector Console(b)

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