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2009年5月 6日 (水)

コレクターはつらいよ(6):でもこういうのなら大歓迎だ

Allen_toussaint "The Bright Mississippi" Allen Toussaint(Nonesuch)

毎度おなじみ「(Brad Mehldauの)コレクターはつらいよ」である。このアルバム,Brad Mehldauは"Winin' Boy Blues"1曲のみの客演であり,こういうアルバムは全然興味がないアルバムだったら,本当にコレクター泣かせということになるのだが,このアルバムは違う。これならBrad Mehldauが参加していなくても間違いなく購入していたからである。

このアルバムは,最近,プロデューサーとして傑作を次々とものにしているJoe Henryがニューオリンズあるいはクラシック・ジャズ及びブルースの現代における再構成を図るべく制作したアルバムである。私がCDショップをうろついていて,Joshua Redmanが客演した"Day Dream"が聞こえてきて,何だこれはと思うぐらいいい演奏で,またその次の"Long, Long Journey"の真正ブルースの感覚が素晴らしく,これだけでも買いだったのである。そこに加えてMehldauが参加ということで,すかさずネットで注文した私だった。

Joe Henryと言えば,Brad MehldauはHenryの傑作"Scar"(実はここでのOrnette Colemanが素晴らしいのだ!)にも客演したことがあり,Henry関連のアルバムへの参加は想定外ではなかったが,これもあやうく見逃すところであった。あぶない,あぶない。

最近のJoe Henryのプロデュース作は米国のルーツ・ミュージックをさまざまな角度で再検証しようという姿勢が顕著なように思える。ほぼ同時期に発売されたHenryプロデュースによるRamblin' Jack Elliotの新作(これも素晴らしいのでさっさと記事にせねば...)も同様の感覚が強い。このアルバムが今までにないのは前掲の"Long, Long Journey"を除いて全編インストで構成されているということであるが,しかし,参加メンバーの素晴らしさも相俟ってこれが素晴らしい出来である。この演奏を聞いていると,彼らのルーツ・ミュージックに対するリスペクトが強く感じられるのである。私とてジャズはモダン以降の指向が強いが,それでもこの感覚を現代に蘇らせられたこのサウンドは思わず傾聴してしまったのである。

このアルバムの聴きどころはAllen Toussaintのピアノにあるという考え方もあるだろうが,それでも私としてはJoe Henryのプロデュースと音楽再構築への取り組みをより評価したいと思う。もちろん,Toussaintのピアノもヴォーカルも渋さの極致だが...。ということで星★★★★★。

それでも尚,全体のサウンドとしてはクラシック(オールド・ジャズという意味である)な響きが強いので,果たしてこの音楽が日本のリスナーに受け入れられ,どの程度のセールスが期待できるのか心配ではあるが,これは間違いなく本年ベスト作品候補とするに値する傑作である。Joe Henry恐るべし。

Recorded March 19-22, 2008

Personnel: Allen Toussaint(p, vo), Don Byron(cl), Nicholas Payton(tp), Marc Ribot(g), David Piltch(b), Jay Bellerose(ds, perc), Brad Mehldau(p), Joshua Redman(ts)

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コメント

☆が五つでしたね。
神様お願いリストに入れておきましょう。。。

すずっくさん,これいいですよ。万人受けするかはわかりませんが,是非。

Brad Mehldauが入っているのもさることながら、こういう盤を目ざとく手に入れているところが素晴らしいです。

私なぞ、年末の1年通じての良いアルバムという情報を持ってようやく購入ですから..
とはいえ、さすがにベストに推挙されるだけあって、なかなか聴き応えのあるアルバムでありました。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,おはようございます。TBありがとうございます。

これは本当に店頭でかかっていたものをたまたま耳にして気になり,よくよくジャケットを見て,Brad Mehldauの参加を認識したというパターンですが,やはりショップには足繁く通うといいこともあるということですね。

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この盤も、さる人からの情報で、昨年のベストに挙げられる作品だよと、聞かされていて購入に走った盤です。 その後、CDジャーナルのベスト(現在発売中)で杉田宏樹さんが挙げられているのを確認しています。 メンツも、ちょっとクセのありそうな気配はありますが、なかなか濃くてそそられます。 allen Toussaint(P)、Don Byron(Cl)、Nicholas Payton(Tp)、Marc Ribot(G)、David Piltch(B)、Jay Bellerose(Da) さらに..... [続きを読む]

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