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2009年5月15日 (金)

Jacob Karlzonも参加したMads Vindingの新作

Mads_vinding "Bubbles & Ballads" Mads Vinding Trio(BRO)

昨日に続いてJocob Karlzonつながりでこのアルバムを取り上げることにしよう。実はこのアルバム,ずいぶん前に入手していたものの,なかなかちゃんと聞く機会に恵まれなかったものである。新譜はもっとタイムリーに聞かねばならないとは思いつつ,時間がそれを許さない場合もある。特に私の場合,音楽鑑賞のかなりの部分が通勤時間に依存していて,特に朝は高揚感を増すような音楽の方が好ましいのだが,このアルバム,いきなり冒頭の"Nefertiti"からダークな雰囲気で始まるから,朝の通勤時間に適しなかったというのも,ちゃんと聞くのに時間がかかってしまった理由である。

それでもってこのアルバムだが,昨日取り上げたJacob Karlzonの"today"と同様,スタンダードを中心にオリジナルを交えるというアルバムでありながら,雰囲気はかなり違う。まぁベーシストのリーダー・アルバムであるから,ベースのソロ・スペースが大きいのは当然であるが,それだけではなさそうである。"All the Things You Are"等を聞いていると,リズムの違いはあれども,ピアノのアプローチはややBrad Mehldau的に聞こえる部分もあるし,Jacob Karlzonのタッチが"today"とかなり違っているように聞こえるのである。"today"が録音されたのは2001年であるから,その間にKarlzonも飛躍したと言ってよいぐらい,私の感覚ではこちらのピアノの方がよい。せっかくここまでいいのだから,主メロはピアノに弾かせればいいと思うが(特に「おもいでの夏」なんてそうだ),Ron Carterじゃないんだからと思いつつ,そこで旋律を弾いてしまうのがミュージシャンの「性」かもしれない。それでもVindingのベースの音はそれほど抵抗なく受け入れられる音で録れているからよしとするが,私ならこうはプロデュースするまい。かつ,ベースのミキシング・レベルをもう少し下げるだろう。ここではMads自らがミキシング,マスタリングも行っているので,仕方はないが...。

それでも,音はかなりいいし,演奏も心地よい。タイトルのように"Ballads"系の曲が多いのは仕方ないとしても,このメンツのもう少しハード・ドライビングな演奏も聞いてみたいとも思うが,それはないものねだりか。Karlzonのバラードにおけるタッチは繊細で美しいが,Jacob KarlzonはPeter Asplundのアルバムでは新主流派的なところも聞かせていたから,そういう路線でもいい演奏ができそうな気がするのである。Madsのオリジナル"Flat Blues"はややそれっぽいが,いかんせん曲が今イチである。

Karlzonにも文句がないわけではない。"On Green Dolphin Street"のような曲ではKarlzonはもう少し音に連続性を持たせた,流れるような弾き方をした方がいいだろう。私がこの曲が好きだからということもあるが,フレージングはさておき,音と音のつなぎの表現には改善の余地があるようにも感じられる。いずれにしても,この演奏はベストとは言えない。

また,このアルバム,"Footprints"のあとに"Misty"をやるなんていう不思議な感覚の選曲もあり,そのあたりは???な部分はあるものの,全編で3者の連動した演奏は楽しめる。しかし,次はプロデューサーをMadsがやるのではなく,別の人間に任せることで,3者のコラボレーション・レベルを引き上げれば,更によいアルバムが生まれる可能性が高いと期待しておこう。それでも,こういうタイプのピアノ・トリオ好きが聞いたら,間違いなく気に入るだろう。凡百の「エバンス派」とは違うところがよいのである。星★★★☆。

Peronnel: Mads Vinding(b), Jacob Karlzon(p), Morten Lund(ds)

P.S. ブログのお知り合い、crissさんからTBを頂いているのだが、ブログ間の相性が悪いため、こちらに届かないので、crissさんの記事のURLを貼り付けさせて頂く。

http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-496.html

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コメント

トラバしまァす。

メルドウ度があがってるって、わたくしも思います。
メルドウって、時代の顔なんですね。やっぱ、凄い人なのよね。

でね。。一番、、へぇ。。って、思ったとこと。

>せっかくここまでいいのだから,主メロはピアノに弾かせればいいと思うが(特に「おもいでの夏」なんてそうだ)

う〜〜ん、、中年音楽狂さまからでてくる言葉としては、、ちょっと意外だったかな。
コード楽器であるピアノの方が多彩なアプローチが出来るのは当然なのですが、基本的に単音でメロディ勝負するベースがテーマとる1音入魂スタイルも好きですけどねぇ。。
メンバーつうか周りも音数抑えることになりますので、、、緊張感あったりするけどなぁ。。
ベースがテーマメロディ、、って、そんなに嫌なモンですかネ?
ダニエルソンで慣れすぎてるかな。(爆)

すずっくさん、こんにちは。

私の感覚ではMehldauみたいというのをフレージングなんかに感じました。MehldauもやれEvansだ、Keithだと言われたのは今は昔。他者への影響を感じさせるに至ったのは、コレクターとしては感慨深いですね。

ところでベースの旋律弾きに関しては、私のRon Carter嫌いによるものです。やり過ぎなければ問題ないですが、一枚のアルバムで何曲もやらないで欲しいというところです。

このアルバムは許容範囲ですが、「おもいでの夏」は曲が好きなだけに厳しくなりました。私は結構頭が固いんです〜(苦笑)。

Jacob Karlzonここのところずいぶん聴きました。
確かにオリジナリティがあります。好みの問題はまた別ですね。
TBさせていただきます。

monakaさん,こんにちは。

私にとってはKarlzonは注目すべき存在ですが,全部いいかと言われれば,そんなことはないですね。私も追っかけってほどではないですが,取捨選択はきっちりしたいと思います。

この盤と、"In Our Own Sweet Away"と立て続けに聴きましたが、
もしかしたら、自分がMads Vindingを過剰評価しているのかもと、
そんな気がしてきました。

この盤も、もう1つの盤も「悪くはないんだけど..」と
「ど..」がオマケについてきてるところが。。。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんばんは。

Mads Vindingって悪くはないですけど,じゃあ凄くいいかというと,必ずしも...って感じですよね。"The Kingdom"が良過ぎたっていうのもありますが。

ただ,私もCarsten Dahl盤は買いましたが,あれもピンと来ませんでした。まぁ今後に期待しましょう。

中年音楽狂さん、今晩わ。
ワルシャワ出張、御苦労さまです。睡眠不足なのにわざわざコメントいただき、ありがとうございます。

今日、日中に一回、先ほど二回目のTBをしました。成功しているでしょうか?

ヴィンディングって、おっしゃるように悪くはないけど、個性はないし、ずば抜けたテクニックもないですよね。

若い時から真面目だけがとりえで、堅実に仕事をこなしてきたら、いつのまにか上にいた連中がみんな亡くなり、いつのまにか偉いポジションにすわっていた、なんていうような人ではないでしょうか。

カールテン・ダールのやつは僕もだめです。録音も堅いし。

crissさん、おはようございます。ロンドンの朝を迎えました。

TBは届いていないようですので、URLを貼り付けておきますね。

Vindingはまぁそういうことかもしれません。"Flight to Denmark"あたりはDuke Jordanの配下でよかったんでしょうが、リーダー向きではないのかもしれませんね。

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