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2009年4月 6日 (月)

Tony Williamsはこのアルバムで何をしたかったのだろう?

Tony_williams "The Joy of Flying" Tony Williams(Columbia)

昔から気にはなっていたが,買わなかったアルバムっていうのは私に限らず皆さんにもあるのではないかと思うのだが,本作などは私にとってその最たる一枚と言ってもよいかもしれない。購入意欲をそそらないジャケット,メンツからすれば基本はフュージョンのはずなのに,Cecil Taylorとのデュオが最後に入っているという事実。でも聞いてみないとわからないのだが,やっぱり不安。ということで,ずっと買わないで過ごしたきたこのアルバムを,LPで発売されてからほぼ30年を経て,中古(紙ジャケCD)でゲットである。

それにしてもわけのわからないジャケットである。白頭鷲は米国の国鳥であるが,それがなんでドラム・スティックを握っとらなあかんねんと突っ込みたくなるものである。また,イラストが何ともシャビーなので,何じゃこりゃとなるのが人情と言うものである。まずこれで減点。

次に演奏であるが,Tonyっていろいろできるのねぇとこの段階でリスナーを感心させなくても,Tony Williamsの実力はみんなわかっていたはずである。しかも冒頭のJan Hammerとのデュオは何なのだろう?タムの連打がTonyぽいよなぁと感じさせても,こんな凡百のドラマーでも叩けそうなロック・ビートを聞かせて何が面白いのか?これだったら,Jeff BeckのアルバムでJan Hammerが叩いているドラムスと何が違うのかと言いたい。スピード感もないし,全く面白くない。

George Benson参加曲はBensonのソロが聞かせるし,Hancock参加曲はHancockらしいフレーズに微笑んでいればいいのだが,それでも「何だかなぁ」なのである。私としては懐かしや"Live Under the Sky"の実況で,Ronnie Montroseのギターがいけている"Open Fire"(これは完全なロックであって,ここまで行くと,コンベンショナルなジャズ・ファンはほとんどついていけまい。エア・チェックしたテープはどこに行ったかなぁ)と最後のCecil Taylorのデュオ(こっちは完全にフリー・ジャズだが,丁々発止のやり取りが楽しい)以外はほとんど面白みを感じられなかった。

このアルバムはTony Williamsのセルフ・プロデュース作だが,結局,Tonyが何をしたかったのかよくわからないアルバムというのが妥当な評価である。あまりに総花,あまりにピンボケ。拾遺的に音源を集めただけに過ぎない凡作であり,これでは上記の2曲がいくらよくても星★★が精一杯。やっぱり,このアルバムは買わずにおいた方がよかったのだろうと反省する次第。あ~あ。

Personnel: Tony Williams(ds), Michael Brecker(ts), Tom Scott(lyricon), Jan Hammer(key), Herbie Hancock(key), Brian Auger(key), Cecil Taylor(p), George Benson(g), Ronnie Montrose(g), Stanley Clarke(b), Paul Jackson(b), Mario Cipollina(b), Ralph McDonald(perc) & Others

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ジャズ(2009年の記事)」カテゴリの記事

コメント

こういうアルバムを出したというのは、当時のジャズの衰退をはっきりと表しているような...。私も彼が何をやりたかったんだかよく分りませんでした。曲ごとだとまあ、いいなあ、と思えるものもあったのですが。やはり彼は、ドスドスとジャズをあの感じで叩いてくれるのがいいのだと思います。

TBさせていただきます。

910さん,こんにちは。TBありがとうございます。

曲としては,記事にも書いた通り,Ronnie Montroseとやったもろロックの曲や,Cecil Taylorとのデュオ等は聞きものだとは思えるのですが,アルバムとなるとこれはいけません。まぁ,時代の徒花と捉えるのが適切なんだと思います。

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