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2009年4月25日 (土)

Sean Pennがあまりにも素晴らしい「ミルク」

Milk 「ミルク("Milk")」('08,米,Focus Features)

監督:Gas Van Sant

出演:Sean Penn,Emile Hirsch,Josh Brolin,Diego Luna,James Franco,Alison Pill

先頃の第81回アカデミー賞でSean Pennが主演男優賞を獲得し,Dustin Lance Blackがオリジナル脚本賞を受賞した「ミルク」を見た。今回のオスカー・レースでは主演男優賞はMicky Rourkeがカムバック賞込みで本命と言われていたが,下馬評を覆したこのSean Pennの演技は確かに強烈であった。Micky Rourkeには悪いがこんな演技をされては勝ち目はなかろう。

この映画はゲイ社会の権利向上に尽力したHarvey Milk(みずからもゲイである)に関して,かなりリアルに描いているから,見ていて刺激的に感じる人もいるかもしれないが,これはあくまでも人間の権利を描いた政治ドラマであると考えるべきである。この映画は,実話に基づく話なので,当時のニュース映像やドキュメンタリー映像をうまくはめ込んで,時代感をうまく出していて,このあたりの監督,Gas Van Sant演出術には感心させられたが,それでもこの映画はやはり全編写りっぱなしと言ってよいSean Pennを見るための映画と言ってよい。

映画のラスト・シーンで本物のHarvey Milkの映像が出てくるが,私は完全にSean PennとMilkの姿がオーバーラップしてしまったぐらいである。それに加えて,助演陣も実在の人物を演じているのだが,雰囲気をよく出していて感心してしまったのである。確かにゲイを演じるというのは大げさにやればできるのではないかと思わせる節もあるのだが,Sean Pennを筆頭に,彼らの一挙手一投足がそれっぽく見えてしまうのが怖い。

いずれにしても,この映画では保守とリベラルの戦いが描かれているという気がしないでもないが,やたらに出てくる反ホモセクシュアリズムを先導した歌手Anita Bryantは,その後完全に転落の道を歩んだようだ。歌だけ歌っていればよかったものを余計なことをするからこうなるのである。私のような極端な保守主義嫌いにとってはむべなるかなの結末である。いずれにしても映画や音楽関係者にはリベラルな人間が多いが,決して彼女を全否定するような表現になっていないところには救いがある。

ということで,テーマがテーマだけに大きな集客は望めないだろうが,これは間違いなく私にとって記憶に残る一本となった。映画は娯楽だけのものではなく,大きなメッセージ発信の場になるということを実証した一作である。星★★★★★。アメリカ映画の実力,恐るべしである。

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映画」カテゴリの記事

コメント

Toshiyaさん、こんにちは。
わあ!先日、映画の話の続きで、Milkと書かれていたので、何だろう。。と思っていたのですが、ハーヴィー・ミルクのことだったんですね。ここので彼の名前が聞けるとは思っていませんでした。

SFで、SFオペラによるオペラ初演を見ました。恐らく1995年か、96年くらいだったかな。。確か、最後に射殺されてしまうのでしたよね。オペラの演出、内容もとても素晴らしかったのを覚えています。

このミルク氏は、SFでは、本当に有名で、SFゲイ社会にとっては、彼の存在なしに、語れないと言ったところかもしれません。

会場は、ゲイの人で結構埋まっていたように思います。私自身も、ゲイの作曲家の同期生と一緒に見に行ったぐらいです(笑)
ミルク氏は、ゲイ社会の先駆者的存在というのを初めて知りました。

今でこそ同性愛者の結婚なども認められる世の中になったものの、この当時は、偏見そのものだったと思います。

オペラを観て以来、彼の名前を聞いて懐かしく思いました。また、何処かでオペラをやってほしいと思っています。

Laieさん,こんにちは。

Harvey Milkを描いたオペラがあったってのが凄いですねぇ。ゲイへの偏見を排し,権利を勝ち取るために活動した彼の存在なかりせば,今のようにはなっていなかったのかもしれません。

それにしてもオペラが気になりますねぇ。そのときの聴衆ってのも興味深いです。

ウィッス。俺は、ドキュメントとか大好きで、特にこういう何を伝えようとしてるか、軸がぶれずにガシッとしているようなやつは、好きっすね。
大体、音楽やってる奴って変な奴が多くて(俺も含めて)、オカマも多いっすけど(おれは違いますよ。)、決してそういう奴は悪い奴じゃないっす。
俺の先輩にもオカマの人がいて(男が好きな、男)、周りには、キモがられたりしてるけど、俺は何であの人が嫌がられんのかサッパリわかんないっす。だっていい人なんすよホントに。まだこの映画は見てないっすけど、いいクラシックが多数使われてるんで、見に行こうと思ってます。

アラ☆さん,おはようございます。

Harvey Milkの活動以降,ゲイの地位は向上したのは間違いないですが,今でも差別的な対応を受けているのも事実です。しかし,人間の権利は尊重されなければならないと思いますし,たまたまゲイの人は同性を好きになってしまうだけであって,それが罪悪なのかと思います。アラ☆さんの言うように「いい人」なら尚更でしょう。「ストレート」でも悪人はいくらでもいますよねぇ。

この映画の最後の方にMilkと同じタイミングで射殺されたMoscone市長を偲ぶキャンドル・マーチの映像が出てきますが,私はそのシーンを見ていてジーンとしてしまいました。

Toshiyaさん、こんにちは。
SFという都市は、ゲイの人達をとても受け入れやすい環境にしてくれているのだと思います。この映画で紹介されているかどうか分かりませんが、SFの一角に、カストロ地区(ゲイの町で有名です)という所があって、高級住宅街です。

ゲイだからと言っても家賃が高いので、誰しもが住みたくても住めません。ただ、とても治安が良いので、私も何度も行きました。女性のゲイから、度々お誘いを受けたほどです(笑)。

毎年行われるゲイパレードは、世界各国から集まり、パワー全開!です。性的な部分を前に出す団体もあれば、切実に同性愛を訴える団体もあって、色々でした。

当時カストロ地区で結成されているゲイコーラスの演奏会を2度見に行ったことがあります。鳥肌が立ちっ放しの大興奮でした。振り付けからプログラムまで、構成がとても良く出来ていたのを覚えています。
これほどまで、感動したコーラスグループは今までにないほどです。

ミルク氏のオペラでもそうでしたが、途中休憩でトイレに立つ際、通常なら、女性トイレは当たり前のように列を待ちますが、共に、ガラガラ状態で、貸切のような状態になっていました。(出くわしたのは、1,2人ほどです)勿論、男性トイレは、並でない行列でした。

Laieさん,非常にユニークな経験をされているのが羨ましいです。

今回の映画でもカストロ街が出てきました。次にSFに行く機会があったら訪れてみたいと思うのは私だけではないのではないでしょう。そこに映画の力を感じます。

Toshiyaさん こんにちは。

カストロは、治安は良いのですが、初めて行かれる方は、少し刺激が強いかもしれません。

バーは、色々なタイプがあって、スキンヘッド&リーバイスのジーンズを愛好するゲイバー、筋肉メンが集まるバー、弁護士や医者を中心にしたハイソが集まるバー、太った人、痩せた人のゲイコンビのバー、レズビアンの集うバー、など色々ありました。ゲイにも色々な種類があるようです。

個人的に、ゲイの人達は、自分にとっては、無害で問題はないのですが、同性を好むあまり、異性を反差別しているゲイが少なくないように思います。同性権利を認めろ!と言っていながら、異性を受け付けない彼だけの社会を築くのを疑問に思います。

SFの学校でも、ファクルティーの90%以上がゲイでした。男性ゲイ教授は、本当~に女性に態度が冷たかったですね~。

SFゲイコーラスのリンクを見つけました。視聴も少し出来るようです。
https://www.sfgmc.org/index.shtml

関係ありませんが、カストロへは、自然化粧品のお店があって、良く立寄っていました。


Laieさん,おはようございます。

確かに興味本位で行ってはならないのかもしれませんが,どの辺にあるかだけは把握したいですね。ちなみに私がよく行くのはNorth Beach界隈,Telegraph HillとBuena Vista Restaurantぐらいですが。

彼らの異性への反応は逆差別というよりも,どちらかというと受け入れられない嫌悪感っていうのがあるのではないかと思いますが,いずれにしてもすべての人が平等,対等でなければ彼らの権利向上もないはずですよね。

コーラスはサイトを覗かせて頂きます。

Toshiyaさん、こんにちは。

昨日、DVD特価コーナーがあって、どれでも一枚8ユーロ。更に、4枚買えば、3枚分の価格で買えるとあって、主人と2枚づつ選び4枚購入しました。

最初に目に入ったのが、ミルクでした。迷わず手にしました♪ オリンピックも適当に見ようかと思っていますが、早速、ミルクはこの週末にでも見ようと思います。

感想は、また、改めまして、お知らせ致します。。。

さっ、これから、雪掻きをしなくちゃ。

Laieさん,こんにちは。是非ここでのSean Pennの激演をご覧下さい。この人の演技力,本当に半端ではありません。

映画のテーマは決して軽いものではありませんが,きっとお楽しみ頂けると思います。明日からパリに2泊4日の弾丸出張で参ります。疲れますねぇ。2泊の場合,行きと帰りでキャビン・アテンダントが一緒なんですよね。あれって結構照れ臭いところもあります...。

Toshiyaさん、こんにちは。

先ほど見終わり、コメントの記事を読ませて頂きました。実話ということもあって、娯楽的要素は、期待していなかったものの、最初の出だしから30分くらいまでは、スローに感じました。

カストロ劇場の看板や、路線電車、ミュニのバス停などが出てきた時は、懐かしかったです。ゲイパレードも懐かしい~。

感心したのは、スピーチのシーン。あの大勢のエキストラを集めるだけでも大変なことだと思います。それから、70年代の古さを上手に演出していたとこです。実際のフィルムを映画に中に、違和感なく上手に
取り込んでいたことに感心しました。

実際のハーベー氏とペン氏ですが、そっくりでしたね。映画を見終わって、エクストラも少し見てみましたが、ハーベー氏は、ゲイ社会の改革者で、ゲイの人達にとっては、ヒーロー的存在なんだな、とつくづく実感しました。

ペン氏が、この作品で、アカデミーの主演男優賞を受賞したのですね。今、主人から、マドンナなの元旦那さんと聞いてビックリしているところです。

パリへ2日のご出張ですか!日本からだとかなりの強行になりますね。どうぞ道中お気をつけて。。機内で、何か良い映画に出会えると良いですね。

Laieさん、おはようございます。

昔のSean Pennは粗暴なイメージしか持てなかったのですが、今は凄い映画人だと思います。アクション俳優から今や巨匠となったClint Eastwoodに相通じるものを感じます。

飛行機では今回は何本見られるかわかりません。実は仕事の準備が終わってないので(爆)。

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