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2009年3月22日 (日)

動と静の絶妙なブレンド

Branford "Metamorphosen" Branford Marsalis Quartet(Marsalis Music)

先日Jeff Wattsの新譜が出たときに,それが結構よかったものだから(記事はこちら),本作への期待が高まると書いた。私は現在のBranfordのバンドはジャズ界では現代最強のレギュラー・バンドの一つだと思っているので,彼らが期待を裏切ることはまず考えられないのだが,これまたぞくぞくするような出来のアルバムを届けてくれた。

このアルバムはMonk作の"Rhythm-a-Ning"とW.C. Handy作の日本盤のボーナス・トラックを除き,バンド・メンバーによるオリジナルで占められている(Branford作は1曲のみで最も少ない)が,私は曲そのものは記憶に残る感じではなく,その出来はあまり感心できなかったものの,それを帳消しにする演奏の素晴らしさや録音のよさは認めなければならないだろう。

冒頭の"Return of the Jitney Man"はWattsのオリジナルだが,前述のWattsの新作の冒頭も飾っていたものである。発売タイミングの近い2枚のアルバムが,同じ曲で始まるというのも結構珍しいのではないかと思うが,本作のこの曲も強烈である。これが動とすれば,2曲目のCalderazzoのオリジナル"The Blossom of Parting"はクラシカルな響きが強く,静のイメージである。このアルバムはこうした動と静がブレンドしながら進んでいき,勢いだけではなく,落ち着きも兼ね備えていて,よくプロデュースされていると思う。でもやっぱり,私としては奔馬のごとき勢いのよさってのが,彼らの特性には合っているとは思うが...。

いずれにしても,私にとっては,このアルバムは現代ジャズの最高峰と言ってよいレベルの「演奏」を楽しむべきものということになる。ここで,Branfordのオリジナルが一番少ないということは,Branfordのバンド・メンバーへの高い信頼の裏返しということも可能であり,このバンドの結びつきはますます強くなっていると考えてもいいかもしれない。曲には文句は言いつつも,大いに楽しめた一枚である。星★★★★☆。ちなみにタイトルは「変容」だが,彼らはそんなに「変容」しているわけではない。「なんでやねんっ!」と思わず突っ込みを入れたくなってしまった。

Recorded in August, 2008

Personnel: Branford Marsalis(ts, ss), Joey Calderazzo(p), Eric Revis(b), Jeff "Tain" Watts(ds)

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コメント

このアルバム、やっと聴きましたけど、私の中でもけっこうポイント高いです。素材よりもそれを料理する腕前がかなり良い感じで、それがオリジナルばかりなのに、印象深く聴ける要因なのかな、と思いました。鉄壁のクァルテットのメンバーだと思います。

TBさせていただきます。

910さん,こんにちは。コメント,TBありがとうございます。

「素材よりもそれを料理する腕前がかなり良い」というのはよくわかります。これで素材(曲)がよければ,私はもっと高く評価していました。しかし,この4人のコンビネーションは抜群だと思います。更なる進化を期待したいですよね。

こちらからもTBさせて頂きます。

中年音楽狂さん、こんにちは,monakaです。
実に実力がそろったアルバムですね。
モンクの曲とかアルトの曲ね、フレーズとインプロに対しての集中がかんじられて、ここら変が変容のように思います。
TBさせていただきます。

monakaさん,こんばんは。

私は変容を見出せませんでしたが,monakaさんはさすがです。私なんぞはアルトだと思って聞いていないところが,我ながらいかんなぁと思います。反省してしまいました。TB入っていないようですので,リトライお願いします。

TBさせて頂きます。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

このアルバムのためにメンバーが相当の練習をしたといたるところに書いてありますが、それを実感させるとんでもない演奏が凝縮されていることを充分に感じられました。
ただ、難易度は高めなので聴く人は選ぶんでしょうね。(=演奏の充実度が商業的付加にならない)

oza。さん,こんばんは。コメント,TBありがとうございます。

確かに難易度は高いかもしれませんが,Wyntonほど原理主義的でないところがBranfordのよさですし,クァルテットにこだわりを示して,ジャズの王道を聞かせてくれるという点でも私は評価します。

たまに敷居が高くなるような作品もありますが,これからも不動のメンツで頑張ってほしいものです。

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