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2009年1月14日 (水)

一筋縄ではいかないQuestのスタンダード集

Ny_nites "N.Y. Nites: Standards" Quest (Pan Music)

私はDave Liebman,ひいてはこのQuestというバンドを高く評価しているのだが,Questはそのバンドとしての何ともハイブラウな演奏がとっつきにくさを持っていて,決してメジャーな人気を得ることはないだろうとは思いつつ,できるだけこの人たちの認知度を高めるべく,このブログでも何度か記事を書いてきた。

そのハイブラウなQuestが全編スタンダードを演奏すると聞けば,1stアルバムでの"Softly as in a Morning Sunrise"の素晴らしさを知るリスナーは期待してしまうはずである。その一方で,Questのようなバンドが全曲スタンダードとは,ジャズ初心者をだまして,売上げを伸ばそうとしているのかという下衆な勘繰りも可能(ジャケもそれっぽいしなぁ)なわけだが,演奏を聞いてみれば,全くそんなことはなかった。あくまでもここでのスタンダードは素材に過ぎず,全編にわたってQuestらしい演奏が展開されているのである。換言すれば,一聴した感覚で,すぐに一筋縄でいかないあなぁと思わされるから,曲目につられて買ってしまったジャズ初心者は,こういうアルバムを中古盤屋に売り払う羽目に陥るのではないか。そういう意味では罪作りなアルバムとも言える。

私はQuestの音楽には馴染みがある方だから,スタンダードをここで聞かれるように崩されても,「おぉっ,そうくるか~」っていう感じの反応をしてしまうが,やはりこの曲目では普通の人は「なんじゃ,こりゃ???」と思うのが普通だろう。このアルバム,国内盤も出たことがあるはずだが,このアルバムが日本のマーケットでどれだけ売れて,どれだけ中古盤市場に売却されたか興味深いところではある。

肝心の演奏のことを全然書いていないが,少なくともQuestファンは絶対に楽しめる。何てたって,Ivan Linsの"The  Island"のメロディ・ラインをMcClureのベースに弾かせるというところからして普通ではない。でもそれがいいのだ。"You and the Night and the Music"だって,ムーディな感覚なんて何もない。くずしの美学と言うか何と言うか,とにもかくにもハイブラウなのだ,この人たちは。久しぶりに聞いてよかったので,ちょいと甘いが星★★★★☆。

しかし,それにしても,表も裏もジャケットのRon McClureの名前のスペルが間違っている(Ron McLureになっている)とは公式盤にもかかわらず,何とも情けない。さすがラテン系のフランスのレーベルと言っては皮肉が過ぎるだろうか。

Recorded on March 21 & 22, 1988

Personnel: Dave Liebman(ss), Richie Beirach(p), Ron McClure(b), Billy Hart(ds), Tom Beter(perc)

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コメント

リーブマンあるいはクエストって、実は結構マーケティングしてるっていうか、ありていにいえば、世の中に媚びてると思うんですよねえ。スタンダード集やら、(リーブマン単独だけど)ウェストサイドストーリーやら、コルトレーン特集やら、What it isみたいなフュージョンやら、それぞれ結構ちゃんと企画して制作してる。何にも考えないでダラダラアルバム作る某リーブマンの隣で吹いてたテナー吹きとは真逆ですね。

でも、考えすぎちゃうのか、照れがあるのか、やっぱりどうにかして自分なりの個性を出さないといかんというミュージシャンシップが働いてしまうのか、結果として出てきたものは世の中と微妙にずれてる感じがする。多分、このアルバムも当人たちは大真面目で初心者狙いで企画して失敗した事例なんでしょう(笑)。まあ、それが一部マニアの琴線に触れるわけなんですが。

私的には、あまり企画考えないで、いつもやってることをやってる最近のやつ(Redemptionでしたっけ)のほうが素直でいいと思いますが、このアルバムもそれはそれで楽しめますよね。相当ひねくれた鑑賞手法だとは思いますが。

やぎさん,久々のコメントどうも。さすが「何にも考えないでダラダラアルバム作る某リーブマンの隣で吹いてたテナー吹き(?,この人じゃない?)」研究で一部の話題をかっさらっただけに,視点がユニークですなぁ。

ちなみにLiebmanが世の中に媚びているのかどうかは別にして,Liebmanの多作ぶりにはついていけない部分はありますねぇ。それが企画なのか,やりたいことをそのまんまやっているだけのかはよくわかりませんが,マーケがしっかりしていれば,もっと売れるような...。

ところで,新潟遠征は準備万端でしょうか?最近は遠征ってよりも,ホームですかね?

リーブマンの企画集?(これも持ってるけど)一番聞くのは、ヴィックジュリスがいるクラシックバラードってヤツ。
ギタートリオダモン。(爆)
フワフワウネウネソプラノとギターは気持ちいい。。でも、暫く聞いてないな。

某テナー吹きはまさにその人です。
確かにリーブマンは多作ですね。璃事長が書いてるCD全く知らないし(相変わらず幅広いな)。

繰り返しになりますが、このひと多作なうえに作品それぞれにいちいち意味をつけようとするからいけないんじゃないかなと思ったりもします。Pendulumは実はただのお気楽セッションだったということが最近判明しましたが、あれは意味づけがないところが良い(笑)。

新潟の準備はこれからです。誰かさんのプレッシャーが怖いです(笑)。

すずっくさん、こんにちは。お返事遅くなりました。

LiebmanとJurisのコンビって結構よかったですよね。そのアルバムは聞いたことないですが…。

確かにウネウネしてて、気持ち悪いという人も多そうですね〜。そんなLiebmanが好きなんてやっぱり私は変態なのかな?(明白?)

やぎさん、

確かにLiebmanって考え過ぎみたいなところがありますね。"Pendulum"の場合、考え過ぎではあのノリの実現は無理だったかも知れませんからよかった、よかった。

今、TB打っているのですが、なかなか入らなくて、また後でトライします。私のところ、これもスパム扱いされてるんじゃないかと、ニフティの対応で、思いましたです。

確かにスタンダードも素材になっていて、それを意表のついた出し方をするというのが、私も好みのところではあります。オリジナルも好きだし、忘れた頃に全然違うレーベルから出たりして、結果息の長いグループになりましたし。

TB後で送ります。

910さん,こんにちは。TBありがとうございます(ちゃんと入っております。お名前が入っていませんでしたので,いつものハンドル・ネームを入れさせて頂きました。

Questってバンドはかなりハイブラウですから,万人受けするとは思えない訳ですが,この手の音が好きなリスナーは実は結構いると思っています。本作も暫く聞いていませんが,改めて聞きたくなる910さんの記事でした。

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