意欲作=傑作とは限らない
"Jazz Italiano Live 2007" Doctor 3
ブログの世界ではこのDoctor 3についてお書きになっている方が多数いらっしゃるが,私には縁のなかったバンドである。しかし,先日書いたGiovanni Tommasoと同じタイミングでこのアルバムを輸入盤屋で発見し,購入したものである。Tommaso盤はメンツ買いだったのだが,このアルバムを買ったのはなぜかというと,その収録曲ゆえである。
このアルバム,なんと大胆にもThe Beatlesの"Sergeant Pepper's Lonely Hearts Club Band"をアルバムごと曲順も同様にアダプテーションしたものなのである。実は私はその理由がありながら,期待と不安が入り混じった感覚を覚えていた。私はBeatlesも好きなので,あのアルバムをピアノ・トリオで演じるとどんなことになるのだろうという気持ちと,曲の印象が強過ぎるから,アダプテーションは無理ではないのかという気持ちが相半ばしていたからである。
結論から言うとこのアルバムは,意欲作であることはわかるが,その意欲が曲の魅力(あるいは単なる力と言ってもよい)を上回ることはできなかったということになると思う。私は世間で言われるほど"Sergeant Pepper's"をアルバム・レベルでは高く評価していない。それは強烈な魅力を放つ曲と,そうでない曲のギャップが大きく,アルバム全体としては???な部分があるからにほかならないが,それでもこれらの曲は私の頭に深くすり込まれてしまっていることは否定できない。それをアダプテーションするならば,それなりの覚悟,あるいはそれなりの取組みが必要なはずだが,彼らの演奏には全く驚きがなく,全く面白みを感じないのである。普通にやっていては曲の力に勝てるわけがないのだから,もっとチャレンジすべきところを彼らは無難にやり過ぎたため,私は欲求不満に陥るのである。
私はこの音楽に取り組むならば,性根がロックなE.S.T.の方がはるかによかったのではないかと思うが,誤解だろうか?いずれにしても,意欲作とは評価できても凡作に終るという典型的な作品である。おそらくはBeatlesファンなら同じ感覚を抱くと思うのだが,私としては星★★程度にしか評価不能である。これは完全に買って失敗だったが,彼らの名誉のために言えば,アドリブ・フレーズとかは結構いいから,おそらくはオリジナルで勝負した方がいいバンドなのだろうと思う。
Reoorded Live at Casa del Jazz, Rome on March 12, 2007
Personnel: Danilo Rea(p), Enzo Pietropaoli(b, loop), Fabrizio Sferra(ds)
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