John Legend:より広範なリスナーへの訴求を狙った新作
゛Evolver゛ John Legend(Columbia)
私は現代ソウル/R&Bの王道を突き進む存在としてJohn Legendを高く評価してきた。このアルバムはスタジオ録音としては久々になるが,今年の春には素晴らしいライブ"Live from Philladelphia"(紹介記事はこちら)が発売されていたので,渇望感はそれほどなかった。とは言え,今後のソウル界を担う存在であること間違いない彼の新作が出たということ自体めでたい。
今回もこれまで通り,Kanye Westとの共同総合プロデュースではある。しかし,これまでとジャケットの雰囲気が違っているので,店頭で見たときはJohn Legendとは思わなかったぐらいだが,音も随分これまでと感じが違う。よくよく見てみるとプロデューサーは山のようにいる。今回収められている曲が悪いというのではないのだが,かなりポップなイメージが強くて,音楽のタイプも雑多なのである。これは更なるポピュラリティの確保を図ってのことだと思うのだが,私としてはポップさやコンテンポラリーな響きでなくてもこの人は勝負できると思っているだけにやや微妙である。確かにタイトル「進化する者」というのには偽りはないとしてもである。これは完全に好みの問題である。
私はやはりこの人にはダンス・フロア向きの音楽よりも,スイートなクルーナー路線を歩んで欲しいのである。これが彼の次なる「進化」への一つの糧だとして考えればいいのであろうが,それでもこれはちょっと行き過ぎのような気がする。アルバム後半は比較的これまでの路線に近いところもあるから,私としては後半ばかりを聞くことになりかねないアルバムである。ただ,このアルバムをプレイバックするなら私はライブ盤の方を優先するだろう。まぁ次作に期待するということにしようということで,星★★★。
それにしてもブックレットのミュージシャンのクレジットは文字が小さ過ぎて私の目では全く対応できない。虫眼鏡を使わないと見えないようなクレジットってのはちょっと問題があるなぁ。私が年を取り過ぎたせいもあるのかもしれないが,もう少し消費者のことを考えて欲しいものである。よって,いつもは書いているPersonnelについては記述不可能である。
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