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2008年8月22日 (金)

バラエティに富むのもいいが,ここまでいくとねぇ...

Mecca_for_moderns "Mecca for Moderns" The Manhattan Transfer(Atlantic)

私はマントラのキャリアのピークは1970年代後半から83年頃だと思っているのだが,そうした時期に発売されたアルバムで,チャートでも最も上昇した作品である。このアルバムも実家に眠っていたものを久々に引っ張り出して聞いてみた。前作゛Extensions゛に続いて,本作もJay Graydonのプロデュースによるものだが,この頃はGraydonのプロデューサーとしてのピークでもあった。一聴してGraydonの音になっているのはある意味大したものであるが,こういう音は賞味期限を過ぎれば飽きられるのも早い音とも言えよう。日本で言えば,一時期あれだけ栄華を誇りながら,今や凋落著しい小室哲哉的にも思える。どれを聞いても伴奏パターンが同じに聞こえてしまうのだ。 

そうしたJay Graydonはさておき,このアルバムを端的に表す言葉は「多彩」だと思うのだが,逆に言うとあまりに何でもありで節操がない。マントラというグループが,様々な音楽性を吸収したグループであるから,1枚のアルバムにもさまざまな要素が詰めこまれるのはある程度仕方がないのとしても,ここまでくると捉えどころがないとも言えてしまうのではないかと思う。LPで言えばA面に当たる5曲はポップな曲が並んでいるが,B面に相当する後半4曲はジャズ的な要素が強い。しかし,その後半4曲の中でも,全編スキャットで歌われる"Kafka"が異様に浮いているのである(実はこの曲は好きなのだが...)。

ポップなA面においても"(Wanted) Dead or Alive"のように全然いいと思えない曲が入っているのが何とも惜しい。冒頭2曲が好調なだけに,この曲はいかん(というか好かんと言うべきか)。 

それに比べれば,キラー・バラードの"Smile Again"やアカペラで余韻を持ってアルバムを締めくくる"A Nightingale Sang in Berkeley Square"等は今でもそのよさは変わっていないことを考えれば,どうもこのアルバム,トータルなプロダクションに難があると考えるべきだろう。「バラエティに富む」という表現は良くも悪くも解釈できるが,私にとっては一貫性がないということで,どうも落ち着かないのである。上述のとおり,LPならA/B面で性格が変わってしまっているし,各サイドに座りの悪い曲が含まれていることが,このアルバムの難点である。

そうは言ってもSteve Gaddらしいドラミングがほぼ全編で楽しめるし,決して悪い演奏ではないのだが,やはり私には今一つ納得がいかないアルバムである。星★★★。やはりConsistencyというのは重要なのである。 

Personel: The Manhattan Transfer<Tim Hauser, Janis Siegel, Cheryl Bentyne, Alan Paul>(vo), David Foster(p, key), Victor Feldman(p, el-p), Mike Boddicker(key),Yaron Gershovsky(p), Milcho Leviev(p, key), Steve George(key), Jay Graydon(g, key), Steve Lukather(g), Al Viola(g), Dean Parks(g), Abe Laboriel(b), Steve Gadd(ds), Mike Baird(ds), Richie Cole(as), Tom Scott(as, Lyricon), Don Roberts(ts), Jerry Hey(tp), Jon Hendricks(vo)

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