Rickie Lee Jones:今聞いても素晴らしい"Pirates"
゛Pirates゛ Rickie Lee Jones (Warner Brothers)
私はJoni Mithchellはじめ女性ボーカリストのアルバムを結構愛聴しているのだが,その中でもプレイバック回数が非常に多いアルバムの一つである。そもそもこのアルバム・カバー(Brassaiという人の作品だそうだ)からして素敵なこのアルバム,出てくる音もそれに輪を掛けて素敵である。
Rickie Lee Jonesがセルフ・タイトルのデビュー・アルバムを発表したのが1979年,それに続くこのアルバムが1981年で,私がアメリカン・ロック/SSW系の音にもはまり出した時期とも重なっている。もちろん,Norman Seeff撮影のポートレートもよかったデビュー・アルバムもいいのだが,このアルバムの持つクォリティの高さには一歩譲るような気がする。
そのクォリティの高さは冒頭の゛We Belong Together゛から顕著で,私はこの曲こそRickie Lee Jones最高の名作と今でも思っているぐらいである。イントロから何から何までが素晴らしい。また,タイトル・トラックのホーン・セクションなんてまるでSteely Danだが,Donald Fagenが参加しているからそれも当然と言えば当然だが,これまたSteely Danも好きな私にとってはたまらん。そのほかにもスタジオ・ライブ一発録りとは思えないような゛Living It Up"ほかの曲も含め,これはよい。
もちろん,Rickie Lee Jonesの声はかなり個性的でもあるため,実は好き嫌いも分かれるところだとは思うのだが,それでも本作を含めた初期2作品は普遍的な魅力を今でも持つ傑作と評価してよいと思う。これらの作品をプロデュースしたLenny WaronkerとRuss Titelmanはバーバンク・サウンドの元締めのような人たちであるが,私は彼らのプロデュース作はほぼ例外なく気に入ってしまうので,私の音楽的な嗜好とばっちり相性がいい人たちなのだろうと思わざるをえない。そんなことも含め,ジャケを含めたアルバムの持つ雰囲気,歌唱や演奏のクォリティを含め非常によくできたアルバムである。間違いなく星★★★★★。このアルバムを知らない人生は味気ない,と言っては言い過ぎだが,私には潤いをもたらす音楽だと言っておこう。
Personnel: Rickie Lee Jones(vo, key, synth), Buzzy Faton(g), Dean Parks(g), Steve Lukather(g), Davis Kalish(g), Neil Larsen(key), Russell Ferrante(key), Clarence McDonald(key), Randy Kerber(key), Donald Fagen(synth), Rob Mounsey(synth), Mickael Boddicker(synth), Chuck Rainey(b), Steve Gadd(ds, perc), Art Rodriguez(ds), Randy Brecker(tp), David Snaborn(as), Tom Scott(ts, bs), Jerry Hey(tp, fl-h), Sal Barnardi(hca, vo), Arno Lucas(vo), Leslie Smith(vo), Joe Turano(vo)
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コメント
はじめまして。Brett Garsedで、こちらへ辿り着きました。いろいろな音楽の記事、興味深く拝見しました。
Rickie Leeの1-stとコレは、私も良く聴きます。私の、We Belong Together の感じ方が正常かどうかわかりませんが、Gadd のフィルインで早くも絶頂をむかえてしまいます。
個人的には、ジョニ ミッチェルとメセニー先生の、パリの自由人と同じ匂いを感じます。
投稿: ばねじい | 2008年7月17日 (木) 17時56分
ばねじいさん,はじめまして。コメントありがとうございます。
Brett GarsedからRickie Leeへの道のりは長かったのではないかと想像しますが...。「Gadd のフィルインで早くも絶頂」というのは全く同感です。ほとんどのリスナーはそのはずでしょう。゛Freeman in Paris゛と同じ感覚...。なるほど。そういう感覚はこれまではありませんでしたが,試してみます。
引き続きよろしくお願いします。
投稿: 中年音楽狂 | 2008年7月17日 (木) 21時35分
イリノイ州シカゴの出身ながら幼き頃より転居を繰り返し、思春期には酒とドラッグに溺れた経験のあるリッキー・リー・ジョーンズ。それらのことが原因となっているのか、彼女には独特の訛りが感じられます。意識的なものなのか、声質によるものなのか、思春期特有の「若者言葉」の名残りなのかどうかはよく分かりません。ともすれば、ネイティヴでも歌詞カードなしでは彼女の意図が十分に理解できないのではないかと思います。
投稿: Fineline | 2008年7月18日 (金) 00時26分
Finelineさん,コメントありがとうございます。
確かに彼女の英語はわかりにくいですね。おそらくは発声法によるところが大きいと思います。歌詞は今一度吟味してみる必要がありますね。今度はそれを意識して聞いてみます。
投稿: 中年音楽狂 | 2008年7月18日 (金) 22時28分