山下洋輔の保守的25周年記念盤
昨日に続いて山下洋輔である。このアルバムは最初のフリー・ジャズ・トリオ結成から25年を経過したのを記念して,お馴染みの曲を再演したアルバムである。演奏は悪くないのだが,洋輔にしてはかなり保守的なサウンドで,爽快感さえ感じさせるよりフリーなアプローチを期待する私のようなリスナーは肩透かしを食らう演奏となっている。
いきなり幕開けから長ーい名前を音楽化したものとしては「寿限無」に続く第2弾゛Picasso゛である。ここでの客演するJoe Lovanoの演奏からしても,結構コンベンショナルではじける感覚に乏しいし,そのほかの曲でもフリーというよりも真っ当なモダン・ジャズという感じである。それがいいか悪いかと言えば,山下洋輔と思って聞かなければそれはそれでいいのだが,やはりどうも私には居心地が悪い。肘でもてのひらでもいいからもっと鍵盤を叩いてくれーと思うのは私だけではあるまい。
ここでのコアを形成するニューヨーク・トリオそのものが,結成以来そんなにフリーという感覚を放出してこなかったが,ここまで来るとかなり普通だなぁという気がしてしまうのである。上にも書いたとおり,演奏自体は決して悪くないのだが,これは私が山下洋輔に期待するものではないというところがこのアルバムの決定的な問題である。ファンとは勝手なものだが,イメージが違うのだから仕方がない。山下洋輔は25周年記念ながら敢えてリユニオンのようなかたちは取らなかったと語っているが,それはそれでまぁ別に悪いことではない。しかし,彼には悪いが,山下洋輔の「フリー・ジャズ」のファンとしては星★★が精一杯。フラスコ・レーベルのアルバムでも聞き直すとするか。
Recorded on May 31and June 1, 1994
Personnel: 山下洋輔(p), Cecil McBee(b), Pheeroan AkLaff(ds), Joe Lovano(ts), Tim Byrne(as, bs)
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