最近のトラックバック

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

2016年おすすめ作

無料ブログはココログ

« スムーズ・ジャズ両巨頭によるプロジェクト盤 | トップページ | 出張はつらいよ:08/05編 »

2008年5月 5日 (月)

期待を上回る出来だった"Miles from India"

Miles_from_india "Miles from India" Various Artists (Times Square)

全然期待しないで聞いた音楽がことのほかよかったときというのは気持ちのいいものである。このCD等はまさにその好例。インドのミュージシャンとMilesバンドOBの共演と言ってもなかなか食指が動くものではないのだが,中古盤(未開封)で見つけたのでまぁいいかということで購入したものであるが,これが予想を上回る出来であった。

私はこのアルバムを聞く前にはもっとインド色が強烈に出ているのかと思っていたのだが,実はそうでもなく,インディアン・フレイバーが絶妙なスパイスとして効くレベルなのである。そして音楽はMiles本人が不在でも,Milesの音楽らしく聞こえるところは大したものだと評価しなければなるまい。いきなり冒頭の"Spanish Key"からインド風のヴォイスがかぶってくるが,これがMilesの音楽と違和感がなく混在していること自体に驚きさえ感じると言っては大袈裟か。これがMilesの音楽の普遍性だとすれば,やはりMiles恐るべしである。

ここ参加したメンバーがMilesバンドOBの代表的な顔ぶれかと言えば必ずしもそうではないが,それでもMilesの音楽を演奏するにあたっては適切かつ敬意を感じさせる演奏を心掛けているように思える。その中で,Wallace RoneyをバンドOBと呼ぶのは違和感が非常に強いものの,Milesそっくりの音色,フレージングを連発していて笑みを誘う。いずれにしてもこうしたセッション・アルバムをかなり一貫性を感じさせるレベルまで仕上げたBob Beldenのプロデュースをほめなければなるまい。

Cosey メンバーではRoneyのラッパが出てくるといかにもMiles的と思ってしまうから,Roneyが目立つのは当然として,Miles側人脈ではLiebmanがいい仕事をしている。Sternは相変わらずのフレージングで自己主張しているのがこれまた笑みを誘う。また,各々1曲ずつの参加ながら,きっちり見せ場を作っていくChick CoreaとJohn McLaughlinはさすがの存在感。McLaughlinの新譜はインド人ミュージシャンとの共演らしい(Shaktiではない)から,本作での演奏はその新作への布石と考えることができるかもしれない。また,懐かしやMichael HendersonもPete CoseyもBadal Royも皆生きていたのねぇと思わせるが,Pete Coseyが結構激しいギター・ソロを聞かせるのには驚いた。ついでにCoseyの写真もアップしてしまおう。

インド側ではLouiz Banks,Gino Banks(この2人は親子らしい)が非常にコンテンポラリーな響きを打ち出している。彼らがおそらくインドの伝統的な楽器(聞いたことがない名前ばかりだ)との橋渡しをする上で重要な役割を果たしているのではないかと想像される。

演奏では2曲目の"All Blues"などはかなり伝統的な響きで,インドを感じさせるのはシタールだけというように感じてしまうので,冒頭の゛Spanish Key゛とのギャップが大きく,やや半端に感じるところもある。私としては後期Milesの曲で纏めていれば本作に対する評価は更に高くなっていたと思うが,それでもこれは本当に大きく期待を上回る一作だった。星★★★★。いずれにしてもMilesのファンは買っても損はしない。

尚,来る5/9にはNYCのTown Hall,5/31にはSF,6/1にはLAでこのアルバムに参加した一部メンバーによるライブも開催されるそうである。行けるわけはないのだが,ちょっと興味をそそられるイベントではある。

Recorded during November 2006 and July 2007

Personnel:

Miles Alumni: Gary Bartz(as), Ron Carter(b), Jimmy Cobb(ds), Chick Corea(p, key), Pete Cosey(g), Michael Henderson(b), Adam Holzman(key), Robert Irvving III(org), Dave Liebman(ss, fl), John McLaughlin(g), Marcus Miller(b-cl), Ndugu Chancler(ds), Benny Rietveld(b), Wallace Roney(tp), Badal Roy(tabla), Mike Stern(g), Lenny White(ds), Vince Wilburn, Jr.(ds)

Inidian Musicians: Gino Banks(ds), Louiz Banks(p, key), Ravi Chariy(sitar), Rakesh Chaurasia(fl), Selva Ghanesh(kanjira), Sikki Gurucharan, Dilshad Khan(sarangi), Shankar Mahadevan(vo), Rudresh Mahanthappa(as), Pandit Brij Narain(sarod), Sridhar Parthasarathy(mridangam, vo), Taufiq Qureshi(djembe, perc, vo), Kala Ramnath(vln), U. Shrinivas(mandolin), A. Sivaman(perc), Vikku Vinayakram(ghatam)

« スムーズ・ジャズ両巨頭によるプロジェクト盤 | トップページ | 出張はつらいよ:08/05編 »

ジャズ(2008年の記事)」カテゴリの記事

新譜」カテゴリの記事

コメント

ウォレス・ルーニーを起用したので、あまり期待はしてませんでしたけど、全曲に参加しているわけでもなく、曲によってはトランペット以外でマイルスを表現できているところなどはスゴいと思いました。もちろん、ウォレス・ルーニーも良かったですよ。

アップしたのは今日ですけど今まで2枚組を3回以上聴いてまして、お気に入りのアルバムとなりました。

TBさせていただきます。

910さん,コメントありがとうございます。Wallace Roneyには私も期待していなかった(VSOPやモントルーの件がありますから...)だけに,予想外の好演だったと思います。

こちらからもTBさせて頂きます。

悪い盤ではないと思うんです。
思うんですけど、飽きるのも早いかなぁと..

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,コメント,TBありがとうございます。

まぁこのアルバム,しょっちゅう聞きたくなるかと言えばそうでもないですね。

ちなみに私がエレクトリック期でまとめた方がいいのではというのは,私のRon Carter嫌いによるところ大かもしれません。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198475/41025750

この記事へのトラックバック一覧です: 期待を上回る出来だった"Miles from India":

» マイルス・フロム・インディア [ジャズCDの個人ページBlog]
マイルス・デイヴィスのトリビュート盤というか、企画アルバムというか、マイルスゆか [続きを読む]

» Bob Belden Miles from India [JAZZとAUDIOが出会うと...]
ボブベルデンがプロデュースした作品は、いくつか聴いていると記憶していますが、これはMiles Davisゆかりの演奏者にインドのミュージシャンを足してMiles Davisの音楽を演るという企画です。 企画モノというと、得てして期待はずれ(と言ってもいいが)とまでは言わなくても、思ったより全然良いじゃんってなることはマレだと思うのですが、はてさて..。 とはいえ、ここんところ書籍面でMiles付いているので、その勢いで買い込んできました。 メンツは多すぎて書くの大変なので、Mi..... [続きを読む]

« スムーズ・ジャズ両巨頭によるプロジェクト盤 | トップページ | 出張はつらいよ:08/05編 »

Amazon検索

2017年おすすめ作