最も4ビートに傾斜したSteps Aheadか
゛Holding Together゛ Steps Ahead(NYC)
Steps Ahead(あるいは単なるStepsでもよいが...)と言えば,Mike MainieriとMichael Breckerのコンビが前提と考えられてしまうのは致し方のないところであるが,コンテンポラリーな感覚の4ビートを生み出したということでは彼らの果たした役割は大きい。実は私はBreckerが抜けてからのSteps Ahead(Bendikが参加している頃)も結構好きでアルバムやライブも聞いてきたのだが,このアルバムはそうした彼らのアルバムの中で最もストレート・ジャズ色が濃いものと言ってもよいのではないかと思う。
もともとこのアルバムはMike Mainieriが主宰するNYCレコードのサイトでのみ購入できたものであるが,その後一部マーケットに流通するようになったのは,このアルバムの隠れた人気を裏付けるものかもしれない。本アルバムは1999年の欧州ツアーの模様を収めたものだが,このストレート・ジャズ色を生み出しているのは基本的にはMarc Johnson~Peter Erskineのリズム隊であろうと思う。このコンビ,あの名グループ,Bass Desiresのリズムであるから,比較的コンテンポラリーなリズムもいけるのは確かだが,Johnson自身はやはりどちらかというと,コンベンショナルなセッティングでのベース・プレイが主であり,エレクトリックなSteps Aheadには合うまい。
それはそれで確かなのだが,更にこのアルバムのストレート・ジャズ色を強めているのがEliane Eliasのかなりゴリゴリしたピアノである。最近はボーカリストとしての存在感ばかりが強調されているが,ピアニストとしてもかなり強力な人であることがこのアルバムを聞けば即座に理解できるはずである。はっきり言ってこれはかなり弾きまくっていて,相当の豪腕ぶりにはソフトなElianeしか知らないファンは驚かされるに違いない。
こうしたリズムに煽られて,Bob Bergは相変わらずのBerg節を連発し,Mainieriはいつもよりもコンベンショナルな響きを聞かせる。Steps Aheadがまさか"Soul Eyes゛をやるとは思わなかったが,これはSteps Aheadとして聞くとやや違和感を覚えるリスナーもいるかもしれないとしても,結構いけてるジャズ・アルバムとして知っておいて損はない。星★★★★。
Recorded Live in Europe in July, 1999
Personne;: Mike Mainieri(vib), Bob Berg(ts), Eliane Elias(p), Marc Johnson(b), Peter Erskine(ds)
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コメント
はじめまして。東京ユニオンのブラックパールのレコードのコメントを見て書かせて頂きました。このレコードは私も持っていますが、ユニオンの名盤と言えますね。録音もいいし、ドラムが4ビートも8ビートも安定して叩いているのがアルバムとしての完成度を上げた一因とも考えておりますが、いかがでしょうか?
投稿: オバルディ | 2008年5月31日 (土) 22時49分
オバルディさん,はじめまして。コメントありがとうございます。
確かにこのアルバム,4ビートだけではないので,ドラムスに限らず,リズム隊の貢献度が高いと思います。
このアルバムに収められているようなコンテンポラリーな演奏もできるのが,東京ユニオンの強みだったのではないかと今にしてみれば思えますね。
これからもよろしくお願いします。
投稿: 中年音楽狂 | 2008年6月 1日 (日) 09時57分