Chris Andersonが亡くなったそうである
゛Blues One゛ Chris Anderson(DIW)
やや旧聞に属するが,Chris Andersonが去る2月に亡くなったそうである。享年81歳。重度の身体障害に盲目というハンディキャップを抱えた割には長命だったのが救いであるが,また味わいのあるピアニストがこの世を去ったことになる。
Chris AndersonはHerbie Hancockに影響を与えたとされているが,このアルバムを聞く限りそうした感覚は強く感じられない。むしろどちらかと言えば独特なスタイル(決して流麗とは言えない引っ掛かるようなフレージングと言えばよいかもしれない)のずっと渋いピアノを弾く人だと思う。このアルバムは90年代の初頭に日本のDIWレーベルによって吹き込まれた久々のAndersonの作品として一部で話題になったものだが,こうした人を発掘してくる日本のレコード会社のセンスは認めるべきであろう。
Andersonは晩年はNaimレーベルにCharlie Hadenとのデュオ作を吹き込んだり,多少は以前よりも注目を浴びるようにはなっていたが,やはり地味な存在だったことには間違いない。こうした人が定期的に出演していたBradley'sというクラブの慧眼ぶりはやはり凄いということになるが,それもここで共演しているRay Drummond経由のことかもしれない。Drummondは結構Bradley'sに出演していた記憶があるので,おそらくはその紹介によるものではないかと考えられるからである。
いずれにしてもここでも共演者の控え目な伴奏に乗ってChris Andersonのピアノが楽しめる佳作アルバムである。尚,Andersonのソロで演じられる゛Summer of '42(おもいでの夏)゛ってのはやや異色である。Thelonious Monkのようだとまでは言わないが,かなり訥々とした「おもいでの夏」ではある。星★★★★。
謹んでご冥福をお祈りしたい。
Recorded on May 18, 1991
Personnel: Chris Anderson(p), Ray Drummond(b), Billy Higgins(ds)
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