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2008年4月 3日 (木)

Brand X系ジャズ・ロックを聞かせるGary Boyleだが...

Gary_boyle "The Dancer" Gary Boyle(Gull)

 「こんなものまで紙ジャケットで」と私はしょっちゅうこのブログに書いているが,この作品にも同じことを言いたくなるようなアルバムである。Gary Boyleだ,Isotopeだと言って,今の日本でどの程度の人が反応するかはよくわからないが,このアルバムが発売された1977年当時にはジャズ誌にもレビューが掲載されたりして,ちょっとした話題になったアルバムである。それでもこのアルバムが出たからといって色めき立つ人って本当に多いのだろうか?(買っている私は人のことは言えないが...。)

冒頭の"Cowshed Shuffle"からしていかにもBrand X的に響くが,よくよく見ればプロデューサーが当時Brand XにいたRobin Lumleyだし,Lumleyがエレピを弾いているから,そうしたサウンドになるのも不思議はない。この曲では何とZombiesのRod Argentがミニ・ムーグで結構いけているソロを聞かせるが,有能なミュージシャンは何をやらしてもうまいということか。この1曲目を聞いているとこのアルバムに対する期待が高まる。しかしである。2曲目のタイトル・トラックでいきなりずっこける。はっきり言って曲がつまらない上に,アレンジが軽薄である。これは作曲,アレンジを担当したZoe Kronbergerの責任。3曲目の"Now That We're Alone"はBoyleが参加しないインタールード的な曲であるが,4曲目のBoyleがアコースティック・ギターに持ち替える"Lullaby for a Sleepy Dormouse (for George)"でムードを持ち直している。2,3曲目はLumleyが参加していないことからして,私の嗜好に合ったサウンドを生んでいるのはLumleyの持ち込むテイストということになるのではないかと判断されるLPで言えばSide Aである。

 LPで言えばSide Bに当たる5曲目以降にはLumleyが全面的に参加しているが,5曲目の"Armond Burfi"がこれまた曲が面白くない。6曲目の"Pendle Mist"でまたまたブリティッシュなウェットな感覚を示して持ち直す。7曲目の"Apple Crumble"はサウンドは再度Brand X的に転じるが,これも演奏はさておき曲が今イチだし,Dave MacRaeのピアノ・ソロがまたつまらん。そして最後はHerbie Hancock作"Maiden Voyage"である。この曲はBoyleの以前のボスであるBrian Augerに捧げられているが,演奏としてはBoyleのギター・ソロはまだしもアレンジが駄目である。Herbieの演奏が持つムードもへったくれもないのである。

ということで,全体的に見れば,Lumleyが参加しているかどうかはほとんど関係なかったわけだが,私にとってはこのアルバムを聞いている時間があるならBrand Xを聞いている方がはるかにましという程度の出来である。もちろん,アルバムの中にははっとさせる瞬間もいくつかあるが,それはどちらかと言えば数少ない瞬間でしかないのである。冒頭の"Cowshed Shuffle"が一番よかったというのでは,期待させておいて...ということでガックリ感が強まっただけである。結局,そこでのRod ArgentのソロとSimon Phillipsのバッキングがこのアルバムの目玉と言えるかもしれない。星★★。

Personnel: Gary Boyle(g), Robin Lumley(key), Rod Argent(key), Zoe Kronberger(key), David MacRae(key), Doni Harvey(b), Steve Shone(b), Simon Phillips(ds), Jeff Seopardie(ds), Maurice Pert(perc), Maggie Pert(vo)

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