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2008年3月 5日 (水)

突如発売されたSteve Khanの94年のライブ盤は素晴らしい出来

Khan "The Suitcase" Steve Khan (ESC/55 Records)

Steve KhanのEyewitnessバンドのアルバムが,80年代初頭に当時のトリオ・レコード(だったはず)主導でリリースされたのは日本のジャズ界として誇っていい事実である。なんてたって,1stには「ドクター・スランプ」なんてお茶目なタイトルの曲も入っていた(本作にも収録されている)。とは言え,私はその当時LPを購入したものの,そのよさがわかっていたとは言えず,結局はLPを売り払ってしまったのは今となっては悔やまれる。今にして思えば,Khan~Jackson~Jordan~Badrenaって変なメンツながら,今なら音が目に浮かびそうだというのが,私も経験値を積んだということか。

そのSteve Khanの1994年のドイツにおけるライブが突如発売された。メンバーはEyewitnessのバンドメイトであるJacksonに,猛爆ドラマーDennis Chambersである。これはメンツを聞いただけでも思わず期待が高まってしまう。しかも1曲の演奏時間が長い。最短で5分強,最長で18分弱もある。どんなインタープレイが聞けるのかと思ってしまうではないか。

この2枚組はそうした私の期待を完璧に満たすものであり,私としては近年稀にみるギター・アルバムと思ってしまった。一聴するとWayne Krantzのように聞こえる瞬間もあるのだが,よくよく考えてみれば,時系列的にはWayne KrantzがSteve Khan的だったのだとこのアルバムを聞いてようやく納得したのである。ディスク1の1曲目から聞き覚えのある曲が登場し,それだけでもうれしいが,その後に展開される演奏も全編を通してよい。Jacksonとは当然としても,Dennis Chambersとのコンビネーションがこれまた素晴らしい。はっきり言ってDennis Chambersは何を叩かせてもうまいが,ここでもわかるとおり,Khanとの相性も相当よい。本当に大したドラマーである。

Dennis Chambersと言えばこんな逸話がある。Dennisは大したドラマーであるとともに,あの強面にもかかわらず,実は奥ゆかしいのを私は知っている。サックスとのBill Evansとのライブだったと思うが,私がライブ終了後,彼に"Hey, Dennis, you are the greatest"と話しかけたら本人は言下にそれを否定,私がそれに対して゛If not, you are the finest"と言ったら微笑んでいたのが忘れられない。人間としても謙譲の美徳を備えた人なのである。人は見かけによらない。

話が横にそれた。そうしたメンツに囲まれて,ここで展開されるKhanの演奏はベストに近いものと思われる。総じて演奏時間が長いので間延びする瞬間なしとは言わないが,これはかなりの傑作と私は評価する。特に私はディスク1の方を高く評価したい。トータルでは星★★★★☆。

ちなみに私が最後にSteve Khanを生で見たのは,今はなきNYCのBottomlineにおけるCarribean Jazz Proectの一員としての演奏だったが,悪い演奏ではなかったものの,テンションが高いとは言えないものであった。私としてはこういう演奏をライブで見てみたいと切望せざるをえない。

もう一つ,Steve Khanは基本的にライブは1回性のものであるから,ライブ・レコーディングは好まないとか言っているが,昔,Eyewitnessの六本木ライブ盤ってあったような。ちょっと言行不一致?とか突っ込みたくなってしまった(が本作の出来とは当然無関係である。あくまで余談です)。

Recorded Live at Stadtgarten Club, Koln, Germany on May 17, 1994

Personnel: Steve Khan(g), Anthony Jackson(b), Dennis Chambers(ds)

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コメント

こんにちは。
このアルバム、期待しております。
明日あたり届くようです。

jazz_power_of_3さん,コメントありがとうございます。

期待は決して裏切られることはないと思います。期待してお待ち下さい。94年録音なのに,今年のベスト盤候補ですよ。ちょっと微妙ですが。

こうぞうです。
「いやあ素晴らしい」とコメントしようと思ってよく考えてみると自分が聴いていたのは2007年リリースのborrowed time でした。ライブという割にはまったく周りの音が無いなあ(気づくのが遅い?)と思っていました。でも結局電子データでの購入はできないので、物理CDでの購入をしました。
今週金曜日にはつくのかな。
Dennis Chambersが一緒にやっているのならcrossingはもっています。
Steve Khan、こんなことを言うと失礼なのですが、普段はあまり気にならないのだが、突如として聴きたくなる人だなあ。

そういえば今週月曜日マニラにリーリートナーがきました。2月末からフィリピンではJAZZ週間のような感じで色々催しがありました。小生の住んでいる近くでもフランスのピアニストがなにやらやっていたなあ。

こうぞうさん,お久しぶりです。コメントありがとうございます。私は聞いていませんが,"Borrowed Time"も結構評判よかったですよね。

Lee Ritenourですか。杏里は連れてきていたんでしょうか。そんなわけないか。

引き続きよろしくお願いします。

TBさせていただきます

ただただ、凄い演奏だ という情報だけで買いを決めました。

が、聴いてブッたまげました。

oza。さん、コメントありがとうごいます。

やはりこのアルバムは相当いいですよね。よくぞ発売してくれたと感謝してしまいます。こちらからもTBさせて頂きます。

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» Steve Khan THE SUITCASE [JAZZとAUDIOが出会うと...]
多分、初Steve Khan盤です。 某所にて、発売される情報と、この盤は凄いという話を見つけまして、他のことはあまり深く考えずに 発注をかけました。 これは、1994年のライブなのですが、情報によると以前からBootとしては流れていたもので、Steve Khan本人が、その演奏を聴いて自身の演奏に聴き入ってしまったらしく、それから正規盤発売に向けて動き出したようです。 メンツは、泣く子も黙るSteve Khan(G)、Anthony Jackson(B)、 Dennis Chamb..... [続きを読む]

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