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2008年3月30日 (日)

待望のBrad Mehldau Trioの新作(1)

Brad_live "Live" Brad Mehldau Trio(Nonesuch)

私にとっては待望のと言うべきBrad Mehldauのトリオによる新作である。タイトルが物語るとおり,四度名門Village Vanguardにおける実況録音盤となっている。

昨年のBrad Mehldauの活動は,Pat Methenyとの演奏が中心で,このトリオでそのツアーに参加していたとは言え,トリオとしての活動は棚上げになっていた。しかし,これまで繰り返し述べてきたように,私はMetheny~Mehldauの共演には大きな成果を見出せず(理由は既に書いたが,MehldauがMethenyに遠慮し過ぎて,彼の個性を発揮できなかったと感じる),日に日にこのトリオでの演奏への渇望感だけが増してきていたのである。そこへ2枚組のライブ盤登場である。今回は気合を入れてこのアルバムについて書こうと思うので,ディスク1,2を2回に分けて書こうと思う。

本日はディスク1であるが,冒頭は何とOasisの"Wonderwall"である。MehldauはこれまでもRadiohead,Nick Drake,Beatles等ロック畑の曲のジャズ・アダプテーションに取り組んできているので特に驚きはないが,それにしてもOasisと来たかぁという感じである。しかし,演奏は快調そのもの。いきなる嬉しくなる出来である。2曲目はMehldauのオリジナル"Rudy's Rub"でスリリングな4ビートで迫る。3曲目はこれまた何とと言うべきChico Buarqueの"O Que Sera"である。Buarqueはブラジルの知識人ミュージシャンと言ってよい人だが,結構インテリなMehldauがシンパシーをおぼえても不思議はない。このあたりにMehldauの音楽的な嗜好も見て取れる。

続くMehldauのオリジナル"B Flat Waltz"も軽快に楽しめる出来。そして最大の驚きは次の"Black Hole Sun"である。この曲はグランジ・バンドであるSoundgardenのオリジナルである。Mehldauがこんな曲まで聞いているというのはある意味驚きであるが,ここでの演奏が,Mehldauとしてはかなりフリーに傾斜したアプローチなのも驚きである。Larry Grenadierが執拗に同じフレーズを繰り返す中,Mehldauがこれまでにないタッチを聞かせるのは驚きである。しかし,この曲,Grenadierをフィーチャーしているということがあるにしても,23分超はやや冗長に響く。このアルバムの収録曲は全体的に演奏時間が長いのだが,ライブという点は差し引いても,もう少しコンパクトにしてもよいように感じさせる部分がある。

そしてディスク1の最後を締めくくるのは"The Very Thought of You"であるが,こうした一音一音を紡ぐようなバラードを弾いたときに,Mehldauの真骨頂を感じる。何とも美しい表現である。演奏の最後はMehldauのソロ・パートとなるが,途中で出てくるゴスペルのようなタッチはKeith Jarrettの影響か。しかしそれも一瞬だけだが,相変わらずのMehldauタッチである。いずれにしてもライブでなければ,こうしたソロ・パートはなくてもよかったものだろう。

ディスク1を通して聞いてみて,私の彼らの音楽への渇望感はかなり満たされたと言ってよい。もちろん,私はMehldauのファンであるから贔屓目もあるが,やはり現代を代表するピアノ・トリオの一つと言ってよいだろう。ドラムスのJeff Ballardは前任のJorge Rossyのような繊細さとは違う持ち味を醸し出しているように思うが,ディスク2を聞いてから,改めて書くことにしよう。

Recorded Live at the Village Vanguard, NYC on October 11-15, 2006

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

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コメント

本日CD入手しましたので、聴いた後で改めてコメントしたいと思いますが、確かこれは4度目のバンガードライブと思います。アートシリーズ2、4、5がライブでしたよね。

カビゴンさん,ご指摘ありがとうございます。まさしくそのとおりですので,記事を早速訂正させて頂きました。

Village Vanguardをホームグラウンドとしているように思えるMehldauですが,それにしても4作目のライブ(それも全部Vanguard)というのは凄いですよね。

どうもTBありがとうございました。

また私のブログにコメントいただき、ありがとうございます。あの中年音楽狂さん、ということでどなたかはっきり分かりました。ご挨拶が遅れましてすいません。今後ともよろしくお願いします。

個人的には変拍子ファンクのタイプの曲が好きなのですが、そうすると私の場合、ジェフ・バラードのドラミングの方が好みかな、とも思います。ただ、やっぱり適材適所というのはあるようですね。ここ何枚かはバラードで固定してますので、今後もこのメンバーで追いかけて行きたいと思っています。

910さん,コメントありがとうございます。

私がブロガーと化する以前から接近遭遇させて頂いていましたが,今後はネットの世界でもよろしくお願い致します。

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