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2008年1月22日 (火)

Weather ReportとManhattan Transferの共演は...

Playboy "In Performance at the Playboy Jazz Festival" Various Artists(Elektra Musician)

 

このライブ・アルバムが出てから随分な時間が経過したが,このアルバムのハイライトは今も昔もライブにおけるWeather ReportとThe Manhattan Transfer共演による"Birdland"であることは間違いない事実であろう。私も実はこの2枚組でまともに聞いてきたのはその部分だけのような気がする。今回,この記事を書くために本当に久々に全編を聞いてみたのだが,時代の経過ゆえの感慨もあったのでそれについて書いてみたい。

 

LP1枚目のA面はPieces of a Dreamの"Take the A Train"から始まるが,そもそも私はこのバンドに関心を抱いたことがないし,彼らのようなフュージョン・グループが敢えてこの曲をやる意義は全く見出せない。彼らは2曲目に入っているその名も"Pop Rock"のような曲をやっていればよいのである。この面ではGrover Washington, Jr.がアルバム"Winelight"から2曲やっているが,彼のサックスの響きがスタジオでもライブでも殆んど変わらないのはある意味驚異的。あのまんまの音がライブの場でも再演されている。

 

そして注目のW.R./M.T.のコンビが登場するのはB面だが,そのサイドの頭2曲はWoody Shaw入りのDexter Gordon Quintetの演奏が入っている。Woody Shawが惜しくも早逝したのは1989年のことだが,このアルバムが吹き込まれた82年頃というのはまだWoody Shawの活動のピーク期にあった頃で,"Fried Bananas"におけるWoodyの音圧に驚かされる。2曲目の"You've Changed"がDexterのショーケースとなっており,Woodyの出番が殆んどないのは誠に残念。

 

そしてWeather Reportが単独で"Volcano for Hire"を軽快に決める。Wayne Shorterのテナーが最高である。これはJaco退団後のVictor Bailey~Omar Hakimのリズム隊によるものだが,私はこのメンツはもう少し評価されてもいいのではないかと思っている。今にして思えば"Live Under the Sky"で見た彼らの演奏は結構強烈だった。そしてM.T.入りの"Birdland"の登場となるわけだが,聴衆の熱狂ぶりが凄くて,ほとんど歓声が音割れしているぐらいである。しかしながら,彼らが共演したことによるシナジーを生んでいるかと言えば,それはまた別の話である。別にこれならばW.R.がバックでなくてもいつものM.T.の"Birdland"と大差ないのである。まぁ,どっちが先かはわからないのだが,M.T.がW.R.の"Procession"にゲスト参加していることもあって,結局はこれはフェスティバル特有のサプライズ演出に過ぎない。沢尻エリカではないが,「別に...」って感じの演奏と言っては冷たすぎるだろうか。

 

2枚目のディスクはまずArt Farmer/Bennie GolsonのJazztetコンビにNancy Wilsonが加わるというものだが,私は申し訳ないがNancy Wilsonの声がどうにも苦手なので,ここは彼女抜きのコンボの演奏を楽しみたい。"Stablemates"や"I Remember Clifford"なんてさすがに手馴れた演奏で楽しめる。Golsonは"Stablemates"で,Farmerは"I Remember..."でショーケース的に吹きまくっている。それでもってやっぱり私はNancy Wilsonはダメ。聴衆には受けているが,これは生理的なレベルの問題なので何も言えない。

 

最後のサイドDはThe Great Quartetという名前だけ聞けばなんのこっちゃというバンドの演奏だが,このHubbard~Tyner~Carter~Jonesという組合せはMilestone Jazz StarsとMcCoyの"4X4"アルバムからFreddieを引っ張ってきたようなある意味豪華なメンツである。しかし,演奏の方はと言うと,このメンツならではの昂揚感に乏しくてはっきり言って面白くない。まぁこれもフェスティバル向けのお祭りセッションって感じなので,目くじら立てても仕方がないが,ちょいとお気楽すぎやしないか。よかったのは「言い出しかねて」のエンディングのFreddieのソロだけではねぇ。

 

ということで,このアルバム,メンツの組み合わせ的にも何だかな~というものだし,やっぱりトータルでは今イチである。これでは再発要望も高まらないのは仕方ないか。結局一番よかったのはWR単独の演奏とBenny Golsonだったりして。ということで星★★。

 

Recorded in June 1982

 

Personnel: Pieces of a Dream(Curtis D, Harmon(ds, perc), James K, Lloyd(key), Cedric A. Napoleon(b)), Grover Washington, Jr.(as), Richard Lee Stecker(g), Darryl Washington(ds), Leonard "Dr." Gibbs(perc), Dexter Wansel (synth), Dexter Gordon(ts), Woody Shaw(tp), David Eubanks(b), Kirk Lightsey(p), Eddie Gladden(ds), Weather Report(Joe Zawinul(key), Wayne Shorter(ts, ss), Omar Hakim(ds), Jose Rossy(perc), Victor Bailey(b)), The Manhattan Transfer(Tim Hauser, Janis Siegel, Cheryl Bentyne, Alan Paul), Art Farmer(fl-h), Benny Golson(ts), Michael Wolfe(p), James B. Williams(b), Roy McCurdy(ds), Nancy Wilson(vo), Freddie Hubbard(tp), McCoy Tyner(p), Ron Carter(b), Elvin Jones(ds)

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