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2008年1月29日 (火)

Warren Bernhardt:元祖スムーズ・ジャズ?

Bernhardt "Manhattan Update" Warren Bernhardt(Novus)

冒頭からしっとりした"Sara's Touch"でスタートするというのがBernhardtらしいと言うべきだろうか。Warren Bernhardtと言えば,一時期Steps Aheadのメンバーだったり,Steely Danのツアー・メンバーだったり(そう言えば浦安のNKホールで見たときにいたなぁ。ドラムスは確かPeter Erskineだったし,サックスはChris PotterだったようなBob Sheppardだったような...)と様々な活動があるが,どちらかと言えばセッションマンとしての活動がメインのように感じられる人である。しかし,DMPレーベルには結構な数のリーダー作も残しているので,日本と本国ではそのイメージに乖離があるかもしれないが,私の中では結構リリカルなピアノを弾くプレイヤーとの印象が強いのはこのアルバムの冒頭の"Sara's Touch"のせいもあるかもしれない。(ちなみにこのアルバムがStepsの"Smokin' in the Pitt"でも演奏される"Sara's Touch"の初演か。)

アルバム全編を通して聴いても,リリカルという印象は変わらない。当時のフュージョン・アルバムにしてはアップ・テンポの曲が少ないのはある意味特殊である。唯一のアップテンポと言ってよいタイトル・トラックがこれまた当時の典型的なフュージョンって言う感じなのは微苦笑を誘うが,普通のアルバムならこれがA面1曲目に座っていそうなものである。また,このアルバムがフュージョン系のものとして珍しいのは,ほぼ固定メンツで録音されていることだろうか。Bernhardtの個性もあるだろうが,それゆえにアルバム全体のトーンが一定なのである。但し,管(普通ならMichael Breckerを迎えるだろう)が入っていないことも影響しているかもしれないが,サウンドはかなり軽く,NYCレコーディングらしい感覚はほとんど感じられない。それがこのアルバムに対する好みを決めるのではないかと思う。ある意味,フュージョンらしい「決め」もあまりなく,耳障りのよいイージー・リスニング系の音楽だと言われても仕方がないのである。

但し繰り返すが,聞き心地はかなりよいので,「ながら音楽」として流しておくにはちょうどよいかもしれない。今にして思えば元祖「スムーズ・ジャズ」みたいな感じだろうか。星★★★。

それにしても,このBernhardt,1938年生まれということだから今年で70歳である。よくよく考えると,これってかなり恐ろしい事実である。まぁでもこのアルバムが吹き込まれたときには40代前半であるから,別に不思議はないか。でもこのときには結構なベテランだったのねぇと妙な感心の仕方をしてしまう私である。最近では自主レーベルでショパンやラヴェルやラフマニノフなんかも録音しちゃったみたいだし,うーむ,捉えどころがない。

Recorded in January 1980

Personnel: Warren Bernhardt(p, key), David Spinozza(g), Mike Mainieri(vib), Anthony Jackson(b), Tony Levin(b), Steve Gadd(ds), Errol "Crusher" Bennett(perc), Pat Rebillot(p, key), Ed Walsh(synth prog)

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