Tom Harrellの素晴らしいメロディ・センス
私が初めてTom Harrellのライブを見たのはNYCのBirdlandでのことだったが,そのときは彼の抱える身体的精神的事情を知らなかったために,見ていて非常に不思議な思いをさせられたものである。ほかのプレイヤーのソロの間はずっとうつむき加減なHarrellが自分のソロになると,鋭いフレーズを連発するという落差に驚かされたというのが事実である。
そのTom Harrellを某所(知っている人は皆知っているが,諸事情を踏まえ,場所も共演者も敢えて書かないことにする)において久々に見る機会があったのだが,Tom Harrellの素晴らしいメロディ・センスは健在であったというのがまずは第一印象。あれだけ暖かい聴衆に囲まれれば,それなりの調子を発揮できるのも当然と言えば当然かもしれないが,フリューゲルを中心に,後半ではトランペットでもよいソロを聞かせていた。
私が感心してしまうのは,Tom Harrellのラッパの音域は決して広いものではない(強烈なハイノートはほとんどに吹かない,あるいは吹けない)にもかかわらず,ある意味限られた音によって紡ぎ出されるフレーズが人の心を掴んでしまうことである。ギミックなしであのフレージングというのは大した才能と言ってもよい。また,ステージで演奏したHarrellのオリジナル,"Moon Alley"も"Sail Away"もそりゃ皆好きだよなーという感じの佳曲であり,作曲の才能も見直す機会となった。
今回も自身がラッパを吹くとき以外は下を向いているか,ステージの袖に引っ込んでいたが,アンコールを求める声を無視するかのように,あくまでも「冗談で」ステージから降りようとする素振りを見せるなどお茶目なところも見せたTom Harrellであった。
今回のライブ,Tom Harrellに気を使ってか,かなりお手軽な選曲ということもできるのだが,そこはHarrell信者の集いのようなものであったから,どうこう言うのは野暮であろう。いずれにしてもこの機会を与えてくれた八木ブラザース(大きい方)にこの場を借りて感謝しておきます。ありがとうございました。
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コメント
お疲れ様でした。想定外のいい席で、得しましたな。
>ギミックなしであのフレージング
確かに、できそうでなかなかできないことなのかもしれません。トムハレルに魅かれる人って、無意識にそこらへんの良さを感じてるんだろうなあ。
また、何かライブご一緒しましょう。
投稿: やぎ | 2008年1月27日 (日) 20時39分
やぎさん,コメントどうも。
確かに凄く得をしてしまった気分でしたが,これもあなたの「徳」のおかげ?
次はGrossman再来日を待望すということで,引き続きよろしくどうぞ。
投稿: 中年音楽狂 | 2008年1月27日 (日) 21時25分