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2008年1月20日 (日)

"Decoy":B面でMilesのファンク爆発

Md "Decoy" Miles Davis(Columbia)

復帰後のMiles Davisのアルバムでどれが好みかと言われれば,"We Want Miles"は別格にして,私はこの"Decoy"というアルバムが結構好きである。次作"You're Under Arrest"になると,ポップさが増し過ぎて,私にはちょっと...と言う世界に入ってしまった。もちろん,"You're Under Arrest"の歌心は非常に素晴らしいものだと思うのだが,ファンクネスが後退してしまっていて,非常に微妙なのである。

それに比べれば,このアルバムのファンクネスは素晴らしいし,Milesのラッパもおそらく復帰後随一の「鳴り」っぷりである。特にLPならB面に収められたMiles~John Scofield共作による3曲こそ,私がこの時代のMiles Davisに求めていた音楽だと言ってしまおう。よって,LP時代はこのアルバムはほとんどB面しか聞いた記憶がない。A面は冒頭の"Decoy"や"Code M.D."はいいのだが,そのほかの2曲がテクノの出来損ないのような響きで私には魅力が感じられない。それに比べてB面は"What It Is"の初っ端からDarryl Jonesのスラッピング・ベースが興奮度を高める。これで乗れない人は,ファンク期のMilesを聞いても駄目だろうと言い切ってしまっては暴言かもしれないが,Milesかくあるべしという演奏なのである。思わずアンプのボリューム・ノブを右に回すのは私だけではないはずである。そしてGil Evansがアレンジに絡んだ"That's Right"でスロー・ダウンしながらも,Milesは朗々としたソロを聞かせた後,John ScofieldとBranford Marsalisがなかなかに素晴らしいソロを聞かせる。そして最後の"That's What Happened"にファンクを炸裂させて(ここでまたボリューム・ノブを右に回したくなる)締めるという展開が素晴らしい。ちなみに"What It Is"と"That's What Happened"はライブ音源らしいが,それゆえの熱さという気もするが,この完成度は驚異的である。

こうして聞いてくると,MilesとJohn Scofieldの相性の良さが際立っているように思うし,後のライブでも"That's What Happened"はよく演奏されていたから,Milesもこの曲には魅力を感じていたものと想像される。やはり今聞いても燃えるものは燃える。星★★★★☆。

尚,このアルバムではサックスはBranford MarsalisとBill Evansが参加している(共演はない)が,演奏に両者の個性の違いがよく出ていて面白い。Bill Evansのソロがそれまでの作品と同様のフレージングを感じさせるのに対し,Branfordが違った感覚を持ち込んでいて,ことサックスのパートに限って言えば,Branford参加曲の方が新鮮に響いている。このまま,BranfordがMilesのバンドに参加していたらどういうことになっていたのだろうか。想像するだけで興味深い。

Personnel: Miles Davis(tp,key), Branford Marsalis(ss), Bill Evans(ss), John Scofield(g), Robert Irving, III(key), Darryl "The Munch" Jones(b), Al Foster(ds), Mino Cenelu(perc)

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コメント

私の場合、当時はジャズ初心者(ファンクも)だったので、自作の方を当初多く聴いていた覚えがあります。ただ、ジョン・スコとの関連でいろいろ聴きだしてからは、このアルバムの作曲あたりも、なるほどと思って聴き直した記憶が。いずれにしても、もう30年以上も前の話なんですねえ。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

そうですねぇ。もう35年近くの歳月が経過していますが,ちっとも古びた感じがしないのは立派です。というか,私はこの時期の同時代を過ごしてきたこともあって,思い入れが強いんだと思います。

いずれにしても,このアルバムを購入して,当時よく通っていたジャズ喫茶でプレイバックしてもらった時に,マスターがB面で激しく乗っていたのも懐かしいです。気持ちはよくわかります(笑)。

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